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  • 執筆者の写真_ ぬぺ

王様戦隊キングオージャーVSドンブラザーズ

何をやってもいいと思ってるんだろうな






ということで行ってまいりました!

結構真面目にここ最近のVSの中ではトップクラスに良かったと思う、ということで感想を書いていこうかな~と。

ネタばれもあるんでお気を付けくださいませね。







「彼らは全員、いろいろあって、死んでしまったのだ。」


※公式からの引用です




あまりにも雑な導入すぎんだろ、と思っていたのですが。

ある程度は仕方ないと思います。30分の尺であれこれやるんだから。


でも実際、割とちゃんと説明付けはされてましたよ。

突然の訪問者にびっくりしてお餅をのどに詰めてしまったギラ、

なぜかキングオージャーの世界におり、死の国の存在をしってギィちゃんに会いに行くために自死するタロウ、

いつも通り暴れた大野稔氏によってキングオージャーの世界に飛ばされたドンブラザーズたち。

そういえば大野氏、スーツだったということは就職できたんだ。めでたい。



レッドたち以外にはちょっと交流の時間があったのですが、この辺の相性の良さにびっくりした。


文学を嗜む猿原とジェラミー、さっぱり分からないヤンマ。

世界で最も短い詩と呼ばれる俳句を嗜む猿原に、「行間」を重視するジェラミーをぶつけたのはシンプルにすごいなと思った。

そこに文学とは無縁なヤンマをぶつけることで2人のはちゃめちゃっぷりがわかりやすくなってたのも大変愉快でした。


ヒメノ・リタとソノザ・はるかは「創作物に対するスタンス」という点で共通点があり。

ここは意見の割れ方がシンプルに戦隊ごとじゃなかったのが個人的にはすごく好き。

それはそれとして子供向けシリーズ、の中でも特に大人ウケのよかった作品のキャラたちに「子供向け番組の在り方」で討論させるのキレッキレで笑っちゃったよね。


雉野さんはラクレスのもとへ。

最年長の妻帯者、という共通点で結ぶのよくできてるなと。

さらにキングオージャー→鬼になった時の記憶、という流れも大変丁寧で。

そういえばキングオージャーが初めて倒した敵は雉野だったよ。なんでだよ。


カグラギとジロウは筋肉勝負。

ここだけはどっちかというと中の人じゃないか、と思ったけどもさ。


唯一絡みがなかった翼&ソノニカップルは、まさかの「高田顔に追いかけられる」という点でつながっておりました。なんだこれ。



そんなこんなで全員仲良くお亡くなりになって、ハーカバーカに大集合。

ここまでの文脈がぜ~~んぶコメディだったから、映画館ではあちこちから忍び笑いが漏れておりました。


疾走感あるしコメディだしで、全体的に

「そうはならんやろ! なっとるやろがい!!」

な世界だったんですけど、その分全体的に細やかな気配りがあったのが印象的。


今までのVSって、「とりあえず女子同士」「色が同じ奴らを並べて」みたいな感じの作品が多かったと思うんですけど、今回はそれだけじゃなくて、ちゃんとキャラ一人ひとりを見て、2作品の合計100話を全部確認して、「この人たちが絡んだらこうなるんだろうな」って考えてくださったのがわかる感じ。

だから全体的にめちゃくちゃなんだけど、キャラのやり取りにそこまで違和感がなく、「まあそんなこともあるかな」って納得させられてしまう感じがあった。


簡単にまとめると、「君たち愛されてるね」って感じ。



でまあ、いろいろあって、VSやって、大野さんが参戦して、じゃあみんなで共通の敵を倒しましょうかになって。

なんかスペシャルアイテム出てきてみんなでドッカーン!めでたしめでたし!とさ!!


マジでこんな感じだったよな。

疾走感と勢いですべてを片付けてきやがった。

でもさっきも言った通り、そこに至るまでの言動に無理がないのでそこまで気にならなかったです。



東映特撮の2本立て映画にずっと付きまとっている問題って「尺」なんだろうなーというのは前からうっすら感じていて。

特に戦隊の夏映画。

映画だから潤沢な予算は確保されているっぽいのだけれど、なんせ尺は普段と変わらない30分。濃厚なドラマは展開できない。一方、(おそらく)玩具ノルマもある。

結局、限定キャラを出しても掘り下げは大してしない、結果として話の作りこみがふわっとせざるを得ない、みたいな感じになっている作品が多い印象。


それに対して、「映画を撮ろう」というコンセプトでいろんなロケ地や普段はやれない演出をいっぱい試して絵柄を豪華にしたのがドンブラのなる映画だと思っています。

ストーリーはスッカスカだったけど、「ストリーがクソ」というお話だったのでなんかまとまる、という作りにしたのはプロってすごいなぁとシンプルに思いました。


今回はキングオとドンブラの2作品で形にしたCG技術をフルに使いつつ、あちこちに行ったり、開き直ってアクションの派手さに主眼を置きつつ、メインストーリーはコメディにすることで「何をやっても許される」という世界にもっていったおかげで30分を走り抜けていった印象。


どちらの作品もすごく好きです。

ただ、この手法はドンブラザーズというイレギュラーカードだから使えた手だよなぁ、ともまた思うわけですがね。

ブンブンジャーにはできないよ、これは。




締めではソノイが登場。

安易に生き返らせることなく、あのメッセージに留めたのは、このタイミングで・あの世界だからできたことだろうと思います。

最高のファンサだったと思う。

また彼にもタロウと共に愉快に過ごしていてほしいという気持ちがないわけではないけれど。でもあれ以上の正解は存在しないんじゃないかな。もしあるとしたらそれを出力できるのは井上先生だけだと思う。





全体的にまとめると、

「ドンブラザーズとキングオージャーという世界を最大限に活かしきった奇跡の30分」

だと思っています。

緻密な計算の上に組み立てられたバカ騒ぎ。最高にいいものを見せていただきました。ありがとうございました!




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