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  • 執筆者の写真_ ぬぺ

49話 王はここにいる

これが本当の総力戦




崩れ落ちたシュゴッダム、倒れ伏す王様たち。

唯一力が残っているギラはダグデドに剣を向ける。

が、その背後でコーカサスカブト城は無残にも墜落。


全ての希望が潰えて絶叫するギラと高笑いするダグデド。


なんとか立ち上がろうとする王様たちの元に現れたのは、彼らが愛した国民たちだった。


立つのもやっとなヒメノの元に、立てなかった少女が。

ヤンマの元に、愉快な仲間たちが。

リタのところにはモルフォーニャと「血の気の多い」奴ら。

カグラギの元にクロダとスズメ。

ジェラミーの周りには優しさを覚えたサナギムたち。

そしてギラのところにはラクレスが。


ヒメノには「わがまま」「美しい」、

カグラギには食事、

モルフォーニャとリタは「なんて言いましたっけ?」だけで「ずっと一緒」のことだと通じ、

シオカラは「オイラには似合わない」と王の証を投げ捨て、珍しく泣きそうな口元を見せるヤンマ。

大事そうにジェラミーを抱えるゲロウジーム。

ラクレスは何も言わないものの、ギラを見る目が優しくて。

ここまでの積み重ねを確実に感じる。



「我々は! チキューの前国王に反逆し、宇蟲王に反旗を翻す。

聞け! この場においては逃げる者こそが正義。だが王に背く、邪悪なる意思を持つ者は集え。

共に王を救うぞ!」


名も無き市民が歩いてくるだけでこんなにかっこいいことなんてあるんだ……。



ドゥーガはじめ、側近たちは民の意志に応えよと「王の証」を返却。


「──行くぞ、反逆者ども」


闘いの火蓋が切って落とされた。



肉弾戦の人もいれば、指示を担当しているっぽい人もいるし、後方支援に徹する人も、複数人で一緒に戦いを展開する人もいて、PCを広げてプログラムを始める人もいて。

全員が今、自分にできるベストをやろうと息巻いている感じが堪らない。

圧倒的不利な状況で、全員ができるベストを。


容赦なく何やら巨大なビームを放つダグデド。

その攻撃を一掃したのは……ハーカバーカの案内人、デボニカ。


「死の国の扉は、新たな命のために開かれる。

命あるものは皆死ぬ。

だが! 今日ではない!」


彼女が死の国から呼び戻したのは、先代王のイロキ・カーラス・ラン夫妻、ボシマール、ネフィラ。

登場カットがこれでもかというほどかっこいい。


更に、先んじてこちらに戻ってきていたデズナラク8世も合流。

先代王たちの戦いにワクワクしていたら予想以上の物をお出しされてしまった。


デズナラクが不器用にもギラに発破をかけるの最高にかっこいい。


ネフィラは真っ先に愛息子のもとへ。

思わず「僕死んじゃったの?」と子供のように尋ねるジェラミー。

そんな彼を叱咤しつつも可愛いという事だけは忘れないママさんである。この親子のシーンもう少し見ていたいかも。

とは言えネフィラママは最強の戦士であらせられます。

いいとこ見せたいという息子の言葉をサラッと無視して相手をボッコボコにしに行きました。かっこいいぜママ……!


ラクレスの元にはボシマールとドゥーガが終結。

17年以上ぶりに王の双剣が揃った。

「右腕に剣を、左腕には大剣を!」

「吾らは道具。王の殺意の具現なり!」

「戦士たちに、シュゴッドの加護があらんことを!」

本当の意味でラクレスが民のためにこの口上を言ったのはきっとこれが最初で最後なんだろう。誰よりも誇らしげなラクレスの表情が良い。


ラン夫妻は怪我人の救護を行っていた。

ヒメノからは早々に治療に回れと言われたそうな。

こっち見なくていいから、と軽くジェスチャーしつつも嬉しそうなヒメノ様でした。

永遠の命を前にあんな顔をした彼女がこうしてくれたことが嬉しい。

イロキとカーラスは皮肉交じりに後継者たちに声をかけつつ、それぞれの剣を持ち出して変身。

軽く世間話をしながらもバッチリ決めに行くのがかっこいい。

普段の戦隊では見られない、年上女性の変身。かっこいいどころの騒ぎではない。なんだこれ。



ネフィラ・ジェラミー・デズナラクというドリームチームに参戦してきたのはゲロウジーム。

優しいお前が無理をするな、というジェラミーの言葉に、「優しさが強さに変わると貴方に教わりましたから」と回答。

飛んできたカメジムを果てまでぶっ飛ばす。

これだけの腕力を持っている怪人があんなに優しくジェラミーのこと抱きしめてたんだね……そっか……そっかぁ…………。



後方では戦えないメンツが王様たちに食事を振る舞っていた。

完全にピクニックなテンションが良い。

全員もりもり食べててめちゃくちゃ気持ちいい。



チキュー側の士気がどんどん上がっていく状況にイライラを募らせるダグデド。

更に戦力を追加する彼の元に、満を持して現れた人影。


「聳える壁はうち砕き、敗れを知らず敵は無し。

創世の剣にして、救世の英傑。

我が名は──初代シュゴッダム国王、ライニオール・ハスティー」


ラクレスの剣を借りて一閃。


「古き呪縛を過去に葬り、新たな時代に受け継ぐ。

果てなき連なりの先で、命は永遠に繋がってゆく!」


この台詞に何かに気づいた王様たち。



そろそろハーカバーカとこの世を繋ぐ扉も限界。

死者たちが最後の猛攻をかける。


「これは、始まりの戦いだ」



王様たちも戦線に復帰。

安堵した顔になる側近たち。ドゥーガに何かを言い残して消えるボシマール。


「お前たちはなんなんだ?!」

「貴様はいつまでも学ばんな? ならば何度でも思い知らせてやる!」




泣いた…………。

見たかったものを、見たかったもの以上を見せてもらった。

劇場版から過去編まで本当に全ての要素を救っていただいて……。

一般人含めて全員に平等に見せ場が用意されてるの本当に好き。

キュウレン最終回の時も思ったけど、私こういう総力戦に弱い。あの時もべそべそに泣いたし、ここまで泣いたのはキュウレンのラスト2話以来です。

良かった。本当に良かった。

何かを言えば言うだけ陳腐になりそうだけど。本当に良かったです。




次回:終わってほしくないよぅ

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