Case9 侵す
- 2025年11月9日
- 読了時間: 7分
その引っ張り方は良くないと思うよ
【あらすじ】
敵の毒に倒れた莫。そして彼を意味ありげな目で見つめるノクス。
そして、ロワイヤル城金の行方は。
●「……待ちわびたぞ。」
【万津莫】
ポイズンナイトメアの毒に倒れ、夢の世界でも現実でも心肺停止に陥った莫。
夢の中にいたねむの咄嗟の機転、そして駆け付けたノクスによる制止のおかげで、彼は一命をとりとめる。
確かに、“自分以外なら”回復できる能力を持つリカバリーカプセム、ねむちゃんが使えば莫の回復には使える。
たださ、こういう、ちょっと考えれば数秒で解決できることを次の回への引っ張りとして使うのはいかがなものかと思うよ。特に今回は生死というかなりデカいものを、1週間の休みを挟んでお出ししてくるっていうのが、ね。こういう薄い引っ張りをされると、肝心な部分での爆発力が消えるんですよね。オオカミ少年みたいなね。
ともあれ、無事に回復した莫を見てほっとした顔を見せるねむ、美浪、そしてノクスでした。
そこにやってきたオーナーシェフ:山王。
倒れこみながら呟く。
👨🍳「潰して堪るか。あの店は、俺たちの魂なんだ」
病院で目を覚ました莫。
本人的には大丈夫だと言っていますし事実そうなのですが、もちろんそれで許してくれる妹(と病院の人たち)ではない。
代わりにいつものように窓からやってきたのは富士見鉄也であった。この人も不法侵入が板についてきたな。
富士見曰く、今回の件は一旦手を引いても問題なさそうとのこと。
なぜなら、山王が倒れたから。
……とは言っても別にブラックケースでもなんでもなく。山王は持病を患っており、それが悪化したとのこと。そもそも、以前よりその手術の予定も入れていた。そしてその手術の日は昼食会の日。
つまり、元から山王はこの仕事を引き受ける気はなかったようだというのである。部下たちに結構厳しめに指導していたのも、当日に向けての準備の一環だったのかもしれない。
けれどシェフたちは毒に倒れ、山王も持病でダウン。料理人がいなくなったことで、そもそも昼食会への参加自体が取りやめになったという次第である。
結局、山王の望む悪夢は分からないまま。
莫は意を決し、夜中に病室の外へ出る。おそらく4階にある病室の窓から。莫も富士見も変な方向に思い切りが良すぎるしあまりにも不審者案件。
降りた先で聞こえてきたのは、山王の病室で話す2人のシェフ:塩見と佐藤の声。夢の中でリカバリーカプセムを使ってもらったので彼らも元気になったみたいです。
どうやら当日山王が不参加になるのは2人も知らなかった模様。それはだめだよ、山王さん。
自分の代で店を閉めるつもりだったらしい彼に、「そんなことさせるか」と呟く塩見たち。
この話を聞いて、莫は心の扉の在処に思い至った。
その頃、現実では。
富士見が大狼狽えしていた。
原因は、ロワイヤル城金が再び昼食会の調理担当に任じられたこと。まあ、シェフが2人帰ってきちゃったからな。
夢の中に入り、ゼッツルームへ。
ねむと共にゼロに跨り、向かった先は過去のロワイヤル城金。その客席には心の扉があった。
鍵穴から覗くと、そこに広がっているのは昼食会で倒れ伏す2人の首脳の姿。
そして隣の部屋に大事そうに置いてあったのは、几帳面な字で丁寧に書かれた1冊のノート『料理帳① ロワイヤル城金』。
名物であるロワイヤルソースのレシピの隣には、「ロワイヤルを求めて伝統の味を次の世代へ」
言われてみればロワイヤル城金の歴代の写真は、「当時のオーナー+当時のシェフ」の構成で撮られ続けているし、「当時のシェフ」は次の写真では「当時のオーナー」に変わっている。
きっと山王の願いは、「無事に自分の店を2人に受け継ぐこと」。
現実では、2人のシェフが昼食会の会場へと向かっている。
夢の中では、山王が昼食会の会場へと向かっている。
時間がない。
莫はポイズンナイトメアを回収し戦闘開始。
回復属性持ちなのに低姿勢で構えて変身(しかもその前に黒い霧みたいなエフェクトとバグみたいなカットインあり)と、メイン武器が斧という相反する要素があるのが不穏で良いですね。
今回も当然のように戦場に現れたノクス。
素性をねむに問われ、答える。
●「夢を彷徨うものだ。君と同じようにな」
彼が触れたのは、ねむが幼少期から身に着けているイヤリング。
現実では2人の首脳がロワイヤルソースを口に入れてしまう。
途端に苦しみだす2人。
夢の中では、ポイズンナイトメアに苦戦する莫の姿。
そんなものじゃないだろう、と言いながらノクスが取り出したのは一振りの剣。その名もブレイカムバスター。
……手元付近が何やら錆び付いていますね? なんだかその窪み、ちょうどカプセムが嵌りそうな見た目をしていらっしゃいませんこと?
戦いに乱入したノクスは迷わずゼッツを一撃。80.5kgの彼を吹き飛ばし、ついでにブレイカムゼッツァーを叩き折る。
が、こっちはリカバリー。無機物だろうかなんだろうが、復元できてしまうのである。……ベルトがひび割れているみたいなエフェクトが入っていたのも、復元できたあとの莫がだいぶ削られていそうなのも不穏だけど。
●「……それだ。それだ!」
木に頭を打ち付けて喜ぶノクス。異様な姿に、ねむも遠くから見守ることしかできない。
復活したブレイカムゼッツァーのおかげもあり、ゼッツはポイズンナイトメアに勝利。
毒素と治癒能力との押し合い、そこに挟まれる、苦しむ首脳たちを前に半ばあきらめた顔の山王さんのカットが良い。
夢でも現実でも首脳たちに何事もなく。一仕事やり遂げたシェフたちは、笑顔で頭を下げるのだった。
「「「これが、ロワイヤル城金伝統の味です」」」
そしてノクスは、ナイトメアとの戦いで体力を消耗したゼッツを急襲。
リカバリーカプセムを奪い取る。
●「これこそが探し求めていた力。」
「俺も復元するんだよ。現実の世界へとな」
【怪事課】
「昼食会を止める」という無茶苦茶なミッションを課せられた2人。
とりあえず突っ込んで怒鳴りつけるスタイルの富士見さん、やはりぶれない。この人をこういう場に出してはいけないと前回あれほど……。
互いに情報を全然開示しないせいで熱量のぶつかり合いみたいになっていますが、国交と人命を賭けている富士見と、店を守っていきたい塩見・佐藤の想いはそれぞれ本物。
富士見さんの、真剣な熱い思いが空回っている感じ、嫌いになりきれないなぁ。
それは南雲も同じだったようで。
力でねじ伏せようとするSPに、無言で全力の蹴りを入れるのだった。
この2人が上手くやっていける日は遠くなさそうです。
ゼッツルームに帰ってきた富士見と南雲。
南雲は改めて、科学的根拠がないことには自分が納得できる理由が欲しいのだ、と表明。
●「ブラックケースにも、失踪した怪事課の先輩の件も。」
南雲が富士見からの電話を受けていた時、訪ねていたのは例の失踪した警官の実家だった。
彼はまだ行方知れず、家族との連絡もとれていない。
失踪者の名前は小鷹賢政。
その顔は、ノクスによく似ている。
【以下雑記】
💤美浪。兄を心配して、それ故に「人助けをするな」と言い含める姿はもはや異常。過去に彼の優しさのせいでとんでもないことになったんだろうな、とは思う。ただ、それに対する温度感が兄妹間で違うのが気になるところ。莫、何かを忘れている可能性はない?
💤東堂司。ロワイヤル城金の参加を取り消すべき、と騒ぐ富士見に対し、「上を動かしたければ、確証を持ってこい」と一言。「証拠があれば動く」というスタンスにブレがなく、実際に証拠(シェフ2人の緊急搬送)があったときには富士見に付き添って現場まで足を運んでくれるあたり、芯が通った良い人だなぁと思う。明らかに主人公サイドからしたら邪魔な存在なのに、寧ろ好感度が高いのは珍しい気がする。
💤南雲さん。スマホの着メロがヘビメタでした。全然意外だと思わなかったどころか納得してしまったよね。
💤いやあそれにしても今回、現実の2人のシェフ・夢の中の山王・夢の中で戦う莫とポイズンナイトメアの3視点を行き来しながら進んでいく構成、良かったですね。タイムリミットのある話だったこともあり、ヒリつきが増して楽しかったです。
その分、すべてが解決したときの大団円感も増し増しでしたね。間接的に、愛弟子たちと一緒に料理を振るえたことに安堵の笑みを浮かべる山王さんの表情のなんと穏やかなことよ。
次回:ノクスが知らないフォーム……?
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