Case1 始まる
- 2025年9月11日
- 読了時間: 8分
「夢」って、現実に持ち出せるものだったんだ
【あらすじ】
その夜、日本は悪夢の夜を迎えようとしていた。
国民的人気タレント:ねむ。彼女が犯罪組織によって誘拐された。要求された身代金は100億円。対象は全国民。クラウドファンディングによる身代金要求であった。
組織が定めた制限時間まであと1時間。未だに彼女の居場所は分からない。
100億円は無事に集まったものの、もちろん組織がねむを離すはずもなかった。
ピンチに陥った彼女の前に、ナイフを持った男が立つ。
彼が振り上げたナイフは……彼女を拘束していた紐を正確に切り落とした。
●「極秘防衛機関、CODEのエージェントだ」
「コードナンバー7、ミッションを遂行する」
爽やかな出で立ち、シンプルだが個性的なファッション、ちょっぴり言うことを聞かない寝癖のようなアホ毛。
ねむを庇ったまま、拳銃を片手にスマートな立ち回り。
拳銃に込められたのはゴムの弾。殺傷力はないものの、彼の手にかかれば敵を気絶させることなど容易い。
ここで背景に出てくるクレジットがお洒落なんだ。
囚われていた屋敷から叩き落されたねむをおいかけ、ネオンの海へとダイブ。
スマートに彼女を救出する。
●「あの、お名前は?」
●「コードナンバー7。名もなきエージェントさ。」
【万津莫】
……という、夢を見たのさ!!
そんなわけで場所は変わって、ここはとある部屋の一室。
妹:美浪に容赦なくたたき起こされているのが今作の主人公:万津莫である。
部屋中に貼られたスパイもの映画のポスター。格安で購入した跡がある大量のスパイ映画のDVD。かっこいいモデルガン。
高校時代のものと思しき、「青春!!」って感じの写真。
本棚にもスパイものが見えますが、「現代社会の上手い生き方」だったり、就活関連の本だったり。
かなり平凡な、はっきり言ってしまえば「冴えない」20代男性像が見えますね。その人が読んだ本は個人情報、とはこういうことなんですよ。
先ほどまで見ていたのは彼の「明晰夢」。
所詮は夢。けれど、
●「俺やっぱ人助けの才能あるよなぁ。働くならそういう仕事……」
●「やめて!」
「ごめん。お願いだから、現実でまで夢見ないで」
切羽詰まった顔になる美浪。これ過去になんかあった系かな?
いくら兄妹とはいえ、「毎日のように明晰夢を見ている」ことを割とすんなり受け入れていたり、この年齢で兄妹2人暮らしっぽかったり。
とりあえずこの2人のご両親がどんな感じの人たちなのか、話はそれからってところでしょうか。
さて、そんな莫はねむが出演している広告を尻目に街を歩く。
向かった先はハローワーク。
希望の職種を聞かれて「エージェント」とかっこつけて答えたりしつつ、最終的には「人助けしたい」と言い出す。
職員さんの話を聞いていると、俄かに外が騒がしくなる。
どうやら、直前まで莫と遊んでいた女の子の母親が彼女を探している様子。けれど女の子はつい先ほど、男の人と一緒に出て行ったばかり。
──もしかしなくとも、誘拐である。
自分の就職もそこそこに、莫は慌てて外に飛び出す。
外には、男性に連れられて今から車に乗ろうとする女の子の姿。
莫は夢の中の自分を思い出し、女の子を助けに駆け出す。
●「──さあ、われらが悪夢を叶えよう」
1台の車が飛び出してきて、莫は呆気なく轢かれてしまったのだった。
画面端で、事態に狼狽えて逃げていく男と、娘に駆け寄る母親が見えていて大変良いですね。全くの無駄ではなかったんだ。
そして、莫を助けた男が事故を起こした車を覗くと、運転席には誰一人として座っていなかったのだった。
大怪我を負ったものの、病院に運ばれて一命をとりとめた莫。
駆け付けた美浪にしっかり怒られます。
それもそのはず、身内から見ても彼の不幸は世界一レベル。中学生の頃に落雷が直撃、高校生の時にはサメに襲われ、大学生の時には隕石が直撃している。一周周ってギャグだよこんなん。
そしてさらっと言っていますが、こんな事故にあった原因の元を辿れば「人助け」なんだとか。
●「莫は神様に見放されてそういう星の元に生まれちゃってるの!」
●「おお、めちゃくちゃに言うね……。でも、夢は叶えなきゃ意味ないだろ」
●「何度も死ぬ思いして、それでもこうして生きていられるだけでも、幸せでしょ?」
自分の「幸せ」のハードルを自分から下げてる人って、本当に不安になる。
一方その頃、莫が事故にあった現場では。
莫を助けた男:富士見鉄也。彼は警察官だった。
現場検証を行う彼の元に合流したのは、今日から彼と共に仕事をすることになった新人刑事:南雲なすかだった。
彼女が配属されたのは警視庁怪事課。「運転手がいない車の事故」といった不可解な事件、「ブラックケース」を担当している課である。
彼らが扱う事件は国家の安全にかかわる事件。
そして、富士見が既に掴んでいるブラックリストの原因、それが悪夢からの侵略者、「ナイトメア」である。
その夜、病院にて。
莫が目を覚ますと、目の前には顔がガトリング砲の怪人が立っていた。
攻撃を受け、誰もいない病院を命からがら逃げだす莫。足がもつれて街に飛び出し、殴られたと思ったらハローワークへ。飛び込んだ先は自室、同じドアを何度も開けて……。
夢ってこうだよね、というのを、最小限の合成で表現できるものなんだ。そして、個々のものであるはずの「夢」に、こんな共通項があるんだ。
最後に飛び込んだ先は昨晩の夢の中。目の前には拘束されたねむの姿。
●「ありえないことだらけ。流石にわかるさ、ここはおれの夢。いつの間にか眠ってたんだ。なら、俺に怖いものなんてない。コードナンバー7。無敵のエージェントだからな。」
ここが夢と分かれば怖いものはない。「理想のかっこいい自分」の姿になり、莫はスマートに敵を倒す。
……はずだった。
なぜかうまくいかない。敵の方が圧倒的に強い。自分の思いどおりにならない。
逃げ出した彼を追うガンナイトメアは、莫が本当は人助けなんてできると思っていないことを指摘する。
現実の莫は、心肺停止に陥っていた。
お前は何もできない、誰も救えない、と脅される。
●「それでも、俺は生きてる」
💤「ああ。何の意思もなく、な」
●「否定できねぇな。でもよ。だから俺の中でくらい、思い通りの夢を叶えたっていいだろ」
💤「そうやって逃げているだけだ。現実で生きるのが怖い、と。」
●「勝手に決めんなよ、俺の心は、俺が一番分かってる」
瞬間、どこからともなく現れた何者かに腕を引かれ、莫は新たな空間へ導かれる。
たどり着いた先は不思議な空間。たくさんの時計や、あらゆる言語で書かれた「こんばんは」の文字。ほんの少し埃をかぶったバイク。夢の中にありそうな空間。
そして、おだやかな英語で彼を出迎えた男。彼は司令官ゼロ。今まで夢の中で莫に司令を与えてきた男。
曰く、ここは莫の深層心理。
机の上に置かれていた、カップに見せかけたスイッチを回すと、不思議な形のベルトが現れる。
「Make your dream, come true. Good luck.」
ベルトを手に持ち、莫は再び敵の前に立つ。
●「Save the target. それが俺のミッション。」
ベルトを胸に当てる。
現実世界で止まっていた彼の心臓が動き出す。
●「俺は無敵のエージェントだ」
●「I’m on it. ──変身」
蜃気楼のように銃弾を無効化し、赤い部分を光らせる。
Good morning, Rider! 仮面ライダーゼッツ、変身。
本当に光るスーツ。近年の装甲めいたスーツとは一線を画す、生物らしさが前面に出たスタイル。人外めいた動きと、現実ではありえない空間の使い方。
力が入った足に血管が浮き出た瞬間、これはとんでもないものが始まったな……と思ってしまった。
なんだろう、この、見てはいけないものを見ている感じ。まずい方向に進化を遂げてしまった、それでこそ夢でしかお目にかかれないような「知らない生物」を見てしまったときのような気持ち。
夢から醒めたときに、「よかったよかった、夢だよね、そうだよね、あんなの現実にいるわけないじゃん」って、寂しさと安堵を半々に抱える見た目してる。
●「俺の夢は、俺のものだ!」
このセリフ、将来的には「(眠っているときに見る)夢」じゃなくて、「(将来の)夢」という意味になるんでないか。
ライダーキックでフィニッシュ。
なお、エージェント番号にちなんでか、敵撃破時には愉快なSEと共に「777」の文字が浮かびます。
良いんだ、子供向け番組でこんなことして。
撃破された敵は光る蝶となり、夜の闇に消えたのでした。これぞ、胡蝶の夢。
●「Mission complete.」
ねむを助けることはできたものの、目を離した隙に彼女はいなくなってしまう。
仕方ない、所詮は夢だもの。
目を覚ました彼は、悪夢だったけれど、人助けできたと笑う。
●「心のみぞ知る。夢が眠るとき──世界が悪夢に目覚めると」
病室で患者衣を緩めた莫。
なんと胸元にはあのベルトが付いていたのでした。そして手元には携帯電話のようなデバイスと、カプセル状のアイテム。
「Good morning Code number:7」
「Your next mission──」
【以下雑記】
始まりましたね、仮面ライダーゼッツ!
もはやお馴染み、安定の布陣なので心配はしてないです。
が、ここまで1話で何も分からないとは思わなかったぜ正直。
完全に「夢の世界」に振り切ったというか、ここまで敵味方の事情を全部すっとばしてくるとは思っていなかったね。
かろうじて、主人公兄妹になんかあった……か?くらいしか分かることがない。
30分、奇妙な夢を見せられていたのかもしれない、私は。
ただ1話を見る限り、今のところ完全に莫の中で完結しちゃっているのですよね。
「かっこよく人助けをしたい」という夢想を、夢の中で実現しちゃっている平凡な青年の話。
もちろん「ナイトメア」の存在があり、莫のマインドも完全にヒーローのそれなので、莫が「仮面ライダー」になるのはさほど難しくない、とは思う。けれどやっぱり「夢」ってその人だけのもので、その人の外に広がるものではないはずで。
そこをどう今後上手くつなげていくのかなぁ、というのは気になるところかな。初手から彼の自身のなさ、能力の低さをけっこうはっきりとカタチにしているのもあってね。
キャストの皆さんも既にかなりキャラが出来上がっているので安心して最後まで見ていられそうです。
あんなかっこつけも等身大な若者もできる人をよく見つけてきたもんだ。
これから1年、どうぞよろしくね!
次回:バイクだ!! 爆発だぁ!!!
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