40話 運命のreboot!
- _ ぬぺ
- 2022年9月9日
- 読了時間: 7分
39話は前説に過ぎなかったわけで
【Story】
エグゼイドが変身できなくなった。
何も言わなくなった永夢に代わって、現在変身できる男性陣が全員揃ってクロノスのもとに向かうが、連携が取れていないためあっさり敗北。
(これが後半に効いてくるのです)
ゲーマドライバーが欲しかった正宗によってドライバーが回収されてしまう。
全員が焦りを覚える中、何を思ったか永夢は1人、病院の屋上に向かっていた。
【パラド】
案の定だった。生きていた。本当にこの作品は展開が早い。
前回ラスト、彼はパラドを握りつぶしたように見せかけて、彼を自分の中に避難させていた。
●「思い知っただろ。死ぬってことがどれだけ怖いか。」
永夢に詰め寄られたパラドは、そのまま逃亡。
前から思っていたし、前回の感想でも書きそびれていたんだけど、パラドって逃げシーンが妙に多い気がする。
メタ的に、(身も蓋も無い言い方をするならば)「死なせられないが、味方のサンドバッグに良い」という理由があったのはそうなんだろうし、他の作品にもそういう存在はいるけど、彼の場合「逃げ」が印象的だったというか。
彼の中に逃げ癖があるんだろうな~って感じの書き方で、それが今回と前回に良いエッセンスになっていた気がする。
逃亡先でグラファイトと合流。
同じくバグスターであるポッピーもそこに合流。厳しく接する永夢の代弁をする。
●「ほんとは、永夢に影響されて、永夢に憧れて、永夢と同じような存在になりたいって思ってたんじゃない?」
だからこその、前回の「主人公は自分」という発言だったのではないか。
主人公然として(メタ的にも主人公だし)、堂々と振る舞う彼が羨ましかったのではないか。
●「なんで、パラドはずっと心にこだわってたの?」
人にしかない心にこだわる事こそ、人間、特に近しい永夢に憧れている証拠ではないか。
他にも、永夢と同じゲーマドライバーで変身したり。
心を持つ存在として在りたかったのではないか。
そう畳みかけるポッピーに、バグスターと人間は相容れない存在だし、いずれ人間を倒すつもりだと殴りかかるグラファイト。
●「人類がいなくなったら、誰が私たちとゲームで遊んでくれるの?プレイヤーの人たちとずっと一緒に、仲良く楽しくゲームをして過ごす、そういうバグスターの生き方だってあるって、私はそう信じてる」
ポッピーの「ドレミファビート」のクリア条件が、マスコットを笑顔にすることであったように。
バガモンの「JUJU BURGER」のクリア条件が、バガモンに美味しいハンバーガーを作ってあげることだったように。
バグスターは必ずしも敵ではない。
●「……やめろ。やめてくれ。」
「こころが、おどらない」
そう言って再び逃げた先は、永夢がいた病院屋上。
開口一番に「なんで戻ってきたの?」と冷たく聞く永夢ですが、ほんとは彼が帰ってくるって分かっててずっと待っていたんでしょう。
(なんならポッピーにフォローを頼んだのも永夢かもしれない。そこは分からんが)
●「俺は、俺はただお前とゲームがしたかった」
がんばっていつものテンションでいようとするパラドですが、流石にそれが永夢に効くはずもなく。
永夢は他人の命まで奪う必要は無かったと突き放す。
パラドが今までで一番心が躍ったのは、永夢と戦っていた時。
彼と戦うのが心底楽しかったし、そのためならなんだってした。他人の命すらエサに使った。
命の重さなんて考えたことも無かった。
でも、仲間であったラヴリカが死んで、やっと命の価値に気づき始めた。
クロノスに狙われ、実際に永夢に敗北してようやくわかった。
●「怖くて、怖くて、たまらなかった」
「命の意味を、俺は分かってなかった」
「俺は、取り返しのつかないことをしたんだ」
そこからひたすら謝罪の言葉を述べるパラド。
前回の感想にも書いたけど、パラドとニコの最大の違いは自分のことしか考えられず、他人の命や存在に対して無頓着だったこと。
それを分からせるための前回の暴挙だった。
●「そのことが怖いって感じたお前には、命がかけがえのないものだって理解する、心がある」
「ゲーム病も僕って言う人間の個性、人格の1つだから。お前を生んだ僕には、お前と向き合っていく責任がある。お前の罪を一緒に背負って、償っていく」
「1つだけ約束だ。これからは命を奪うために戦うんじゃない。命を救うために、一緒に戦うんだ」
水中深くに沈んでしまったパラドを助けるために泳いで来てくれたのは、永夢だった。
ニコとの違いを埋めるための今回であり、怯える彼を救い出す最後の一手。
パラドの言動がずっと子供っぽかったのも、ここで「教え諭す永夢」という台詞回しが効いてきて好きだ。
クロノスの前に、一緒に現れた永夢とパラド。
●「決めたんだよ。これからは永夢と一緒に、協力プレイでゲームを遊ぶってな」
「ゲームで他人と遊ぶ」というのは、決して対戦することだけを指すわけではない。
一緒にチームを組んで他人と戦うのもまた「ゲームで他人と遊ぶ」に含まれる。
●●「「ニコの運命は、俺が変える!」」
マックス&ハイパー大変身。
久々の風が吹く描写もあって嬉しい。
細かいけれど、永夢の一人称が「俺」になっているのは、きっと永夢がパラドを許して歩み寄った証。
●●「「超協力プレーで、クリアしてやるぜ!」」
文字通りの連携プレー。流石は同じ人格から生まれた2人。阿吽の呼吸で戦い抜き、無事にクロノスを撃破。ガシャットは破壊。
これで全ての患者が救われる、はずだった。
土壇場で正宗が覚醒。
●「ハイパームテキさえいなければ!」
目がオレンジと緑の2色に光り、彼自身の遺伝子にも変化があり。
●「運命をジャッジするのは私だ!私こそが世界のルールだ!」
時計が巻き戻る。
唯一のプレイヤーであるクロノスは、ゲームを外からいじることができる。
即ち、リセット。
一旦ゲームの電源を切り、もう一度やりなおす。
彼が選んだセーブデータは、「ハイパームテキが誕生する前」。
本当に、どうやってこいつを倒すの…?
【以下雑記】
🎮ニコちゃん。駆けつけた大我に息も絶え絶えに話しかける。
パラドをぶっ倒したいと思っていたが、本当は強いやつをゲームでぶっ倒したかった、と。
●「それが、私の願いだったのかな、って」
🎮そんなニコを見守るしかできない大我。最初にニコに「大我」と呼ばれて、優しく頷く彼に不覚にもキュンとしてしまった。他にもニコを見守る表情も声色もめっちゃ優しいし、思わずニコちゃんの手握っちゃうし。小姫ちゃんの時の回想でも思ったけど、無免許になってやさぐれるまではほんと良い人だったのねあなた。なんかめっちゃモテそうよな。
🎮とはいえリセットされたので彼女の体調も戻っていると予想。
🎮その頃のCR。パラドが生きていたと知って嬉しそうな黎斗。なんで背筋伸ばして正座してるの?
🎮ゲーマドライバー。正宗がわざわざ既製品を調達してきたってことは、マジで作れる人間が黎斗しかいないのか、これ。正宗すら仕組みが分かっていないブラックボックスなのか…?
🎮永夢。貴利矢が帰ってきたタイミングと今回とで、仲間にすら嘘を吐くパターンの作戦を展開。ただしこの時、2回ともすんごい塩対応チベスナ顔になっています。もしかしてお兄さん嘘つくの苦手??
🎮黎斗。リセットされた時、誰よりも先にハイパームテキが消えていることに気が付いてて笑ってしまった。ほんとガシャット第一で生きてるな。そういう一貫したところは嫌いじゃないぞ。
🎮いやそれにしても今回は良い回だった。実質前回と合わせた前後編。シナリオが良かったのは勿論のこと、パラドを演じる甲斐さん、永夢を演じる飯島さんのお芝居がそれはもう最高でした。こういっては失礼ですが最初の登場時に「この方々大丈夫か……」と不安になった2人だったので、それも相まって感動がすごい。屋上の、泣きじゃくりながらのごめんなさいも、怒りに震えつつもそれを押し殺すのも、ものすごくよかった。
🎮さて、今回でおそらく最もSNSでコラとして使われているエグゼイドのキャプチャが全部出揃ったわけですが(宝生永夢ゥ、土管コンティニュー、敗者にふさわしいエンディング)。
敢えて嫌な言い方するけど、これネタ消化してる人たちエグゼイド見てる??本当に???いや、これネタとして扱えるの、未見かストーリーの理解度ゼロの人間だけでは???
前も言ったけど、宝生永夢ゥ!は「今まで理性で動いてきた人間が、追い込まれた結果初めて感情で動く」「結果として今まで仲間たちが必死で守ってきた秘密が暴露される」「敵すら一丸となって1人の人間を止めるため動く」「その後主人公に重大な異変」という深刻すぎるシーンかつターニングポイント。
土管はまあ絵面のインパクトという点で若干分からなくもないけど(それにしたってこんなに擦るほど面白いか?とは思うが、これは単に笑いのツボの問題なのでパス)。
前回の敗者のエンディングは、「今まで命を軽んじていた相手にそれを教える」「教える側もある程度腹をくくったうえでの行動」「その後物語に大きな進展」と、こちらも深刻なシーンであり作品のターニングポイント。
「この人がこんな台詞言うの?!」という驚きは確かにあったが、それには相応の理由があって、それはネタにして薄っぺらい笑いで消化しても良い内容には微塵も思えないんだが。
ストーリーにしても、演者さんの熱のあるお芝居にしても、すごく素敵で重要なシーンだった。
割と真面目に、今嫌悪感がすごい。最後に楽しくない話して申し訳ないけど…。
次回:因縁に決着をつけようか
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