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27話 酸いも甘いも焦がすほど

  • 執筆者の写真: _ ぬぺ
    _ ぬぺ
  • 3月25日
  • 読了時間: 9分

誰でも良いから1回あいつのことぶっ飛ばさなきゃ駄目だろ




【あらすじ】

酸賀の研究室で遂にたくさんのビターガヴと相見えた絆斗。

彼が知ってしまった真実とは。




【酸賀研造】【辛木田絆斗】

2人のビターガヴの相手をする酸賀。


「ねぇ見て、お父さん」

「おいおい、俺はお前たちのお父さんじゃあない。」

「あ、ごめんなさい、ご主人様」


すごいな。人間って、たった3つの台詞だけでこんなに気色の悪い人間像を描けるんだな。



そんな最悪のやり取りを聞いて、さすがに黙っていられなかった絆斗。

酸賀を糾弾するが、彼はいつもと変わらぬ笑顔で絆斗を迎える。そして当然ながらお叱りを受けるビターガヴ×2。

ちなみに、酸賀が絆斗に渡す予定だったゴチゾウは先ほどビターガヴが持ってきたチョコチップくんだった模様。完成があっさりしている。この人本当に能力だけはある。


「でも俺たちさぁ、利害は一致してるでしょ。」

 「グラニュートを退治する力が欲しい絆斗君と、グラニュートを倒せるだけの強い人間をつくりたい俺。ね?」


絆斗は酸賀の手を振り切り、研究室を後にする。

遺された酸賀は、珍しく苛ついた表情を見せるのだった。



翌日。

はぴぱれ組はトラックで引っ越し……というか、夜逃げの手伝いをしていた。夜逃げに便利屋を呼ぶなし。

その道中、ショウマが発見したのは行き倒れている絆斗。

改造されている以上彼を病院に運ぶわけにもいかず、酸賀の元は絆斗自身が息絶え絶えに拒否。仕方ないので連れて行った先はデンテの元。

ここでサラッとデンテに先に連絡していたっぽい描写があるの、細かくて好きよ。


治療はデンテに一任し、ショウマと幸果は少しでも絆斗の情報を探るべく尽力する。

最終的に、ジーパンのポケットに潜んでいたチョコルドゴチゾウと追いかけっこを展開。デンテおじさんは絆斗くんに集中してください。

唐突に始まったコメディチックなチェイスは、妙に感覚の鋭いギャルが勝利。私知ってるんだ、こういう唐突なコメディは、話が重すぎる時にしか発生しないって。それか浦沢脚本か大和屋脚本。意外とあったな。

しかし、チョコルドゴチゾウは完全にだんまり。ショウマ産のゴチゾウではないせいか、記憶を映像に変換することもできない。仕方がないので瓶の中に閉じ込めてデンテに預けることになりました。



その頃、酸賀は。

研究室で子守唄を口ずさみながらPCを眺めていました。

画面に映っているのは「BITTER GAVV」「K」「Hanto Karakida」の文字。覚えのない「K」のシルエットは明らかに胎児である。

ガチの胎児の可能性もなくはないが、彼の事だから細胞から子供を作っていそうだよね。

ちなみにメインキャラの中でイニシャルがKになるのは「辛木田」と「研造」の2人のみ。どう転んでも絶対に最悪のルートだな~~!!


そこに乗り込んできたのはショウマ。

彼の態度から大体のことは露見したことを察した酸賀。それでもいつもと変わらぬ態度で接し、あまつさえショウマに協力を頼む。こいつの面の厚さは尊敬するよマジで。

まあ、その協力も暴力の上に成り立つものなんですけども。


「ねえショウマくん。絆斗くん元気かなぁ。」



翌朝。ようやく目を覚ました絆斗。

目を覚まして一番に目に入ったのがデンテだったんで大騒ぎになる一幕もありましたが、そこは我らが幸果社長が解説をしてくれました。

デンテの治療は無事成功。

デンテ医師曰く。絆斗の身体に埋め込まれたグラニュートの臓器がチョコルドゴチゾウによって活性化しすぎた結果、心臓に負担がいっていたというのが今の絆斗の状態らしい。ゆえに、しばらくは絶対安静、変身厳禁。ショウマのゴチゾウを使うのがギリギリ。それかいっそ、臓器摘出。


全てを拒否し、今すぐ戦うと言って聞かない絆斗。

無理矢理にでもチョコルドゴチゾウを取り戻そうとする尋常ならざる態度に、思わず幸果が口をはさむ。


「そこまで覚悟決まってんだったら、それじゃなくて、ウマショーのゴチゾウ使えばいいじゃん」

「それは……」

「なんで? 何がダメなの? ウマショーは、ハンティのために酸賀って奴のところに行ったんだよ。危ないかもしんないのに。」


そこに計ったようにかかってきた電話。

かけてきたのはもちろん酸賀。


「ショウマくんに会いたいんなら、ナギハマ映画館の地下駐車場、そこまで来て。見せたいものがあるから。」


呆然としつつも、絆斗は一旦は自分の知っている情報を幸果とデンテに伝える。


「ウマショー、ずっと体調悪いんだよ。アイス以外体が受け付けなくなってる。……原因は、メンタル的なやつだって」


心当たりしかない絆斗。


「俺のせいなんだよ!! 行くしかねぇだろ」


デンテの家を飛び出していく。



よろめきつつも待ち合わせ場所にたどり着いた絆斗。

待ち受けていたのは酸賀と、ビターガヴ、そしてショウマ。なおショウマは拍子抜けするほどあっさりと解放されました。酸賀、マジで「悪役」という文脈から外れたことしかしないから本当に読めない。そもそも悪役なのかどうかも分からん。敵≠悪だからね。


さて、酸賀のいう「見せたいもの」。

どこからともなく取り出したるは、赤く輝く銃と新たなゴチゾウ。すなわち、ベイクマグナムブレイクッキーゴチゾウ。絆斗のために作成した変身道具一式の上位互換。

少々ぎこちない手つきでゴチゾウをセットし、マグナムを変形し。


「で? なんだっけ? え~、あ、そうだ。変身。」


あくまでもいつものテンション。彼にとって「変身」は、ただの野望への通過点。仮面ライダーベイク、誕生である。

そしてこれがアドリブだという事実。役者の解釈が深いキャラは間違いなく当たる。ありがとうございます本当に。


チョコチップクッキーモチーフのベイク。あくまでも絆斗用に作ってたんだなぁ、と思ったり。

テレ朝公式HPでベイクのスペックを確認していたところ、「体への負荷を一定程度コントロールできる」との描写がありました。お前その技術を絆斗に使ってやらんかい!!!


なお、変身のために自分にも改造手術を施したそうです。なるほどね~、そのために絆斗に全身麻酔かけなかったんだね~。(もはやいろいろと諦めた顔)


「俺が証明しようと思って。これを使えばショウマくんよりも強くなれるってさ。」

 「悪いんだけどショウマくん、早いところ変身してくれる? 俺と戦おうよ」



ということで、ここからはテストプレイである。

酸賀さん、まあ煽る煽る。本人には煽ってる気はなさそうなのがまた腹立たしい。

ショウマも変身して応戦するが、ポッピングミフォームのまま防戦一方。

その最たる理由は、酸賀が人間であること、そして酸賀の考えが全く読めないこと。


「志が低いなぁ。目的があるなら何を犠牲にしてでも果たさなきゃ……でしょ? おれはやったんだよ? えーっと、1、2、……8人か。いや、もうちょいいたなぁ」

「それって……今まで人間を?」

「そりゃそうでしょうよぉ。絆斗くんを変身させたり、ショウマくんの偽物を作ったり、そんなことが一朝一夕でできるわけ無いじゃない。20年以上に及ぶ研究の成果。」

「そんな長い間、たくさんの人を犠牲にして、平然と……!」

「待ってよ、平然となんてしてないって。実験台のみんなには心から感謝してるよ? あぁもちろん、餌になってくれた人にもね」


まっすぐと絆斗を見据える酸賀。

思い当たる節は一つ。


「餌? …………おい。──まさか。」


「師匠、俺を釣るために。お前が」

「あれ、嘘でしょ絆斗くん。え気づいてなかったの? まあ荒れは俺っていうか、ニエルブくんに相談したからだけど」


ヴァレンの変身者として絆斗に目を付けた酸賀は、「餌」として塩谷を襲った。

そうやって彼に戦う理由を与えれば、彼を最強の人間として改造できる立場になれると思ったから。

その時に裏から手を回してくれたのがニエルブだったと。


「あー2人ともそんなにショックだったんだー。なんかごめんねー?」



話したいことを一方的に喋って解散を決めた酸賀。

というかほんとに今視聴者が持ってる情報全部勝手に話していったなコイツ。

彼、出す情報はちゃんと精査できるタイプなので、これだけの情報を全部開示しても大丈夫だと判断したんでしょう。

つまり、この先の彼の計画にはほぼ関係のない情報ばかりということはほぼ確定です。怖いねこの人。何を見据えてるんだ。


ビターガヴはもちろん、当然のように絆斗も回収しようとしますが、そちらはショウマがなんとか引きずって撤退。


残された酸賀は、ビターガヴに呆れつつ変身解除。

しかし、その右手はなにやら湯気のようなものを放ちながら急激に老化してしまう。


「おっさんの身体では負担がデカいかぁ。やっぱり絆斗くんに頑張ってもらわないと」



ということで何とも強大な雰囲気を放っている酸賀。

自分が作ったアイテムだから使いこなすのも、なんなら強化もお茶の子さいさいな強者って感じですね。

でも、今回の描写を見る限りめちゃめちゃ事前に計画を立てるタイプで、それが少しでも揺らぐと大焦りするタイプっぽいので、そこが勝負な気がする。

如何に彼の計画を先読みしてひっくり返せるか。


現状、彼の方針は「強くなりたい」の一点に過ぎない様子。

そのために諸々頑張っているようですが、体の負担を考えて若い肉体が欲しいと。そのために使っているのが絆斗・ビターガヴという若人たち、ってところかな? そして第三の切り札が「K」かしらね。新しい自分の肉体とか?

絆斗は離脱できそうだからいいとして、ビターガヴ(無限にわいてくる)とK(まだ誕生すらしてない?)にどう対処するかだよなぁ……。




【以下雑記】

🍭デンテおじさん。今回東映ブログで「🐋」の絵文字が使われており……あんたモチーフ鯨やったんか。ずっと鰐だと思ってた、ごめんね。でも北欧神話モチーフならそら鯨の方が自然だよな…………。

🍭そして一度は自分の命を狙ってきたラキアを普通に受け入れるおじさん、圧倒的解釈一致である。そして実はわりかし柔軟なところとか、あっさりと「ラキアン」呼びを開始しているところとか、幸果さんと同じギャルマインドを感じる。


🍭幸果さん。デンテとの初対面の感想は、「正直全く(怖くない)ってわけじゃないけど、うん、大丈夫」とのこと。怪人態のグラニュートとは初対面か。ビビっているのは事実だけど、理性では良い人だと分かっているし、偏見は良くないよねと分かっていそうな彼女の態度が好きだ。


🍭今回のビターガヴくん、全体的に落ち着きのない人格で嫌いじゃない。でもご主人の変身前に画角の外に行くくらいには空気読めるの可愛い。


🍭酸賀さんの変身アイテム。中の人のせいもあるのでしょうが、赤い銃に恐竜っぽい牙の形、全体的にジュランおじみを感じる。


🍭ラキア。幸果からの連絡を受け、事態の収拾に付き合うことになりました。しかし最初に呼び出された先はデンテの家。とりあえず滑り台を滑っていくタイプの男、おもしれー。

デンテの家に呼び出された理由は、デンテ自身がヴラムの変身セットを研究したかったから。なんせ、これは彼の後継者たるニエルブの作。

🐋「ワシにも作れるかもしれん。ハンティーも使える、新しいベルトを。そして、ゴチゾウを!」


🍭今回無事に変身を果たした酸賀さん。多分まだ年齢は出ていないけれど、20年研究していた発言からアラフォー以上であることはほぼ確定。自分の子を「おっさん」と自称しているしね。中の人も49歳だと言うし、実はライダー史でもかなり年長のカテゴリに入るはず。見えないけど。微塵も見えないけど。マジで浅沼さんの見た目年齢どうなってんだ……。




次回:久々に純粋な活躍が見られそうで嬉しい🍫

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