1話 おカシな仮面ライダー!?
- _ ぬぺ
- 2024年9月1日
- 読了時間: 10分
これはいろいろ覚悟した方が良いのかしら……??
【あらすじ】
工場のような場所で、追われる青年が一人。
青年が扉を開けた先に広がっていたのは、エッシャーの絵のごとき不思議な空間。
●「これって、もしかして……」
重力の向きすらコロコロと変わる空間で扉の上に投げ出された青年は、そのまま開いた扉によってまた新しい場所へと転移する。
転移先は夜の東京……の、上空。
美しい夜景を前に青年は呟く。
●「これが、母さんの、居た、世界……」
【ショウマ】
本作の主人公。
冒頭から追われ、空から落下してきた青年である。
そしてそのあとのカットはあろうことか浜辺でぐしょ濡れの状態で腹を空かせて倒れているというもの。あまりにも強烈。それでいいのか主人公。
……ということで、空腹で死にかけの主人公を拾ったのは一人の小学生でした。
その名も廣井始くん。「拾いはじめ」だそうです。
彼は海外出張中の母親のために海岸に貝殻を拾いに来たところ、行き倒れのショウマを発見したとのこと。無邪気にあちこち周りを見渡すショウマに、何か食べるものをあげるから、と呆れ気味の始。明らかに精神年齢は彼の方が上である。
「お母さん」という言葉に何やら思うところのあるショウマ。
の前に、トラックが1台突っ込んでくる。トラックの先には始の姿。
慌てて始の肩を抱き、トラックから庇うショウマ。あわや大惨事!……になったのは、トラックでした。
トラックの正面はひしゃげてめちゃくちゃ、運転席・助手席にいたおじさまはフロントガラスを突き破って車外へ吹っ飛び、ショウマは彼らをそれぞれ片手で難なくキャッチ。
呆気にとられるみんな、そしてなぜか同じく呆気にとられるショウマ。
●「こっちのものって弱いんだなぁと思って」
すったもんだありつつ、始とショウマは始の秘密基地に到着。
車庫を改造したらしき空間である。小学生1人のための空間にしては金がかかりすぎてはいまいか、とは思うのですが、それはさておき。
始はショウマに取り置きのお菓子を分けてあげることに。
初めてのグミやペロペロキャンディに大興奮で食レポを展開するショウマ。
が、急にお腹に違和感。
パーカーの下からポロリと落ちたのは手のひらサイズの四角い何か。しかもなんか喋ってる。
で、ショウマがパーカーをめくるとそこには「2つ目の口」が。……口?????
で、口から次々と四角いのが出てくる。これには始もびっくり、ショウマもびっくり。視聴者も多分みんなびっくりしている。序盤からこんなに誰も何もわかってないことある???
四角い奴の正体は(もう言ってしまいますが)ゴチゾウ。
で、多分、ショウマの眷属。
●「俺にも使えたんだ」
ってことは、使えるのが普通ってことなの?
さてここで、ようやく始くんが一歩踏み込む。
👦「お兄さん人間じゃないよね」
●「えっどうしてわかったの?」
👦「いやわかるよ。」
ありがとう、全視聴者を代弁してくれて……
ということでショウマくんの話。
彼の種族は、腹部に口があることが特徴。これを「ガヴ」と言う。
そのために腹部にジッパーのあるパーカーを着用していたのですね。ぶっちゃけこの設定提示されるまでなんとも思ってなかったよそのデザイン。
なお人のことは「食べないよ! ……俺は」とのこと。食べる奴もいるんだ(天を仰ぐ)。
正直ここで口がもう一つ!→食人するの?はさすがに脚本に都合のいいセリフ回しすぎやせんかと思うけれども。
そんなこんなしているうちに、始の元には着信が。
お母さんが戻ってきたそうです。ということで歓談はここまで。
始は秘密基地をショウマの宿泊場所として提供してから帰宅の途に着く。
👦「あと外に出るなら人間じゃないって人にバレない方が良いよ。不審者だから。」
つくづく、ショウマくんが初めて出会った人間が彼で幸運だったなと思う次第である。
一人秘密基地に残ったショウマは、幼少期の頃を思い出す。
母親から、「うちのお菓子は絶対食べちゃダメ」と言い聞かされて育った子供時代。
先ほどのグミを食べた時の反応を見るに、見たこともないお菓子の知識だけをひたすら頭に入れて味を夢想する日々を送っていたんじゃないかなぁ、と。
泣きそうな母親の顔を思い浮かべながら、これからは地球で生きていく覚悟を固め……何かが目に入る。
さて、帰宅途中の始は、怪しげな男につけられていた。
腹部にできた口から舌を伸ばし、始を襲う男。
ショウマは人間ではあり得ない速さで始に追いつき、ギリギリ彼を助けることに成功。なお、ショウマが始を追いかけた理由は始がお土産の貝殻を忘れて帰っていたのを発見したから。
男はその場で怪人に変身。
驚きも焦りもしないどころかろくに注目すらしないショウマ。
●「こう見えて俺、あんたと同じグラニュートだから」
……いつかショウマ怪人体が出てきたりします?
始を守るため戦うが手も足も出ない。
それどころか震えが止まらない。
フラッシュバックする記憶は、襲われる母親と、複数の怪人と、何もできなかった自分。
●「なんで俺は弱いんだ……」
「だから何も守れない」
「でも、ここでは、これからは!」
それでも始と母親が幸せに暮らすために。
めげない彼の味方になったのは大量のゴチゾウたち。さっきの描写を見るに、ショウマが食べた分だけゴチゾウって生まれるんですよね。どんだけ食ったん?
「イートグミ!」と言いながらガヴの形に並ぶゴチゾウたち。か、かわいい……。
ショウマは言われた通り、グミのゴチゾウをガヴにセットする。
《仮面ライダーガヴ ポッピングミフォーム》
「ポッピングミ ジューシー!」
ショウマの眷属:ポッピングミゴチゾウをガヴにセットし、咀嚼器官:ガヴドルを回転させることで変身開始。
ハロウィンに似合いそうなポップでちょっぴり不気味なBGMと共に、ショウマの体からグミが出現。ちなみにその外側にはパッケージよろしく透明なビニール袋状の膜が出現。
最後に舌鼓:デリカッションを打つことで体の変化が始まる。
ゼリーっぽいスーツが全身を覆うエフェクトの断面のツブツブ感、良い。そして「変身」のくぐもっている感じも。
そして散々書きましたが、ガヴの部品名称が全体的に楽しい。設定も、「歯磨きしたら能力が維持される」とか可愛い。
総じて、「ポップで可愛いけど気味が悪い」変身。
BGMが不穏なのもそうだし、
「体内からなんか出てくる」「ぶよぶよした物体で全身が覆われる」
みたいな、「変身」よりも「浸食」なんて言葉が似合いそうなエフェクトである。
この後の戦闘シーンでもゴチゾウを使う度に絶叫に近い叫び声が響き渡るし、
キックの際には明確にゴチゾウの臨終を見せられるし。
変身アイテム、しかも「眷属」という一つの生命体を使いまわしにしますかそうですか。
怖い。怖い。
さてそんなガヴさん。
紫色を基調としつつ青や黄色も使うという、補色がポップなカラーリング。
特筆すべきはムニュッとしたクッション素材のコンバディ。実は耐久力はあまり無いようで、敵のパンチでいとも簡単に折れます。(リアルに撮影で飛ばしているらしい)はじけ飛ぶカラフルな玉がポップです。
が、下でうろちょろしているゴチゾウを新たにガヴのテイスタンにセットすれば簡単に修復可能。
戦闘の最中、始の母親が心配して迎えに来たところ、彼女が見たのは交戦するガヴと怪人。
「化け物が2体!」と叫びながら息子を連れ帰る彼女の耳には、息子の「違う」という声は聞こえない。
🐂「聞いたか? お前バケモノだってよ」
●「そうだな。バケモノだ。俺も、お前もな!」
ガヴはさらに剣:ガヴガブレイドやブルキャンバギーを召喚して戦う。
最後にキッキングミゴチゾウを使ってキッキングミアシストフォームに変身。ライダーキックを叩き込んで初勝利を収めたのでした。
●「俺にも、守れた……」
その後。
秘密基地を訪れた始でしたが、そこはもぬけの殻。
机の上には置手紙が1枚。
そこには拙い文字で、自分を助けてくれたお礼と謝罪の言葉、これからの決意が綴られていた。
別れの言葉がないのが余計に悲しい。
そしてここまで便宜上連呼してしまいましたが、ここでようやく主人公の名前が「ショウマ」と判明するのが好きだ。こういうのに弱いんだよな私は、シンケンジャー1話見てねみんな。
👦「バカだな。こんなの書いたら証拠残っちゃうじゃん」
始は手紙を破り捨てる。
優しさゆえに残酷なことをしなくてはならないことがある。
これを、初回の、最後に持ってくるんだ。そういうことをやる作品なんだ、これは。
新天地を目指し、地球流のバイクで走り出したショウマ。
彼は一週間後…………公園で行き倒れていたのだった。
【辛木田絆斗】
本日一瞬だけ登場、後の2号ライダーくんです。
サングラスに革のコートといういで立ちのフリーライター。恰好から入っていくタイプだなさては。
彼が突撃取材したのは白壁恵子。半年前に旦那さんが失踪したとのこと。
旦那さんの失踪前後でこんなものを見かけなかったか、と彼が見せたのは、クレヨンで描かれたと思しき怪人の絵。子供っぽい絵だけど誰が描いたんだろうか。絆斗くんだったらにっこりしちゃうけど。
当然ながら恵子夫人はふざけるなと一蹴して去っていく。
遅れてやってきたのは彼の師匠:塩谷壮士。
話の持って行き方が下手だと叱られます。それはそう、デリケートな話題ほど如何に相手に不審がられず、少しずつ核に近づくかがカギになりますからね。(司書資格持ちの人間)
そして夫人の態度から、恵子夫人が旦那を殺したのではないかとあたりをつける。
……確実な証拠がないのに断言する人間を信用してはいけません!! 今回敵キャラが出てこなかったこともありますが、現状一番信用してはいけないのはこの人です!!!!!
【グラニュート】
本作の敵怪人にして種族名。
「仮面ライダーと敵は同じ力を持っている」というライダーのルールに則り、主人公もこの種族にあたります。
人間社会に溶け込んで生活する彼らの好物?は「闇菓子」。黒っぽい立方体のお菓子のようです。結構堅そうだし食欲をそそられる見た目ではない。
闇菓子を得るためにはお仕事をする必要がある。
人間をアクスタ……ではなくヒトプレスにしてストマック社に献上する必要がある。
ガヴは生の人間の口っぽいデザインで、思いっきり配線が覗いています。
そこからUSBメモリ的な何かを抜き出すことで怪人に変化する様子。
でもあの男の言い方からするにこっちのガヴの方が一般的っぽいよね。ショウマみたいなメカメカしいガヴは珍しいってこと?
今回は敵に関する情報は完全に放置するという選択をとったようで、ほぼこれ以上の情報はなく。
正直上記の情報もテレ朝のページからだいぶ抜き出してきているくらいだし。
この辺は次回に持ち越しですかね。
【以下雑記】
ということで始まりましたね仮面ライダーガヴ!
個人的に掴みはバッチリですね。
可愛くてポップなのに気味が悪い、という雰囲気は隅から隅まで行き渡っているので作品の空気が既に完成されている感じがある。
キャスト陣のお芝居も安定しているし、
フックになる気になる要素もモリモリで今後が気になる。
あとは東映ブログの書き手が非常に淡泊で大変気持ちがいいです。東映ブログの自我強すぎたことが前作の視聴を切った原因の一つなんでね。こういうのが読みたいんだよ私は。裏側暴露とか視聴者とのレスバとか要らんのよ。
一つだけ気になったのは音響ですかね…。
戦闘シーンの人の声がBGM・SEに負けている気がする。ところどころ聞き取りづらくて……。そこはさすがにどうにかしてほしいですかね。
一番の問題はショウマの過去でしょう。
「お菓子を禁じられてきた」、しかも「家の」お菓子、という言い方ね。
背景の室内がかなり豪華な感じだったし、普通にショウマの家がストマック社上層部な可能性あるでしょ。
あとは母親問題ね。
グラニュートにとっての食料である人間がなぜ彼らの世界で普通に子供をもうけていたのかとか、母親のヒトプレス化はどれくらい前のことなのかとか、ショウマが追われていたことと関係あるのかとか。
ヒント少なすぎて今考察したところで徒労に終わりそうなので書き連ねるだけ書き連ねて終わりにしますが。
来週も大変楽しみになる引きでした。
これから1年間どうぞよろしくね!
次回:ポテトチップス🥔
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