映画 王様戦隊キングオージャー アドベンチャー・ヘブン
- _ ぬぺ
- 2023年8月1日
- 読了時間: 5分
過去に向き合って前を向くということ
時系列はおそらく23話の後でしょうか。ダイゴーグの件がひと段落したあとかな?
ギラの戴冠式。
各国から王と国民が集まるお祝いムードの中現れたのは、死の国ハーカバーカからやってきたデボニカ。
彼女の案内で国王たちはハーカバーカに行って先祖たちへの挨拶を行う。
……これ、パンフや公式HPのあらすじ見ないと分からないよな。
基本的に見ると決めた映画はあらすじすら見ずに映画館に行くようにしているのですが、この辺説明がろくにないまま進んでいったので、正直よく分からなかった。
まあ30分という尺の制約があるから仕方ないのかなあ。
ハーカバーカ。
「幻想的」「夢の世界」という言葉がよく似合う。
五王国がCGを使いつつも実写の映像を組み合わせる等しているせいか「ありそうな世界」を作っていたこともあり、今回のファンタジーに振り切った世界観には思わず息をのみました。
ハーカバーカを案内するのはデボニカ。
死後の世界であるハーカバーカとチキューとを行き来できる人物であり、ギラの幼馴染。
ギラが即位することを見越して彼の素質を確かめるために潜入していたらしい。
演じるのは佐倉綾音さん。
ギーツ含め夏映画のキャスティングが解禁された時に一番びっくりしたのはこの方。
顔出しに消極的なイメージのある方だったので。
でも最初に歌いながら登場した瞬間に納得。この歌い方は「声優」を起用することに意味がある、と思った。
案の定パンフのインタビューでもそう言われていてやっぱりね、と思ったり。
王たちはそれぞれにゆかりのある死後の人物に会っていく。
ヒメノは両親と再会して、15年前に果たせなかった別れの挨拶を済ませる。
リタは今まで自分が裁いてきた人物の亡霊に苛まれる。
ヤンマは特に会う人物はおらず。
お師匠さんあたりが出て来るかなーと思ってたんだけど。
カグラギはイロリと対面。
イロリの圧政に耐えかねたカグラギが下剋上を果たしたというのは本編でも触れられていましたが、イロリの口ぶりから察するにカグラギさんもとはイロリさんにかなり近しい役職についていたのかな。
イロリがかなりカグラギを恨んでいることはよく分かったのだけれど詳細は分からずじまい。これ、イロリさんが本編に出てくる可能性あるぞ。
イロリさんめちゃくちゃかっこよくありませんでしたこと?
絵に描いたような「悪女」。でも品があって女王に相応しい風格。底知れぬ不気味さがあって、妖艶で。
情報解禁の時点でそのルックスに心臓撃ち抜かれたんですけど、動いてるの見たらもっとヤバかった。かっこよすぎ。
ちなみにパンフのインタビューの内容がめちゃくちゃ面白かったのでみんな読んでほしい。
さて、ギラが対面したのが初代シュゴッダム国王:ライニオール・ハスティ。
彼はこの先大災害が起こることを示唆し、優しすぎるギラでは事態に対処できるとは思えないから自分が復活して即位すると宣言。
もちろん死人なのでほいほいハーカバーカから出て行けるわけじゃない。だからデボニカの身体を使う。彼女はそのための存在だと。
つまりはデボニカを犠牲に民を救うと言っているわけであり、もちろんギラはそれを拒否。
デボニカを連れて一時逃走、彼女に「本当は生きたいんじゃないか」と問いかける。
ライニオールとの再戦の際は彼に「この世は生きていくだけで地獄、だからこそ小さな幸せを大切にできる王でありたい」と言い、デボニカにどちらの王を選ぶか決めろと言い放つ。
ギラにあってラクレス・ライニオールにないものは「市井の人々の暮らしの経験」、それも孤児院という恵まれない場所での暮らし、に尽きると思うので、ここを前面に出してくれたのが嬉しい。
ギラの言葉に心を動かされたデボニカはギラを「我が王」だと選ぶ。
その頃、ヤンマは持っていたPCでチキューと繋がることに成功。
シオカラに命じて嘘発見器を使わせる。一時的に死亡したシオカラはハーカバーカで合流。これを陰から見ていた臣下たちも次々に嘘発見器を使ったらしく、次々と主のもとへ。
一時的に死ぬような代物を作ってナチュラルに使っちゃうンコソパ、怖い。
5人の王がライニオールのもとに合流し、さらに「蜘蛛の糸」を伝って来たジェラミーも登場。
それに対抗して「王骸武装」したライニオールとの戦闘になる。
6人でライニオールに勝利。
その後のライニオールの台詞を聞くに、もとからこの戦闘は王たちのレベルアップにすぎなかった様子。
思いっきり悪役ムーブをかますライニオールが、4人の王たちに「負けたらいうことをなんでも聞く」と言った姿と重ならなかったのですが、最後の台詞でようやく重なった感じはする。
無事にチキュウに帰還した一行は戴冠式を再会、無事にギラは王様になったのでした。
という感じでしたが……戦隊の夏映画ってこんなに不穏なものだったっけ?
本筋から少し外れたお祭り騒ぎ!ってイメージだったんだけど、それはドンブラザーズのせいですか?
カグラギの過去の断片、「これから」を示唆するライニオールの台詞。
見ていると見ていないでは今後の話の見方が結構変わってくる気配がするなと思いながら見ていました。
そして今回一番すごかったのは間違いなくライニオール様です。
中村獅童さんあまりにも大正解……。
濃いメイクと豪奢で重たそうな衣装がまあお似合いでいらっしゃる。
圧倒的な威圧感と、にじみ出る強者としての在り方と、包容力と慈愛。言ってることもやってることも悪そうなのに、どこか温かくて優しい感じ。
めちゃくちゃにかっこよかった……。
あと、ハスティー家のアクション全員良い。
粗削りだけれど力強いギラ、
高貴で一撃一撃に重みのあるラクレス、
重みと迫力が段違いのライニオール。
全員雰囲気が違って、彼ららしいなあと。
ライニオール様あのお衣装であの剣の振り回し方かっこよすぎないです? 惚れ惚れしてしまった。
本編にもう少し出てほしいなぁ、難しいかなぁ。
サブタイトルに違わぬ、「アドベンチャー」大作でした。
個人的にはやっぱり30分の尺は短いなあと思わずにはいられないけれど。
何度も言っているけれど昨年のドンブラザーズが30分の尺の使い方が大変上手だったのでね…でもあの手法使えるのドンブラザーズくらいだし……。
コメント