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  • 執筆者の写真_ ぬぺ

劇場版 仮面ライダーエグゼイド トゥルー・エンディング

忘るるなかれ、ゲームとは治療である





檀正宗が散った後。

平和な聖都大学附属病院では、永夢がとある患者を診ていた。


星まどか

脳腫瘍ができる難病に苦しむ小学2年生。

いつも通り励ます永夢に、「じゃあ今度の運動会に行けるのか、お弁当を食べられるのか」と問い詰めて困らせる。


腫瘍さえ取り除けばいいのだが、症例も少ないこの病気だと、手術もなかなか大変らしい。



とはいえおおむね平和な日常に現れたのは、忍者。

忍者集団は、まどかの通う小学校と聖都大学附属病院、その近辺にいる人々を襲う。手裏剣状のウイルスを注入された人はそのまま昏睡状態に陥る。

被害は一般人にとどまらず、CRのメンバーも次々と倒れてしまう。


さらにまどかの病室には黒い服の男が侵入。永夢の制止も虚しく、まどかも昏睡状態にして去っていく。


仮面ライダー風魔

マキマキ!竜巻!ハリケーンニンジャ!

今作のライダー。ハリケーンニンジャガシャットを使用。

銀色のボディに白髪が特徴。背中に背負った刀:風魔双斬刀がかっこいい。




彼らが飛ばされたのは、小学校の運動会。

患者たちはそれぞれ、学校の生徒や先生、観覧席の保護者といった役割を与えられることとなる。


大我は教師として徒競走のスタートの合図を担当。「バーン(エコー)」

ニコはなぜか生徒としてランドセルをからって疾走。なぜ。本当になぜ。

飛彩は観覧席でまどかのパパになっておりました。ノリノリでピッツァをカットし、一眼レフで娘の写真を撮りまくる。あんたが一番なにやってんだ。


そんななか、バグスターだったために影響を受けなかったポッピーは、まどかの存在に気が付く。

彼女を観察していると、徒競走で1位になった時と、母親のお弁当を食べたときにガシャットロフィーが一瞬見えたことに気が付く。


👧「……これで喜んでくれるかなぁ」




幻夢コーポレーションにて。

まどかを襲った男がライダーに変身していた、すなわちガシャットを所有していたことを受けて、黎斗貴利矢の両名は、現在ガシャットを作れるもう一人の人物:小星作のもとを訪れていた。


久しぶりの登場、小星さん!

以前提案した坊主のゲームのポスターが窓に大きく貼られていたり、デスク周りがハンバーガーだらけだったり。以前登場した時と変わらずお元気そうで何よりです。

そしてなによりも幻夢コーポレーションの社長に就任しておられる!!

今作、全編通して「幻夢コーポレーション自体は被害者」というスタンスだったうえに、小星さんは「有能で人望もある」と明言されてきたので、彼が社長に就任したのは純粋にとても嬉しい。彼ならきっと、会社をいい方向に持っていってくれる。世論とかいろいろ大変だと思うけど、めげずに頑張ってほしいなぁ。


…とまあ、彼の話はさておき。


🍔「私がバイオテロをする人間に見えますか?」

と否定しつつ、貴利矢たちに促されて語ったことによると。

正宗は以前、「MACHINA VISION」とゲームの共同制作の話が持ち上がっていた。しかし、本編中でも明示されたように、方向性の違いによって交渉は決裂。

その後何者かが幻夢コーポレーションのサーバーをハッキング。ゲーマドライバーとガシャットの設計図が盜まれていた。

(外部からハッキングできるところに設計図があったなら、正宗さんも自分でゲーマドライバー制作できたのでは…?他人から奪うようなまどろっこしい真似したくても良かったのでは??)


「MACHINA VISION」の公式HPを開いた小星さん。

「I AM GOD」の文字を見て、黎斗が怒らないはずがなかった。



この話を聞いた貴利矢は、「MACHINA VISION」に突撃。

社長のジョニー・マキシマと南雲影成の会話を聞く。


ジョニー・マキシマは本編にも登場した「MACHINA VISION」の社長。

日本語は流暢だが、日本人ではない。

日本の文化が好きだと言っており、風魔の忍者セレクトも彼。会社の内装も妙な和風。ただし、「忍」と「葱」を間違えていたり、「葱」がなんたるかよく分かっていなかったりと結構おちゃめなおじさま。

VR技術を活用したゲームを世に送り届けている。

が、その実態は自身のゲームを用いて世界滅亡を企む男。


南雲影成は風魔の変身者。

「MACHINA VISION」の一員であり、手裏剣状のウイルスを作り出した張本人。


「で?そのシナリオはどんなエンディングになる予定?」

「……ハッピーエンドさ」

 「誰にも邪魔はさせない」


グラファイトから回収したバグヴァイザーを用いて、貴利矢・ジョニー両名を仮想現実に送る。




その頃、幻夢コーポレーションの地下では。

懐かしの場所が出てきてちょっと感動していますが、それはさておき。


自称神:黎斗が働いていた。

仮想現実に送られた人たちの意識を助けるために、永夢には仮想現実に入ってもらう。

幻夢VRと、新たなガシャット:マイティクリエイターVRXガシャットを開発して永夢に託す。


丁度攻めてきた忍者軍団は彼がカーチェイスで撃退。

囮としてパラドも出動し、風魔らと戦いを繰り広げる。




仮想空間にて。


唯一変身できる永夢がクリエイターゲーマーに変身。

天地創造の力!ゲットメイク!未来のゲーマー!マイティクリエイターVRX!

レベル2の上からマントとアーマー、VRゴーグルを装着した造形。

最大の特徴はガシャットを使った自由なクリエイト。

建物の間に橋を架けたり、ロケットを描いて攻撃したり、空を飛んだりと自由自在。

この力を応用して仮想空間に出口を創造し、患者を救うことに成功。

空にある穴に全員が吸い込まれる様を見て、2年後の夏映画にも同じようなやつがあったなと遠い目になったのは私だけじゃないと思いたい。なんだよ、平成生まれだけが吸い込まれる穴って。

音声に違和感あるなと思ったら諏訪部さんが担当らしいです。


ちなみにこの間、永夢本人はテレビの前に立って動いているだけ。

時々そのカットが映って現実に引き戻される気持になる。



で、肝心のまどかは。


👧「行きたくない!」

 「私はここにいる。ここにいたいの!」


彼女の宣言をもってゲームクリア。

彼女のみ目覚めることはなく、彼女のもとにはジョニーが現れる。


⛩「よくできました。君のおかげで、ゲットできたよ。全知全能の力を」

👧「誰?」

⛩「最強の、ラスボスさ」




その頃、現実世界にて。

雨の中、ライダーたちが南雲を問い詰めていた。


彼の目的はまどかを幸せにすること。

彼はまどかの父親であり、その幸せを願っての言動だったという。


端から娘の命を諦めるな、と言う永夢でしたが、

娘と分かれた時にまどかは小さすぎて自分のことを覚えていないであろうこと、例え今助かったとしても、これから先ずっとハンデを抱えて生きていくであろうことを考えると、今回のようにこっそりと手を回し、彼女には病の無い世界で幸せに生きるほうが良いと思った、と南雲は反論。


「命を救えたとしても、あの子の人生までは救えない!」

「救える!」

 「未来に希望があれば、人は笑顔になれる。笑顔でいれば、人生は救われる。僕はそう信じてる。現実の世界で、まどかちゃんの笑顔を取り戻さなきゃ意味がない」

「綺麗ごとはよせ」

「綺麗ごとじゃない。子どもの命を、子どもの笑顔を守るのは、僕たち大人の義務じゃないか」




そこに現れたのはジョニー。

まどかのおかげで全知全能の力を手に入れたと豪語。

その正体はバグスター、しかもゲムデウスマキナと呼ばれるラスボス。

見た目はゲムデウスの色違いだが、その力は桁違い。

ライダー全員を一撃で変身解除に追い込み、唯一残った黎斗・パラド両名は吸収してその場から立ち去る。




病院に帰還し、落ち込むCRメンバーのもとに入ったのは、星まどかの容態が悪化した報せ。



飛彩は即座に緊急オペを決定。

明日那・永夢も自ら志願して共にオペに参加。

永夢も昔は外科手術見て貧血を起こしていたというのに…成長したね


手術は順調に進んでいたが、途中でゲーム病を発症。

手術の続行が困難となる。

原因を考える中、明日那が思い出したのはまどかが仮想空間の中で言っていた不可解な台詞。

1つの可能性に行きついた永夢は、ひとまずプロトガシャットを使用してウイルスを抑制しつつ、まどかに彼女の真意が分かったことを伝える。

声が届いたのか、ストレス源が減った彼女の容態は再び安定。

改めて手術が再開される。



その裏では、残った大我と貴利矢がジョニーのもとへ。

足止めにやってきた風魔と交戦する。

風魔はなんとか変身解除に追い込むが、ゲムデウスマキナが現れたことで形勢は逆転。


しかし、そこになんとか手術を終わらせた永夢と飛彩が参戦。


永夢は南雲のもとに行って語りかける。


「今すぐまどかちゃんのところに行ってください」


手術は成功したものの、まどか本人の精神は未だ仮想現実の中。

こちらに戻ってこようとする気力がない限り、目が覚めることは無い。

そして彼女が戻ってこない理由は、彼女の本当の願いが「父親が笑顔でいること」だったから。

自分が仮想空間にいて、父親の望みを叶えていれば父親も笑顔でいてくれる。そう考えたからこそ、彼女は仮想現実から出ることを拒んだ。

なので、南雲本人がまどかのもとへ行き、現実世界で笑顔でいることを伝えれば、戻ってきてくれるはず。


「まどかちゃんが生きようとする力を、本物の笑顔を取り戻せるのは、あなたしかいないんです!」

「お父さん、あなたの本当の望みは何ですか」


南雲は意を決し、バイクになった貴利矢に乗って病院に向かう。




同時にゲムデウスは本格覚醒。

吸収していた黎斗・パラドを吐き出して最終形態に進化。


「ラスボスを倒して、ゲームクリアだ」


満を持して、永夢はムテキに変身。


「全ての運命は、俺が変える」


爆発を背に変身する永夢。変身シークエンスがめちゃくちゃにかっこいいので見てほしい。

ここからはCGを駆使したバトル。

一人称視点とそうでない視点とが入り乱れるカメラがかっこいい。さすが劇場版。


⛩「勝負あったな。脆弱な人間どもには決して変えることが出来ない運命と言うものが存在するのだ!!」


「どんな運命だろうと、変えられる!人には、その力が、ある!」



そして南雲は、広がるゲムデウスマキナのゲームエリアを背に病院へ到着。娘に駆け寄って手を握る。


まどかへの謝罪。

「俺の本当の望みは、まどかが生きていてくれることなんだ。まどかの傍に、ずっと、一緒にいることなんだ」

👧「私もだよ、パパ」


南雲本人も言及していた、まどかが自分のことを知っている訳がない、という問題。確かにその通りだったのだが、まどかは彼が病室に入ってきた時点で、直感で彼が自分の父親であると気が付いていたという。

だからこそ、彼の狙いもなんとなく分かっていたみたい。



「人が生きるということ、それこそが全ての人が持つ、運命を変える力だ!」


ゲムデウスマキナは、永夢の攻撃で敗北。


「ゲーム、クリア」




その後。日常に平穏が戻ってきた。

まどかの経過は良好。治療は終わらないが、その隣には両親がいる。


「未来がある限り、まどかには、希望がある。」

👧「私頑張る。パパ、ママ、今度一緒に、本当の運動会行こうね」



「ハッピーエンドだね」


というわけで。これが本当のハッピーエンド。すなわち、トゥルーエンドなのである。





1年後。


貴利矢は相変わらずCRで勤務。

「リプログラミング技術による革新的医療の未来について」という論文を執筆中。

未だ続くゲーム病の治療に携わっている。


それを支える明日那も相変わらず。ナース服の色が変わっています。出世したのか…?


黎斗は依然としてドレミファビートに軟禁状態ですが、元気いっぱいにゲームを製作中。これからほぼ毎年帰ってきます。元気です。


大我は花家ゲーム病クリニックを開業。医師免許、戻ったんだ。

ニコをバイトとして雇いつつ、経営しているようです。

そんなニコちゃんですが、白衣は着ないし、やたらポップなポスターを作るしで案の定大我を振り回しております。ニコから見たら自分は可愛いネコ、大我は怖い虎らしいです。イラスト可愛い。

とはいえ、ニコは患者さんの対応にはノリノリで白衣を着ているのでまんざらでもなさそう。

この2人も登場時に比べて随分と丸くなったものだ。


飛彩は、同じドクターに「VRを用いた遠隔手術手技について」という講座を開講中。

その一方で、衛生省大臣自ら手術医に指名されるなど、医師としての評判も上々。

父親である灰馬さんも嬉しそうです。


そして永夢は。

なんだか見覚えのある光景を繰り広げていました。

病院の外で、子どもたちにゲームをしているところを見せ、看護師さんに耳を引っ張られてしょっ引いていかれ、そのままずっこける。

2年前に見た光景ですが。

何よりも飯島さんの演技力の上がり方が半端ないことが分かる。初めて見たときにはこのシーンを見てちょっとこの先が不安だぞこの主人公……となった思い出。

胸についた名札には「小児科 医師」の肩書が。


「行こう、パラド」




おまけではビルドが先行登場。

マイティブラザーズとして戦うパラドと永夢の前に登場して、2人を追い詰めた後、エグゼイドの成分を抽出して去って行ったのでした。

確かこの時のビルドの変身者も(以下自粛)。

これが平成ジェネレーションズに繋がっていくんだっけか?





総括をば。



こういう時はやはりマイナス面から言うべきかね



やっぱりネックは尺だよな……。

特に今回は尺を割く部分が今一つだった印象。



一番気になったのは南雲関連。

まどかと名字が違うので、何かしらの理由があって離婚して親権は母親に、という背景はなんとなく理解できるのだが、それ以上のことが見えてこない。

なんで離婚したのか。なんで怪しさ満点の「MACHINA VISION」に勤めて、新型ウイルスなんて作っちゃったのか。なんで風魔に変身することとなったのか。いまさら娘が~って言っている理由は。

あと全体的に母親が空気だったのも気になっている。その割に南雲を見たときのリアクションが普通に「あなた!」だったし。8歳の娘が物心ついてから会ってないというから5年近く連絡取ってないはずなんだがそれにしては驚きが少なくないか?

なんかその辺がノイズになってしまって本来の感動シーンにあんまり感情移入できなかったというのが正直なところ。


もう少し南雲の過去の話や心の描写があれば気にならなかったのかも。

同じ脚本家のゼロワンの映画はその点めちゃくちゃ良かったし、エス関連でボロボロに泣いたので……。



あとパラド・黎斗の吸収ももっといい感じに調理してほしかったな。

多分、一時的に弱体化に貢献したってところなんだろうが。あんまりわかんなかったな…。




何よりも良かったのは圧倒的人間賛歌。

本編の時点から既に、テーマが「医療」なだけあって今までの作品以上に「巻き込まれた人を救う」に注力して来た作品、その集大成だった。

永夢がゲムデウスマキナに言い放った台詞も、南雲に言った台詞も。

全てが「より良く生きるためにどうするか」という話だったのはとてもよかった。


個人的に意外だったのは、「子供を笑顔にするのが大人の役目」って台詞があったところ。

一応子供番組の作品でこの台詞を突っ込んでくるのはかなり意外だったぞ。



さらに、本編ではあまり無かった医療ドラマパートもちょっと長めに取ってくれました。

本来の彼らの仕事はこっちだからね。

それでも、スタンス自体は何も変えないCRメンバーたちが大好きだ。



主題歌は三浦大知さんの「Life is Beautiful」。

この題名自体人間賛歌だし、透明感溢れる歌声がラストシーンにマッチしていて感動してしまった。(最終回のネタバレじゃないかというツッコミを噛み殺しながら)




全体的に気になる部分はありつつも、「エグゼイド」という物語が紡いできたテーマの集大成、素敵な「トゥルーエンディング」でした。

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