仮面ライダーTHE WINTER MOVIE 仮面ライダーガッチャード 仮面ライダーギーツ 最強ケミーガッチャ大作戦
- _ ぬぺ
- 2023年12月23日
- 読了時間: 10分
……題名が長いな。

ということで公開初日に行って参りました!
写真に見切れていますが私には珍しく夕方の回(普段は人がいない朝の回に行くようにしているため)。小さい子たちもいっぱいいる回で、そんなちびっ子たちの反応も含めて見てまいりました。反応するツボが子供と大人じゃ違うからそれも含めて楽しいね。
ということで、ここからはネタバレも有であれこれ書いていきます。
なのでワンクッション。
以下、
本編未見の方及び、シンプルに今作面白かったな~~!という方
はブラウザバックすることを強く推奨いたします。
読まれる方もこの一文を心に留めてお読みくださいませね。
率直に言いますね。
ここ最近の映画で久々に外れ引いたかもしれない。
「特撮映画」でも「邦画」でもなくて、「全てのジャンルの映画で」です。
正直全体的にう~~~ん……だった。
自分の気持ちを整理するためにもちょっと順番に書いていきます。
まずあらすじについては大変面白かったです。
偶然出会ったギーツとガッチャードチーム。
クロスウィザードのパワーでケミーになってしまったギーツチーム。
課されたレベルナンバー10のケミーを捕獲するゲーム。
夢を見せられてもなお現実を選び取る宝太郎の強さ。
クロスウィザードの過去。
黒幕の過去と野望。
そして親子愛。
主人公2人にかっこいい見せ場があったのはもちろんですが、他のキャラクターたちにもたくさん見せ場があったのは良かったです。
けど、それ以上に色々目立つ部分があって。
① ギーツチームの薄さ
まずはこれです。ギーツチームがひたすらに薄っぺらい。
台詞が全体的に「本編の台詞や決め台詞をつぎはぎしました」って感じなのがずっと否めなかった。二次創作感とでもいうのでしょうか。そこはかとないコレジャナイ感。
なんか、行動原理の大枠はあってるんだけど、そこに至る動機やちょっとした台詞回しが引っかかることが多くてモヤった。
一番モヤったのはやっぱり英寿かなぁ。彼の万能感の中にある軽やかさとつかみどころの無さという魅力がブレていた気がして。彼は確かに他人を化かしたりからかって遊んだりするけれど、今回の対宝太郎みたいに、特に意味もなく他人をおちょくって遊ぶような人間じゃないよ。
一応高橋先生の監修も入ってたみたいだけど……。そっか、じゃあ私が考えすぎなんだろうな。うん。そう思って納得することにします。
あとそれに関連して一つなんですけど、
「英寿の存在を皆が忘れた世界」っていう設定結局どうなったんですか? その辺はVシネ追ってたら分かる奴なの? 基本的にアフターストーリー系は追わないようにしているので、その辺は私の情報不足だったらごめんなさい。
今回普通に英寿が居て、でも神様として祀られている設定はどうやら健在だったみたいなのが個人的にはもう少し説明欲しかったです。
② 宝太郎・景和チームの奔放さ
ケミーを捕まえるためにチーム分けされたメンバーたち。
しかし、英寿に化かされた宝太郎は怒り心頭。彼に一泡吹かせるためにギーツ&りんねチームの後を追う。
……が、そこは2000年生きた英寿。寧ろ宝太郎たちを良いように扱って無事にステージをクリアする。
という感じなのですが。
もうこの辺の宝太郎と景和がひたすらにギャグ要員。
勝手に行動し、英寿に隠れて…という体で何もない平原を目立つカラーリングのスーツで移動し、テンフォートレスにバレて砲撃を受けまくり撤退(これを2回もやる)。
英寿に無駄にたてついて罠に嵌まる(これも2回やる)。
最終的には2人で悲しく焚火を囲んでいるものの、タイクーンケミーの尻尾に引火。
流石にちょっとくどい。
最初の方は子供にもウケてたし、ある程度ギャグも入れた方が緩急もついて良いと思うよ。
でもここまで一箇所で笑い所持って来なくても…という感じではある。
それに、確かに宝太郎は売られた喧嘩は余さず買っていくタイプだし、直情的に行動して失敗するタイプだし、それを景和は止められるタイプでもない。
でも決してアホの子ではない。
向こう見ずな中にも優しさとか正義感の強さや我の強さがあって、そのまっすぐさでまわりを変えて行けるのが彼の良いところだと思っていたのだけれど。
その良さを雑に抽出してギャグとして片付けられたのがすごくモヤモヤした。
同じく英寿に振り回される側である景和がうまいことサポートしてくれたり、どこぞの宇宙一ラッキーな男よろしくその運でうまい事道を切り拓けたりしたらここまでいろいろ言うことは無かったんだけどなぁ。
③ レベルナンバー10の扱いの雑さ
ユーフォーエックスから始まったレベルナンバー10のシリーズ。
ケミーの掟にある通り、彼らを支配下に置くことは許されない。
故に、今までの錬金術師とは異なり、彼らを仲間として受け入れる宝太郎がどんどん彼らの力を得ることができる。
そういう設定だよね??
しかし今回のケミーたちを見てみると、
エクシードファイター → 「作られた命」という点で共通項を見出した祢音のおかげで仲間入り
テンフォートレス → ちっこい本体を探し出して捕獲
リクシオン → 放電させまくって力が落ちた所を捕獲
……仲間になるとは??
エクシードファイターはシンプルによくできてるなぁと思った。強いて言うならもう少し祢音ちゃんからの押しが欲しかったけど尺の関係でしょう、致し方なし。
テンフォートレスはちっこい本体が(お声も含めて)可愛かったけど、普通のケミーとなんら変わりなくやすやすゲットしてたし、
リクシオンに至ってはだまし討ちみたいな感じだったの本当に解せない。まあ捕獲に当たったのがスパナと道長だったのでうまく展開できなかったんでしょう。紫色で優しいくせに口下手で素直じゃないから一生話が進まなくて面白いコンビではあったけど、それで本編に整合性が取れてなかったら世話ない。
ビートルクスとゼグドラシルに至っては完全カット。ギャグの尺こっちに回してほしかったが。
クロスウィザードの動機が「友達が欲しい」だったので、だからこそ「友達」「仲間」になるというレベルナンバー10のケミーたちとの交流をもっと大事にしてほしかった。
④ ギーツケミーの存在
本作オリジナルのギーツケミー。
いつの間にか現れ、英寿の傍に居続ける謎のモフモフ狐。
この子が誰なのか?という点に関しても作中の謎の一つだったわけですが。
彼の流れを辿ると、
出現 → ずっと英寿の傍を付いて回る → 英寿の身代わりになって大怪我 → 正体判明
という感じ。
途中英寿の身代わりになり、それまで彼に冷たい態度をとっていたギーツケミーが致命傷を負ったことで英寿と宝太郎の堪忍袋の緒が切れるシーンがあるのですが。
この時点で、ギーツケミーは特に何もしていないんですよね。
ずっと英寿のまわりをうろうろしていただけで、大した交流も無い。しかも上記の通りまだ正体も不明。ぶっちゃけ見ている側としてはまだこいつが敵か味方かも分かってない。
そんな状況で傷ついて悲しい、敵は外道だ! みたいな展開を持って来られても気持ちが付いてこないんですよね……。
そうやって乗り切れないまま最終決戦に突っ込んでいくもんだから、今一つ乗り切れないままでした。
その後、最後にギーツケミーの正体が判明。
彼は昔英寿が飼っていた犬:コン。交通事故で死んだ後も、飼い主に懐いていたコンは陰ながら英寿を見守っていた。
ケミー化の魔法を英寿の代わりに浴びたことでギーツケミーとなり、彼と行動を共にしていたというわけ。
ここで、英寿がギーツケミーに対して「ペットにはしない」と冷たかった理由がコンのことが忘れられなかったから、と判明したり、実はこっそりギーツケミーのことを撫でてやろうとしていた理由が分かったりという伏線回収感はあったのですが。
ただ、英寿が犬飼ってた情報は初耳なんですよね。
英寿とコンが戯れるシーンの、「存在しない記憶」を見せられている感ヤバかったです。たんたかたーん!
そんなわけで、正体が分かって、感動のお別れシーンが来てもやっぱり気持ちが付いて行かない。
あ、そっか、ふーん…………
で終わってしまった。
あ、でもクレジットの「今作の撮影では動物が酷い目にあっていません」みたいな文言にはちょっと笑った。
この作品、某動物が酷い目に遭うか否かサイトでは引っかかるんだろうな~って。
以上4点、気になったところでした。
でも決して悪かったところばかりじゃないんですよ。これは断じて。
まずアクション。
これはどこをとってもすごく良かった。
最初のレストランでの戦闘もそれぞれの性格がすごく出ていたと思うし、カメラワークも良かった。
吹っ飛ばされた銃を、ケミーたちが頑張って宝太郎のもとに戻してやるところとかガッチャードしかできないし。その為にわざわざケミーの声優さんたち呼んだのにはちょっと笑ったけど。
それからギーツチームのケミーたち。
デザインがめちゃかわ。カードになっても、ぬいぐるみでも、CGでも可愛い。
特にナーゴとギーツはもふもふで可愛かったなぁ。
ギーツケミーは思ったより大きかったのも可愛かった。あとCGの動き方も愛嬌があって、しかも獣っぽさもある。最後のほっぺスリスリシーン良かったな。
あと、個人的にバッファケミーの「モー!」という台詞が似合いすぎるのと、道長がタイクーンケミーを見たときの「タイクーンお前緑すぎだろ!」って台詞に未だにツボってます。道長くんのそういう変に天然なところ、好きよ。
同じくケミーの話なら、しつこいですがギーツケミーの話を。
情報公開時に話題となった、声優としてのV起用。
個人的には声優は上手ければ本業じゃなくてもいい(ただ本業じゃないところに乗り込んでくるならそれなりに上手くあって欲しいし本業に敬意を払って欲しい)と思っている派なのですが、全く以てストレスなく見られました。
台詞の8割が「コーン!」という鳴き声だったし。後半にしっかり人語の台詞あったけど、しっかり感情が乗っていて良かったです。可愛い声で一人称「僕」なのも良かった。前述の通りギーツケミー周りには乗りきれなかったけれど、これに関しては全く演者のせいではないと思っています。
なお私が行った回では、ギーツケミーの鳴き声に合わせて一緒にコンコン鳴いてるお子さんも多かったです。子供の心もガッチリ掴んでいってたと思います。
続いて宝太郎の夢の世界。
最高の錬金術師になった彼ですが、夢の中では母親は激甘、錆丸はハキハキ喋り、蓮華はお金持ちに……。
そしてスパナはド陽キャになっていました。誰だお前。
つまり、宝太郎から見たスパナのイメージがマジでガバガバなのが分かってめちゃくちゃ面白かったです。
あとは錬金連合について。
今回の黒幕は調査官として派遣され、本編でも陰から一同を見守っていた釘宮リヒト。
以前より錬金連合の上層部は腐っていることが明言されていましたが、派遣されてきた針馬と共に冥国の三姉妹側に近い存在であったことが判明。
もう駄目だよこの組織……。
そしてサラッと彼が2000歳オーバーであることも判明。錬金術を使えば不老不死を達成できることも事実上明言されました。まあ、錬金術の最終目標は賢者の石なので納得ではある。
錬金術で既に寿命を操れる域にまで達しているのであれば、冥国の三姉妹側も同じくなにかしらやっている可能性もあるわけか……。何をやったんだい、一番年下の見た目して姉っぽく振る舞っているお姉さんよぉ。
釘宮の今回の暗躍で、この先の可能性がぐんと広がったのはかなり大きいと思う。
生き残った彼、多分この先再登場しますよね……?
そして何よりも、仮面ライダーマジェード。
自分も守る側になりたいという想い、そのために自分の身を賭して父親に会いに行って覚醒。
「字は仮面ライダーマジェード」「この一言で私は変わる」という台詞も文句のつけようがなくかっこいい。
変身した姿も戦う姫騎士って感じでかっこいい。こういう感じの戦士本当に好きなんですよ……リバイスのホーリーライブに未だに恋してる人間なので。
なお帰って来たら公式から情報解禁されており、映画館から出てきて一番に目に入ったツイがこれでした。
よくこれを初日まで一切匂わせなかったな……と。
なお私はマジェードの件ではかっこいい!!と興奮すると同時に脳内がマジカル秩序になっていました。本当にふざけるな。ピュアピュアッ。
そんな感じで、総合すると。
面白くなかったわけではない。クソ映画だと雑に断じるつもりもない。面白かった部分はあったし、テンション上がる場面もあった。
でもそれ以上に、要所要所で気になる部分があり、それが大事なところに集中しているものだから全く感情移入ができないまま本編が終わって、そのせいで面白かった点を面白くない点が塗りつぶしてしまい、見終わった感想としては外れだったな……が一番大きいって感じでしたね。
しかもどの点ももう少し工夫すればどうにかなったんじゃないの…?ってなってるなのがなんとも。
ということで、自分の気持ちを落ち着けるために書いた駄文でございました。こんなパターン私だって初めてだから自分で自分にびっくりしてるよ。
流石にそろそろ申し訳なくなってきたのでこの辺で畳みたいと思います。多少はポジティブな感想でも吸ってくるか……
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