第9話 ヒーローの憂鬱
- 2024年1月6日
- 読了時間: 6分
水に沈むもの、掬い上げられるもの、そして水が苦手なセイウチ
【あらすじ】
柿花の所在を察した小戸川。
ドブと共に彼の救出へと向かう。
【小戸川】
まずは大門弟に連絡。
が、既に兄に説得されてしまった弟は「ドブは銀行強盗をする予定だ」ということだけしか信じてくれませんでした。なんて都合の良い……。
柿花救出作戦に協力してほしいと依頼するが、「警察として」来ようとしたため断念。
それにしても小戸川と大門弟の組み合わせ、全体的に静と動なので会話のテンポがすごく楽しい。
続いて連絡したのは樺沢。
「今から1時間後、
ドブは芝浦の埠頭に現れる。
本物のヒーローになれ。」
そこにやってきたのはドブ。
彼には柿花救出作戦に協力しないなら銀行強盗にも協力しないと言い放ち、車を埠頭へと走らせる。
その後ろをついて回る白いワゴン車が1台。
乗っていたのはハロウィン男。運転席から拳銃を向ける彼から逃げるカーチェイスが始まる。
●「ほんとに日本かここ?!」
拳銃を取り戻したいドブの言葉は無視。今死ぬわけにはいかないと逃げ続ける。
彼らの命を救ったのは1匹の野良猫。
猫を轢くまいと急ブレーキを踏んだところ、停まりきれなかったハロウィン男の車はタクシーを通り過ぎて路駐していた車に追突。小戸川はこれ幸いと逃げ出したのであった。
埠頭、倉庫にて。
小戸川とドブは遂に倉庫内に侵入。
運がいいことに、倉庫には関口と柿花の2人きり。しかも柿花はトイレにいた。
ドブが関口を引き受けている間、フリーになった小戸川は倉庫の中に突入。柿花を回収してタクシーに乗り込み街に戻る。
●「何してんだ? あれ」
●「馬鹿なんだあいつら。馬鹿だから感情を具現化できずに義理とか人情を大義名分に暴力を使ってるんだ。まあなんというか、生き物らしいよな」
自分の情けなさを嘆く柿花。
しかし小戸川は、高校の時彼がお土産に買って帰った寄木細工に印鑑を入れ、母親が必要な時に全く開けられず、結局叩き壊す羽目になった時の話を蒸し返す。
●「あの時から情けなかったよ」
無邪気に笑う2人が眩しい。
そのまま剛力医院に直行。
柿花は心身ともに疲弊しているとのことで、しばらく入院が決まりました。
事情を全て知っているわけではないものの、危ない橋を渡ろうとしている彼を心配する剛力。
そこまで頑張る理由を聞かれても答えない小戸川。彼の目的は本当にドブを、彼らを一網打尽にすることだけなのか。
どこかの誰かが言っていた通り、
何よりも強い執着を持って、復讐を完遂するため画策するのはよほどのことが無いとできない気がするんだ。
【樺沢】
夜景の見えるホテルにて。
豪華な食事もそこそこに、美女とベッドにいました。
マジで何やってんだこの男?!
美女は樺沢信者であるとのこと。
彼女は彼にアンチが増えていることを伝えつつ、早く本物のヒーローになって欲しいと訴える。
最初は黙って聞いていた樺沢だったが、途中で何かがぷっつりと切れた。
女の子にぶちぎれ、お前には神格化される重圧が分からないとわめき、照明を叩き割る。
流石の信者もビンタをひとつ食らわせた後に部屋を出て行った。
そんな中、彼の元に届いたのは小戸川のメール。
樺沢はメール通り芝浦の埠頭に向かう。
彼が埠頭に辿り着いたとき、ドブはハロウィン男に撃たれて負傷したところだった。
銃撃まで自分の手柄だということにし、ドブへの謝罪要求と手柄自慢とアンチへの煽りを同時に映像に収めていましたが……まああっけなく暴力で締められました。そんな気はしてた。
予定とは真逆に自分が土下座する羽目になった樺沢。
彼はドブに内省するように諭される。
注目されたかった。なぜなら他人から認められたいから。自己肯定感は低いくせに自己愛は強い。
自分に対する極端な否定と嫌悪は一種の自分への強い関心で、それは自己愛と言っていい。克服するためには尊敬できるメンターを探して自分の軸としろと。
田中の分析のとこでも思ったけど、ドブって人を見る目があるんだろうなと思う。そしてそれを正しくアウトプットする冷静さと語彙力もある。うっかり尊敬してしまいそうになった。ヤクザなのに。
そして樺沢はうっかり尊敬してしまった。あーダメだこの男(n回目)。
ドブを「ドブさん」と呼び、マトモな人生に戻ることを宣言。
動画再生で手に入れたマンション・車、その他財産を差し出すことを約束し、さらにその場で謝罪動画を撮りました。
【閉鎖】樺沢太一 敗北【降伏】
YouTubeチャンネルをはじめ各種SNSは閉鎖、オンラインサロンも閉鎖。なお返金の予定は無し。
「返金予定はない」という文言を「ご理解、ご了承のほど……」と半端に終わらせるあたり、コイツの性格出てて最高である。
そして彼の携帯はそのまま海にドボン。
あー、これはもう一生搾取コースでも驚かないぞ。
【剛力】
剛力が小戸川の家を訪ねると、そこにいたのは彼の家の大家だった。
人のよさそうな老婦人。飼っている犬とキャラデザがそっくりなの可愛い。
それにしたって小戸川の視覚に問題があると匂わせたあたりから、哺乳類の動物を出すことに躊躇なくなってきたなこの作品……。
大家によれば、小戸川はこれ以上彼女に迷惑をかけられないから引っ越すと言い出したらしい。
しかし彼女は小戸川の後見人をしているうえ、彼の一生分の家賃を既に受け取っている。ハイそうですかお元気で、と簡単に送り出せるわけではない。
小戸川がここに住みはじめたのは両親がいなくなった小学生の頃から。その前までは秩父にいたと。
育成金との窓口も大家さんだったという。
学校関係の書類など保護者のサインが必要な時は大家さんが面倒を見ていたものの、ほぼ自立した状態で今までやってきた。誰にも頼らず1人で暮らしてきたのは本人の希望。
しかも働き始めてからは家賃以上の収入を育成金の代表に返してほしいと言って渡してきていたと言う。
そのお金はまだ大家さんが持っているそうで、引っ越すならそれも返さねばならないと思っていらっしゃるみたいです。良い人だなぁ……。
そして小戸川はひとつ、剛力に嘘をついていた。
🐶「亡くなってるの。どっちも。」
【以下雑記】
遂に小戸川にも切り込み始めたね……!!
異様にドブを捕まえることに執着する小戸川。
恐らく命を失いかねない事故で両親を弔ってから1人で生きてきた彼。
(人が動物に見える共感覚もこの時からかも? 脳に衝撃を受けることで思考回路みたいなのが変わることがあるって聞いたことあるし)
その犯人がドブに絡んだ誰かだった……とかがありそうなあたりか。
あと引っかかるのは「水が苦手」ということ。セイウチなのに。
あの真っ赤な回想からでは水要素が見えないんだよねぇ。
そんな水ネタですが。
水に怯える男と、携帯を水に沈められた男がいる一方。
柿花は一度は決意したように指輪を川に投げ落とすが、少し考えてから慌てて川に入り、先程の指輪を探して川底を探し出す。
なんか、等身大の人間って感じがして苦しいなぁ。
彼の周りの出来事がひと段落したように思っているのはきっと周りだけなんだろう。
次回:カポエラの技名ってなんか攻撃力高めだよな。
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