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  • 執筆者の写真_ ぬぺ

第3話 付け焼き刃に御用心

まさかの接触が続きます




【あらすじ】

サウナ赤道。

初めて成功したマッチング画面を見てウハウハの柿花。

その隣に座って語りかけてきた男がいた。

体に立派な彫り物をしたバク。名前は黒田。なおお声は黒田崇矢さんです。またヤのつくお仕事で本人って言われてるよこの方。


よく分からない話に付き合わされる柿花でしたが、


「ちょ、電話だったのかー!!」




【ドブ】

拳銃片手に小戸川のタクシーに乗り込んできたマンドリル。

ひとまず走らせろ、という要求に応え、小戸川はアクセルを踏む。



時間を少し遡り。

サウナにいた黒田の電話相手はドブだった。


黒田によれば、やはり練馬の女子高生失踪事件の被害者は小戸川のタクシーに乗っているという噂が出回っている。

じつはこの件、既に捜索願が取り下げられている。伝言という形ではあるが、本人から家族に連絡が入ったらしい。

で、その失踪の原因は女子高生の父親と、その同級生である黒田にあった。

それゆえ、黒田は女子高生を探している。


小戸川のタクシーのドラレコ動画は回収済み。

動画は大門兄の手からドブの手に渡っている。



ドブの要求は口止めと協力。断れば殺す。



小戸川は非常時のSOSランプを灯しつつ、時間を稼ぐために「協力するために事情を聞かせろ」と返す。


ということでここからはドブによる裏事情の説明。



女子高生失踪事件の犯人としてマークされているドブだが、本人はこの件に関しては無実。寧ろ被害者らしい。


ドラレコの動画は確認したが、ドブの中ではまだ小戸川が犯人か否かは判断が付いていないとのこと。

では肝心の犯人はというと、ヤノという男だとドブは睨んでいる。

ドブの後輩で同じヤクザだが、ドブとは違いボスへの仁義ではなくドブに勝つことだけを目標に動いている嫌な後輩である。

だから今回の件もヤノがいろいろ仕組んで、ドラレコ動画も奪うために小戸川の所にやってくると睨んでいる。


……という複雑な事情に関してはボスの耳には入れられない。

見栄を張るためにドラレコ動画を持っていることをボスに言わなかったのである。


ということで、ドラレコ動画の所在をボスに知られず、ヤノに奪われないためには小戸川の協力が必要不可欠なのである。



ここまで聞き出しておいて協力はしないと答える小戸川。

話を聞きつつ、パトカーを探してSOSサインを見つけてもらおうとしていたのでした。す、すごい……。


しかし不幸なことに、パトカーから降りて来たのは買収済みの大門兄。

悲しいかな、御咎めなしで、寧ろ理不尽に叱られて解放されてしまいました。



大門弟は「タクシードライバーだから」という理由で兄の説明に納得。

兄の脳裏をよぎるのは交通事故の現場。


小戸川に引き続きこちらでも交通事故……?

被害者は大門親、犯人はタクシードライバーってところだろうか。

小戸川の件となんらかの形で繋がりがありそうな気がするけどなんだろうか。



賭けに負けた小戸川は命令通り新宿へ。


小戸川は死ぬのは怖いけど、面倒に巻き込まれるくらいなら死んでもいいとこぼす。

それならば代わりに人質を取ることにしたドブ。小戸川の知り合いの名前を呼んでいく。


「お友達なんつったっけ? 柿花だっけ?」

「柿花か。あいつも死んだ方がマシかもな。」


相変わらず容赦ねぇ。


最終的にドブが挙げたのは白川。

何かあれば彼女を傷つけるという交渉を無理矢理成立させ、ドラレコを破壊してからドブは去っていきました。



その後、どこかの公園に銃を埋めて、ドブはいずこかへ。




【白川】

時刻は4時。

白川が連絡をくれてから既に2時間が経過していた。

小戸川は人を轢きそうになりながらも公園へと向かう。



白川さんは、まだ公園で待っていた。


「会いたかったってだけじゃ、ダメ?」



2人ベンチに腰掛けて穏やかな時間を過ごす。

お互いに軽く嫌味を言うのが得意なのか、割と会話が続いているのが心地いい。


「俺と仲良くしない方が良いよ」


簡単に事情を話して自分から引き離そうとするが、


「大丈夫。私こう見えても……カポエラやってたから」

(軽快な音楽)(軽快なステップ)(軽快なキック)

「びっくりした。インド映画始まったのかと思った。」


ダイエット目的で始めたブラジルの格闘技だったが、だんだん顎へのキックであるケーシャーダにハマってしまったそうな。

そんな付け焼刃のカポエラじゃどうにもならない、と止める小戸川。

が、そもそも「付け焼刃」の意味が今一つ分かっていなかった白川さん。


「もっと伝わりやすい類語で言ってよ」

「『にわか仕込み』とかそんなんだろ」

「誰がにわか仕込みのナースよ?!」

「言ってないしよく同じベクトルでよく二度もキレれるな」

(軽快な音楽)(軽快なステップ)

「ケーシャーダはやめろ、ケーシャーダはやめろ!」



とにかく白川を守りたい小戸川、彼と会いたい白川。話は平行線。


「小戸川さんといると落ち着くの。」


そっと手を握る白川さん。

そんなドキドキの時間もここまで。


「送るよ」

「そっか。タクシードライバーだもんね」

「……メーターは回さないよ」



甘酸っぱい時間を過ごし、好き度が木星級にまで跳ね上がった小戸川。

ただ問題は、ドブと白川さんが繋がっている、つまりこれが全部ハニトラである可能性が拭えない……というか高いこと。

それと交友関係はどこからドブに漏れたのか。白川さんは自己申告、そこから剛力先生までは出てくるとして、タエ子さん・柿花は……流石に考えすぎか?




【柿花】

ニヤニヤしながらやまびこで酒を飲んでいた柿花。

今回判明しましたが、小戸川とは学生時代からの友人だそうです。


婚活市場で需要の無い自分が遂にマッチングしたと表情筋がゆるゆるである。

そんな彼女に疑いの目を向ける小戸川。騙されているのではないかと。

無理矢理スマホを取り上げてプロフを見た所、


「柿花英二 41歳 東京 出身地東京・大卒・年収2000万」


参考:第1話のプロフィール

「柿花英二 41歳 東京 出身地東京・高卒・年収300万未満」


「フィーリングが嘘のスペックを凌駕してるじゃねぇか……」

「分かってるよぉ……それでも夢見たいんだよぉ。良いじゃねぇか、夢見るくらい……」


ここの絞り出すような声にやっぱり声優さんってすごいなぁと。



そんな柿花の元に1本のメールが届く。


「お疲れ様です。いま仕事終わって荒川にいるんですが、会えませんか?(^^)」


舞い上がってしほの元へ向かう柿花。

雨に降られながらも到着し、「さっきまでPCに向かっていたがタクシーで飛んできた」と大嘘を吐きながら、彼女の誘いでドトールへと向かう。


その後ろ姿を見送るのは、マネージャーの山本と、強面のシロクマの2人組であった。




時を同じくして、小戸川のもとにも1本の電話が。


「行方不明?剛力が?」




【以下雑記】

正直予想もしていなかったところから動き出していて驚いている。



ドブの接触によって事件の全容がある程度判明。

話が本当ならば、事情はよくある家出なのにそこにヤクザが絡んでまどろっこしくなってるって感じか。

正直この辺はまだ情報不足かなぁと。



今後の展開は白川さん次第な部分がかなり大きい気がする。

彼女の口から出る情報のどこからどこまでが本当でどこまでが罠なのかが分からないのがハラハラする。

それはそれとして白川・小戸川コンビの台詞のやりとりが心地いいのでもっと聞いていたい。



そして一番意外だったのはしほちゃんです。

後方から見ていたシロクマが誰なのか……一番ありそうなのが女子高生のパパなのが怖いよね。あの傷のつき方は絶対に一般人じゃないし。

あとは彼らの目的。

純粋に(恋愛か、パパ活かはさておき)出会いを求めていたしほを利用して彼女をクビにしたい事務所側の意向か、

それとも、しほと事務所は既にグルで柿花を陷れたいのか。




次回:それなんの原稿なの?

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