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  • 執筆者の写真_ ぬぺ

第1話 変わり者の運転手

「見慣れた街のはずなのに、この街は少しなにかが違う気がする。」




【あらすじ】

海の中。

ブルーシートに巻かれ、コンクリートブロックを括りつけられた「何か」が沈んでいき──



夜の東京。

地名や文明レベルから考えて、設定はほぼ間違いなく現代の東京。

そこを歩くのは動物たち。

獣人という括りにいれてもいいんだろうか(この辺定義が厳しい人が結構多いイメージなのでそれでいいのかちょっと不安)。明らかに動物の姿をしているのに人のシルエットで服を着て歩く動物たち。


キャラデザが……キャラデザが全部可愛い……!!

今回おそらく世界観提示のために町の姿を映すカットが多く、かなりいろんなモブを見せていただきましたが、どの人(?)も個性溢れてて素敵だ。

そしてあれだけ人がいるのによく動く。力入ってるなぁ。すごい。



そんな「少し何かが違う」街を走る個人タクシーがありました。




【小戸川】

セイウチ。タクシー運転手にして(おそらく)本作主人公。

モソモソと喋る、アロハシャツの男。

お声は花江夏樹さんです。多才な方なのは存じ上げていましたが、こういう系の声のお芝居をしっかり聞くのは初めてかもしれない。



今宵乗せたのはカバの青年:樺沢

なおお声はトレンディエンジェルのたかしさんです。マジで……?


樺沢に面白い事を聞かれても黙りこくってしまう小戸川。その理由は、


「質問されると選択肢が五つくらい出てきて、その中からどれがベストか、そして誰も傷つけてないかを考えるから時間がかかるんだ」


とのこと。

ただしその割に、


「あんたは思いついたことを何も考えずにパッと答えるから早いだろうけど」

「早速傷つけたじゃん」


結構毒舌……というか、何も考えてないというか。

気を遣っているつもりなのかもしれないけれど、それ以前に人の気持ちをあまり理解できないタイプ?



樺沢の話題は「バズりたい」。

「バズ」がよく分からない小戸川に、「バズ」について熱弁する樺沢。

ちなみにだけど私は就活の過程でSNSについて聞かれたこと一回も無かったんだけど、就活してた職種の問題なのかな? 友達にも結構いるんだよね、SNS系聞かれた時に困らないようにインスタ始めたから形だけフォローしてくれない?って言ってくる子……。


ちなみに樺沢が「バズりやすい」として紹介した投稿内容は、

笑える・感動系・勧善懲悪系・日本のジェンダー論・スタバで盗み聞きした会話。


「……気持ちわり。」


……SNS(というかTwitter)のバズと嘘松投稿(敢えてこの言葉使ってます)、それを斜に構えて見ている人間への解像度高すぎないかこの番組。怖いよもう。



バズりたい樺沢はもはや捏造でも良いと小戸川とツーショ。


「待ってwww タクシー運転手に就活うまくいかないってこと相談したらスマホ奪われてこれ見て元気出せよってツーショット撮らされたんだけどwwwww」


だから滑ってる嘘松への解像度が高いんだっての。


そして写り込んでるキャラを見てこれなんかあるなと察する私。

(なおこの後その回収の早さに驚く私。)



少し進んだところで警察に止められました。

犬のおまわりさん。大門兄弟というそうな。演じるのはこちらも兄弟のミキのお二人。


写真を提示して男を見なかったかと尋ねる2人。

小戸川と顔見知りらしいが、明らかにやりとりがギスギスしている。


「あんなタクシードライバーの言うこと信じちゃいけないよ。」

 「あの憎いタクシードライバーさ。嘘だって平気で吐くさ。」


どういう人生送ったらこんなタクシードライバーにヘイト向けることになるん?



なおここで小戸川さんは視力検査は勘で通過、鳥目だということが判明。

もうここで降ろしてください……あと歩くんで…………。



タクシー運転手になったきっかけを問われると、脳裏に浮かぶのは夕暮れか、赤く染まった街を走る車、運転する人影、後部座席に倒れる人。

出てきた2人のフォルムがセイウチじゃないし、赤いだけでや~な気分になるし、何があったんだか。



無事に樺沢を送り届けた……はずだったが。

後部座席を見ると携帯をガッツリ忘れていった樺沢くん。

Twitterの通知を確認するとしっかりバズってました。懐かしいぜ青い鳥。1.2万いいね・6731RT。

原因はおそらく後ろに写っている人ですが……。



翌日。

古そうな一軒家に一人暮らししている小戸川。

おもむろに彼が話しかけたのは数センチ開いている押し入れらしき空間。


「お前、幸せなのか? 別にいつ逃げてもいいんだぜ。閉じ込めてるわけでも縛っているわけでもない。お前が勝手にここにいついたんだ。なんで俺んち来たんだっけな?」


答えはない。



小戸川が仕事の前に向かったのは病院。

担当医であるゴリラの剛力、看護師のアルパカの白川とはもはや馴染みになっているらしい。治療しに来てるんだか、雑談しに来てるんだか。


一応イントロダクションにも書いてありましたが改めて。

小戸川の趣味はラジオと落語。

ラジオは主にホモサピエンスというお笑いコンビのものを聞いている様子。馬場がひたすら毒を吐き、柴垣が宥めるという構図が続いています。小戸川好きそうだなコレ。

落語は笑風亭呑楽なる人のものを寝落ち用に聞いていると。カセットテープで、というから結構好きなんじゃないかと思うのですが、「お経より退屈」と形容しているあたりそこまで好きではないのか、それともいつもの毒舌の延長か。

概要欄見たら呑楽さんのお声は大塚芳忠さんらしい。それは寝れる。

ちなみに呑楽さんですが、なぜかひとつだけ自分の姿の消しゴムを作ったそうです。それを白川さんが持っていたのでくれました。

……駄目だもう何も分からん。これがこの先何かに繋がる可能性はめっちゃありそうなんだけど、どう繋がっても「で、なんで呑楽さんの消しゴムなの?」という謎だけは残りそうで怖い。


あと個人的にここのジェネレーションギャップの話、めっちゃ頷いてた。

2001年生まれのZ世代、ギリギリカセットテープもVHSもちゃんと触ったことない世代だけど、流石に「巻き戻し」という概念もその見た目も知らない人はただのもの知らずだと思ってるよ私は。



小戸川が病院にやってきた理由はどうやら睡眠障害。

薬を処方されてもあまり効果が出ていない様子。



病院から出ると待ち受けていたのは大門兄でした。

女子高生失踪事件に関わっていると睨んで捜査をしようとしているらしい。

半ば脅すように車内を捜索した大門は、車内用のドラレコに録画された映像を回収してから帰っていきました。


「警察には行くな」

「もし行ったら?」

「分かんないけど拳銃持った指名手配犯がお前を殺すんじゃない?」


確実に独断で行動してるぞこの犬…………。



その夜。

小戸川のタクシーに乗ってきたのは馴染みの白川だったのでした。




【練馬女子高生失踪事件】

本作の鍵になりそうな気配がする事件。

事件の概要は事件名まんま。女子高生の姿は黒猫っぽいです。

 

4日深夜に外出、その後自宅近くコンビニの防犯カメラに映ったきり行方不明。

6日に母親が届を出したとのこと。

 

行方不明者1人に対し、不審な存在が冒頭のビニールシートと小戸川家押入れの2つ。

いったいどう転ぶのやら。

 

 

 

【その他登場人物】

思ったより小戸川に尺割いてしまったのでサクッと行きます。

 

 

《剛力》

剛力医院を営むゴリラのお医者さん。

人が良くて多趣味で、すごく良い人そうな印象を受ける。

お声は木村良平さん。初見じゃ分からなくてEDのクレジット二度見したわ。



《柿花》

清掃業者をやっている猿のおじさん。

腰をやっているので剛力医院にお世話になっている様子。

41歳独身で、出会い系アプリで若い子たちにいいね押しまくったり、収入を偽ったりといろいろ頑張っています。

お声は山口勝平さん。



《タエ子》

小料理屋やまびこの女将さん。カンガルー、かな?

ごはんが美味しそうなのよ。

お客さんの話をにこやかに聞いてくれる良き女将さんという感じ。

剛力・柿花、そして小戸川もおそらくここの常連。

お声は森三中の村上さん。



《ドブ》

樺沢の写真に写り込んでいたマンドリル(多分)。

半グレ集団も、地下格闘家もその仲間も1人で殴り倒し、もはや彼に勝つためにはバイオテクノロジーしかないとまで言わしめた男である。どんな噂の立ち方だよ。

現在女子高生失踪事件の参考人として警察が追っているところ。



《白川》

剛力医院の看護婦。アルパカ。キャラデザがはちゃめちゃに可愛い。


……が、一番怪しい。

彼女が勤務している時間帯に向精神薬関連で6000錠の薬が消えているとのこと。

冒頭に薄暗い倉庫でゴソゴソしている描写があったり、ドブと会っているシーンがあったり。その薬もなんのために取ってるんだか……。



《大門兄》

犬のおまわりさん。眼鏡してない方がお兄ちゃん。

警察がドブを追っている中、なぜか小戸川に目をつけて彼のまわりを嗅ぎまわっているらしい。


……が、なんと今回最後にドブ本人と押収(強奪と言っても良いかもしれない)したSDカードと賄賂らしきものとを交換。

思ったよりも真っ黒黒じゃねぇか……!!


あとどうでも良いけど、SDカード剥き出しはやめといたほうがいいと思うよ。ケースとか袋とかにいれな。




【以下雑記】

ということで見ることにしました! 年始のYouTube配信に感謝。


初放送された時にはまったく興味が湧かなくてですね。

獣擬人化や作画のタッチ、起用されている声優さんに私がよく会う方がほとんどおられなかったことを理由に飛ばしていたのですが。

1クールの放送が終わった後の評判の良さ、「考察が捗るタイプ」という評判に見ればよかった、と後悔しつつ、いつか見る時のためにそこからは意図的に情報をシャットアウトしていました。

見始めた段階で持っていた情報は「キャストに芸人が多い」「キャストに花江夏樹がいた気がする」くらいなもんです。



1話の文量でお察しかと思いますが相当良い印象で滑り出してくれてます。

可愛らしいキャラデザに綺麗な作画、背景やモブまで丁寧な世界観。背景に関しては最近呪術で見た気がするな……と田舎者は思っております。この辺宿儺が吹っ飛ばしてた気がするなぁ。

1話の情報の見せ方が上手い作品は良作の法則にバッチリ当てはまってくれているので。



ここからは個人的に気になるところ、1話時点での考察をいくつか。


《声優さんについて》

前から何度も言っている通り、役者は上手けりゃ本業じゃなくても良い派なので、今回も楽しく拝見してます。皆さん本当にお上手で。

日常会話の延長的な、会話劇が中心になっているからかなぁと思う。

ちょっとしたボケとツッコミの応酬、そこに生じる間の取り方なんかは寧ろ芸人さんの得意分野だと思うし。スッと入ってくるのはそのおかげかなぁと。


個人的に気になったところとしては、芸人さんの芸風・声優さんのイメージと今回の配役が全体的にちょっと離れているところかなぁ。

今回のトレンディエンジェル、ミキ、それから花江さんと木村さんに関しては初見で気づけなかったのは「私が知っているキャラ」とだいぶ離れていたからというのも結構デカい気がするんだ。



《女子高生失踪事件》

流石に1話時点じゃほぼ情報が無いものの、今分かっている部分をまとめると、

  • ドブが何かやっている

  • ドブの協力者が白川と大門兄

  • 大門兄は敵視している小戸川を犯人に仕立て上げたい

  • 多分小戸川はドブたちにとって都合の悪い情報を知っている(が本人はそのことに気づいていない)

という感じでしょうか。

となると今一番気になるのは白川さんがねじ込んできた呑楽消しゴムで。

胸ポケットに入れっぱなしだったなら、例えば中に何かが仕込まれてるとか、そういう展開に持って行けそうだなって。

しかも取り締まる側がドブサイドにいるからいくらでも捏造できるし。



《小戸川の症状》

睡眠障害で通院している小戸川ですが、


「変だと思わないか?」

 「なんかこう、もっと根本的な」


と医者から言われているのでおそらく症状は実は別にある。


多分だけど、その症状は

「全ての人間が動物に見えている」

なんじゃないの?と思っていて。


1話の時点で、舞台を現代東京にしておきながらキャラが動物であることの必然性が全く見えてこないんですよね。強いて言うなら毒舌の小戸川への印象が多少柔らかくなるくらいかな。

それに全体的に動物の設定が安易なんだよね。犬のおまわりさん、可愛いアイドルが犬猫、細身のイケてないおじさんが猿、包容力のある女将さんがカンガルー。


それにちょっと違和感があったやりとりが、


「なぁ小戸川。俺は何に見える?」

「ゴリラだ」

(笑い)

「……まぁ合ってる」


まず医者がなんの脈絡もなくこの質問をしてくるのが意味が分からない。前後の話をぶった切ってまで聞く事じゃない。剛力が本当にゴリラならなおさら。

「ゴリラ」と言われた時の2人の反応も、本当のゴリラに対するものであるというより、彫りが深くて色黒で大柄で、いつも他人から「ゴリラみたい」と揶揄される男の人の反応と考えた方が繋がりが綺麗なのよね。


「この辺でアルパカはあんたしかいない」

(笑い)

「何がおかしい? 愛想笑いか?」


このやりとりも「アルパカみたい」という褒め言葉なのかどうなのか微妙な言葉を頂戴した美人さんの反応と見た方が自然なんだよな。


剛力さんは唐突な質問してるところを見るにだいぶ近いところにまで近づきつつあるんじゃないかなと思うけど、人が見えているものを他人に伝えるのってすごく難しいし、後一歩のところで近づけないでいるんじゃないかと。

もう少し大きな病院を勧めたいのも、本当は精神科含めいろいろ検査を受けるべきだと直感している故じゃないかと思ってます。


いろいろ書いたけどまあこれでも間違ってたら笑ってください。

まだ1話目なんで。




次回:アイドルなんかも乗せることがあるんですね?

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