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  • 執筆者の写真_ ぬぺ

48話

戦わなければ生き残れないのは誰か




【あらすじ】

残された時間は3日。

焦りを覚える真司と蓮。そして全ての元凶:士郎もそれは例外ではなく…。




【神崎優衣】

誕生日まで、あと3日。



残り3日しかないことに焦りを覚えた士郎は残った3人を協会に呼び出し、戦うように言いつける。

北岡は来なかったので棄権と見做したらしい。


そこに乱入して来たのが優衣。

こんなことやめてくれと訴えるが、士郎は「帰れ」と取り付く島もない。


「お兄ちゃんが終わらせないなら、私が終わらせる」


彼女が向かったのはビルの上。

飛び降りようとする彼女を真司・蓮・士郎3人で止めようとするが、彼女の意志は固い。


「お前は分かっていない。消えてしまうことが、死んでしまうことが、どれほど苦しいことか」

「分かってるよ、怖いよ。でも、蓮や真司くんや、たくさんの人が犠牲になるのが、もっと嫌。そうやって手に入れた命なら、私はいらない」


「分かった、お前の言う通りにしよう」

士郎はモンスターを使って優衣を拉致。旧神崎邸の一室に彼女を閉じ込める。

彼女が泣き叫んでもそのまま。

士郎なりに彼女の事を思っているんだろうな、と、彼だけが知っていることがまだまだありそうなので思うけど、それにしたってやり方が強引すぎる。

扉の向こうで若干良心の呵責に苛まれてそうな顔をしていたのが本心だと思いたい。



連れ去られた彼女をどうするか。

連れ戻して彼女の意志を尊重すべきだと言う真司と、彼女の命を救うことを第一として、間違いなく安全で血みどろの戦いが見えない場所にいてもらうべきだと言う蓮。

いつも冷静沈着な蓮が真司と同じくらい激高しているのが、彼も彼でいろいろ限界なんだろうなと。


「やっぱり決めるのは自分だって!優衣ちゃん見て、そう思った。優衣ちゃん、このままじゃかわいそうだ。」


「力尽くで止めないだけでもありがたいと思え」

「言ってることは分かるよ。だからお前は、恵里さんを助けようとしているわけだし。俺、それを否定するつもりは無いから」

「お前はそうやって!なんでも飲みこもうとするから迷うんだ」


本人すら気づかない本人の欠点や問題点を指摘できるのって、良いバディの証拠なんだよ。


真司はそのまま旧神崎邸に向かうが、収穫無し。



その頃、優衣は旧神崎邸の一室にいた。

現実の神崎邸で真司が探しまくっても効果なしだったし、ミラーワールドの中の神崎邸か、隠し部屋か…?


奇しくもそこは、神崎兄妹が昔閉じ込められていた部屋。

彼女の脳裏に浮かんだのは昔の思い出。


閉じ込められていた2人は、よく気を紛らわすために絵を描いていた。

鏡の世界には強くてかっこいいモンスターがたくさん住んでいる。非力な自分たちのことは、きっと彼らが助けてくれる。


「このミラーワールドには、俺と優衣しかいないんだよ。楽しいことしかないんだ」


しかし事態は一変。優衣が倒れてしまう。


「ダメだ、いっちゃだめだ、俺を一人にしないで!」



状況が変わってきたぞ。懲りずに前回のやつにまた書き足そう。

  1. 神崎兄妹、両親と共に屋敷に住む。虐待? モンスターの絵を描く。

  2. 優衣、幽閉中に倒れて死亡(ないしはそれに近い状態)。

  3. 屋敷で事件発生 原因:優衣が体の不調で死亡?したため、ミラーワールドが本当に彼女を守りに来た。 結果として優衣はミラーワールドに依存して生きている状態になった? 両親死亡、兄妹離別 兄はアメリカへ、妹は花鶏へ

  4. 何らかの要因で優衣の消失が確定、士郎の知る所となる →要因に関しては上記。タイミング的にも3と同時の線が濃厚

  5. 士郎渡米、大学で研究を行うが死亡 →2001年

  6. 士郎帰国、清明院大学で研究を行う →この頃にはミラーワールドの住人になっていた?

  7. 実験開始。恵里が犠牲になる。この頃にはライダーバトル開始

  8. 「龍騎」本編開始


ついでに今気になるところも加筆訂正その2。

  • 優衣が消えそうになっているそもそもの要因 →そもそも優衣は本当は死んでいる。20歳の誕生日までの間に何とかすれば本当に生き返れる?

  • ライダーバトルを維持するのが目的なのか、勝者を出すのが目的なのか

  • ミラーワールド成立の経緯

  • 回想で度々出てくる、屋敷内で泣き叫ぶ優衣の事件の顛末(この事件が優衣が消えかかった原因と関係していると予想中) →兄妹どちらかがミラーワールドを利用して父母に復讐した線がでてきた? →妹の死亡がトリガー?

  • オーディンの正体

  • 士郎の生死(死に一票) →死亡で確定。


正直に言うと1話の感想にも書いている通り、優衣が死んでいる件は昔に聞いたことありましてね。

聞いたのが大昔過ぎたことと、見ている内に勘違いだった線が大きくなっていたこと(優衣は生きていると証言できるおばさんがいたため)で、脳内で気のせいだと処理して頭の隅っこに押しやってたんですけどね……。

彼女が何も知らずに生きているのだとしたら、士郎が詳しくは語らずに頑張っているのも頷ける。強引さは否めないけどね。


「お前は分かっていない。消えてしまうことが、死んでしまうことが、どれほど苦しいことか」

これも一度死んでいる士郎の経験談かなと思ったけど、どちらかと言うと優衣を看取ったことの方を指している気がするね。


それで言うなら、士郎が一度死んでるのって、勝手に恵里さんみたいな実験過程の事故だと思ってたんだけど、もしかして自分で…とかある?

「ミラーワールドには、俺と優衣しかいない」状態にするなら、彼も一度死なないといけない…?


次回には全ての伏線回収の予感がするけれど。怖いね…。




【北岡秀一】

いつの間にか棄権扱いになっていた男。現在病院で入院中。

本人の意思もろくすっぽ確認せず、彼の状況も無視するクソ運営神崎士郎、今日も通常運転です。


入院しているものの、飾り物こと島田さん、めぐみさんには吾郎ちゃんによって「疲労」という言い訳と令子さんへの口止めがなされている。


そして島田さんはふと思い出す。

以前病院ですれ違った男が北岡だったこと、彼が先ほどまでいた病室の看護師が「現代の医療では治らない病気」と言っていたこと。



北岡の病室に現れた次の見舞客は蓮。

棄権扱いになった北岡を案じて状況確認に来たらしい。

「期待させて悪かったな」という北岡も、彼が生きているのを見て「がっかりだ」と言う蓮も、顔も声色も穏やか。素直じゃないなぁ。



「城戸のやつ、どうなったのよ」

「まあ、元通りといったところか」

「へぇ、やっぱり馬鹿は立ち直り早いねぇ」

「確かに奴は馬鹿だが、」

「『俺やお前よりマシな人間』、でしょ?」

 「ま、ちょっとは認めてやってもいいけどさ。奴がライダーだったのは俺たちにとって、良かったのか悪かったのか」

「……さあな」


良かったか悪かったか「決めるのは自分だ」って思うけど。

少なくとも、今のあなたたちは「デスゲームで命を狙い合う敵同士」には見えないよ。



「……驚いたね吾郎ちゃん。脱落だってさ、俺」

今まで、治療できない病を抱えているようには見えなかった人間の一縷の望みが断たれたわけで。「脱落」の「だ」の音が掠れていて胸が痛い。



なおその頃、因縁の相手:浅倉は。

無人の事務所を訪れて北岡の不在を知る。情報が彼だけ一周以上遅れているので、彼は北岡が死んだと思っていてもおかしくない。

ミラーワールドで大量のトンボを相手に大暴れしています。


それにしても息をするように犯罪をする男、今日も不法侵入でノルマクリアです。




【オレジャーナル】

無事にオフィスを買い戻した編集長。結構無理してるみたいですが、差し押さえについて書かれた紙で鼻をかむ彼がイキイキしているのでまあいいでしょう。


令子も編集長も、共に士郎の研究所に目を通していますが、専門用語が多すぎて細部は完全にお手上げ状態。

それでも、「ミラーワールド」、そこにいる「ミラーモンスター」と呼ばれる生物、そしてミラーワールドに出入りできる「仮面ライダー」という人の存在を知る。


令子の頭に閃いたのは、彼らの同僚:城戸真司。

士郎の妹のもとに下宿し、士郎について調べている。真司も何かを知っているのではないか。


そして取材のために訪れた旧神崎邸で、令子は見てしまう。

仮面をまとった姿に「変身」し、窓ガラスに飛び込んでいく真司の姿を。


オレジャーナルに必要なピースが、全て揃った。




次回:伏線回収のお時間です

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