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  • 執筆者の写真_ ぬぺ

47話 輝いているもの

とても良い最終回でした



【停車駅 昴ヶ浜】

闇に包まれたライト。

闇を以て闇を制す…とはいかず落ち込むライトの元に現われたのは、レインボーライン。

降りてきた4人は無言でライトを回収。

駆け寄る時に「ライト!」って呼びかけるのがこの4人の”いつも”だったからこそ、あっこれヤバいやつだな…となるわけです


なんで?と聞くライトに、手作りの定期券を突きつける4人。

「僕は忘れたくないよ。みんなで旅したこと。トッキュウジャーやったこと。楽しかったことも辛かったことも全部!絶対に無くしたくない想いだってある。」

「ライトの事もだよ」

「ライトの事を忘れるなんて、できるわけないよ」

「全部忘れなきゃ子供に戻れないなら、全部持って、大人のままでいる。俺たちはそう決めたんだ」


「「「「絶対5人で助け合う事!!!!」」」」


この時の4人の声色がね、明らかに「怒ってる」んだよね。

大切な人に置いて行かれたことへのやるせなさや、相手を心配するときの怒り。

そしてこの時のトカッチの口のふさぎ方、1話でライトがトカッチにやったやつじゃん…



その間、明はネロと対峙。

なんとかレインボーラインとの繋がりを発見したところにネロが合流。


「させるか。このレールは…」


脳裏をよぎるのは、自分が生きていたと知って、自分達の本来の目的そっちのけで喜んだ仲間たちの姿。


「レインボーライン…俺の…生きる場所だ」


明くんが本当に仲間になってくれてよかった……



闇の中の5人の問題は、この闇のなかでの脱出方法。

さてどうしたもんか、と考えていると、窓から見えたのは1つの小さな灯り。


その正体はライトの母親の灯篭。

どうしても「もう1人いる」という違和感が拭えなかった母親が、「会いたい」という願いを込めて置いた灯篭。

そこから広がり、階段の端に置かれた灯篭が光のレールとなって伸びる


中盤から何度となく見てきた、「階段の脇に灯篭がずらり」の図。

まさかここでレールになるとは思わなくて。

作劇の上手さと、絵としての美しさと、何よりも母親の想いに涙腺が緩んでしまった



「あれだ…俺が見たキラキラは」


ゼットが見た「キラキラ」の正体もやはり灯篭。

物理的にキラキラしているのは勿論、「夢や希望」をたくさん抱えたキラキラ。

彼が闇にありながらも「キラキラ」を正しく理解していたのは、初めて見た光が灯篭だったからなのかもしれない。



灯篭の光に導かれ、レインボーライン復活。


「闇とは常に巨大だ。あっという間に光を呑み込んでしまう。それに対抗できる力は一つしかない。いや、一つで良い。夢、希望、創造、祈り。その全てに通じる…」

「「「イマジネーション!!!」」」



イマジネーションを最大限にまとった烈車によって、キャッスルターミナルは陥落。

脱出したゼット・モルク・ネロは地上でトッキュウジャーと合流。



「どんなに闇の力が大きくても、俺たちは俺たちの力、イマジネーションで戦わなきゃいけなかったんだ!最後まで。」


「すげーキラキラだ」「やっぱりこうでなくちゃ、潰し甲斐がねぇ」


あれだけキラキラに憧れたラスボスだからこそ、光を取り戻した敵を見てあんなに満足そうに笑うのか



最後の変身。

改めて、この作品のヒーローはここまで一切名乗ってこなかったんだな…などと思いつつ。


前回、1人で「勝利のイマジネーションが見えない」と嘆いていたライトは、

今回、仲間たちと共に「見えた!勝利のイマジネーション!」と叫ぶ



6人揃ってイマジネーションに溢れたのだから負けは無い


25話にて猛特訓した必殺技を4人で繰り出してモルクを、

因縁の相手であったネロは明が、

ゼットは6人の必殺技:ユウドウレインボーラッシュで撃破。



あと一息まで追い込んだものの、それを支えたのはネロとモルク。

自ら闇の一部としてゼットに力を貸すことを申し出る。


「てめえら…この期に及んでキラキラすんじゃねぇ……」


2人が皇帝に託したものが闇が支配する世の中と言うのなら、それは彼らにとって間違いなく希望=キラキラなんだよね。

結局、ゼット以外の全員がキラキラを手に入れてしまうのか。

幹部はみんなキラキラを得て、満足げな笑みをゼットに見せて、ゼットの目の前で散っていったのか。



ならばこちらも同じ手段で対抗する。

ライトに、全員分のイマジネーションを乗っける

オレンジを含めた全メンバーへの連続チェンジ。

そして「トッキュウ1号レッド、乗り継いでレインボー!」


仲間を完全に自分のモノにして戦うゼットに対して、

仲間を「乗り継ぐ」、則ち強くなるために手段として使い、全部が混ざり合った色で、一緒に対抗するトッキュウジャー。



それでも倒れないゼットに、ダイカイテンキャノンを使用。

さらに仲間たちがそれを後ろから支える形での発射。


確かにラスボス相手。

でも流石にちょっとやりすぎでは?


と、思ってすごく安心した。

トッキュウジャーは序盤、戦闘中に「やりすぎ」と感じることが多かった。

「ゲーム感覚で、歩いているアリを潰している子供を見るような目でアクションシーンを見てしまう。かわいらしさの中に底知れない何かが見えて、背筋がぞわぞわする。」とは、3話視聴時の私の感想ですが。


中盤あたりからこれは感じなくなって。他の戦隊同様のアクションの雰囲気。

でもこれって、要は大人になったばかりだった5人が少しずつ本来在るべき姿から乖離していたことを示していたのだろうな…と今になっては思う。


ならば、またやりすぎなほど相手を叩くのは、きっと彼らが元の状態に戻っているんだろうな、と。

ここで「このお話はハッピーエンドだな」とかなりの確信を持ちました



ゼットはそれでも立ち上がり、焦がれてやまない虹に手を伸ばすが、そのまま闇と化す。

それを救ったのはグリッタ。


「陛下。闇は闇へ帰りましょう。陛下の欲しかったキラキラは、闇あってこそ」


個人的に心残りは彼女だけです。

どうか幸せでいてくれ…全部背負わなくていいんだよ。




戦いの後。



もう子供には戻れないから5人で旅を続けると決め、烈車に戻るトッキュウジャー。

話し方は明るいのに、5人とも明の横を通り過ぎる時は暗い顔で下を向いているのよ…


現われたのはおかず…ではなく総裁。

「別れを言いに来た」

「なんでもすぐに答えを求めてはいけない。想像しなさい。そのイマジネーションで我々は存在し、走っている。」



そして迎えに来たのはみんなの家族。

家族たちのイマジネーションもかなりの物だった。

5人が書いた手紙が届いていたのだろうとのこと。

確かにそうでなきゃ、あの光の線路ができるはずがない。


このシーンの5人が、見まごうこと無く「10歳児」で泣いてしまった

視聴者みんな明と同じ顔してたでしょ…


笑顔で烈車を見送る5人。

「バイバイ!」「またな、明!」



その後。

本当に日常が戻ってきた昴ヶ浜。


5人の小学生はいつも通り遊んでいる

自分達の秘密基地に行けば、いつでも「イマジネーション」を使って、大人の自分に、思い出の烈車に会える


これ以上ない、最高のハッピーエンドじゃないですか。




【総括】

面白かった!

今まで見てきた靖子にゃん作品、どこかビターな風味が残る部分も大きかった気がするのですが、今回は比較的明るい締めだったな。(ゴバスがえぐかったとも言う)


何よりも1年を通じて彼らが大人になっていく様をこんなにハラハラしながら見守ることになるとは思わなかった。


せっかくなので1話を見返したのですが、俳優陣ほんと歴代でもトップクラスの安定感だったんだな…。

勿論1年通じた演技力・キャラとしての成長はあるけれど、元からの安定感がすごい。


考察も本当に楽しませていただきました。

半年間、合計約75000字!お付き合いいただきありがとうございました。

またいつか、映画を追ったり書を書いたりできたらいいなと思う次第です

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