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  • 執筆者の写真_ ぬぺ

32話 オリオン号よ、永遠に!

時は、遥か彼方の未来。

88星座の系は、ショーグンドン・アルマゲ率いる宇宙幕府ジャークマターに支配され、

希望は失われていた。

しかし、宇宙には1つの伝説が伝えられていた。


宇宙が心なき者の手に落ち、人々が涙するとき、9人の救世主が現れ、宇宙を救う。


彼らは今や12人の究極の救世主となって宇宙の平和を取り戻すために、

宿敵 ジャークマターと戦っている。


その名は──




【あらすじ】

無事に帰ってきたナーガによって、ジャークマターの本拠地が明らかになった。


「ミナミジュウジ座……らへん。」


ハッキリ分かっていないのでズッコケ案件だったものの、情報があるだけ良い。

オリオン号でミナミジュウジ座を目指そうという話になるが、オリオン号の調子はまだ治らない。



その頃、ジャークマター側では、ドン・アルマゲが自らカローに対して「キュウレンジャーを倒せばフクショーグンに取り立てる」と御触れを出す。

フクショーグンの一柱が沈み、アキャンバーも敗走した事実を流石に重く見た模様。


ククルーガは今度は自分の番だと豪語、宇宙一の科学者を自称するドーギュンを呼び寄せる。



ドーギュンはチキュウにて、機能停止したはずのモライマーズを動かして爆破させる。

キュウレンジャーたちも、困惑しながらも出撃することを決める。


「なんてこった。出撃か。」


全員が空気を読んで空席のままにしておいた司令席に腰かけていたツルギ。

何故なら初代宇宙連邦大統領だから。いつまでその肩書にこだわっているんだこの男は。


「俺様がキューレットを回してやろう。キューレット・ザ・チャンス!」


当然のように投げ捨てられるジャケット。

きらめくミラーボール、カラフルな照明。

スタンドマイクの前に立つのは上半身の服を脱ぎ捨て、代わりに赤と黒のファーを肩から下げ、腕からは「大将やってる?」としても使用可能な白いヒラヒラを垂らして歌う準備万端のツルギ。

その後ろには服こそ来ているもののタンクトップ姿でギターをかき鳴らすスティンガー。


誰か説明をしてくれ。


お馴染みの「キューレットザチャンス」を歌うものの、ツルギもスティンガーも相手に合わせる気はないし、歌のうまさよりもその場のテンションを取っちゃったものだから、一瞬で良い声の不協和音が完成。

これには弟分の小太郎もドン引き。


「アニキまで……」


なおキューレットの結果は


「今回はこの5人だ。さあ、俺様に続け!!」


これにはチキュウ人の小太郎もドン引き。


「俺チキュウ人として恥ずかしいよ!」


そんな茶番の最中、浮かぬ顔をしている人が1人。




【ラプター283】

夢見るアンドロイド。

オリオン号の故障に沈む彼女が目にしたのは、壊れた家電を蘇らせ動かす怪人:ドーギュン

これを見て、思ってしまったのだ。

もしかしたら彼の技術でオリオン号を治せるかもしれない、と。


ラッキーが放った攻撃を邪魔して敵を逃がす、という行動に出たことで仲間たちから責められるも、一旦は事情を素直に説明。

が、現実はそんなに甘くない。

戦闘中に頭を炊飯器に噛みつかれていたツルギ(なんだこの意味の分からない文章は。でも事実なんだよな)。

その間、炊飯器の中にスライム状のものが入っているのを確認していた。

その名も液状生命体マトリック。電子回路に融合して機会を凶暴化させることができる。モライマーズが爆発したのもコイツのせい。

ドーギュンは確かに科学者だが、専門分野は生物学の方だったのであった。なんで妙に論理はしっかりしているの??



更にツルギは畳みかける。

オリオン号には特に武器はない。そもそも敵の本拠地に乗り込むには戦力不足だと。

あまりにも冷たい言い方に憤る女性陣。


「オリオン号は、ただの船じゃありません! 仲間です!」


が、ツルギはそれもバッサリ。

船は船であって、それ以上でも以下でもないと。

これには流石に言い過ぎだと全員が眉を顰めるが、時すでに遅し。


「もういいです! だったら私には、戦う意味なんてありません!」


ラプターは1人どこかへ走り去ってしまう。

これは流石にツルギが悪い。



そのタイミングで残留組から連絡が入る。

オリオン号にはほんの少ししか動力が残っていない。現状、船を維持するための最低限の機構しか動かしていないらしい。修理は無理だろうと。

シンプルに船の寿命だろうと断じるツルギに、事情を知るスパーダがラプターがそう考える理由を教えてくれた。


まだオリオン号に乗っているメンバーがスパーダとラプターだけだった頃。

オリオン号はワープの実験中、磁気の嵐に巻き込まれてしまった。

操縦すらできず、もう出られないかと2人が覚悟した時、ラプターの「宇宙を救う使命がある」という言葉に反応したかのようにオリオン号が復活。無事に元の航路に戻れたのである。


偶然かもしれないが、ラプターにとってはオリオン号にも意志があると確信できるような出来事だったのだ。


その出来事が「妄想」のきっかけだと理解したツルギ。

でもそれはそれとして、「オリオン号はもう動かない」ことを理解しないと、ラプターも前に進めない。

ということで、ラッキーがラプターの話を聞きに行くことになりました。



「私はいつも思ってました。おじさまに助けてもらった命を、宇宙の平和のために使うんだって。それがおじさまにできる恩返しだって。でもそんなの妄想だったんですよ。」


ラプター覚醒時に繰り返し言っていた、「自分も救世主になりたい」。

その根底にある思いを、ようやく打ち明けてくれた。


「馬鹿野郎。ラプターがそんなこと言ったら本当に妄想になっちまうじゃねぇか。」

 「奇跡は起きたんだろ? ラプターがそう信じるなら、俺はお前の言うことを信じる。オリオン号は仲間だ!」


相変わらず、相手が欲しい言葉を欲しい時にくれる人である、ラッキーは。


それならば、仲間を助けられない自分はどうすればいいんだと落ち込むラプターだったが、ラッキーはそれなら自分にできることを探すべきだと力強く言う。


「ラプターはキュウレンジャーの一員だ。宇宙の平和のために、戦うところを見せてやれ。そしたらオリオン号はきっと喜んでくれる。ジャークマターから宇宙を救うんだ。それがオリオン号のために、俺たちが起こせる奇跡なんじゃないか?」



ようやく気持ちに整理がついたラプター。

ラッキーと共にボウエンキョウキュータマを使用して時限爆弾と化したすべてのモライマーズを停止させた後、仲間たちの元に合流する。


「ごめんなさい! 私、やっと目が覚めました。オリオン号は治せないかもしれないけど、オリオン号から教わったことを胸に、キュウレンジャーの一員として戦います!」


ツルギも彼女の決意を聞いて素直に謝罪。



ということで、オリオン号に捧げる戦闘の開始。

ドーギュンがいっぱい武器を持っている理由が「かっこいいかなと思って」だということが判明して全員???となったり、ラプターが「貴方が期待させるからぁ~~!!」とすさまじい八つ当たりをかましたりしつつも無事に地上戦に勝利。


巨大戦ではキュータマジンで戦うものの、なんとドーギュンが地上に残っているモライマーズを合体させてスーパービッグモライマーズを錬成。それをチキュウにぶつけて惑星を壊滅させようとしたのである。もうここまで来ると知性がどこかに飛んでいる。


キュウレンジャーたちはキュータマジンでドーギュンを一発で沈め、まっすぐ宇宙へ。

同じようにアルティメットメテオブレイクを放つが、効果はゼロ。傷すらつかないという頑丈っぷりに焦る一同。

あんなふざけた男から真っ当に強いやつがでてきたら誰だってびっくりする。



「諦めちゃだめです! オリオン号に見せるんです。キュウレンジャーが、宇宙を救うところを。まだ何かできるはずです。私たちは、救世主なんです!」


ラプターの叫びに呼応するように、既にゼロになっていたはずのオリオン号の伝記が復旧。

留守番していたバランス・スパーダ・小太郎はそれぞれキュータマジンのコックピットの中へ転移させられる。

突然の事態に戸惑う一同の目の前を横切っていくのは、もう動けないはずのオリオン号。

彼がまっすぐ進んでいった先は、スーパービッグモライマーズ。オリオン号は敵の機体に特攻をかけ、敵艦と共に爆発。遠く離れた宇宙空間から見守る救世主たちが最後に見たのは、溶鉱r…ではなく、燃え盛る敵艦の中に親指を立てて沈んでいくオリオン号と、最期にキュータマジンに送られたメッセージだった。


「GOOD LUCK」



「本当に、奇跡が起きやがった」

「おじさま、さようなら」



本当のことは分からないけれど、奇跡が起きて、オリオン号がみんなを救ってくれたことには間違いない。

チキュウに戻った救世主たちは、夜空に輝くオリオン座に想いを伝える。


「あいつは、立派な13番目の戦士だったな」


「ありがとうございました!おじさま。」

「オリオン号! お前の分まで俺たちは戦うぞ! ドン・アルマゲを絶対倒してやるからな!!」




その頃、333年前では。

過去に残った司令が、宇宙空間に浮かぶ船を見つめていた。


「準備は整った」




【以下雑記】

そうだよな~~井上テテ先生よな~~~(総括)

インダベーパニック以来2度目の登板。

確かに面白いし、今回みたく熱いドラマもコメディもお得意なイメージはある。

が、いかんせんキャラを捉えるのが平面すぎるきらいがある。


今回の「合理的すぎるツルギ」とか特にね。

ツルギの状況がかなり前の状態から更新されてない感じあったよね。加入直後くらいならまだ分からなくもないが、今はもう少し理解があるよ。

というか正確にいうなら「理解がある」状態、肩肘張ってない状態になり始めたのはインダベーパニックからだよ。お前が始めた物語だろ……!!


確かにちょいちょい解釈違いがあるんですよね。特に今回のメインのツルギとか、毛利先生が動かした時よりもずっと偉そう。 まあそれを上回るトンチキ展開なんでぜんぜん気にならないです。そんな無理矢理ねじ伏せることある?

とはインダベーパニック回の私の感想ですが、今回はシリアス多めだった分ねじ伏せられない部分があったのは否めないなあ、という感じです。



さて、ここからは楽しい話を。



オリオン号、やっぱりいいなぁ。

見るのは2回目でも、普通に泣いてしまった。たかが船、されど船。

今回「直す」よりも「治す」、「それ」より「彼」、「最後」より「最期」だよなあと思いながら書いてしまった。

いっぱい思い出が詰まったそれを手放すのはきっと辛いだろうなと思うけれど、それ以上になんだかお話が美しくてね。

多分あれでしょ。全員のコックピットの座席下とかに、服とか思い出の品とかも全部転移してくれてるのを見つけて、あれ、気が利くじゃん、なんて話するんでしょ。知ってるよ。



今回から放送時間が変わり、従来の7時半から現在の9時半になったわけで、だからこそ昴さんの新録ナレーションがあったりと、今回から見る層にもちょっと優しい作りになっています。「その名は」からOPの名乗りに入るのも大変にかっこいい。

でもさ、その直前の変な2人組のダンスで多分初見だいぶ振り落とされてるよ。


なおこの珍妙なダンスはその後、ルパパトキュウにてあのエクササイズをする2人とドッキングされます。

蟲毒に蟲毒を混ぜて出来上がった劇薬のおかげで、私は映画館で変な声を出すところでした。ふざけんなよ。


ちなみに今回の冒頭で紹介された「言い伝え」が若干違います。

1話=オライオン伝では「宇宙が心なき者の手に落ち、人々が涙する時、キュータマに選ばれた9人の救世主、キュウレンジャーが宇宙を救う。」

今回=ショウ・ロンポー伝では「宇宙が心なき者の手に落ち、人々が涙するとき、9人の救世主が現れ、宇宙を救う。」

司令、ニュアンスでやってない? 大丈夫??

大体伝わってりゃいいのよ、どうせ9人から増えるんだしさぁ、とか言ってそう~~



そしてやっぱりラッキーさんですよ。

落ち込むラプターに言ってことは結局、「奇跡を起こすためにやれることをやろうよ」なのであって、そのスタンスは「ラプターならキュウレンジャーになれるよ」と言ってくれていたあの頃となんら変わらない。そのブレない姿勢が良い。



例によって最後に引用を。


キオス島の王オイノピオンの娘メロペに求婚するが、野獣退治を条件に結婚を約束した王は、その約束を守るどころか、ディオニソス神の助力を得てオリオンを酔わせ、眠っている間にその目を突き刺して盲目にした。しかし彼は、神託に従ってヘファイストス神の鍛冶場 (かじば) から少年をさらって肩に乗せ、太陽の昇る方向を目ざして進んで行き、やがてアポロンの放つ陽光を受けてふたたび視力を取り戻すことができた。
"オリオン(ギリシア神話)", 日本大百科全書(ニッポニカ), (参照 2023-06-01)

まっすぐ進んで光となった14番目の戦士が、救世主たちの道行きを照らしてくれますように。




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