最終話 目指せ!おいしい未来!
- 2025年8月31日
- 読了時間: 11分
お菓子は幸せの味だから
【あらすじ】
ショウマは人のいない遊園地でランゴと対峙する。
なんとか人プレスを持ち帰った絆斗の前にはジープが立つ。
大量のエージェントを退けたラキアは、扉の間に立っていた。
【ラキア・アマルガ】
なんとか敵の追撃を振り切って扉の間にたどり着いたラキア。
絆斗がいない=もう人間界にたどり着いたことを察して武器を取る。
目的はただ一つ。これ以上、グラニュートと人間界が交わることがないように、すべての扉を破壊すること。
破壊した扉の先に、ちらりと人間界が見える。
●「短い間だが、世話になったな。人間の世界も悪くなかった。……じゃあな」
あまりにも、清々しい顔で……
順調に見えた破壊活動だったが、勢い余って爆発がほかの扉に引火。空間ごと崩れ落ちてしまう。
しくじった、と内心呟くラキア。
●「ま、コメルに会えるなら悪くない」
同時に過るのは、人間界でショウマ・絆斗・幸果と過ごした日々のこと。
●「ハッ、……だる」
肩に乗っていたごちぞうたちは寸でのところで離脱。
扉の隙間から人間界へと戻っていく。
【辛木田絆斗】
人間界に帰ってきた絆斗の前に現れたのはジープ、そしてリゼル。
🌂「パパの仇、覚悟しなさい!」
敵討ちに燃えるリゼル、そんな彼女を心配しつつ、彼女の決意に心を動かされて共に戦うことを選ぶジープ。
肉親を殺されて敵討ちに走った過去がある絆斗は思わず2人に話しかける。
●「お前らさ、このままグラニュートの世界に帰れ」
「こんなのもう、繰り返さなくていいじゃねぇか」
皮肉にも、おそらく2人にとって一番の理解者になってしまった絆斗。
これ以上負の連鎖を続けたくない、という気持ちがあるのは間違いないのだけれど、それで2人が納得できるはずもない。
というか、絆斗も一番ギラギラしてた時期(番組初期~ショウマとの仲違い時期くらい)だったらそんなこと言われても納得できなかったでしょう。
ある意味、絆斗の成長を示す台詞だとは思うけれどね。
ということで、戦闘開始です。
🍫「しんどいわこんなん……」
肝心の戦闘ですが、もう傍から見ても「絆斗が勝つだろうな」と思ってしまうのがきつい。
特にリゼル。持ち前のグラニュートとしての力の強さがあるからごまかせているけれど、もう戦闘スタイルが完全に「戦ったことがない人」のそれなんだよね。とりあえずかじりついておく、でも簡単に振り払われちゃう。夫からもらった武器もあるけれど、それも全然扱いきれていない。
基本的に彼女がジープに守られっぱなしなんだけど、そのことにリゼル自身気づいていない、気づけるくらいの余裕もないんじゃないかな。
彼女が可哀想でかわいい、と形容するそのポジションに移ったことってアクションでこんなにも的確に表現できるんだ。
絆斗が放ったライダーキックは、リゼルを庇ったジープにクリティカルヒット。
ジープはリゼルの胸の中に倒れこむ。
最期にジープが見たのはリゼルの肩ごしに立つシータの姿。
🐺「シータ、私、シータの気持ちやっと分かった」
「「これでまた、一緒だ」」
シータの幻と共に消えたジープ。
🌂「貴方だけは、ずっと私のものって、ねぇ……」
リゼルはきっと、単純に「置いて逝かないで」ってニュアンスで言っているのでしょうが、ジープの最期の幻が見えていたこちらからすれば、ジープは最期までリゼルのものになっていなかったことが分かってしまうのが辛い。
今際の言葉に、リゼルを想う言葉はひとつもなかったからね。行動で示されたと言われれば確かにそうかもしれないけれど、結局彼にとっての一番はシータだったというのが悲しいけど事実。
泣き崩れるリゼルに危険はないと判断した絆斗は、大量の人プレスを持ってその場を去るのであった。
【ショウマ】
●「子供の頃から俺、兄さんが楽しそうな顔してるの見たことない」
おそらく、初めて、ちゃんと「兄と弟」として向き合った2人。
初手からかなり思い切った内容をぶつけるショウマに、ランゴは顔をしかめる。
●「手にするはずだったものが少しずつ零れ落ちていった!」
「邪魔者はすべて排除する。俺の未来はその先にしかない」
こうなったのもぼんくら親父のせいだ、と怒りをぶつけるランゴ。
●「そうか。ランゴ兄さんも俺と同じだったんだ」
「お爺ちゃんとお父さんの被害者で、幸せになろうと必死にもがく、一人のグラニュートなんだ」
「結局全部悪いの親父じゃね?」はかなり早い段階から視聴者の間でも言われていましたが、遂に明言しましたか。
正直、子供向け作品で扱うにしてはテーマが重たすぎるので、もう明言はしないものだと思っていたので驚きです。
そして、ここで明言されたことにより、映画の世界線である「ショウマとストマック家が手を取り合う世界」って有り得たかもしれなかったんだな、って思ってしまって、それが一層苦しい。
なんで最終回の、もうランゴを倒さないともうどうしようもないタイミングでこんなことするんだ……。
そして改めて。
こんなに恵まれない人間関係でも、最後までショウマは「お爺ちゃん」「お父さん」「兄さん」って呼ぶんだな、って。
いざ決戦。
胸倉掴み合った状態で同時に変身するの良いなぁ。
小道具を嵌める←→外す と対になっているのも、それが分かるように同じ画角に収まっているのも良い。
ゴチポッドの中に2人が入っているシーンで、「同じ釜の飯を食う」という言葉がふと頭をよぎるなどしました。
ランゴは翼をはやし、羽ばたかせることでポッドの中のゴチゾウをすべて倒す。ここにきてまだ隠し玉あったのかよ、兄さん。
手持ちが大幅に減ったショウマは、ここからは過去に手に入れたフォームを順に活用して戦闘を行う。
実写映像とCGを組み合わせた戦闘、やっぱりいいなぁ。何度も言ってるけど、今作本当に戦闘が良かった。今回の観覧車のアクション目が離せなかったもんなぁ。
その頃、はぴぱれでは。
ショウマの綿菓子作戦が上手くいったことを喜ぶ幸果さんと優さん。
優は机の上に置いてあった「おいしいものノート」を手に取る。
その中で何度か出てくる「母さん」のことが気になった様子。ショウマが喪った身内が母親だと知り、思い切って幸果に母親の名前を聞く。
幸果の返事は、「ショウマに直接聞いてほしい」。彼女の気まずそうな様子に、何かを察した様子。
視点を戻して、ショウマとランゴ。
双方、倉庫の中に突入。バイクごと吹っ飛ぶアクションすごすぎるでしょ。令和のニチアサってまだこんなことやっていいんだ……。
日が暮れる頃。
もはやステゴロな、兄弟喧嘩としてはむしろ健全ともいえる殴り合いの果て、変身解除されてしまったショウマ。
●「力がもたなかったようだな。これがグラニュートと人間の違いだ!」
●「違うのは、変われた俺と、兄さんだ。俺にはたくさんある。ストマック家を離れて、手に入れたものがたくさん! お前にはないものがたくさん! だから負けない。負けるわけにはいかない!」
●「ランゴ兄さん、最後にもう一度だけ聞く。どうする? 二度と人間にかかわらないか、それとも、この場で俺に倒されるか?!」
1話の段階から、この決め台詞はきっと最終回でラスボスに対して言い放つのだろうと思っていたけれど、やはり実際に言われるとBGMがサビに入るタイミングも相まって「これだよこれこれ!」感がすごい。
「闇菓子」だった箇所が「人間」に変わっているのも良い。
●「お前が俺に倒されるんだ!!」
ランゴの選択を聞き届け、ショウマは残ったポッピングミのゴチゾウで変身。
最後の一撃を受けたランゴは爆散。後には羽毛が舞い散っていた。
最後を見届けたショウマは、ポケットの中にあったグミを手向けてその場を後にする。
「お菓子」をキーワードにストマック家から脱し、戦う力を得て、周りとの人間関係で変われた主人公が、「変われなかった自分」と言っても差し支えない存在にお菓子を手向けて終わる。
ちょっぴり苦くて優しい、いい決着だったなと思います。
【3か月後】
はぴぱれでは。
ショウマはせっせとお菓子作りに励んでいました。試行錯誤の末、完成品をもってどこかへと飛び出していく。
「闇菓子」ならぬ、「光菓子」を作りたいんだとか。グラニュートにとっても、人間にとってもおいしいお菓子だそうです。
ほぼ入れ替わりで現れたのは絆斗。
はぴぱれを貸しオフィス代わりに使っているらしいです。そろそろ場所代を請求したい幸果VS労働で払わせてほしい絆斗。平和だ。
ショウマが奔走しているのは、人間界に取り残されてしまったグラニュートのことを想っているからだ、と聞かされた彼の脳内に過るのは、あの時見逃したリゼルの姿。
彼女はまだこちらの世界で一人涙に暮れている様子。
ここまでやってきたことがあんまりにあんまりなので、ある程度しかたないとは思うのですが、それにしたってあまりにも惨めな結末で流石に同情してしまう。大統領の父親の庇護のもと、欲しいものはなんでも与えられ、ナチュラルに他人を見下してきた彼女が行き着いた先が、彼女がずっと見下してきた天涯孤独の「可哀想」な存在とは。途中退場した人たちがまだ幸せだったんじゃないかと思わせられることになrとは思わなかったよね。
こうなっているのは、人間界とグラニュート界の繋がりをラキアが絶ったから。
ショウマの力をもってしても、もう異界に繋がる扉は開かない。
ラキアのゴチゾウたちはちゃんとショウマたちに合流しているみたいだから、ラキアの意思がきちんと人間界に届いてるっていうのは救いかなと思う。
そんなラキアは、ちゃんと生きていました。
グラニュート界では新しい大統領も誕生し、ストマック家の崩壊なんてどこ吹く風、社会は普通に回っている。
ラキアの隣には、唯一彼のそばに残った、人間界の友人たちと共に作った思い出のプリンテゴチゾウ。
彼がいるなら寂しくない、と呟くラキア。ゴチゾウがいるということは、まだラキアは変身できるということ。
グラニュート界で何かあったときに、仮面ライダーヴラムになって颯爽と現れる未来があるのかもしれない。
さて、ショウマが向かった先は「ひだまり」。
試作品はどうやら優さんの元に持って行って食べてもらうことにしているみたいです。
ちなみに優さんの評価は「前の方が好き」。うーん手厳しい。でも優しい。
●「みちるさんはどんなのが好きかな」
👨「どうだろうねぇ。ショウマくんが作ったものだったら、何でも美味しいって言うんじゃないかな」
「君が、とても一生懸命だから」
ああ、気づいたんだ、気づいちゃったんだ。
でもそれを明確にショウマには言わないし、彼を甥だと分かっても、妹はもう二度と帰ってこないと分かっても、今まで通りであろうとできる人なんだ。
この強さ、強かさは完全に井上家の遺伝子なんだろうな。優も、みちるも、ショウマも。
ひだまりを出たショウマがぶつかったのは、なんだか冴えない青年。
見覚えのないゴチゾウを拾ってもらったものの、青年はUFOのような何かに攻撃を受けて倒れてしまう。え、何?? 本当に何???
人を助けるとこういう目に遭う、と説明になっていない説明をした後、「あとは任せて」と言ってヨタヨタと去っていく。
な、なんだったんだ……メタ的に次の主人公なのを分かっていても、なんだったんだ……。
既に公開されているお写真とはあまりにも違いすぎるビジュと、いいじゃんすげーじゃんな某主人公を彷彿とさせる馬鹿げた不運っぷりに混乱が止まらないぜ。
ともあれ。
絆斗もショウマも、まだ戦いが終わったとは思っていない。
ショウマは前日の通り人間界に取り残されたグラニュートたちのことを考えているし、
絆斗は一連の事件を世に公表すべく動いているところ。
そんな絆斗の元に、ストマック社の元バイトだというグラニュートからの連絡が入る。
幸果を経由して連絡を受けたショウマは、バイクに乗って助けを求めるグラニュートのもとへ向かう。
●「目指せ、幸せのお菓子屋さん!」
【以下雑記】
1年間お疲れさまでした!!
めちゃくちゃよかった、本当に良かった。
心の機微がすごく繊細で。相手を尊重するのが一番。相手に過度に深入りしない。少しでも間違ったことをしてしまったらきちんと謝る。このあたりが徹底されていたからこそ、すごく優しい脚本になっていたと思うし、ひっかかりもなく最後まで見ることができたなと。
裏を返せば、それができない人、自分の間違いを認められない人こそ悲惨な結末を迎えておられまして。リゼル嬢とか分かりやすい。最後まで自分のこと被害者と思っているからこそのこの終わりなんだろうなと。
その分しんどさ増してたけど、だからこそドラマが生まれていたし、何よりも一本筋が通っている安心感が半端じゃなかった。
正直、直近のニチアサ3つほど、連続で「脚本に筋が通ってない、信頼できない」を理由に脱落している身なので……。
「お菓子」をかっこいいモチーフとして仕上げつつ、
「お菓子」「幸せ」を軸に、そっと優しく寄り添ってくれるような1年でした。
この作品がリアルタイムで追いかけられて幸せでした! 久しぶりにVシネ見に行こうかなの気持ちになっています。
またいつか、幸せいっぱいのみんなと会えますように!
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