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  • 執筆者の写真_ ぬぺ

47話

他人を犠牲に自分を救うか、自分を犠牲に他人を救うか。




【あらすじ】

ようやく腹をくくり、蓮と向き合う真司。

けれど彼らの積み重ねはもう1年近くになっている。そう簡単に手を下せるはずもなく。

やるせなさをフェンスにぶつける様子が東條と重なる。


「決めたのに…優衣ちゃんのために戦うって決めたのに……!結局俺、また迷ってんのか」

 「余裕ないんだよ!優衣ちゃんの誕生日まで!……これじゃ、何もしないのと同じだ」




【城戸真司】

絶賛板挟まれ中。

優衣は助けたいけれど、その為に誰かを手にかけるのは嫌。でも優衣を助ける手段はそれ以外なくて。

完全に自暴自棄になっている。

前半の蓮と真司を綺麗にひっくり返したような演出がお見事である。2人が一緒に歩いていて、真司が先を歩いていたのっていつが最後かしら。


「考えるから駄目なんだよ。何も考えなければ……」

行きついた結論がこれ。

今までいろいろ考えていたから駄目だった。何も考えずに無機質に向き合えば何とかなる。

できるわけないのにね。

それができないのが真司くんの良いところなのに。



花鶏に戻ってくる前に深呼吸。いつも通り、元気いっぱいの真司になろうとするが。

☕「お帰り」(怪訝な顔)

📰「お前随分調子いいな、今日」

「真司くん、どうしたの?」

誰一人として誤魔化せていない。


夜、既に仕上がっているクリスマスの飾りつけを、「お正月」を歌いながら弄る。

ちなみに今回の放送日は12月29日です。そろそろクリスマス飾りは片付けようぜ。


流石に見かねた優衣が(蓮も一緒に)声をかける。

改めて考えるのを止める、と言うが、優衣からは「何言ってるの?」と一蹴されて逃げるように寝室へ。


追ってきた蓮からも「あまり度を超すな」と言われる。あくまでも理由は「優衣が心配する」からなのが彼らしい。

それでも空元気を出す彼の声を聞きかねてカーテンを開けるが、そこにいたのは貼り付けたような笑顔の真司。そんな顔されたらこっちも何も言えなくなる。



翌日。編集長に頼まれた通り、北岡事務所へ。

しかしその目的はもちろん、愉快な飾りたちを回収するため……ではなく。


「実はさ、戦いに来たんだけど」

 「ほらいつもの。ライダー同士の戦い」

「本気か?お前。いつ宗旨替えしたわけ?」


途方に暮れ、やや呆れ気味の北岡に、あっけらかんと宗旨替えした理由を語り続ける真司。

というか「宗旨替え」って表現地味に好きよ。


「せっかくだけど、遠慮しとくわ」

 「ひとつは今ちょっとそういう気分になれないってのと、もうひとつは……」

「お前、何があったか知らないけど、見てらんないよ」「そういうの、ウザいからさ」



その後も、街で浅倉を彷徨って探している内にチンピラに絡まれて負傷するなどしていた様子。

その辺にいる街の人に意味分からん喧嘩ふっかけるところまで蓮に似ろとは言ってない。



そんな最中、蓮のもとに1本の電話が。

「こないだの借り返しとこうと思ってさ、ご注進。城戸真司、ちょっとヤバいかもよ」


ということで、怪我人の真司を回収。

無茶をする真司を力尽くで引き留める蓮と優衣。


「なんでだよ。俺がやめろって言った時は止めないくせに、なんで俺が戦おうとすると……誰も戦わないんだよ」


真司くんが今まで頑張ったからだよ…。

あなたが頑張ってまわりを変えようと、戦いを止めようとした頑張りが今形になってるんだよ……。



空気を読まずに現れたのは契約主を失ったデストワイルダー。

モンスター自体はてこずることなく討伐。

残るは2人のライダーのみ。

序盤とひっくり返り、蓮が防戦一方。優衣も必死でやめるように呼び掛けるが真司は止まらない。


「真司くん!私、そんな風に真司くんに助けてもらっても、嬉しくないよ!」



やっぱり、最後の一手は出せなかった。


「同じかよ。どうやっても、結局俺は……」

 「優衣ちゃん。……ごめん」

「ごめんね、真司くん。私のせいで、ごめん……」

「俺は、俺はいったい、どうしたら……」


誰も幸せにならないデスゲーム。

士郎が幸せにしたいと願っている優衣も幸せにならないわけで。

そこは士郎は……何も思ってないんだろうな。自分の願いが叶えば優衣は幸せになれるから結果的にプラスだとか思ってるんだろうな。素で。




【北岡秀一】

刻一刻と最期が近づいている男。


前回の怪我で病院に行っていた吾郎を車で送りつつ、あの爆発は吾郎の仕業かと聞く。

躊躇った末の答えはYes。

あ、あれ東條じゃなかったの? 自分のせいにしておいた方が北岡的に納得してくれるから的な回答ではない…のか?


勝手に後をつけるようなことをしたことを詫びる。

「先生が浅倉に負けるなんて思ってません。ただ、黙ってみているしかできない自分が…」

「できなくていいんだって。なんかもうさ、ほんと、できなくていいよ」


北岡にとって、ライダーバトルに参加して傷つけられたり傷ついたりしつつも変われた方が幸せだったのか、吾郎ちゃんと穏やかに暮らしていた方が幸せだったのか、どっちだったんだろうなとか考えてしまった。



事態が一変したのは終盤。

カップが落ちる音がした方には、いつもの椅子に力なく座る北岡がいた。

慌てて駆け寄って北岡を呼ぶ吾郎の声にも反応なし。


これで最期はやめてくれ……せめて最期にゆっくり吾郎ちゃんと話してくれ。




【神崎優衣】

遂に自分のすぐ近くに居る人まで狂いだした。

居てもたってもいられなくなり、おばさんに自分の住んでいた家を見せて話を聞かせてくれとせがむ。


☕「あんたたち2人、この家で良い思いしなかったからねぇ」

 「あんたは忘れてるかもしれないけど、あんたと士郎、この家で半分閉じ込められるような生活してたのよ」

 「あの事故があるまで、あんたたちが両親にあんなひどい扱い受けてたなんて、知らなかった」


話がおかしい。



事実を確かめるために蓮と優衣は旧神崎邸へ向かう。


以前屋敷から回収した家族旅行の思い出の絵、そして昔士郎と共に描いた、「兄妹ずっと一緒に居られるように」という絵。


今までは何の変哲もない思い出の品だと思っていたが、改めて見ると何かおかしい。

風景画は船の位置までそっくり同じ写真が屋敷から見つかる。「家族旅行の思い出」が風景画のみ(家族の姿が無い)のも言われてみればちょっと違和感。

優衣本人も家族の事はよく覚えていないと言うが、士郎の記憶は割としっかりある。


シンプルに考えて、彼女の記憶がいじられている。

士郎との関係はそのまま、親の記憶だけ綺麗に消えて美化されているということも含めて間違いなく士郎の仕業でしょう。

優衣に「幸せな家族」を提供しようとしている? それなら今疑似的にはあるんだけどね……。



その頃。令子さんが久しぶりに登場。しばらくいないと思っていたら、なんとアメリカにまで取材を敢行していたらしい。オレジャーナル、本当にミラーワールドの記事に全てを賭けてるんだな。


彼女が回収して来たのは、士郎がまとめたミラーワールドに関する資料。(香川が見たものと同じかな?)

そして、士郎の死亡診断書のコピー。完全に確認はできませんが、亡くなったのは2001年(龍騎放映開始の前年)。

「診断書」とあるので、偽造などはされていないと考えていいっぽい。

何よりも、かなり取り乱した様子のおばさん。「優衣に見られたら」という台詞からするに、ある程度の事は知っている状態で隠し通してきている。



ということで、45話でまとめた時系列に加筆訂正。

  1. 神崎兄妹、両親と共に屋敷に住む。虐待? モンスターの絵を描く。

  2. 屋敷で事件発生、両親死亡、兄妹離別 兄はアメリカへ、妹は花鶏へ

  3. 何らかの要因で優衣の消失が確定、士郎の知る所となる

  4. 士郎渡米、大学で研究を行うが死亡 →2001年

  5. 士郎帰国、清明院大学で研究を行う →この頃にはミラーワールドの住人になっていた?

  6. 実験開始。恵里が犠牲になる。この頃にはライダーバトル開始

  7. 「龍騎」本編開始


ついでに今気になるところも加筆訂正。

  • 優衣が消えそうになっているそもそもの要因

  • ライダーバトルを維持するのが目的なのか、勝者を出すのが目的なのか

  • ミラーワールド成立の経緯

  • 回想で度々出てくる、屋敷内で泣き叫ぶ優衣の事件の顛末(この事件が優衣が消えかかった原因と関係していると予想中) →兄妹どちらかがミラーワールドを利用して父母に復讐した線がでてきた?

  • オーディンの正体

  • 士郎の生死(死に一票) →死亡で確定。


ちょこっとずつ輪郭が見えてきた感じはあるね?



その裏では。

不自然に倒れたモンスターたち。モチーフがヤゴだと知り、倒れて動かなくなった時点で私の脳内には「蛹」の文字しか浮かびませんでした。危険のサイレンと共に🚨。

案の定、白い繭のようなものを被ったモンスターたちは“羽化”。中からは青いトンボのようなモンスターが生まれたのでした。




次回:やっぱり生きていた浅倉。残りは(おそらく)3人。残された時間は3日。

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