9話 燃えよドラゴンマスター
- _ ぬぺ
- 2023年3月15日
- 読了時間: 8分
更新日:2024年5月20日
誰がキュウレンジャーは9人だけと言った?
【あらすじ】
イカーゲンとマーダッコに追い詰められたキュウレンジャー。
絶体絶命の中駆けつけた司令によってなんとか仲間の救出に成功するが、珍しく焦った様子の司令が気にかかったスパーダは単独で地上に残る。
結果として隙を突かれる形でスパーダが拉致されることとなる。
この状況に、救世主たちはどう動くか。
【ショウ・ロンポー】
我らが司令官。
前回なんとリュウバイオレットに変身した男ですが、まさかのタイムリミットがありました。実力だけなら拮抗どころか司令の方が上だろうに、敵が割と余裕ぶっていたのはこれが原因です。
なぜ彼は変身できるのにそれを黙っていたのか。そしてなぜ時間制限があるのか。
話は司令が若い頃にさかのぼる。
当時まだ戦力がゼロだった反乱軍:リベリオン。そこに所属していた司令は、手持ちのスキルキュータマであったリュウキュータマを疑似的にチェンジキュータマとする技術を開発。
時間制限というデメリットを抱えつつも唯一の戦力として活躍していたところ、当然ながらジャークマターに目を付けられる。
そんな成り行きでリベリオン本部に送られてきたのがイカーゲンとマーダッコなわけ。
唯一の戦力であるという責任感と、自分の力を過信していたショウは当時の上司:ビッグベア総司令の命令に背いて敵のもとに出撃。
予想以上にてこずった結果敵の前で変身解除という大失態を犯す。
彼を助けるために割って入ったビッグベアはその場で2人に刺される。
🐻「ショウ!キュウレンジャーを探せ!キュウレンジャーこそが宇宙の希望じゃ!」
総司令は全てをショウに託して敵を巻き込み自爆。
(自爆スイッチが確実にイカーゲンの死角なの凝ってる)
結果としてリベリオンは壊滅した。
ショウ・ロンポーにとって、イカーゲンとマーダッコは総司令の仇であり、自分のトラウマを刺激する相手でもあり、自分の弱みを完璧に握られている相手だった。
だからこそここまでの彼らしからぬ余裕の無さだったのです。
さて、誘拐されたスパーダを救出するのは明朝にする、と司令を下したショウ。
しかし仲間たちより前、ほぼ日の出と同時刻に単身でチキュウに降りたつ。
彼の違和感に気づいていたラッキーもあらかじめチキュウで待機して待ち伏せ。司令の過去を一通り聞く。
●「私の若い頃にそっくりだな」
「力を手に入れ、命令に背いて突っ走った」
●「でも俺は違う。なんてったって、宇宙一ラッキーな男だからな!」
●「……なら、『ジャン✊キュー✌ぽん✋』、こいつで勝ったら連れて行く」
馴染みがあるんだかないんだか分からんじゃんけんをした2人。
勝負自体は流石幸運の男が掴んでいきましたが、司令は出したグーでラッキーを腹パンして気絶させる。容赦がない。
●「お前は、ビッグベア総司令に託された希望。誰一人、キュウレンジャーを失うわけにはいかない」
変身もせずに単独で建物に突入。
スパーダを拘束する鎖をそれぞれ1発で破壊して崩れ落ちる彼を支える。
この人こんなにかっこよかったっけ。すごい、真っ当な司令って感じだ(そうだよ)。
追ってきたマーダッコ・イカーゲンにもスパーダに的確に指示を出しつつ戦う。
スパーダを逃がそうとするが、意地を通す彼に「絶対に死ぬな」とだけ命令して戦闘継続。
無情にも制限時間が来る。
スパーダが司令を庇って変身解除というショウのトラウマを思いっきり刺激する展開。
そこに駆けつけたのは遅れてやってきた仲間たち。
●「どうしてここに来た?!」
●「あいつらを倒すために決まってんだろ!」
●「何度言ったら分かる?!」
●「何度言ったって分かんねぇよ!!」
司令の襟元を引っ掴んで立たせる。
●「いつまで1人で戦ってるつもりだ?!」
「司令は昔、リベリオン最初の戦士だったかもしれない。でも今は違う。俺たち9人がいる。指令も加わりゃ10人だ!てことは、伝説よりすげぇってことだ!」
「司令と俺たちで、伝説を超えるんだ!!」
9人のキュータマが反応する。
9人分のキューエナジーがリュウキュータマの中に入り、そこから巨大な龍が出現。
🐉「ショウ・ロンポー、お前のやりたいことはなんだ?」
●「私のやりたいこと……。」
周りには、彼を信じてついてくる部下たち。
ショウが願いをかける救世主。
●「私は、9人の伝説の救世主とともに戦いたい。ジャークマターの支配から、宇宙を開放するために!」
頷いて角が生えた龍はリュウキュータマに飛び込み、新たなチェンジキュータマが誕生する。
●「今ならやれる!」
《リュウコマンダー》
「ドラゴンマスター!リュウコマンダー!」
ショウが念願かなって変身した戦士。。ナンバリングは10。見た目はバイオレット当時とほぼ同じにしつつ、手袋や靴などのアイテムが他の救世主とお揃いに。さらに胸元の星の意匠にリュウキュータマの印が付き、ひらめく腰マントが追加。ありがとうございます!!!
使用武器は引き続きリュウツエーダー。変身道具であり、近接戦では剣の相手を、遠くからはライフルとして扱うことができる優れもの。
必殺技はドラゴクラッシュ。ロボはリュウボイジャー。
何よりも好きなのは彼の変身の掛け声。「ガリョウテンセイ」である。
物事の眼目、中心となる大切なところ。最後にたいせつな部分を付け加えて、物事を完全に仕上げること。ほんのわずかな部分に手を加えることで、全体がりっぱにひきたつことのたとえ。最後の仕上げ。
"画龍点睛", 日本国語大辞典, (参照 2023-03-15)
救世主を求めて願いをかけていただけの男が、自分を「最後の大切な部分」と位置付けて9人を引っ張っていくというこの決意。
伝われこの感動。今風に言えば「エモい」になるんだろうけどそんな言葉で片付けたくないんだ、伝われ。
大変身を遂げた司令。最大の特徴は時間制限がなくなったこと。
仲間がいて、実力もあって、心に余裕が出た司令に怖いものなどない。爆風の中マントをひらめかせながら戦うの本当に本当にかっこいい。
なお後ろでかかっているBGMはショウ・ロンポーのキャラソン「リュウコマンダー龍の道」。初期メンバーよりも先にキャラソンを出す男、ショウ・ロンポーである。
1+9なら10だけど 想いを合わせりゃ キュウレンジャー
(出典:歌ネット, (参照 2023-03-15))
YouTubeで聴けるので聞いてほしい。(ネタバレなのでリンクのみ掲載)
あの愉快なEDを作詞した男とは思えないほどの想いが詰まっている良い曲です。神谷さんの独特の歌い方が綺麗にはまるメロディラインも良い。
余裕かつ敵をおちょくるような、言い換えるならばショウ・ロンポーらしい戦いでマーダッコを撃破。
巨大化した敵に対しても「出て来るんじゃないかなぁ?それっ、出て来いっ!」とすこぶる軽いテンションで召喚したリュウボイジャーに搭乗して撃破。龍の宝玉がコックピットになっているのかっこよすぎて大好き。
無事に帰還した一行。
今回の件はみんなのおかげだとお礼を言うショウと、今までの彼本人の頑張りのおかげだと笑うラッキー。きちんと命令違反は止めてほしいと釘を刺しつつも、新たな船出と言う感じの雰囲気のブリッジ。
司令が新たに下した命令は、
●「今日から10人となった我々の名前を、『宇宙戦隊ジュウレンジャー』と改める」
●「却下」(食い気味)
●「キュウレンジャーのままで」(氷点下の声)
ほら先輩がもういるから。ね?
さらにまだブリッジにいた小太郎により、自分もキュウレンジャーになれるのかと詰め寄られる。
嗜めるスティンガーとハミィ。キレる小太郎と追いかけっこが始まる。
●「ビッグベア総司令。貴方にもらった命、大事に使わせてもらいます。どうぞ我々を見守っていてください」
渋く決まった……ところに年少組のおいかっけこに巻き込まれる。
締まらないのがショウ司令の良いところです。
【以下雑記】
司令、ついに覚醒!!
いやーかっこいい。本当にかっこいい。人間本当に良いものを見た後は語彙力なんてなくなるものなのです。かっこいい、好き。
マントってなんでこんなに良いんでしょう。しかも日下さんがアクションの度にマントのひらみを強調してくださるものだからもう私は拝み倒す以外どうしようもないです。好き。
あとこの人強かったんだな……と思わせる流れが良い。
余裕がない状況とはいえ部下を傷つけないような咄嗟の判断をこなし、単身潜入&人質解放ミッションをクリアし、部下に出す指示は的確。ついでに子供の扱いも上手いです。
今回の件で「1人で頑張らなくてもいい」と思えたのなら本当に向かうところ敵なしです。
まあ「真面目になれば」って但し書きが付きますがね。だがそこが良い。
ラストシーンでは完全に部下から粗雑に扱われておりますが、それだけずけずけ言っても許されると思われているのが彼の人徳のなせる業なのです。この人なら受け入れてくれる、って思ってもらえるってすごいことだよ。
途中で登場した大きな龍。お声は神谷浩史さんです。
加工バリバリとはいえ独特の滑舌が加工すら貫通してて笑う。
今回別行動していたラシンバンキュータマ捜索班。
包帯ぐるぐる巻きの無機質組が好きです。バランス帽子みたいになっちゃっているし。
そもそも包帯が意味を成しているのか疑問ですがまあいいでしょう。
残された問題は今回もお留守番をすることになった小太郎。
キュウレンジャーになりたいと言って大人を困らせている彼ですが、それはまあ次回の布石というやつです。
次回:誰がキュウレンジャーは10人だけと言った?
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