7話 Put a sock in it!/ちんは国家なり/ジョン犬ったな
- _ ぬぺ
- 2023年2月21日
- 読了時間: 8分
わあクレジットが豪華
【Put a sock in it!】
新横浜に現れた無差別に吸血鬼を襲うハンター:タビコ。
ショートカットに鍛えられた体、動きやすそうな服。羽織ったコートの中には彼女のコレクション。跳躍力も人間離れしているが立派な人間である。
というかそもそも「無差別に吸血鬼を襲う」という前提がおかしいのよ。普通は人間の町にいる吸血鬼は無差別に襲っても問題ないのよ。
彼女を一言で表すならば「人間の変態」。
攻撃方法は靴下を奪うというもの。は??
とはいえ吸血鬼の特性である「自分のものを取られると弱体化する」という特徴を利用した良い攻撃方法なのである。多分。多分。
順番に靴下を奪われる吸血鬼たち。
ドラルクはいつものように砂と化し、
解説を請け負ったゼンラニウムは全裸なので唯一無傷で、
野球拳大好きは野球拳は自分の好きな服から脱ぐべきだと主張し、
マイクロビキニはビキニがあるから持ちこたえたもののシンプルに暴力で沈み、
足が多いキッスも被害に遭い、
マナー違反は予め靴下を脱いで油断していたところ普通に靴下を持ち去られる。
時々IQがダダ下がりするマナー違反くん可愛いよね。
吸血鬼たちからすれば一大事なシリアスシーンなのだが、なんせ原因が「靴下取られた」なので締まらない。
ロナルドの「コンビニで買ってこい」とはもっともである。
彼女の動機はというと……「性癖」。
昔戦った吸血鬼:ヴェントルー・ブルーブラッドにやられかかったタビコ。
咄嗟に彼の靴下を脱がしたところあっというまに弱体化。そんな彼を見て何かに目覚めてしまったらしい。世の中どんな出会いがあるか分からないものである。
性癖に忠実で愚かな真似もいとわないタビコ。これにはY談おじさんもにっこり。
なおこのヴェントルーさん、立派な「古き血の吸血鬼」です。名だたる吸血鬼たちの中でもトップクラスの実力と血統を持つ人物。
同列の人物としてはY談おじさんとか、変なのパパとか、ドラウスとか……凄さが伝わらねぇ(頭を抱える)
さて、この(吸血鬼にとってのみ)大変な事態に立ち上がったのはドラルク。
変なに協力してもらって砂となった状態で靴下の中に入って待機。
ドラルク入り靴下を変なの靴下と勘違いしたタビコを狙って自分の靴下を奪取。
……しかし彼が考えていたのはここまで。当然ながらここからどうやってタビコを倒すかまでは考えていない。考えているはずがない。
しかしタビコは、そんなドラルクを見て、弱いながらもその強さを認めて去っていくのだった。流れ出すED。イイハナシダナー
……さすがにそんなわけにはいかず、ロナルドくんのパンチで沈んだのであった。
「人間の変態」ことタビコさんのお声は甲斐田裕子さん。強くて凛々しくて、女性らしさも戦士らしさも内包したお声がイメージぴったりすぎてひれ伏しております。
中性的な声か男性寄りの声が良かったので嬉しいです。正直にいうと他の声優さんを何人か予想していたのですが(念のためお名前は出さないでおきます)、他にも今作中性的枠いるので。イシカナさんとか。
【ちんは国家なり】
ヒナイチ。吸血鬼対策課のエースの1人にして、Y談おじさん被害者の1人。
彼のY談波のおかげでびっくりしたときや語尾、咄嗟の反応として「ちん!」が出てしまうのが最近の悩み。
悩むのが遅すぎる感はあるが、「ちん」を直すためにロナルドたちのもとを訪れる。
Y談波は催眠術の一種。
ということで催眠術を使えるドラウスを召喚。これでも竜の一族の次期当主なのである。
単純に治そうとしたが無理だった。催眠状態の時のアホ毛がくるんしてて可愛い。
そして声優さんに良い声で何言わせてるの?
ので、上書きすることになった。
まずは「ちん」を別の単語で置き換える。
しかし「チンジャオロース」への置き換えは成功したものの、肝心の「ちん」に関しては悪化。なんか2回繰り返す回数増えてるし。
そして今回も卑猥なマーク扱いされる神奈川のマーク。私もう神奈川に住めないと思う。
今度は「エロスを感じるもの」を「ちん」から別の何かにすり替えてみよう作戦。
この辺の論理だけはしっかりしている感じが面白い。
ヒナイチの「男性のゴツゴツした手」というイメージを元に再び催眠。
またも成功したものの、「ゴツ」が語尾になった挙句、男性の手に対するアンテナが急に張るようになった。
ロナルドは多分それが性癖じゃない人すらちょっと惹かれるようなかっこいい手してると勝手に思っている。一方ドラルクは骨と皮だけのイメージあるからな。そもそも手袋してるし。全然タイプ違うじゃん。
さてここまでしっぱいしては独特の語彙力で全力で凹んでいたお父様。
丁寧に広告バー降りて来てて笑っちゃった。
彼は最終的に「逆転の発想」を試みる。
催眠効果のある自分の血を新横浜中に散布し、「ちん」が卑猥な言葉ではないどころか浸かうべき言葉だと認識させるのである。
いい声で「ちん」「ちん」連呼するんじゃないよお父様。
無事に催眠は効き始めた。
シンヨコ中の人々が「ちん」を連呼。
裏返せば、「ちん」という台詞を言うためだけにアフレコにやってきた声優さん(1人残らず超有名)がたくさん。ああ、どんどんクレジット欄がにぎやかになっていく(遠い目)
なお古き血の吸血鬼の血を引くドラルク・マナー違反くんだけが聞いてないのほんと面白い。
ということはきっとシンヨコのどこかでは変ながこの現状を満喫してみょうちきりんな形になっているんだろうと思うとまた面白い。
結果、「ちん」は新横浜流行語大賞にまで選ばれた。虚無顔で表彰されているヒナイチ可愛い。
全ての元凶はというと棺桶の中に引きこもって泣いていました。泣くな、なんとかしろ。そもそもなんで棺桶持ち込んでんじゃい。
そしてこの状況をアホみたいに楽しんでいたのはY談おじさんだったのでした。
良い笑いっぷりだな腹立つ。
【ジョン犬ったな】
全国1億人のジョン教信者のための回来たね!!!
最近太ったジョン。明らかにお腹の肉が余っている。ぷにぷにさせてください。
ホットケーキを食べたいとおねだりする。語尾が「にゅん」になってるのあざといぞジョン。
体重計に乗ってみると案の定体重増加中。
原因は間違いなくつまみ食いである。
ショックを受けたジョンが駆け込んだ先はVRC。イラスト混じりで飲むだけで痩せる薬を所望。お絵描き上手だねぇ可愛いねぇ。
もちろんそんなものはないと突っぱねるヨモツザカでしたが、しかし彼はマッドサイエンティスト。ここは「人命軽視」がスローガンのVRC。
摂取カロリーを減らす薬と嘯いて鎮静剤を飮ませる。もとより「吸血鬼の使い魔」という存在に興味があったヨモツザカ、絶好のチャンスと見たのである。
ヨモツザカがしばらく席を外している間、つけっぱなしだった犬の動画を見ていたジョン。
なおヨモツザカ氏はしっかりスパチャを送っています。本名で動画コメントしてるの分かる~~
鎮静剤を打たれて犬の動画を見たジョン。
何がどうなってそうなったか、自分を犬だと錯覚しました。
「ヌヤン!」「はぁ?!」のテンポが良すぎる。
気にせず実験しようとしたヨモツザカだが、完全に生態が犬と化したジョン。
さすがに実験もままならない。しかも相手は犬(マジロ)なのである。もとは犬を飼っていたヨモツザカ、下手なことはできない。
なんとかジョンを元に戻そうとマジロの動画を見せるがジョン(犬)は怖がって見るのを拒否。
仕方ないので催眠術の専門家「いろいろやらかしてVRCに収容されている吸血鬼のみなさん」ことY談おじさん・野球拳大好き・ゼンラニウムに協力してもらうことになった。
能力も見た目もおポンチなんですが言動の端々から自分の能力に関する知識の豊かさが見えるのほんと面白いよね。
Y談という概念は犬には無かったのでジョンには効かない。代わりに他のおポンチ吸血鬼たちの性癖暴露大会がスタート。
野球拳大好きがじゃんけんをするとお手をしてくれるジョン。可愛い、可愛いよジョン。
そしてゼンラニウムは自分の種を飲ませる。本当になんであなたはとりあえず自分の種を飲ませば良いと思っているのか。
代打としてマイクロビキニを呼ぼうとするが明らかに役立たずなので撤退。
呆れかえって廊下をジョンと歩くヨモツザカ。
完全に犬として自分に懐くジョンに思わず声をかける。
その瞬間、「侵入者」としてモニターに映し出されたのはジョンを探しにきたドラルク。
ジョンの名を懸命に呼ぶ主人の姿を見てジョンは覚醒。
キャプちゃんなるVRCの侵入者撃退用モンスターに捕まっているドラルクを助けるべく突進していったジョン。この何があっても絶対に切れないし絶対にお互いが一番な主従が本当に本当に良いのです。
その主従の絆を目にしたヨモツザカはジョンを開放。
皮肉交じりの言い方で飼い主としての責任を説き、研究室に戻ったのでした。
「俺様の犬はお前だけだ、コロ」
数日後。
ジョンは股間からゼラニウムを生やし、じゃんけんをしながらピーピー言うようになっていたのでした。時間差ッ……!酷いオチッ…………!!
時折覗くシリアスに定評のある今作。
現在進行形のシリアスと言えばナギリとカンタロウか、ヨモツザカとコロの2つだと思います。そのうちのひとつがこれ。
ヨモツザカがコロに、そしてコロ復活に見せる執念がすさまじくて時々怖くなる。
彼の今の全てだからね、冗談でもなんでもなく。彼のためにもコロが戻ってきてくれると良いなと一読者としては思うけど、それ以上にその過程で誰も悲しんで欲しくないなとも思う。特に某巻の裏表紙を見たときに思ったよね。
今回は犬(マジロ)と戯れるヨモツザカのシーンがあったわけですが、子安さんが微妙に声色を使い分けておられるのがもう好きしんどい。
収容されているみなさんに対しての喋り方に比べてほんの少しお声が柔らかいの。本当にありがとうございました……。
次回:ゼンラ・コゼンラ・オオゼンラ
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