6話 アニキ・サーガ光の章/アニキ・サーガ闇の章/お修羅場行進曲
- _ ぬぺ
- 2023年2月14日
- 読了時間: 6分
ちゃんと繋がってて笑う
【アニキ・サーガ光の章】
クローゼットにあったロナルドが幼少期の写真が事の発端。
ロナルドによって、兄:ヒヨシの過去が語られる。
弟:ロナルドと妹:ヒマリの兄であり、保護者でもあったヒヨシ。
幼い2人の面倒を見つつ、天才的な才能を武器に吸血鬼退治人として活躍していた彼に、弟が憧れない訳が無かった。
弟から見た兄は、最強の退治人にして街の人気者。
女性から声をかけられても簡単には靡かない紳士。
ロナルドは兄に憧れた退治人を目指すが、兄はあまりいい顔をしない。
自分なりに勉強もしているのに評価されないことに悩んでいたロナルド。
彼らの間にあった決定的な出来事は、ロナルドが学生の頃。
街で吸血鬼に襲われていた一般市民を咄嗟に助け、相手を倒すことに成功。
駆けつけたヒヨシに自分もできるのだと主張してみせるが、彼はまだ素人。実はとどめを刺しきれていなかった。砂と化した吸血鬼、よく見たら手残ってるしね。
背後から襲い掛かった吸血鬼からロナルドを庇ったヒヨシは腕を負傷。
傷が原因で銃が上手く持てなくなり、そのまま退治人を引退。
その後吸血鬼対策課に入って、今までと変わらずに吸血鬼退治に関わっているものの、ロナルドからすれば自分のせいで憧れの兄を壊してしまったわけで。
ショックを受けてそのまま家出同然に飛び出して退治人に弟子入り、今に至る。
衣装まで兄に寄せているのが、如何に彼の憧れが今なお強いかを示しているわけで。
これにはドラルク・ジョンも感心。
ジョン、そのひらひらで鼻かんじゃいけません。
【アニキ・サーガ闇の章】
ここまでがロナルド視点の話。
事実は少々…いや、かなり異なる。
部下の非礼を詫びるために事務所に赴いた兄:ヒヨシ。
偶然弟から見た自分の姿を聞いてしまう。完全に美化されていることに衝撃と焦燥感を覚え始めるアニキ。
美化でいいんだろうか。ビーム出すあたりになると怪人化というべきかもしれない。
そもそも彼が退治人になったのも雑誌に「女性にもてる」と書いてあったからだし、
退治人という肩書を利用してナンパしたり、シャンパンタワー立てたりもしてた。
それに、彼の怪我の原因はというと、吸血鬼美人局にホイホイつられてベッドまで行ってしまったからである。
弟くんはアラネアさんに騙されなかったのにね…涙
とはいえ、そんな部分を家族に見せないまま下の兄妹を育て上げたのは本当にすごいと思うよ…。
さて、意図せず立ち聞きの形になってしまったヒヨシ。
ロナルドの「『ロナルドウォー戦記』最新巻に載せる」という発言を聞いて慌てて乱入。
しかし兄としての威厳は保っておきたいし、弟の信頼も裏切りたくない。
おまけに世界で一番可愛いマジロがキラキラのお目目でサインをねだってくるのである。
というわけで、嘘を吐くことにした。
いいのかそれで。
すったもんだ誤魔化した挙句、まずは自分の傷跡を見せてロナルドのせいじゃないと納得してもらう。
じゃあその傷跡はなんなんだ、となった時に咄嗟に思いついた設定が、
「邪神を封じている」
無理がある。無理しかない。
完全に盲目になっているロナルド&ジョンは気づいていませんが、ドラルクは完全に理解してここからはおちょくりターンに突入。腹立つ顔してるな。
結論から言うと。
ヒヨシの腕には邪神が封じられている。噛み跡は邪神との戦闘の際に負った怪我である。
邪神はまだヒヨシの腕の中にあるため、彼が下手に動くわけにいかない。ゆえに退治人は引退し、現在は事務中心の仕事をしている。
この事実が明るみになると敵が一気に増える可能性があるので、『ロナルドウォー戦記』に書くのは控えてほしい。
途中なんかやわやわしてましたがまあいいでしょう。
無事に誤魔化して帰って来たヒヨシ。
数日後にはロナルドと交流がある人達の間で、「ロナルドの兄は邪神を自らの身体に封じ込んだ無敵のハンターであり、ビームも出せる」と話題になっていたのであった。
冷や汗ダラッダラでその話を聞くヒヨシ。
彼らのほとんどがロナルドの本名を知っていないし、知っている人もヒヨシとは結びつけてい無さそうなのが救いである。
ということで二視点でお送りした「アニキ・サーガ」。
原作読んだ時も、最悪の伏線回収にめちゃくちゃ笑った記憶がある。
個人的には珍しくジョンがボケ要員に据えられているのも好きポイントです。おててバタバタさせて愛を伝えてるのめっちゃ可愛い。
秋田書店の受注商品のデカジョンをお膝に抱えて見ているのですが、思わず我が家のジョンのおててもバタバタさせてしまった。可愛い。
一応対外的には他人ということになっている兄弟なので、あんまり絡みが無いのですが、ロナルドが兄に向ける激重感情が垣間見える回だったりする。
行き過ぎた憧れってときおり怖くなることがある。
それを怒涛のボケで踏み倒していくから吸死が好きなんですよ、私は。
そしてヒヨシを演じる小野大輔さん。
もとより古川さんとお声が似ているなあと思っていました。なんなら私のクソザコダメ絶対音感だと高確率で間違えるんですよ。なんならこのクールでも別作品で1回やらかしてるし。
改めて一緒に喋っているところを聞くと、小野さんが若干寄せて下さっているのが分かってありがたい限りです。発音の感じとか絶叫とか。本当にそっくりだ…。
【お修羅場行進曲】
綺麗に前二編と繋がった3話目。
兄からネタがもらえなかったせいで原稿がピンチのロナルド。
最近はメイデンすら慣れてきて、落ち着くからと寝るようになってしまったロナルド。
そんな彼を見かねてフクマさんが提案して来たのは、「缶詰」。
作品が仕上がるまでホテルかどこかに宿泊してみっちり書くという、あれ。
が、相手はオータム。ただの缶詰ではない。
ロナルドが運ばれたのはベルトコンベアの上。
制限時間の5時間の間に書き上げなければ、卵黄とパン粉がまぶされてカラッと揚がったフライになってしまうのである。
絶望のロナルド、そして完全に面白いものを見に来たロナルドとジョン。
楽しそうに「自分だけ楽しんでしまって申し訳ない」と言うドラルクの話を真に受けた編集長、好意でドラルクにもロボを支給。死なば諸共というやつである。締め切り程度で殺すんじゃないよ。
というわけでとにかく書き上げなければならなくなったにっぴき。
「5時間」と聞いて行けると思うと余裕ぶっこきはじめるロナルド。
これじゃだめだと操作パネルを弄るドラルク。
彼が押したのは、あろうことか時間短縮スイッチ。5時間が5分になりました。おバカ!
ドラルクがベルトコンベアに乱入して止めようとするが効果なし。
救世主と思われたサンズにゃんは出てきたパイプから抜けられず、手裏剣を放とうとした瞬間に彼女がはまっていたパイプから卵液が噴出して失敗。
お前さん卵液のパイプからでてきたんか。どこから入ったんだ。
パン粉を浴びた時点で死を覚悟したロナルド。
彼の脳裏には今までの走馬灯が流れ出す。なんておポンチな光景が広がっているんだ。
しかし走馬灯である。
某人気漫画では「走馬灯とは、死の直前に人間が必死に生き延びる手段を探るためのものだ」とかいう台詞がありましたが。
おかげさまでロナルドの中で文章がまとまり、残り数秒で書き上げることに成功。
速度が緩み切らず止まらなかったものの、オータムヒグマくんがキャッチしてくれたおかげで無事生還。
フクマさんたちが戻ってきたころには、全ての元凶:ドラルクくんが元気にフライになっていたのでした。
どうしてそんな装置があるんだオータム、は多分オータム書店が舞台の話の度に言っている、私は。
ちなみに今後これを超える奴がわんさか出てくる。できれば全部アニメ化してくれ。
次回:靴下……!
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