5話 9人の究極の救世主
- _ ぬぺ
- 2023年2月28日
- 読了時間: 8分
希望を運ぶ救世主
【あらすじ】
今後の行動方針を考えるキュウレンジャーたち。
仲間たちの声を受け、なにはともあれ9人揃えることが重要ではないかということに。つまり、9人目であるスティンガーを説得しに行くか、別の救世主を探すか。
しかしラッキーはなんとなく引っかかるものがある。
前回チキュウで出会ったチキュウ人たち。完全にジャークマターの言いなりな彼らが気にかかる。
●「もう一度出撃させてくれ。この目でチキュウを確かめたい」
【佐久間小太郎】
チキュウで暮らす男の子。10歳。弟の次郎がいる。
前回御覧の通り、チキュウの人々はジャークマターの支配を半ば受け入れている。救世主がやって来ても厄介者として扱うばかり。
しかし佐久間兄弟はそんなものに屈しない。非力ながらも石を投げるなどささやかな抵抗をする。
まだ未成年のハミィを「おばさん」呼びする小生意気な男の子だが、その勇気は本物。
その後「おじさんは俺じゃないよな」と言い聞かせるように確認するガルが可愛い。
●「俺たちは、チキュウを開放するヒーローになるんだから。」
そんな純粋な夢を応援する、というキュウレンジャー。
そこに現れたのはイテ座系からはるばるやって来たエリードロンとスティンガー。
カローには太刀打ちできなかったキュウレンジャー。佐久間兄弟が抵抗するが、逆に抹殺が言い渡されてしまう。
●「倒すなら8人まとめて倒す方が良い」
そこはスティンガーが人質として利用することを提案。
勝負は翌日、8人での戦いに持ち越されることとなる。
その夜は牢屋の中で過ごした兄弟。
スティンガーからパンを与えられつつ、兄弟寄り添って過ごすのであった。
さて、ここで小太郎たちの登場でございます。こんなに早かったっけ?体感ではもう少し後だと思っていた。
もう言ってしまいますが後の11人目の救世主でございます。その勇気を買われてキュータマに選ばれた立派な戦士です。
演じる田口さんがまだ幼い!若干声が枯れているのは変声期故です。今作の間でメキメキ大きくなります。
キュウレンジャー放映後しばらくしてからどうも芸能界自体を引退されたっぽいのです…。事務所HPで名前掲載されなくなったのが確か受験のタイミングとかだったので、まあそんなこともあるかくらいに思っていたのですが、ここまで音沙汰無しだともう本格的に戻ってくるつもりは無いのかな…。
たしかお岸さんのステイホーム企画で一応連絡はとったけど彼の事情で出演はできなかった、みたいな話があった気がする。ソースは思い出せない。
どこかで元気にしていてほしいなぁと思っております。
ちなみに彼の変身はこの時点で既に確定事項。
「チキュウを救いたい」発言にはちゃんと意味があったわけです。
【スティンガー】
敵か、味方か、なサソリ男。
スティンガーを信じているラッキーからすれば、咄嗟の機転で幼い兄弟の命を救った人。
因縁の相手であるチャンプから見ればやはり信用ならない相手…だが、論理的に言い返せるほどの何かがあるわけでもない。
佐久間兄弟のもとに食事を運んだスティンガー。
敵である自分から弟を守り、泣く弟を宥める小太郎の姿に、敬愛していた兄の姿が重なる。
スコルピオ。スティンガーの兄である。
演じるのは久保田悠来さん。貴虎兄に続いてまたも癖のある兄上役です。
砂漠の星で、遊牧民族として暮らしていたスティンガーたちの一族。
幼少期のスティンガーはちょっとしたことで泣いてしまうような気弱な少年だった。毎度それを宥めてくれたのがスコルピオ。彼は自分のペンデュラムをスティンガーに与え、これで自分たちはいつも一緒だと言って聞かせた。
もちろんスティンガーはこれを今でも大事に持っています。激重感情入りのアイテムっていいよね。
そんな優しい兄が豹変したのは、スティンガーが大人になってから。
彼は何があったか、ジャークマターの一員となって故郷の星に帰還。
インダベーたちと共に一族を虐殺して星を去って行った。
ちなみにVシネでは久保田さんによる虐殺シーンがしっかり見られます。頭頂部と顎をそれぞれ片手で持って首を捻るシーン、初めて見たときあまりにもショックでびっくりした。当時「Vシネ」の概念もよく分かっていなかったので、「これってヒーローものでアリなん??」と。まあVシネを理解した今でもそこまでする??とは思ってますけども。
それ以来、彼は兄を追い求めてここまで来た。
ちなみにエリードロンによれば今のスコルピオの肩書はジャークマター最強の殺し屋。その所在自体がトップシークレットという逸材である。
……完走した身から言うと、「逸材」というよりは「お気に入り」と表現する方が近いのかもしれない。
●「……いい目だ。」「弟を、大切にしてやれ」
話し方も声色もかなり優しくなったスティンガー。こっちが彼の素です。
翌日。
約束通りキュウレンジャーは8人で出撃。キュータマと交換で佐久間兄弟を返すことになったわけだが、まあ悪の組織はそんな交渉に応じてはならない。
エリードロンはあっという間に8人を取り囲んだうえで佐久間兄弟の処刑を敢行するようスティンガーに命じる。
●「……断る」
「子供を殺すのは俺の主義に合わない」
拒絶したスティンガーを圧倒的な恐怖を刻むため殴り飛ばすが、その程度で挫ける彼ではない。
佐久間兄弟に振り下ろされたエリードロンの武器を尻尾で止め、同様に尻尾で器用にキュータマを8人に返却。
●「裏切る?違うな。貴様は俺を怒らせただけだ」
●「よっしゃラッキー!信じてたぜ」
●「何がラッキーだ。お前らに加勢したわけじゃない。ただ一つだけ言っておく。俺はスパイだ」
ということで。
ジャークマターに組するキュウレンジャーの戦士こと、スティンガーの正体はショウ司令によって直々に派遣されたスパイであった。
なぜそれを言ってくれなかったのかって?答えは簡単、司令が忘れていたからである。
ジャークマターに組するキュウレンジャーが居ても、彼によって仲間が倒れてもさして動揺せず、9人目のキュウレンジャーを集めるのは後回しでもいいんじゃないのと余裕だった彼の真意はここである。絶対忘れてないでしょうが。
まあ行動動機はおそらくシンプルに「敵を欺くにはまず味方から」ってやつでしょう。
●「よーし!ここからが本当の戦いだ!9人揃ってキュウレンジャー!みんな、行くぞ!」
いざ、9人横並び変身である。
連続キュータマセットのカットは1人でもミスったらスパーダからやり直しなので緊張感が凄かったとか。
そしてラッキーはリーダーだから良しとして、一緒に前に出て来ちゃうガルくん可愛いね。あと男性陣の股下何mあります??特にラッキー。
ナンバリング順名乗りも勿論初。せっかくなので変身シークエンスの好きなところ話しますね。
まずメットオフした直後みなさん若干ポージング変わるんですけど、みんな個性があって良い。
その後のメットアップからの銀河っぽい演出もシンプルに綺麗。
名乗りは「○○スター」で1ポーズ、名前で1ポーズ。その度に変わるのでエフェクトも2回。なんて豪華。
ヒーローものの主人公のポーズ(戦隊・プリキュアなら名乗り、ライダーなら変身)って子供たちのために簡単になりやすい傾向があるのですが、ラッキーはその中でもかなりシンプルなのにめっちゃかっこよくて好きです。
背景は全員後ろの星にキュータマのマーク付き。
さらに背景イメージはそれぞれ本人の二つ名にちなんだものになっております。好き。個性爆発万歳。
あとBGMが良い、はちゃめちゃに良い。
●「お前らの運、試してやるぜ!」
爆炎の中走り出す9人。良すぎる。爆発をバックにしたヒーロー、大変良い。
戦う9人を見て、チキュウの人々が集まりだす。
爽快に敵を倒していく彼らに、「ジャークマターを倒して宇宙を救う」というデカすぎる夢を持つラッキーを見守る人々。
●「俺、分かった!俺たちが戦うから、みんながジャークマターと戦おうと思える。希望が生まれるんだ」
暗い宇宙に差し込む一筋の光が究極の救世主:キュウレンジャーなのである。
このゼロからすべてを積み上げていく感じが最高にタマらんのよ。
エリードロンにも果敢に立ち向かっていく9人に、まばらに応援の声が上がり始める。
🏹「宇宙は既にジャークマターの物だということが分からんのか!」
●「そんなの知らないわ!」(まだ女性言葉が多めなのが初期らしい)
●「宇宙はみんなのもんだ!」
全員が連係プレイでエリードロンを追い詰めていく中、単独行動のスティンガーとその攻撃に割って入るように攻撃するラッキーが「らしい」。
トドメは9人が5方向から攻撃する「オールスタークラッシュ」。
続いて、巨大化したユメパックン・モライマーズに乗り込んだエリードロンとの戦闘開始。
9人集まったのでキュウレンオーが2パターンできます。これが人数の暴力。
ユメパックンはキュウレンオーメテオブレイクで撃破。
●「やれる、できる!なぜなら……」
「「「「「「「「「キュウレンジャーが9人揃ったんだからな!」」」」」」」」」
それぞれ単騎で露払いをした後、再びキュウレンオーとなりキュウレンオースーパーメテオブレイクでエリードロンを倒すことに成功したのである。
●「宇宙は俺たちが取り戻す!」
無事に9人揃ったキュウレンジャー。
ただし、まだ9人が一枚板と言うわけではない。スティンガーは実際に敵ではないけど仲間ではない、みたいなスタンスですし、まだ何か秘密が隠されているらしいチキュウに留まることを決意。一応何かあったら呼べと言ってはいますが。
それを聞いたラッキーも、まずはこのチキュウから始めようと決める。
ようやく「宇宙戦隊キュウレンジャー」の始まりである。
【以下雑記】
やっと9人揃ったねぇ!!!!
無事にEDも全員揃いました。
ようやくこれで「キュウレンジャー」が揃い、行動を開始できるわけで。ようやく反撃の狼煙があがりました。
今回の「キュウレンジャーは人々の光」っていうのが最高なんですよね。
最悪な状態をひっくり返すためのヒーローであり、その第一歩が「強大な敵を倒す」とかよりもまず「市民に希望を与える」なんですよ。
激重の過去を持った人たちが明るく振る舞える理由がこれなんだろうなって。そういうところが!!本当に!!大好き!!!です!!!!
次回:烏賊と蛸と天馬
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