4話 夢みるアンドロイド
- _ ぬぺ
- 2023年2月26日
- 読了時間: 10分
アンドロイドは救世主の夢を見るか?
【あらすじ】
次の目的地は決まった。
宇宙の端っこにあるド田舎惑星:チキュウ。平行世界の地球なので表記は「チキュウ」が正しいのです。
何らかの理由でモライマーズが乱立する惑星。
宇宙から見たときの美しさとは裏腹に、そこは荒廃しきっており、ジャークマターの支配も進んだ場所。
子どもの夢が「お腹いっぱいご飯が食べたい」、キュウレンジャーが現れたときの反応は「逆らったせいでこちらが被害に遭うからやめてくれ」というディストピア。それがチキュウ。
キュウレンジャー達に課された任務は、この惑星を救うこと。
その裏では1人のアンドロイドが夢を見ていたのでした。
【ラプター283】
リベリオンが開発した汎用パイロット兼秘書アンドロイド。正式名称は「リベリオン製汎用アンドロイドType283」。
計器がついた額、赤い縁に黄色いガラスのゴーグル、鷲の羽根を模したスカート、ピンク色のお団子頭に編み込み風の赤い飾り付きの頭部、指先も足のラインも全体的に丸みを帯びている可愛らしいデザイン。今まで機械系キャラってそこまで興味なかったんですけど、初めて彼女を見たときに「可愛い!!!」って思ったのは今でもよく覚えている。気まずくなった時におさげを触るのがめ~~ちゃめちゃ可愛い。
さらにスーツアクターの五味涼子さんの動きとM・A・Oさんのお声でさらに可愛い度アップ。M・A・Oさんはゴーカイジャー以来2回目の戦隊レギュラーです。本当に演技の幅の広いお方である。
普段は司令の補佐及び仲間たちのナビゲーターとしてキビキビと働く彼女のオフの顔は、「妄想好き」。
普段から自分が強くかっこよく戦う姿を一人船外で思い浮かべては自分のタブレットに絵日記形式でかきとめている。
今回はエリードロンに苦戦する仲間たちのもとに颯爽と駆けつけた自分が敵を倒して仲間たちの窮地を救うイメージ。
KYURANGER WHICH ISN’T A MATCH FOR THE OFFENSIVE OF JARK MATTER……
RAPTOR 283! IT WAS A SECRET THAT I’M STRONG FOR EVERYONE. WASN’T IT LUCKY ERIEDRONE DISAPPEARANCE [不明] MATCH IS ESTROYED!
I DEFEND SPACE PEACE!
彼女の使用言語は英語みたいです。
他の場面では結構本作オリジナルの言語が使われているのですが。…やはりもともとの開発者のプログラミング言語が英語に基づいていた名残…?
この時ラプターがいる場所がおもいっきし宇宙空間なのが良いです。生物じゃないキャラしかできないもんね。
彼女が「おじさま」と呼ぶのはオリオン号。ラストでおもいっきし「オーリーオーーン」と喋って(喋って?)います。と言っても別に他の仲間との絡みがあるわけじゃないけど。でもこれも今後の展開に活きてくるんだけど。
そんな中、彼女にも重要な任務が課される。
司令から直々の指令ということで、終に自分も戦えるのかと興奮するラプター。
その内容とは。
●「チキュウにはとても甘くておいしい、桃という球体のフルーツがあるらしい。食べたいから買ってきて」
●「……はい?」
🍑\ドンブラコォ!/🍑
フリーダム司令は健在。ちなみに今回の放送日は3月5日。桃の出荷時期は6月以降。
チキュウに降りたった一行は共に行動するが、明らかに落ち込んでいるラプター。
心配して声をかけたスパーダに対する答えも誤魔化し。
そこに現れたのはダイカーン:ユメパックン。人間、特に子供の夢を食べる怪人。夢を食べられた人間は呆然自失状態になる。
流れで仲間たちについてきて戦いを見守っていたラプター。
そのうちに「自分もこの中に混じって戦いたい」という妄想が活発化してユメパックンに目を付けられる。
襲い掛かってきた敵に立ち向かうが、妄想と現実はやはり別物。
彼女はなすすべもなく、スパーダに助けられてしまう。
完全に自分が守られる側になったばかりか、スパーダにはなぜ逃げなかったのか、こんなところに居るくらいならオリオン号に帰れとかなり強めに言われる始末。
自分の夢に興味を持ったラッキーも突っぱねてその場を去る。
ラプター離脱後、一行はカレー屋でチキュウのご飯を堪能しつつ、ラプターの事を話す。
ちなみにこのカレー屋さんの名前は「カフェサファリ」。
元ネタはサンバルカンの基地であり、ゴーカイジャーにも登場した「スナックサファリ」。
オリオン号最古参のスパーダは彼女の妄想癖をよく知っていた。
しかし彼女はパイロット兼秘書として開発されたアンドロイド。同じ機械のチャンプのように戦闘に耐えうる体はしていないし、壊れたからって簡単に治せるような体でもない。
今回のスパーダかなりキツい物言いですが(というか彼は前半結構過激な言動する時があるのよね…)、それは彼女の身を案じているからだし、そもそもかなり早い段階から彼女の異変に気が付いていたくらい気にかけているというのも分かって良い。ここにいる仲間たちのほとんどが多かれ少なかれ親しい人を失っているからこそこの辺に神経質になるのもよく分かる。
それにこのディストピアで夢ばっかり追いかけていられないことも分かってるんだろうな。
改めて文字にすると本当に壮絶だよこの宇宙。
しかしラッキーは仲間たちのそんな主張を聞いても「話になんねぇな」と顔を顰めるばかり。
仲間たちのもとを勝手に離れてラプターの後を追ってオリオン号に帰還。
彼女の妄想タブレットを覗きこむ。それは止めてあげて……(オタクが陽キャに向ける気持ち)
●「私、壊れてるんです。」
「修理してもらった方が良いのでしょうか?!」
本来無いはずの機能である妄想が止められない彼女自身何かがおかしいのではないかと。
●「やめる必要なんてねぇよ。」「それは妄想じゃなくて、夢だ。」
「夢があるって、すげぇことなんだよ。」
ラッキーの今の夢は、仲間と共にジャークマターを倒すこと。
ここでラプターをしっかり見据えて「お前ら」と言うのが好き。彼女だって立派な仲間である。
再び現れたユメパックンの報せを受けて、ラッキーはラプターを無理やり連れて共に出撃。
BN団がメンテナンスしていたセイザブラスターを持っていくのも忘れない。
仲間と合流して非難されてもラプターを逃がしはしない。
そこに現れたのはチキュウの大人たち。
反抗したキュウレンジャーのせいでダイカーンの締め付けが強くなったとキュウレンジャーたちを非難する。
👨「夢が奪われるだけだ。死ぬわけじゃない」
●「ふざけんな!『死ぬわけじゃない』?夢を無くして生きるのなんて、死んでるのと同じだ!覚えとけ!」
チキュウの人々の前で変身、ユメパックンに立ち向かう。
●「ラプター!お前の夢は俺が守ってやるよ!」
それでもラプターを危険にさらすことになると反対するスパーダ。
●「ラプターは絶対夢を叶える。俺は信じる!」
●「君が信じても!」
●「俺たちが信じなくてどうすんだよ!仲間だろ?スパーダ、お前の言ってることは、夢を奪ってるこいつらと同じだ!」
●「僕が、同じだって…?」
相手の為を思った発言でも、相手を傷つけることはある。やっていることの本質は嫌がらせと変わらなかったりする。
そもそも、彼女は「ラプター283」なのである。決して、「リベリオン製汎用アンドロイド Type283」ではない。夢も見るし、戦うことだってできる。
●「……教えてくれラプター。君は何がしたい?」
●「私は…私は……」
かっこよく戦う仲間たちと目が合う。
短い尺だが、応援するように頷く仲間たちで、みんなラッキーに心を動かされていたことを示すのが良い。
●「私は、みんなと戦いたい!」
目の前にピンク色のキュータマが出現。彼女だけのキュータマ。ラッキーからセイザブラスターを受け取る。
《ワシピンク》
「スピードスター!ワシピンク!」
ラプター283がワシキュータマで変身する戦士。ナンバリングは8。最大の特徴は飛行を可能にする大きな翼。
使用武器は銃タイプのキューショット。ブラスターとの二丁持ちかっこいい。
必殺技はアルタイルインパクト。鷲座で最も明るい星。
ロボはワシボイジャー。
その二つ名の通り機動力に優れた戦士。翼で自由に空を舞い、高所からの攻撃も可能。初陣に気合が入った彼女の働きもあり、ユメパックンは取り逃がしたもののモライマーズをひとつ破壊することに成功したのである。
オリオン号帰還後。司令によって正式に8人目の戦士として迎え入れられる。
パイロット兼秘書兼ワシピンクの誕生。
同じ無機物組が一番お祝いしてるのなんか良い。
スパーダはお詫びとお祝い兼ねてピンク色のケーキを作る。
司令のために調達された桃缶はここで消費されました。
●「夢を叶えることはとても苦しい。でも、みんなと一緒なら、夢は叶う。」
I AT LAST! IT COULD BE KYURANGER! IT COULD BE KYURANGER EAGLE PINK [不明] PERFECT! KYU TAMA REPRESENTED!
IT’S THE IMPORTANCE A DREAM IN BELIEVED, ISN’T IT?
IT’S VERY PPAINFUL TO RUN AFTER DREAM. BUT IF I’M WITH EVERYONE, A DREAM COMES TRUE!
【ショウ・ロンポー】
本格的に作戦立案として動き出した司令。
作戦をあらかた伝え終わった後に取り出したのは「キューレット」。
要はガラポンであり、この中にキュータマを入れて回し、出てきた5つのキュータマの人物が出撃するという仕組み。
5人しか出撃できないのは、彼らのエネルギー:キューエナジーが枯渇することを恐れてのこと。コストとかいろいろタマらんのである。リベリオン的にも、東映的にも。
一応彼らは時の政府に対する反逆軍ですからね。まだまだ戦いは続くだろうし、簡単にエネルギー補給できるとも限らないし。判断自体は的確でしょう。
●「じゃあ、キューレット・ザ・チャンス!」
流れだす軽快な音楽、ノリノリでおどり出す司令官。
キモッタマタマタマタマ キュッキュッキュー
キモッタマタマタマタマ キュッキュッキュー
キモッタマタマタマタマ キュッキュッキュー
キモッタマタマタマタマ キュキュノキュー!
ちなみにこの曲、本来はもっと続きがあります。言うなればここはイントロ部分。
しかもSister MAYOさんと高取ヒデアキさんに歌っていただいています。豪華。
本当は曲貼り付けたかったんだけど、公式の配信が無かった。
軽快に踊る司令、光るスポットライト、楽しそうな合いの手。しかしチャンプのツッコミは黙殺。きょうもフリーダムショウ司令。
出撃人数を絞ることで画面がとっちらからないし、「幸運の男」という肩書をひっさげたラッキーがレッドとして毎度出撃する理由もつくという優れものである。
まあそのせいで画面に映っている時間が減ったキャラがいるのがタマに瑕ですが。
何かのインタビューでメイン9人のスーアクさんのうち数名が台本を貰っていない回=1秒も出演していない回があると話しておられた記憶。
さて、今回桃を買いに行かせるという謎お使いを頼んだ司令。
それを見たお留守番組のナーガは今回の展開を見越していたのではないかと怪訝顔。司令は全部逸らかしてますけど。
実際どうかと聞かれると、まあ間違いなく見越してたでしょうね。
部下のことをよく見ている司令だから、彼女の妄想も、本気で一緒に戦いたいと思っていることも分かっていただろうし、他の仲間はそれに反対してもラッキーはラプターを全肯定してくれていることは分かっているはず。
流石に展開までは分かっていなかっただろうけど、ラプターがキュータマに選ばれるための下地を整えるつもりはあったでしょう。
きっとそんな気遣いのことなんて一言も言わないまま墓場まで持っていくんでしょうけど。
ただ間違いなく言えるのは、桃を食べたかったのはガチ。あの人はそういう人(龍)だから。
まあ缶詰だったおかげで「なんか違う……」なってたし、缶の存在も知らなかったのか「硬い…」ってひとりで落ち込んでましたけど。
【以下雑記】
誰だって夢は叶うし叶えられる。
人に作られたアンドロイドでも、圧政下に置かれた人々でも。
持っている夢を諦めざるを得なかった人が夢を叶える展開はベタですが、ベタだからこそ、良いものです。変身が叶ったあとにはわわ…!とスカートやスーツを確かめる彼女を見ると、余計に。大空を飛ぶ彼女の姿がまぶしい。
それを肯定して支えるラッキーや司令、仲間たちの姿もまた同じようにまぶしい。
では今回夢が叶わなかったチキュウの人々はというと……
次回予告に出ていた幼い兄弟がカギですね。
というか幼い、本当に幼い……!最終回と見比べてみる?
今回スポットライトは当たらなかったものの好きだったのはナーガ。
司令の目的に一番に気が付く彼。
感情が無いとはいえ、鈍感ではない。寧ろ、学ぶために人のことをよく観察しているから、他人の心の動きに早く気が付くし、感情という先入観がない分物事の本質をとらえやすい。
ただ無口だし、感情のアウトプットと表情筋の動かし方がまだまだ初心者なのでそれが今一つ相手に伝わっていないのが可愛いのである。本当にいいキャラしてるよ。
今回新たに登場したキュータマは、はさみで広範囲を攻撃するカニキュータマと、望遠鏡として使えるボウエンキョウキュータマ。
BN団のメンテナンスによって、各自のスーツのベルト:キューバックルに直接キュータマが届くようになりました。
ちなみに海鮮系は基本的にスパーダが使います。
それと、ラプターの記述で判明していますが、キュータマの表記は「Kyu Tama」です。まさかの2単語。
次回:お待たせしました、9人横並びです!
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