49話 戦いの果て…残ったのは悪魔だけ
- _ ぬぺ
- 2022年8月21日
- 読了時間: 4分
どうしてそんなことするの…?
全てが片付いた五十嵐家。
一輝は今まで通りしあわせ湯で働いているが、記憶が戻っていないため居心地の悪いことこの上ない。
まあ一輝視点からすれば、「めっちゃ距離の近い他人とシェアハウス」みたいなもんです。地獄だ。
頭では自分たちが家族だということが分かっているので、一応みんなに確認して、今までの自分っぽく振る舞おうと頑張りますが、完全に空回りになってしまっているのが現状。
「俺、やっぱ、無理かもしれない」
五十嵐家に居心地の悪さを覚えた一輝はバイスと共に家出。
もともとはフェニックス隊員の寮として使われていたアパートを一室貸してもらい、そこでバイスと二人暮らしを始めることとなる。
頼りになるぜヒロミっち…!
ここで「意外とお風呂が広い」ことに一番興奮してるの辛いな。
今までずっと広いお風呂で家族と一緒に過ごしてきたもんね……。
愉快な2人暮らし。
一緒に買い出しに行き、家具を選び、炊事をして。
バイスが絶対使わない風船とシャチのバルーンを買い込み、メロンとバナナを篭に放り込むのなんか分かる。この子、基本的に愉快な物から率先して購入するタイプだ。根拠はないけど、枕元に置かれたぬいぐるみ系もぜったいバイスがいつの間にか買ってたやつだろ。
あと、バイス特製カレーも激辛なことが判明。
悪魔って味覚が人間に比べて辛い物への耐性があるのかしら。
そんな中、狩崎がバイスに疑問を呈する。
バイスと一輝の契約は、「力を貸す代わりに家族の事を忘れる」。
既に親と弟妹の事を忘れている以上、契約は完了、破棄されているはずなのに2人の契約は未だに切れていない。その理由はなんなのか。
バイスにも思い当たる節は無かったが、思わぬ形で判明する。
「なあ一輝、俺たちは永遠に相棒だよな」
「いや。お前は相棒じゃない。家族だ。」
最悪の形で答えが出てしまった。まあでもそうだよな。それしか考えられないもん。
曲がりなりにも1年間一緒に戦い抜いてきたんだもん。
翌日。
バイトの面接に出かける一輝に、バイスは声をかける。
「俺っちがいなくても1人で平気か?」
「当たり前だろ。今更何言ってんだよ」
バイスにとっての理由までできてしまった。
ここまでずっと(五十嵐家とのやりとりもだけど)、「何も知らない一輝」の、特に深く考えた訳でもない発言でみんなが精神的に振り回されてるのしんどいな。なまじ一輝に悪気はないから責められないのもタチが悪い。
翌日。
面接からケーキを買って帰って来て、外出していたバイスを待ったまま寝落ちしてしまった一輝のもとに、ぶーさんからの電話がかかってくる。
言われた通り駆けつけたしあわせ湯は、物が散乱して玉置が血まみれで倒れている。
さらに合流したヒロミたちが見せた映像には、返り血をこれでもかというほど浴びたバイスと、彼を止めようとする元太の姿。
駆けつけた一輝にバイスは告げる。
もとからこれが狙いで、ずっと一輝と一緒にいたこと。
一輝が家族を忘れた今、彼は自由だということ。
他の家族は既にバイスが食べてしまったこと。
当然ながら裏切られたことに怒り、バイスと交戦する一輝。
まあ予想通りといえばその通り、ここまで全部バイスの作戦。
契約の「家族」に自分も含まれると知ったバイス。
前日に仲間たちに協力を仰いで作戦に加担してもらっていた。
ここで一輝が変身すれば、最後の「家族」の記憶であるバイスのことを忘れるはず。これで契約満了。
そしてバイスを忘れたことによって契約自体忘れてしまい、無かったことになる。
つまり、本来の「家族」のことは思い出してくれるのではないか。
当然ながらこの思い出すかもしれない「家族」の中にバイスは含まれていないはず。
正直これで一輝が幸せになれるかと聞かれると多分違うって答えるし、バイスにとっても忘れられるなら消滅しかねないので幸せとは言えないんじゃないかと思うけど。
でも代替案は他に思いつかないし、ある種責任を感じ続けているバイスの為を想うならこの選択が間違っているとも言えない。
戦いながら嘘しか言わないバイスの、
「全部俺のせいなんだよ」
だけが本当なのがヒシヒシと伝わってくるのが一番きつかったかも。
それに、一輝の
「悪魔は嘘つかないんじゃなかったのかよ!」
本当に今まで嘘はついてなくて、今が初めてのバイスにとっての嘘なのに、(一輝は知らないとはいえ)ピンポイントに責めてくるの本当に性格が悪い脚本だ。最大級の賛辞です。
次回もう最終回か。早いなあ。
なんならずっとスイーツ食べているヒロミとジョージとか、
愉快に暮らしている一輝とバイスとかでしばらく時間潰してもらって構わないんだけど。ダメかな。
全員が幸せで、納得できる終わりでありますように。
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