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  • 執筆者の写真_ ぬぺ

50話 あくまで家族、いつかまた会う日まで

こんなに泣いたのいつ以来だろうか




戦いを続けるバイスと一輝。

しかし変身解除後にバイスが弱音を吐いてしまったこと、実は結構デカいラブコフのしっぽ(とそれを回収する家族たち)が見えてしまったことで、バイスの計画全てを察する


一輝の幸せを誰よりも願い、彼に「1人でも大丈夫か」と聞いてきた以上、可能性は1つしかない


バイスは前日、一輝がバイトの面接に言っている間に仲間たちを集めて協力を仰いでいた

最初は一輝の笑顔を想って反対していた仲間たちだったが、


「みんなが笑顔でいてくれ」

「みんな、一輝のことをよろしくお願いします」


いつも傍若無人で好き放題していた悪魔にこんな風に頭下げられたら、そりゃ覚悟を汲むしかないよ。

過去に2人によって助けられた人たちにも集まってもらい、作戦を実行していた。



それを受けた一輝は。


「第2ラウンドだ」


「一輝、怒ってるか?」


「当たり前だろ。」


「やかましい俺っちがいなくなって、嬉しいか?」


「ああ、そうだよ。……清々するぜ」


「じゃあ、手加減無しだからな」


「この変身は、最後の思い出だ」


嘘には嘘で応える。

変身、の掛け声、口角は上がっているのにボロボロ泣いてる一輝くん見てこっちまで泣きたくなってきた。



今までの思い出が取り囲む中のバトル…というよりは最後の思い出作り。

どうせほんの少し後には忘れていることなんて2人とも分かっているはずなのに、目いっぱい楽しんでいるのがなんかもう、もうさ…。

ほんとにこれで良いのかなとかこっちは思ってしまうけど、でも本人たちは今までで一番楽しそうなわけだし。

まさか最終決戦で、絵面は完全な仲間割れなのにこんなに泣くとは思ってなかった


バイスには申し訳ないけど、「みんなも笑ってくれよ」で一番泣いたかもしれない



悪魔との別れは一種の成長であり必要なことでもある。

それをカゲロウと無理矢理別れて自分の弱いところから徹底的に目をそらした結果ボロボロになった大二が言うのは説得力がある。

2人、終身契約だったんだ。

大二にとってカゲロウが必要な存在だと本人が分かっている以上、もう安心だな。


「もう1人の自分と気持ちよく戦えるなんて羨ましいよ」

こっちも。結局自分の悪魔と、最期ギリギリまで分かり合えなかったパパさんが言うと説得力がある。




時間切れ。

消えかかるバイスを受け止める一輝。


「バイス、さよならは言わないよ」

「俺たちはもともと1つ。これからも一緒だ」

「思い出すに決まってんだろ。俺は、絶対にお前を思い出す。だって、家族だから」


「一輝、ありがとよ」


「またな、バイス」




バイスが消滅したことで、無事に記憶が戻った一輝。


「なんだか、久しぶり」





数か月後。

バイスに言われた通り笑顔で過ごしている五十嵐家。


しあわせ湯にはバイスの顔がペインティングされたあひるが置かれていました。守り神らしいです。

憎たらしいし捨てていい?そもそも悪魔の守り神とは何ぞ??と怪訝な一輝。

確かに悪魔のあひるの守り神は意味わかんないけど、でも五十嵐家にとっては大事なものだから…。



大二は「Blue Bird」を結成。

悪魔関連の処理を一手に引き受けているらしい。

ヒロミも関わっているほか、玉置・花の償いに関しても猶予・チャンス・居場所を提供するという形で面倒を見るらしい。

「悪魔がらみで躓いて成長した人」が集まっているわけで。それならきっと安心だ。

裏設定の「大二のファッションセンスの面倒見たのはカゲロウ」ネタにも触れてくれて嬉しい



さくらは医大進学に向けて勉強中。

ラブコフは実体化しており、完全に同級生のアイドル。



光は明言はされなかったものの、「普通の男子高校生」になって「普通の生活」を謳歌しているらしい。



幸実さんは動画チャンネルを開設。

ぶーさんと元太をスタッフとして配信中。

秒で元太のチャンネルの人気を超えそうだ。



オルテカは未だ拘束中。本人が一切反省していないのでしばらくこれが続くでしょうね…。

まあ皮肉たっぷりのジョージが面倒見てくれているみたいです。



当のジョージは、ようやくお父さんと素直に向き合えるようになった様子。

思い出の石は回収済み。あの口ぶりからするに、彼はまだまともに墓参りに行っていないので、そうなると必然的に石を拾ったのはヒロミか。

野原に落ちているただの石を、「これは狩崎が大事にしていたやつ」と察して持って帰ってきたのか…?この人本当に細やかに配慮できる人だな……??



一輝は友人や恩師と共にサッカーに復帰。

ここでまた昴さんが出てくれるとは……!


ボールが飛んでいった先であったのは、あろうことかカズ選手。

いやこれはびっくりした。

しあわせ湯のセットを作るにあたって全面協力もらった話は聞いていたけれど、本人にここまで関わっていただけるとは思わなかった。

あとクレジットの「カズ 三浦知良」は普通に「???」ってなりました。まあおかげでドンブラ脳に切り替えられたのは否めない。


彼に本気でプロを目指さないかと聞かれる。

最年長選手からの「夢に早いも遅いもない」の説得力すんごい。

本人もやる気入ったみたいだし、本格的にサッカーやるんだろうか。




夕食はすき焼き。

一輝がお節介を焼きつつの一家団欒。


「ウッヒョー!これ、超美味くね?」


間違いなく、一輝の中にバイスは居る。

明らかに人間サイズのモノが1つ入れそうなカメラの画角がすごく好き。


 

さて、1年の総括をば。


まずは1年間お疲れさまでした。楽しかったよ、誰が何と言おうと。



いい話と悪い話。

こういうのは悪い方から書いた方が良いかしらね?




というわけで、見ていて気にかかった点から。



一番大きいのは、「頼むから方向転換しないでくれ」。

見ていて一番気にかかったし、作品の中だけなら最もノイズになっていた気がする点がこれ。


東映公式ブログで何度か「実は当初には無かった予定です」と書いてあったことの多かったこと。

明言されているので多分一番有名なのはヒロミさん生存。

私の邪推だとバイスの設定・ジョージの設定も多分大幅に変更している。


で、結果としてそのあたりにちょいちょい矛盾とか、いつの間にか消えてた設定とか、完全に物語の中で扱いに困ってた時期とかあるじゃない。それがノイズになっている。


もちろん変更はあっても良いと思う。それで作品が良くなるなら。

でもその原因が私たち視聴者だとしたら本当にやめてくれ…と思っている。

そりゃ、向こうも商売なので玩具売るためにある程度こっちに媚び売らなきゃいけないこともあると思うよ。でもそのせいで作品内に齟齬が生まれるならやめてほしいんだ。

(ここで齟齬が生まれないよう知恵を絞るのもプロの仕事じゃないかともちょっぴり思うけど、それもそれで無茶だと思うし)

客に媚びたせいで作品台無しになったら本末転倒だよ。


私は作り手側が心底気に入った作品が見たいです。



2つ目。制作陣、連携取れてる?

個人的にリバイス制作陣に一番不信感があるのがこれ。


何度かあったのよ。

東映ブログ読んだら解釈が載っている。なるほど、そうか、と思う。

その後、別の媒体やSNSでキャストのコメントを見ると、ちょっと違うこと言ってる。

…あれ?、ということが。


私は映像作品の世界には疎いので、ドラマがどう作られているか全く分かってないし、プロデューサーの仕事と言われてももちんぷんかんぷんレベルなので的外れなこと言ってるかもしれないのですが。

脚本家・キャスト・監督とちゃんとやり取りできているのかな、認識のずれが起きた場合、そのすり合わせはできているのかなって。


せめて制作する側で、そこの共通認識は持っていて欲しい。


何度か、お口の悪いアンチの方が公式ブログを引用したうえで「ブログがこう言っているから云々」と言っていましたが、いやそれ多分そっちが違ってるんじゃ…?と思うこともあったり。

個人的にも読んでいて言葉の選び方や表現の仕方にちょっと疑問符が浮かぶことも何度かあって。

ブログを世に出すにあたり、ダブルチェックとかしているはずだと信じているんですがそんなことないのかな。

個人的には現行特撮のブログ担当者の中でめっちゃ文章が好きな方がいるので、その方にならってくれ~!と思わなくもない。



3つ目、これは作品は微塵も悪くないんだが。

アンチどうにかならない?


別に信者になれとは思わない。私だって気に入らないことや引っかかることはあるし、それを発信するのも罪じゃないと思う。


でもそれは暴言を吐いていい理由にはならない。

脚本家を罵って、Pを馬鹿にして、作品をコケにしても良い理由にはなってないんだよ。

私だって論理的にここがおかしい、と指摘する人のツイは見てるし、なるほどねぇと思ったことだって何度もあるけど、そのレベルを超えているじゃないですか。


何度も言っているし、私がここで何か言っても変わらないのは分かっているけど言わせてほしい。


誰も見ることを強制していないし、汚い言葉を使いたくなるほど気に入らないなら視聴を止めた方がみんな幸せ。


「好きの反対は無関心」なんて言葉があって、その是非が論じられたりもするけれど、少なくともSNS(特にTwitter)においては真だと思う。

見る人がいなくなれば必然的にトレンド入りすることもなくなるし、結果制作陣にも「この作品はウケが悪い」と思ってもらえる気がしている。

いやまあこの辺は邪推も入っているので間違ってたらごめん。


でもさ、嫌いなら見ないで日曜の朝をもっと有意義に過ごす、

こっちは好きで楽しんでいるので内輪で盛り上がる、

にしたほうがみんな楽しくて有意義じゃない?


最低限、汚い言葉を使わない・主語をデカくしないの2点守ってくれれば全然いいんだ。こっちはあとで自衛するから。そんなに難しいことを頼んでいるんだろうか、私は。


来週から始まるギーツですが。こちらは基本他人の感想は一切目に入れない方向で行きたいと思います。

令和ライダーになってからずっとこんな。好きな物見ているのに、外的要因のせいで神経すり減らされるの本当にしんどくなってきた。4年目にしてようやく気が付く私も大概頭悪いけどね。嫌になる。

割と真面目にTwitter垢消すことも考えたけど、推しや癒しの供給になっている面があるのは否定できないので、流石にそれは別のベクトルで私にストレスかかりそうだなと思って辞めました。

基本日曜日は浮上しないつもり。リアルも忙しくなるしね。

一応、TLを見ずに投稿できるようにする手段は整えてあるので、そこから直接呟こうかな。

これで日曜日リアタイできなくてもダメージが小さいかな!ギーツ2話までリアタイできないことが確定している民なので!!




言いたいことは言ったのでここからは楽しい話をしよう。



まずはキャスト。

今年ガチで当たりじゃありませんでした?

特撮は1年間通じて成長を見ていくもんだとも言われますが、今回そのスタートからハイクオリティ。

かなり初期から言ってたと思うんですけど、特に五十嵐家の「家族」感。

最初の時点から「今までずっと一緒に暮らしてきたメンバーです」という説得力があったのは素直にすごいなと思っている。


終盤の記憶がボロボロ抜けていく一輝とそこに寄り添う弟妹のお芝居は本当に鳥肌立ちっぱなしで見ていた。

この3人が兄妹として作品に参加してくれたことには心の底から感謝している。


その他サブキャラたちも個性豊かで複雑なお芝居も多かったであろう中、素敵なお芝居をずっと提供してくださって。

どのシーンを切り取ってもリアルな質感の1年だったと思う。

映画も含めてそうだったからすごいよ。(特に映画は本業が役者じゃない人もいらした中あの完成度。面白かったな)


圧倒的な力量で支えてくださったベテラン俳優陣も、

そこに遅れずついていくメインキャスト陣も本当に好きだ。特にメインの人たちはここからバンバン売れていって欲しいなあなどと思っている。




2つ目に脚本のスタイル。

不勉強ながら、メインライターさんが小説家と知るまで割と時間があったのですが、そう知った時あーなるほど!と思いました。

基本的に文法が小説だったから。


1から10まで説明するスタイルの作品って苦手で。

しかも最近はそういう作品の方がウケるじゃん。

そんな中今作はそうじゃなかったのが私には嬉しかった。

きちんと状況を把握するためにキャラに寄り添って、その立場に立って考える過程でキャラのことを好きになる感覚。これが堪らなく好きなので。

個人的には大二くん闇堕ち期(?)はこれが全開でお気に入りです。大二目線に立ったらそりゃフェニックスにつくだろうなと思いつつ、WEEKEND・五十嵐家から見たらもどかしい気持ちも分かる。一緒になってもだもだしたの楽しかったな(大二くんに失礼な言葉選びだが事実なので許してほしい)。


ただおかげでウケ悪かったのは事実だなとも思っている。

長編小説読み慣れていない人にはしんどかったんじゃないかな、どうだろう。

映像作品にはあんまり無い出し方なのかもしれないので。

(だから良くない作品だと言われたらそうかあと黙るしかないのですが、私はそこが好きなんで。)


ただまあ流石に、「大二が帰ってきたのはヒロミのおかげ、今までのパパさんたちの頑張りは全て無駄だった」論を見たときにはびっくりしたわ。

あーなるほどこれが日本人の読解力の低下……と天を仰ぎました。

そういうのがあるなら多少はこういう作品増えても良いと思うんだ……。




ラストは家族の話。


いやもう本当に嬉しかった。この1点が私が最もこの作品が好きな理由と言っても過言ではない。


世の中、「家族の話」って言ったら

「家族は素晴らしいもの、大事にしましょう」か、「虐待!DV!」かの0か100がほとんどなんだよ。


私が過去に個人的にいろいろあったせいで家族系の話は基本忌避してきてて。(ニンニンジャーも実は見ていて結構しんどかったレベル)

0も100も私にとっては地雷も地雷。正直リバイスも家族がテーマと聞いたときは不安しかなかった。

けど蓋を開けたらそんな不安は吹っ飛んだ。


家族は確かにかけがえのないもの。

でも所詮は他人だし、家族ってみんなが頑張って「やる」ものだと思っているし、

家族ゆえに見えないものや分からないものもある。

家族って一生涯付きまとう呪いの一種だと思っているのですが。


だからこそ共感できる話が多かった。

「家族」を美化せずに書いてくれたのが嬉しかった。

こういう話って結構センシティブだし他人にしにくいから仲間がいるのって分かりにくいんだけど、肯定派の意見を見ていると仲間がいっぱいいるんだなって分かったのが本当に嬉しかった。一人じゃないんだなって安心した。


(だからこそ逆に、「分からない」人がいるシーンが結構あったのはこの作品の損な部分だなと思っている。過去の令和ライダーのような批判を見ている時とはまた別の、虚無感みたいな淋しさがあったので)


まあおかげさまで私からすれば一輝くんは1年間ほぼずっと地雷原でタップダンスしてくれたお兄さんでした。いやーしんどかった。

この辺私の事情なんで基本感想には出さんようにしてましたが本当にやめてくれと思ったことが何度か。一輝くんに会ったらうっかり張り倒すかもしれん。

とはいえ脚本のベース自体が共感できる話だったし、それゆえに一輝くんがああいうキャラ造形なのはよく理解しているつもりなので、言うほど気にしては無いです。




総括としてはこんなもんでしょうか。

あれこれ言ったし、気になるとこもたくさんあるけど。

それ以上にずっと楽しくて、どこか安心感を貰える作品でした。


最終回も、相手の気持ちを最大限汲んだ、暖かくて笑顔いっぱいの終わり方で、ああリバイスらしいなと。


リアルが落ち着いたらまたOPで創作したいね。


まずは冬映画で会えることを楽しみにしています。1年間ありがとうございました!🦖

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