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  • 執筆者の写真_ ぬぺ

48話 地球は我が家さ

多くの生命が生きる惑星(ほし)、地球。

人間とジューマン。異なる種族が出会い、ひとつの群れが生まれた。

この惑星を守るために!!




【あらすじ】

満を持してラスボス戦の開幕。


「ここは地球!俺たちの庭だ!」

「おや、私にとっても庭同然だよ? 私はキューブホエールのデータを利用し、地球のパワーを取り込むことができるのだよ。ジュウオウジャー、『この惑星を舐めるなよ』」


ヒーロー側の決め台詞を敵が言う絶望感よ。


果敢に挑む6人だったが、やはり力の差は大きい。

6人はジニスが作り出したフィールドの中に取り込まれてしまう。

この数分の為だけに、街ロケを敢行したのあまりにも贅沢…。



ジューマンパワーで鍛えられた視力で瓦礫を見た大和。

瓦礫の中にはうごめくメーバ。

ジニスの正体は、雑魚敵枠:メーバの集合体だったのだ。

言われてみると確かにメーバと色味とか細部の意匠の雰囲気とか似ている気がする。


「私の…私だけの秘密……!見てしまったのかぁぁぁぁぁ!」

途端に余裕をなくすジニス。

いつもの強者の余裕と色気はどこへやら。違う!と叫んで敵を殴りだす。


「あんな醜く、卑しい姿は本当の私ではない!私は何よりも美しく、気高く、最強で最上の生物に生まれ変わったのだぁ!」


ここでみっちゃん、ジニスが捕まった時に彼に言った、「私は君のことならすべて分かっている」という台詞の真意を理解する。

凄まじい自己嫌悪と変わりたいと思っている彼の気持ちに共鳴したのだと。

こうやって文字起こしすると、ここからいい感じに少年漫画になりそうなんだがな。


とはいえ、彼らの決定的な違いは、「自分が変わりたい」と思った時に他者を犠牲にしたか否か。

無理矢理姿を変えて、他者を蹂躙して自分の強さを確かめたジニスと、

大切な仲間を得て、彼らと共に少しずつ成長して、自分に自信が持てるようになった操。

2人の間には天と地ほどの差があるし、そのことを仲間たちはよくよく知っている。



ジュウオウジャーたちが立てなおしたところに現れたのはナリア。

生きてた!良かった!!🙌


彼女は少々離れた所からジニスの話を聞いていた。

以前のクバルの記憶読みシーンから察するに彼女はジニスの正体は知っていたと思っていたのですが違ったのでしょうか。ジニスの自分の正体を知っている奴は生かしてはおけない的発言とも矛盾するし、クバルがその材料を使わなかったのは疑問だし…。あれは何だったのか。


ともかく、ジニスのもとに合流したナリア。


「ジニス様…どんなにお辛かったことでしょう。けれど私は、貴方がどのような姿でも構いません。貴方は、このナリアがお守りいたします!」


ジュウオウジャーを迎え撃つナリア。

その背後でジニスが放った攻撃は……まっすぐにナリアの腹部を貫通。それを通り越してジュウオウジャーの王者の資格を破壊。

変身中の攻撃はご法度ですよジニス様。白線の内側に下がってお待ちください。


「ジニス様…どうして……」

「私にとって最大の侮辱は、同情だ」

「私はただ……貴方を…………」


いやすごかったです。

報われない最期であれと思っていたのですが(最低)、ここまでとは思わなかったよ。

ナリアからすればいつも通り、いつも以上の忠誠心の表明に過ぎないのに、もらったのは今までに向けられないほどの冷たい声と、言い訳すら許されない最期でしたからね。ここまでやれとは言っていない。



ジュウオウジャーも、王者の資格がなくなり変身はおろか人間態すら維持できなくなったものの、ジニスの所業に怒る。

ジニスも負けじと攻撃。


「今度生まれ変わる時には、もっと強い生物に生まれてくることだ」


しかし煙の向こうにいたのは、攻撃をものともせずその場に立ち続ける6人。


「勝手に人の来世語ってんじゃないわよ!」

「俺たちの世界は、まだ終わってない」

「私たち、あんたを倒した後で、やることいっぱいあるの!」

「異なる種族を繋げたり、歴史を調べ直したり、盛りだくさんだ!」

「こんなとこでてめぇと遊んでる暇なんかねぇんだよ!」

「王者の資格が無くなっても、絶対守る!」


彼らの後ろには、無事にみんなが帰ってくることを待っている真理夫おじさん、バド、ラリー、そして景幸がいる。


「みんなが生きる、みんなの惑星を!」


駆け出した彼らに味方したのは、他でもない地球だった。

地球のパワーが6人に味方し、ジニスに攻撃が届く。

逆にジニスにあったはずの地球の力は失われる。

王者の資格も無事に復活し、満を持して最後の名乗り。


「○○の王者!」は素面、名乗りはメットオフ。名乗り終わりと同時にメットオン。

ジューマン組は全員一瞬ジューマン態の顔がダブるのが良い。全員目がギラギラしていて良いです。

今回は「動物戦隊」から全員で声を揃えて。


「この私を舐めるなよ」

「お前こそ」

「「「「「「この惑星を舐めるなよ!」」」」」」


全員野生開放して突撃。

力の差なら明確に負けているのですが、6人が一緒にいるから全体的にまだ余裕があるように見える。


そこにさらに地球が力を貸す。

大和、野生大解放。

背には鷲の翼、ゴリラのような力強い肉体、鯨のような優雅なシルエット。


百獣の王者 ジュウオウジャー 願いを響かせ 母なる地球を 駆け抜けて行け 陸海空制覇 ジュウオウジャー 強さと優しさ持つ心が 王者の資格だ
「動物戦隊ジュウオウジャー」より

パワーアップした大和は単身でジニスに勝負を挑む。

空中戦 → 水中のように地面に潜る でジニスを追い詰めた後に仲間に合流。

「陸海空制覇 ジュウオウジャー」の歌詞の瞬間にすこしBGMの音量が上がるのが良い。



6人は再び野生開放。

ジニスにジュウオウファイナルを打ち込み勝利。



「……やったか?」

これが復活フラグなのはもはや様式美である。




「私はジニス。この世で最上最高の生物である。」


ということで、ホエールの力を失ってスカートスタイルに戻り巨大化したジニスとの戦闘。

背比べではジニスの方がジュウオウジャー側よりデカい。本当に大きいよねジニス様。


しかし出力はジュウオウジャーの方が上。


「今の私たちはジューマンパワーと」

「地球のパワーと」

「人間のパワーと」

「キューブくんたちのパワーと」

「熱い熱い友情パワーと」

「たくさんの力を繋げて戦ってるんだ!全てを踏みにじって来たお前なんかに、負けるはずない!」

 「ジニス!今度こそ終わりだ!」


必殺技は、全員の姿がワイルドトウサイドデカキングの姿に重なった状態で地球の形の攻撃を撃ちこむ、「ジュウオウドデカグランドファイナルフィニッシュ」。


無事にジニスを討伐した6人。最初にみっちゃんに抱きつく大和が可愛い。



全員、ワイルドトウサイドデカキングの肩に登って景色を眺め、勝利を噛みしめる。

強大な敵に勝ち、地球を守り抜いた。

でもこれからも、みんなでこの景色を守って行かねばならない。




数日後。最終決戦の傷も消えた頃。


ジューマンたちは一度ジューランドに帰ることにした。

4人で国の上層部に出向き、人間とジューマンとの共存に向けて説得をすると。


残される人間組が寂しそう。すぐ戻ってくると言われていますが、表情にモロ出ている操は勿論、1年過ごした仲間がもう家にいないと考えると寂しくなると言う大和。そして家の広さを感じている真理夫おじさん。もらったセーターをしっかり着ているのが優しい。

肩を落として背中を丸めて歩いてくるみっちゃん、この既視感はなんぞと思っていたらアレでした。しわしわピカチュウ。




肩を組んで別れの挨拶を済ませた後、大王者の資格を含む全員の王者の資格をリンクキューブに返却。

リンクキューブは元の姿に戻って浮遊し、光り輝いて…………


目を開けると、地球のあちこちに立方体の建築物が立ちならび、街中にジューマンが溢れる光景が広がっていた。


混乱に包まれる世界。

混乱しつつも全く嫌がったり怖がったりするわけではない真理夫さんと、パニクっている院内の人々に人間・ジューマン問わず声をかけて落ち着かせる景幸さん。きっとこの場に和歌子さんがいても同じようにしていたのだろうな。



リンクキューブを元に戻したジュウオウジャーたちの願いは、「人間界とジューランドを繋ぐこと」。それを聞き届けたリンクキューブは、物理的にそれを実現したらしい。

当の本人たちは喜びより困惑が勝っているしピンと来ていないのが笑えますが。


さらに王者の資格は再びジュウオウジャーのもとへ。

まあ困惑が落ち着いたら、今の状況が喜ばしい状況であることも分かったわけで。

ここからが、新しい未来。



ジューマン組は家族と再会。

家族が久しぶりに揃ったセラ。

弟や妹たちの面倒を見るレオ。

母親の喫茶店を手伝っていると思しきアム。

父親の所に出向いて話をするタスク。ゾウでっか。というか「頭の固い上層部」って自分の父親だったんか?


ラリーは「人間とジューマンの歴史」と銘打った講演会を開催して、人間とジューマンはもともと共生していたことを伝えて回り、操はその助手ポジションになっている様子。

恨まれているんじゃないかと怯えていた、犀・狼・鰐のジューマントリオは未だに操の脳内にひっそり出てきている様子ですが、揃って笑顔を操に向ける。

「俺たちは!きっと、共存できます。仲良くなれます。友達に、なれます!」

友達がいないと三角座りしていた彼も立派になったものだ。


融合の際に森邸に到着したシマウマ・セイウチ・パグ(だと思う)の3名は芸術家だったらしく真理夫さんと意気投合。

シマウマon theシマウマになってますが楽しそうなので良いでしょう。


バドは景幸のところへ出向き、しばらくは旅を続けてみようと思っていると伝える。

👨‍⚕️「優しい顔になったな」

「あなたも」

👨‍⚕️「そうか」

柔らかい笑顔がまぶしい。

バドを演じる村上さん、(未見ですが)555の草加のイメージが強かったので不適な笑みとか怖い顔のイメージが強かったんですよね。なので今作はひっそりと村上さんの声の良さと顔の良さを噛みしめながら追ってました。かっこいいお兄さんだ……。


大和は公園へ。

すりむいて泣いている子豚のジューマンを助ける。よく見たらこの子豚ジューマン、最初の時点のEDでジューランドの市場で踊っているシーンで大和の真後ろに居た子ですね。

そんな彼を呼ぶのは5人の仲間たち。

彼はひとり寂しそうなジューマンと手を繋ぎ、仲間のもとに駆けていくのでした。



締めは撮りおろしの「レッツ!ジュウオウダンス エクストラ・ホエールエディション」。

「地球がホエール 力合わせたら」という歌詞が追加です。ケタスさん~~!

映像は人間界でジューマンたちが踊っているカット、いい笑顔の景幸&バド、真理夫さんと芸術家ジューマンたちを追加。でも私はジニス様が踊っているのを見たかったです。超英雄祭では中の人が踊っていたと聞いておりますが??




これにて地球を守るお話は一旦おしまい。

文句なしのめでたしでございました。




【以下総括】

半年間お疲れ様でございました!



私の1話感想から引用を。

完全に初見の今作、個人的に今のイメージは「優等生」。良くも悪くも。 安定して面白いし、王道の展開なので受けは良いしアンチも少ないけれど、代わりに熱狂的なファンも少ないイメージ。

48話踏破しても印象が大きくは変わらなかったかな。

勧善懲悪に近い王道ストーリーだし、個性豊かな仲間たちの織りなすストーリー、大変面白かったです。

ただ、コレ!!という個性というか、ジュウオウを一言で表して?と言われた時に考え込んでしまう感じとでも言いましょうか。押しが強い作品ではないなと思う。アンチは少ないけど熱狂的なファンも多くはない、(少なくとも私の観測範囲では)緩やかに推している人が多いのはそういうことなんだろうなと。


戦隊初心者に勧めるならこれ!っていうのはよく聞きますが、大賛成ですね。

戦隊の基本はきっちり押さえている感じしたし。

どぎつい要素があまり無いから勧めやすいってのもあるかも。



香村脚本作品は私にとってはゼンカイに続き2作目でした。

ゼンカイがここまで「前作の反省を踏まえて書きました!」って感じだとは思わなかったですね。


香村脚本を一言で表すなら、「全員真面目で細やか」だと思う。

尖った人がいないから楽しく見られるし、メンバーがそろった時の安定感や温かさずば抜けているし、細かいところでのフォローが丁寧。

だから他の脚本家が担当した時のコレジャナイ感が強かったのが今作だったと思う。何回か長文お気持ち書いたからな……


ソース不明の又聞きなのですが、「ジューマンはずっとジューマン態だけにしておきたかったが、制作側からOKが出なくてこういう形になった」との話があったそうで。

でも今回のジューマンのおかげで多分制作側も人外OKが出たんじゃないかなと。

だからこそ次回作のキュウレンジャーには多種多様な着ぐるみキャラがいるし、前回に至っては着ぐるみメンバーの方が多いと。

そういう意味では革命的だったんじゃないかな。ありがたいです。


それはそれとして真面目さが分かりやすかったジュウオウに対し、アウトプットがトチ狂っていることの多かったゼンカイ。

この数年の空白期間に香村先生に何があったの?とはずっと思っているけれど。



あとキャラね。よく綱渡りでここまで歩き切ったよ。

特にアムちゃんはいつ落ちるんじゃないかとハラハラした。

小悪魔的あざとさと細やかな気遣いができる良い子要素を抱き合わせにしたうえで、それをきちんと理解してアウトプットできる役者さんを見つけてきたの本当にすごいよ東映。私はこの会社のキャスティング能力には全幅の信頼を置いているので。


それ以外にも、真面目の皮を被った頑固お兄さん、言動きつめお姉さん、ざっくばらんすぎお兄さんに不愛想なお兄さんとすぐメンタルペッタンコになるお兄さん…。

本当に一つ調理を間違ったらめちゃくちゃ嫌われそうな人たちですよ。

脚本の運び方と演者の演技力でその辺をほぼ全部カバーしきったの本当にすごいよ。そういうところが好きだよ。



個人的に面白かったのは敵幹部ですね。

基本的にクバル=頭脳派=凝ったギミック出してくるやつは1話完結型の話に、アザルド=暴力派=凝ったギミックは特にないやつは全体の軸を進めたいときにノイズにならない程度に出す、という使い分けのおかげで、敵が主張しすぎず空気になり過ぎずだったなと。

この辺上手く使い分けないと敵ボスの権威が失墜したりするから…。ドンブラほど突き抜けていれば気にならないんだけどね。

だからまあ、クバルが倒れたときには別の意味で震えたよね。あっこれはもう本格的にメインの軸しか進めない気だぞ、ギア変えてきたぞって。



本当に言うことなく楽しめました。

メインキャラはもちろん、サブキャラやゲストまで優しくてあたたかくて、落ち着いて見られたなぁ。

時間があればいつかは映画系も制覇したいところです。


感想は13万字超でした。お付き合いいただきありがとうございました。楽しかったですー!

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