45話 もう誰にも奪わせない
- 2025年7月27日
- 読了時間: 6分
自己犠牲は尊くなんてないよ
【あらすじ】
はぴぱれにニエルブがやってきた。
目的はもちろんショウマ。その内容は交渉であった。
留守にしていた幸果はというと、ラキアの家に遊びに行く。
そこで見たものは……
【甘根幸果】
怪我をしたラキアの見舞いに、金魚の水槽に入れるための石を手土産に行こうとしていた絆斗。
それを街で見かけた幸果は一緒についていくことにしました。初めてのお宅訪問です。
そんな彼女が見たのは、デンテからもらった中和剤の効果のほどを確かめていた、怪人態のラキアだった。
以前海岸で見たから知っている、とそこまで取り乱しはしない幸果だったが。
●「もしかしてラキアン、あの触手で人間襲ってた?」
●「……ああ。俺はもともと、ストマック社のアルバイトでこっちの世界に来た」
慌ててフォローに入る絆斗だったが、ラキアはヒトプレスにしたことも、それを納品したこともすべて打ち明ける。
人間態に戻り、踏み出した弾みに、黄色い液体が入ったビーカーが落ちて割れる。
●「お前は以前、俺も幸せになればいいと言ってくれたな。だが、俺にはそんな資格はないんだ。黙ってて悪かった」
安心させようと無理やり笑って見せる感じが痛々しいんだ……
●「なんっも言えなかった。ラキアンも幸せなのが良いって言ったの、ウチなのに」
「ウチ全然わかってなかった。浅いなぁ。ウチめっちゃ浅い」
浅くなんかないけどなぁ。
自分が思ったことを振り返って「浅い考えだった」なんて泣ける人が浅いわけない。
浅い、なんて思っちゃった理由が「ラキアのことと同時に、被害者のことを考えちゃった」からなんて言える人が浅くあって堪るか。
あとここで、「絆斗はそれを知っていたからなんだね」っていう台詞が挟まるのも好きだ。
自分以外は知っていたということ、それに自分だけが気づけなかったことっていうのも、彼女の思う不甲斐なさに拍車をかけていたのかもしれない。
黙って寄り添う絆斗も良い。
ここで彼女の気持ちを一番わかってあげられるのは、純粋な人間で同じ立場に立ったことがある絆斗だけだと思うので。
この前の泣いちゃった幸果さんのシーンもそうだけど、この2人変に湿っぽくならないのも良い。
その後。
ショウマからの連絡を受けて、ラキアと絆斗はそれぞれ現場に向かう。幸果も絆斗についていく。
ちなみに金魚の石はラキアがちゃんと食べました。
あと、今回のラキアの変身シーンよすぎな。
愉快犯リゼル嬢はノリで建物を破壊する。
器用にガヴの形になるように破壊していきました。「可愛くなったでしょ?」と言ってますけど、人間に置き換えても……口の形……可愛いかなぁ??
ラキアは救護班として現場を走り回る。
そこに絆斗と幸果も合流する。必死に人間を助けるラキアを見て、幸果は考える。
●「ウチ、考えすぎてたかも。あのラキアン見れば、ううん、今までのラキアン見れば分かるじゃん。確かに人間攫ってたかもしれない。でも今は……」
降ってきた巨大な瓦礫に人が下敷きになりそうになっているのを見た瞬間、駆け寄って自分が盾になる。ラキアはそういう人なのだ。
全てが片付いた後。
はぴぱれにて手当をしてもらい、そのまま全員でご飯を食べることに。
いつもと変わらない笑顔で「石もあるから」とお皿を差し出す幸果に戸惑うラキア。
●「みんながみんな、許せるわけじゃないと思う。でも、悔やんで、やり直そうとしているラキアンを、ウチは手伝いたいって思った。それがみんなの幸せにつながると思うし。そこには、ラキアンも入ってるから」
●「……ありがとう」
絆斗とショウマが離れていた時期にも思ったけれど、この作品の「理性で割り切れても感情で割り切れない部分」を絶対にないがしろにしないところがすごく好きだ。
【ショウマ】
ゴチゾウを追ってはぴぱれまでやってきた、というニエルブ。
構えるショウマに、ニエルブは言い放つ。
👓「赤ガヴ、いや、ショウマ。君、ストマック家の新しい当主にならない?」
ニエルブ曰く。
家のことが大事なのは彼も同じ。ストマック家がグラニュート界のトップにあるべきだという考えも同じ。
(なお兄弟には信じてもらえなかった様子。仕方ないと思う。)
グラニュートのトップに立つためには諸々の資質が必要。ちなみにニエルブに言わせれば父親には野心が足りなかったそうな。まあ野心がある奴は材料を妻にはしないと思うしな。うん。
その中でも腕っぷしという面でニエルブが注目したのがショウマ。
人間とグラニュートのハーフであり、いわばその良いとこどりなショウマに可能性を見出したニエルブ。
みちるさんを殺害した後、幽閉されていたショウマを敢えて救い出し、人間界への逃亡を促したのもニエルブの仕業。
彼の計画通りに事は運び、ショウマは人間界に到着。仮面ライダーとして覚醒し、ランゴすら凌ぐ力を得た。
もしもショウマが当主となってジャルダック家を倒すことができれば、ストマック家の悲願は達成される。
そのための道具として使っていた闇菓子も作る必要がなくなる、すなわち人間界を襲う必要もなくなる。
Win-winじゃないか、というのがニエルブの言い分。
👓「なんなら、2つの世界が二度と行き来できないように、扉の間を永遠に封鎖したっていい」
👓「僕は、僕の頭脳に自信がある。そして君は、兄弟の中で一番の戦闘力に成長した。最高の頭脳と最高の戦闘力が組めば、最強だと思わない?」
揺れるショウマ。
一旦、ヒトプレスをすべて返却してくれるなら考える、と返事したショウマに、ニエルブは快諾して去っていく。
多くの人を救えるけれど、そうすると自分は二度とこちらの世界には帰れない。
●「でも俺、ここにいたいなぁ」
ショウマが「ここにいたい」って思ったときに思い返した瞬間に、グラニュートのラキアとデンテが一緒にいた意味をもう少し考えてもいいんじゃないかな、彼は。
全てが片付いた後。
ショウマは仲間たちを見て、やっぱりみんなに幸せになってほしい、と気持ちを新たにする。
●「どうする? このままここで暮らすか、それとも……」
いつかこのセリフをおしゃれに使う日が来るだろうとは思っていたが、ここで、自問自答として使うとは思っていなかったよ。
そしてさ、和歌学んでた影響があるのは承知の上で言うんだけどね。こういう、何かの台詞を(アレンジしたとしても)引用する時って、「自分が一bン言いたいこと」「自分が一番大事だと思っていること」は敢えて口にしないものなんですよね。(天を仰ぐ)
そこに、外から何かの音がする。
出てみると、巨大な箱が2つ。中身はすべてヒトプレスだった。
同封されていた手紙を見て。ショウマはビルの屋上へと向かう。
待ち構えていたのはニエルブ。交渉成立である。
●「ありがとう、そしてさようなら。俺の大好きな世界」
まあニエルブがそう簡単にいくか?というところに尽きますよね、今回は。
多分今回ニエルブは嘘はついてない、それは間違いないと思う。
ただ、ニエルブが言う「家を愛している」は、「安心して好きなだけ研究ができる場所を愛している」が正しいのではないかと思っていて。
彼が望む研究内容はおそらくショウマが良しとするものではない。
対ジャルダック戦では手を組むのはありだと思うし、寧ろ近道だとも思う。ただ、そのあとのことを考えるとこれが良い選択だったとは思えないというのが正直なところだ。
何より、「幸せな気持ちで眷属が生まれる」というショウマにとって、彼だけが我慢し続ける状況になるのは良いこととは思えないんだよなぁ……。
次回:それはそれとしてその衣装良すぎるな
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