4話 告白
- _ ぬぺ
- 2022年2月28日
- 読了時間: 3分
そう…来たか…!!!
陳瀟(チェン・シャオ)の依頼の続き。
そもそも過去改変において重要なのは、その分岐点。
多少その過程が異なっていても、分岐点が固定されていれば、多少の寄り道は問題ない。
今回の依頼も、そのことを光が理解していたからこその快諾だったと思われます
そして、バスケの試合の勝ち負けは分岐点ではない。
そもそも、非公式バスケ部がちょっと頑張った程度で校舎が建つか否かが変わるほど、世の中優しくないのである。
残る依頼は3つ。
バスケ部のキャプテン、陸鴻斌(ルー・ホンビン)
初恋の相手であり、バスケ部キャプテンの腹違いの妹である劉萌(リウ・モン)
そして母親
この3名に言えなかったことを伝える事。
その伝言内容はほとんど視聴者に飽かされない演出がニクい。
よほど、彼が大事にしたかった言葉なんだろうということが伝わってくる
ちなみに唯一明かされた文は
刘萌
当我听到你要去市里的消息(以下不明)
真的……为你感到高兴.
劉萌
私があなたが都会に行かなくてはならないという知らせを聞いたとき(以下不明)
本当に……よかったね。
ここ、「为你感到高兴.」の部分。
字幕では「本当に嬉しかった」となっているのだけど、
「为」は「~のために」みたいな意味もあるのでそっちのニュアンス強めの方が良い気がする。
「ただ、自分が嬉しかった」よりも、
「貴方にとっていい方向に行けるみたいで私も嬉しいよ」みたいなニュアンスじゃなかろうか…
ちなみにWeblioさんは「あなたのために喜ぶと感じます」
Googleさんは「良かったね」
と訳してきました。
GoogleさんとWeblioの用例辞典を加味して「よかったね」採用で行きます。
そして3人に本音を伝えるシーンで共通するのは、光の使い方と背景。
どのシーンも逆光になった陳瀟と相手の横顔と、その地の雄大な自然が背景になっている。
特に母親とのシーンでは、宵闇の中にポツポツと光が灯っていくのが綺麗なのよ。
これ、最後のオチ見たら言わんとすることがなんとなく分かってウッてなるよね…
伝言の内容にちょっと違和感を覚えつつも、順調に進んでいく依頼内容に、不信感を抱き始める時。
そして最後の1ピース。
その日は2008年5月12日であった。
四川大地震
(以下、『情報・知識 imidas』から引用)
中国四川省東部で2008年5月12日14時28分頃に発生した巨大地震。
M8。死者7万人、行方不明者は2万人とされる。
陸地で起きた地震としては最大級であり、最大の被害は山崩れなどによる建物の崩壊。
そしてなによりも、
「学校で生徒が多数死亡し、手抜き工事や耐震基準が問題とされた。」
ああ、ここまで体育館がぼろい話を強調していたのはこれか、と思わざるを得なかった
しかも立地は山の中
2022年にいるこっちから見ても絶望しかない条件が丁寧に揃えられていて、完全に脱力してしまった
ここにきて、依頼内容が
「過去を変えかねない危うい依頼」から、「死んでしまった人たちへの心残りの解消」に変わって、その重さが急に増すのも含めて見せ方がうますぎる
そして最大の分岐点が震災だということが分かるのも。
そして時も両親が震災で帰らぬ人となった被害者の1人。
思わず動き出す時、止める光。
ここで時は「両親を探し出して無理矢理連れて帰る」という選択もできただろうに、それをせずに直近の、他人の約束を遂行するために動こうとするの、ほんと痛いほど優しいなと思ってしまった
いやほんと、最後のひっくり返しで喉元に刃物突きつけられた気持ち…。
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