3話 砂漠の星からきた男
- _ ぬぺ
- 2023年2月24日
- 読了時間: 8分
8人目の敵と10人目の司令官
【あらすじ】
ジャークマターの目的。
それは惑星のエネルギーたるプラネジュームを回収すること。各惑星に設置されているモライマーズの目的はコレ。
プラネジュームが無くなった星は爆発してしまう。
それを止めるのもまたキュウレンジャーの活動の一環。
彼らが向かったのは、近くにあったプラネジュームが枯渇しかけている惑星:ニードルだった。
【ショウ・ロンポー】
まずは遅れて登場したこの男。
スラっと高い身長、東洋の龍の顔にゴツゴツした手。威厳のあるジャケット。スーツアクター日下秀昭さん、担当声優神谷浩史さんというかっこいい要素てんこ盛り。さらに肩書は「キュウレンジャー司令官」かっこいい。かっこよすぎる。
……しかし口を開けば「ややめんどくさい系ちょい悪オヤジ」。
記念すべき第一声は
●「ハローエブリバディ!みんな出迎えありがとーっ!ヤッホイ!」
うーんこのノリである。喋らなければかっこいいがそうするとcv神谷浩史というかっこいい要素が1つ消えるというこのジレンマ。
別件でしばらくオリオン号を離れていた司令。
大量のキュータマを土産に帰還したのでした。ラッキーをはじめとした合流組にも特段なんの反応もしていないので、ラプターあたりが結構密に連絡とってたのかなあとか。
これだけのキュータマを持って帰って来たり、帰り道に見かけた惑星の様子をきちんと共有したりと指令としての実力はしっかりしております。部下たちのこともよく見ているみたいだしね。良い司令なんだよ。軽いけど。
合流早々に軽いノリはちょっとバランスと波長が合ったみたいです。最後のシーンでも結構話が盛り上がってるし。しかしその次には「泥船に乗ったつもりでいてくれ」と発言。どう考えても初対面の人間にかまして良いギャグではないぞ司令。
ということで彼が与えた最初のミッションは、近くにあったピンチの惑星:ニードルを救出すること。
●「じゃあキュウレンジャー、出撃!」
「「「「「「「「了解!」」」」」」」」
この返事を聞いてショウ・ロンポーは考えた。
●「私は悩んでる。『了解』というのは固い。」
そう、部下たちの返事である。
「了解」は固い。「ラジャー」もなんか違うし、「ロジャー」は論外。過去の先輩戦隊に真正面から喧嘩を売るんじゃないよ。
●「……真面目にやってください!!」
考えに考えた果てに思いついたのは「オッキュー」。
●「これだよ!これこれ!!」
(変な踊りを踊りながら)
ちなみに彼が長考する真後ろでは、神経毒に苦しむ部下たち。何を悠長に……というのが実は伏線だということにどれくらいの方が気がついていたのでしょうか、放映当時。
全部分かった状態で見直すと、部下が死にかけているのに歯牙にもかけない司令、わざわざ単独でパラシュートで離脱するラプター、ラプターが居なくなった後に「おっタマげ」たことに復活した部下たちとしっかり伏線はあったんですね。
思慮深い性格とそれを悟らせない言動。部下を気遣えるだけの気配り力。この人が上司だったら仕事楽しそうよね。
軽いノリには本人の生まれつきの性格もあるだろうけど、それ以上に部下たちの負担を減らしたいという想いがあるのかもしれない。
【チャンプ】
ロボットは電気牛の夢を見るか?
……ではなく。
人の手によってつくられたロボット:チャンプ。
彼にもまたかなりキツい過去があり。
彼を作ったのはアントン博士という老齢の男性。
博士はただチャンプを作っただけではなく、彼に人間の心をも教えていた。
👨🔬「戦いに心を奪われちゃいけないよ。誰かを救いたいという心を失えば、お前はただの機械になってしまう。」
誰よりもジャークマターのいない世界を望んでいたアントン博士。
しかしチャンプがロボレスチャンピオンの9回目の防衛に成功した日のこと。
ベルトを持って帰って来たチャンプが見たのは、土砂降りの中倒れ伏すアントン博士と、彼に尻尾の針を差し込むローブを着た男の姿だった。
慌てて男を追いかけるチャンプだったが、男の毒にやられてしまい彼を逃がしてしまう。
アントン博士は、チャンプに「宇宙を頼んだぞ」と言い遺して息を引き取ったのであった。
●「キュータマが吾輩に叫ぶ。博士の仇を取れ、博士の無念を晴らせ、あの男を倒せとな!」
そしてニードルで、目の前にその男が現れたのだ。
復讐の相手であり、今の仲間に攻撃した相手。キュウレンジャーとしての装備を一式持っていようが関係ない。
暴走気味のチャンプを見て顔を顰めるラッキー。
結局チャンプは仲間たちの制止も聞かずにオリオン号を飛び出し、単身仇に勝負を挑む。
しかし追い詰められたチャンプの前に飛び出してきたのはラッキーだった。
●「チャンプ!敵討ちは諦めろ!その代わり俺がお前の敵討ちを手伝ってやる!」
言っていることは滅茶苦茶ですが。
要は、キュータマに選ばれた人間、即ち宇宙を救うのにふさわしいと言われる人間が人殺しをするはずなどないと。
●「俺が全部何とかしてやる!チャンプの敵討ちも手伝う!この星の爆発も止める!そして……お前をキュウレンジャーの仲間にする!」
「チャンプ、お前の力は宇宙を救うためにあるんじゃねぇのか?!」
ラッキーって、どちらかと言えば熱血レッド。
今回の叫びも若干語彙力消えかかっているし、感情論がデカい。でもそれだけじゃなくて、キュータマに選ばれた人は云々、みたいなちゃんとしたロジカルもある。そして、徹底的に相手に寄り添おうとする。そりゃ求心力あるわ。そういうところが大変好きです。
そしてまだ岐洲さんがまだ叫び演技に慣れていない感じで初々しいですね
チャンプはというと、ラッキーの叫びでアントン博士の言葉を思い出す。
今の自分は「ただの機械」になりかけていないか。
立ち上がり、参戦。
地上でサソリボイジャーの相手をする。勝利は収められなかったものの、先ほどに比べればずっと冷静です。
結局彼のことは逃がしてしまったし、まだ「敵に決まっている」と言ってはいますが、それでも冷静に闘志を燃やすチャンプ。
それを見てナーガはまたひとつ感情を学んだのでした。
【スティンガー】
その復讐相手こと蠍男のスティンガー。
全身を包むローブに、革ズボン・ブーツという出で立ち。
最も特徴的なのはオレンジ色の蠍の尾。伸縮自在であり、戦闘では鞭のように使ったり相手から距離をとったり縛ったりと自由自在。そして先端の針には毒があり、人間・獣人・機械生命体にも効くという優れもの。ちなみに刺された感想は、
●「チクチクスル…」
サソリキュータマとセイザブラスターを所持している立派なキュウレンジャーだが、一目見るなり仲間であるはずのラッキー一行に襲い掛かるという謎の人物。
●「俺の毒に気を付けろ」
いきなり攻撃しておいてこれである。殺意マックス。完璧な敵ムーヴ。初期のスティさんってこんなに声低かったっけね?
演じるお岸さんは笑顔にっこにこで可愛い印象のお方なのでますますギャップが。1回都合ついたからライブ行ってお話させていただいたことあるんですよねー、懐かしい。
彼がジャークマター側につく理由は、そちらの方が強いから。
シンプルイズベスト。
ラッキーの説得にも応じず、完全に敵対。
しかしながら乱入して来たジャークマター側の怪人に対しては「邪魔するな」と敵と見做して一蹴。
その様子が買われたのか、ラストではカローに呼び出されて話をすることに成功。
●「だが安心しろ。奴らに次はない」
ラストの集合絵も一瞬姿が見えた後黒く沈むという仕様でした。
完走勢としては「悪役頑張ってるねぇ😊」といった感じでしょうか。親戚の子が頑張っているのを眺める時の気持ちというと失礼か?
でもスティンガーも結構過去重いし、それもあって色々無理して頑張ってるんだよなぁという気持ちです。
《サソリオレンジ》
「ポイズンスター!サソリオレンジ!」
スティンガーがサソリキュータマで変身する戦士。ナンバリングは2。変身前の尻尾はそのままスーツの外に出ており、戦闘で使用可能。
使用武器は槍タイプのキュースピア。今回の投げたやつかっこよすぎて惚れる。
必殺技はアンタレスインパクト。さそり座で最も明るい星ですね。
ロボはサソリボイジャー。地中に潜ることが出来ます。
【以下雑記】
後味わるっ!!!!
いやこっちはもう知ってるんで良いんですよ。でも当時明かされている情報見てみると、
新しい司令がやってくるがノリが軽いうえに部下の人命軽視
新たな戦士が現れるが容赦なく攻撃してこっちは死にかける
チャンプは仇を見つけるが戦えないまま終わる
これですよ。後味悪すぎない?初見でこれが全部伏線だなんて気づけます?多分私は無理。これを初期で入れてきたのすごいなあと。
さてさてちょいちょい記憶を手繰りつつ裏話を。
まずはショウ・ロンポー司令。
cv神谷さんですがこういう適当親父系キャラはかなり珍しい方だと思います。当時声優沼を覗きかけていたわたくし、神谷さんとの初めましては某有名RPGの青色剣士でした。でもって友人に勧められてこれを見て、そのあまりの違いに「声優ってすげぇな?!」と思った思い出。
それが今じゃ声優沼ズブズブですよ。聞いてるか過去の私~?あんた数年後には声優事務所を箱で推し始めるぞ。
ちなみにオファーを受けた時には神谷さんから「俺の人気が欲しいのか」という質問に正直に「そうです」と答えた制作陣によって出演が決まったらしいです。すごいやりとりだ。
あと個人的には司令の初アフレコに日下さんが立ち会ってくださった話も好きですよ。
そしてスティンガー。
今回2回変身していますが、他の仲間と違ってセイザブラスターを正面に向ける変身ポーズ。かっこいいよね。ただCG合成が結構手間らしく、お岸さんがもう1回あれやりたいです!と言って制作陣に拒否された話をされていた記憶。そんな違うんだ。
そんな変身ポーズ。
ただでさえみんな見た目も身長も凸凹なのですが、実は屈むモーションができない方が数名。具体的には機械組ですね。おそらくスーツの可動域が狭めなんだと思います。
屈む時に身長の凸凹感が際立つの好きなのよね~。
今回登場したのはフタゴキュータマ。
対象を分身させる能力持ちです。これが後々の大事なアイテムになってきます。
さらに今回から正式に(?)バランスがメカニックとして活躍。
躊躇いなく操縦パネルを動かしてくれるの頼もしい。
さて次回はラプター回ですね。
今回星に降りて、間近で仲間たちとの戦いを観察していた彼女。これも次回の伏線……というか今回本当に伏線もりもりだ。
次回:誰にだって夢を見る権利がある
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