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  • 執筆者の写真_ ぬぺ

38話 涙のperiod

「世界で一番のドクターになって」




【Story】

大我が倒れた。


行うこととなったのは「心囊ドレナージ手術及び上行大動脈人工血管置換術」。


心囊=心膜。「心囊」というのは古い学名らしい。

「心臓と心臓に出入する大血管の基部を包む一種の袋」であり、「心臓の固定・保持と収縮活動の場合の摩擦をなくす働きをもつ」もの。(日本大百科全書より)

よく分からないけど、多分心臓の基盤になっているんだと思う。多分。


「ドレナージ」とは、「創内の浸出液、膿、血液などを誘導、排出して治癒を促す創傷治療法」。(日本大百科全書より)

内臓で出血が見られるとのお話だったので、心膜に入った液体とかを出すのかな、多分。いや正直今勘で喋ってる。


「上行大動脈」とは、左心室から肺へと向かう血管のこと。

それを人工血管に置き換えるって本当に大手術じゃん(何も分かっていない薄い感想)。



こんな難しい手術を任せられるのは飛彩しかいない。

灰馬は彼を聖都大学附属病院へと呼び戻す。




【鏡飛彩】

幻夢コーポレーション社長室にて呼び出しをくらった彼の携帯を奪い取ったのはもちろん正宗。


「彼の手術に行ってこい。ただし、わざと手術に失敗するんだ」

失敗しても難しい手術だから誰も咎めないだろう。それに自分の命令に逆らうなら小姫を消す。

この人、倫理観どこに置いてきたんだろう。



ひとまず病院に到着。

憔悴しきってはいるが、ひとまず手術着に着替えてオペを開始する。



その頃。

正宗はパラドたちバグスターと交戦中。

それを感じたのかなんなのか、「パラドがいなくなると現在唯一のクロノス対抗策であるムテキゲーマーが使えなくなって困る」と判断した黎斗・貴利矢が割って入る。

さらにその戦闘中に飛彩に指示を出したことをばらしたため、貴利矢のみが急遽帰還。

手術が終わるのを待つニコたちに事実を伝える。



当然ながら暴れだすニコ


「やめろ!手術をやめさせろ!」

 「あいつはわざと手術を失敗させる気だ!」

 「彼女を助けるために大我を殺すんだ!」


飛彩の一喝で一旦場をリセットさせることに。

様子を見に行った永夢はまずはニコを説得。

こちらは他のメンバーも加勢して、飛彩ならちゃんとすべきことをしてくれる、と言い聞かせたことでなんとか落ち着く。



永夢はそのまま場を灰馬に任せて病院から離脱。

単身で正宗の所に向かう。


待ち受けていたのは、余裕のクロノスとライフを20近く減らした黎斗。

黎斗とバトンタッチして戦おうとする永夢。

こちらでデータを取り返せば飛彩が頑張る必要もない、というのが狙いだったが、流石にそう簡単にはいかない。

正宗の十八番:人質作戦で変身すらままならない永夢をボッコボコに殴り倒す。


「失敗知らずの天才外科医は私のいいなりとなり、初めて体験するんだ。人の命を殺める運命をな」

「お前、それでも人間かよ」


人間、どうやったらこんなに歪むんだろう。



その頃の飛彩。

手術道具を取り落とすレベルで揺れる彼の胸に去来するのは、今までの大我とのやり取り。

つっけんどんだったのは否めないが、それでも先輩ドクターとしてひたすらに自分の事を気にかけてくれていた。


飛彩が電話を受けたのは19時51分。

手術開始が20時55分。

手術終了が3時すぎ。


夜を徹した7時間近い手術を終えた飛彩は、ふらふらと病院の外へ出て行く。



空が白み始めるころ。

白衣に着替えた飛彩が永夢のもとへ合流。


「オペは?結果は?」


「──俺に、切れないものは無い」


手術は無事に成功させた。


「俺は世界で一番のドクターだ。目の前で失いかけてる命を見捨てることなど、絶対にしない」


初めて、自分で「世界で一番」を自称したね。

この時点で小姫とはもう二度と会えないけれど、彼女の遺志だけは守り抜くというような、自分に言い聞かせるような台詞だった。


「彼女とは永遠の別れになってもいいんだな?」


「研修医!今まで俺がしてきたことは、弁解の余地が無いことだ。しかしもし許されるなら、俺と一緒に戦ってくれ」


小姫は彼の目の前で消滅。


「お前はこの世界の癌。俺が切除する。」

静かに泣きながらの、変身。


戦闘自体はまあ予想通り。

ムテキ&レベル100の戦闘では流石にドクター側が優位でフィニッシュ。

正宗はひとまず撤退。



「悪いが、先に行ってくれ」

「……CRで待ってます」


急に天気が荒れ始める中、飛彩は1人声を上げて泣くのだった。

多分だけど、小姫ちゃんが亡くなってから初めて泣けたんじゃない?



後日。

大我は術後経過も良好。無事に意識も戻っている。

飛彩もCRに帰還。


「俺の望みは果たされた」

「そうか」

「花家先生。あなたに対する今までの非礼、心からお詫びします」

「うるせぇ。謝るのは俺の方だ。お前は俺の、命の恩人だ」



窓辺に飾られた花の中で一番目に付くピンクのカーネーションの花言葉は、「女性の愛」「感謝」だそうです。




【以下雑記】

🎮遂に小姫ちゃん編解決、かな。正直、前作で「命は一つきり」を強調し、作中でも「人間の命は最終的には消えるもの」を主題にしている以上、どのような形であれ彼女が生き返ることは無いと思っていたので、まあ当然の帰結かなとは思ってます。

🎮最後くらいまともに会話できるかな?と思ったけど、それも無しだったのは少々意外だったかな。


🎮今回の話、

  • 小姫ちゃん問題クリア

  • 飛彩帰還

  • 大我・飛彩の仲直りイベント

  • 黎斗・貴利矢共闘

などと盛りだくさんでしたがよくコンパクトにまとまったな?というのが一番素直な感想ですかね。


🎮ムテキゲーマー相手にポーズが効かなくなったことを受けて、バフアイテムを全て自分で管理することに決めた正宗。おもむろに取り出したコインケースに見覚えしかない。アイスが食べたくなってきたのは気のせいだろうか。


🎮今回ちょっぴり学んだことと言えば、前後編の前編に感情移入できなかったらそら後半もノれないよな、ということでしょうか、はい。


🎮とはいえ今回、めっちゃ皆さんのお芝居が良かった。本当に。

徹頭徹尾人を舐めた態度の正宗、シリアスもイケるしお互い一切信用していないのが伝わってくる黎斗と貴利矢、迷いも涙も引き込まれた飛彩。小姫ちゃんが消えるのを見届ける何とも言えない表情がすごく好きだ。

個人的に今回一番良かったのはニコちゃんかな。普段ドクターに混じっているから忘れがちだけど、彼女は普通の女子高生だったんだよな、と思い出された回だった。誰よりも大我のことが大事で、それゆえに不安でぐちゃぐちゃになっている彼女の姿が生々しかった。


🎮飛彩の涙。落ちた後に波紋となって広がる謎演出。結構手間かけてるし、何かしらあるでしょコレ。もしかして小姫ちゃん編は実はまだ緩く続いてたりとかする…?




次回:もう一人の自分にさよならを

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