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38話 憎しみの向こう側

  • 2025年6月8日
  • 読了時間: 7分

表裏一体とはこのこと




【あらすじ】

ようやく母親の仇にたどり着いた絆斗。

けれど彼は、今は人間として和菓子屋を支える身。決して悪い人には見えないのもまた事実。

彼を仇だ、許せないと口にする絆斗だったが、彼自身もまだ気持ちに折り合いがついていないようで……




【辛木田絆斗】

まずは健二さんと話そうよ、というショウマの提案にのり、翌日あんどうへと向かう。

最初の手段として「暴力」ではなく「対話」が出てくることに定評のある仮面ライダーガヴである。



ということで一行はあんどうへ。

SNSのご相談、として幸果さんが寛人と母親を引き留めている間、ショウマと絆斗は健二と共に近くの神社に向かう。

そこでようやく、健二の過去を知ることとなる。


健二はもともと、グラニュート界で菓子屋を営んでいた。

しかし経営が上手くいかず店は閉店。未だにあんどうを支えようと頑張っているのは、大なり小なり自分を重ねているからなんだろうな。

それとほぼ同時に闇菓子に嵌ってしまった。

ストマック社のバイトとして働きだし、人間界にも行くようになった。

その過程で「あんどう」の職人となった。しかし、親方を見て、ようやく自分はお菓子を喜んで食べる人を見るのが好きだったことを思い出した。


🐶「自分は貴方にとってかけがえのない人を奪ってしまった」

 「この命で罪を償わしてもらいます」

 「ただ、新作の和菓子を完成させるまで、時間をいただけませんか? 恩を返したいんです、死んだ親方、坊ちゃんやおかみさんに!」

「……新作が完成するまでだ」



健二さんの言葉はまず間違いなく本心。

そして仇が憎いのも自分の本心。

何度も足を運んだ事件現場で、絆斗はようやく覚悟を決める。


「あいつがそう望むなら、望みどおりにしてやるだけだ。……母ちゃんだって、喜んでくれるだろ」



翌日。絆斗は幸果とともにあんどうを訪れる。


「健二さんの事、好きか?」

👦「もちろんです」


寛人は店を続けてくれた健二への感謝と、将来的には彼と共に店をやっていきたいという夢を、躊躇いもなく、真っすぐな目で語る。


「…………そうか」



無事に動物の練り切りが完成した。

つまり、タイムリミットが来た。


健二と絆斗は店から離れて人気のない場所へと向かう。

健二は「旅に出ます」な手紙をお店に置いてきている。思い残すことはないと。


🐶「復讐を成し遂げてください」


やりにくいだろう、とグラニュート態に変身してまで復讐を促す健二。

絆斗は生身で一発彼に殴りかかった後、弾を一発放つ。

銃弾は健二の肩をかすめて背後に着水。


「グラニュートのお前はもう死んだ」

 「また悪事に手を染めたらそん時は俺が許したわけじゃない! だけど。寛人君にとって、かけがえのない存在を、俺は奪えない」


「これで、良いんだよな。母ちゃん」


ずっと持っていた、グラニュートの絵を破り捨てる。

一生罪を背負って生きてもらうっていうのは下手に殺されるよりもしんどかったりするからね。


「かけがえのない存在」というキーワードだったり、母親のことを考える台詞だったりと、同じ言葉が意味を変えて出てくるのが大変よい回でしたね。

同時に進んでいるジープの話を含め、ミラーリングみたいな話が同時にたくさん進んでいくタイプの話、めちゃくちゃ好きなんだよなぁ。



ちなみに。

あんどうさんは無事に例の練り切り、「アニマルわがし」を商品化。

SNSでも話題になっているみたいです。




【ジープ】

いつものようにシータの姿で姿見の前に立つジープ。

悩みの理由は、ニエルブに改造手術を持ち掛けてきたから。

「弟の力になりたい」と言うニエルブの顔、今までに見たことがないほどわざとらしくて好きです。

赤ガヴに勝つ力は欲しい。でも、赤ガヴと同じになり下がるのは耐えられない。


🌂「貴方のガヴが変わっても、貴方の価値は変わらない。ジープ、勇気を出すときよ? シータのためにね。」


シータ→ジープに姿が戻るときに映るのが鏡像なのおしゃれすぎる。そうしたら髪の色がシータのままだもんね…………。

そしてここで、「貴方の価値」と、ジープが一番欲しいであろう言葉を的確に選択できるリゼル嬢。怖いよこの女。



リゼルからの言葉で手術を受けることを決めたジープ。

改めて見直して思ったけれど、この件にジープの意思はひとつも無かったね。

相談相手はシータ、後押しはリゼル。彼自身がどうしたい、の部分は子供みたいに「あいつと一緒になりたくない!」って泣いてただけだ。


手術台で目覚めると、自分の腹部についていたのはなんと黒ガヴ。

ニエルブと酸賀が繋がっていたことを知っている視聴者からすれば「まあそうだよな」に尽きるのですが、ジープからすれば「赤ガヴのパチモン」「赤ガヴに負けた存在」の象徴ですからね。そりゃあ発狂もする。

しかも、「私、勝てるよね?」に対するニエルブの答えは「あとは君次第」。追い打ちだよ。



黒ガヴと、新たなゴチゾウを手に人間界に降り立ったジープ。ショウマとラキアに対峙する。


🐺「私は全部捨てた! お前を倒すために」


……捨てた…っけ?

喪ったものは兄弟を始めたくさんあるけれど、捨ててはなくない? 寧ろみっともなくしがみついてない?

というか、本当にどうしようもなく奪われたものはそれこそシータくらいのもんで、それ以外は割と身から出た錆な部分が多いよね彼。

まだ双子揃っていた時も、ショウマたちとの戦力差を差し引いて考えても無茶な作戦や無茶な目標設定で自滅していった部分が結構あったし。

改造も思い切った判断ではあるが、デメリットを背負いつつも「これを自分の力にする」と息巻いて実際に力を自分のものにしている絆斗という前例がいるからなぁ。

「新しい力を手に入れた」というメリットに目を向けられないで被害者ぶっている限り、ジープが巻き返すことはなさそう。


電流のようなもので一瞬はじかれつつ、変身。

基本的にいつも女性らしい雰囲気の彼から初めて男性っぽさを感じた「変身」だったね。優雅な手つきも綺麗だ。

ポテトのスナックをモチーフにした、仮面ライダービターガヴ バキバキスティックフォームの誕生である。

公式も言ってるけど、ミイラぽくてよきデザイン。


通常フォームのガヴ、そしてヴラムに対しては有利に立ち回れたものの、最強フォームたるマスターガヴには勝てない。

初変身バフも効かないとは。


派手な爆炎と共に散ったジープでしたが、なんとか生きてはいた様子。

ボロボロのまま逃げて行ったのでした。

「仮面ライダーに見逃されてなんとか逃げ切った」という状況は同じでも、ここまで健二さんとニュアンスも惨め度合いも変わることあるんだ。




【グロッタ】

現場に配属されたお姉さま。

成績がよろしくないバイトは自ら呼び出してお説教をかましています。「納品なさい」って言うんだね。若干余所行き、上司モードになるとちょっとお上品になるのね。ここが沼ですか?

そしてこの行動、本人の焦りから来ているのは百も承知なのだが、結果的に今まで現場配属になった幹部の中で一番ちゃんと部下の管理ができてるのおもしろいな。


バイトの態度から少しは見せしめが必要だと判断したグロッタ。

エージェントが見せたのは「成績不振者」のリスト…………あっ(察し)



そして数日後。

彼女は自ら健二の前に現れる。命乞いをする彼を容赦なく切り捨てる。


👠「あぁ! イライラが収まらない……!」


鎌で、背中から一撃。

知ってるよ、これ。




【以下雑記】

🍭ラキア。壊れたベルトをデンテの元へ持ち込む。早めに仕上げてもらいたいのでプリンも添えて。

闇菓子開発者であるデンテのことは未だ恨んでいるものの、罪を犯したうえでここにいる、という連帯意識はあるらしいです。

🍭そんな彼ですが、ショウマに絆斗と健二のことを聞き、そのうえでラキアならどうするか、と問われる。

彼の答えは「倒す」。普通のグラニュートなら足を洗おうとしたら一度は見逃す。自分もそうだったから。でも仇となれば話は別。

少し苦しそうな顔でそう語る彼。そしてこの次回予告である。


🍭幸果さん。寛人を助けてくれたのは仮面ライダー、とさりげなく訂正しています。布教に余念がない。


🍭ショウマ。個人的に絆斗と健二さんの対話についていったのは悪手だったと思うな。百歩譲ってついていったとしても、完全に傍観者に徹しているべきだったと思う。少なくとも「心から反省してると思う」とか言っちゃだめだよ。

これは絆斗と健二さんの問題で、そこにたとえ仲間だとしても、第三者が自分の考えを述べて絆斗の心の整理をする時間を邪魔するのはなしかな。ちょっと野次馬根性すぎる。




次回:デンテおじさんで風邪ひきそう

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