37話 ラッキー、父との再会
- _ ぬぺ
- 2023年6月23日
- 読了時間: 8分
王の演説を聞け
【あらすじ】
ミナミジュウジ座系の解析が無事に終わった。
周りに張り巡らされているバリアは、ツルギと共に戦った4人の賢者、即ちカシオペア・ケフェウス・ペルセウス・アンドロメダの4つの星座系の力を使えばいいのではないかとのこと。
目下の目的は既に手元にあるアンドロメダを覗く3つのキュータマを揃える事。
でもその前に、寄り道をしましょうか。
【ラッキー】
カイエンの王子。
爺やから父親の現在について聞き、自分の記憶の中にある父親像と乖離した現状を憂いている様子。
百聞は一見に如かず、ということで一同は惑星カイエンへと足を運ぶ。
カイエンはラッキーの回想とは打って変わって荒廃した都市になっていた。
おそらくククルーガに襲撃されてからそのままうち捨てられているであろう瓦礫の数々に、顔を黒く塗りつぶされた国王のポスター。
割とあけすけに物を言うことも多いツルギですら「評判はあまり良くない」とマイルドに表現しておられます。
丁度そこに王の演説があるというので、一行もそれを聞きに行くことに。
建物の高いところに立って演説を行っていたのはラッキーの記憶通りのアスラン王。
簡素ながらも綺麗な服の上に豪華なマント、綺麗な杖と剣を持ち頭には王冠。絵本に出てくるような「王様」である。
演説の内容は要約すると
「ジャークマターに従え、さもなくば死」
国民も流石に反発しており、アスラン王は惑星が襲われた時に命乞いをしたらしい、なんて噂もまことしやかにささやかれている。
そのうえ堂々とアスラン王に石を投げつける国民たち。
20年弱は圧制が敷かれているのは間違いないのにこの反骨精神。なかなかたくましい国民性である。チキュウのみんな見てるー??
とは言え、息子という立場からこれを見ているのはそうそう耐えられるものではない。
ラッキーは石を投げる国民の前に躍り出て、アスランに向かって「父さん」と呼びかける。
騒つく国民たち。
壇上にはシシ座系カロー:ジューモッツが現れ、戦闘開始。
ジューモッツの特殊能力は両肩に背負った砲台からツヨインダベーを放出できるというもの。
一度にツヨインダベーが複数現れ、さらにククルーガも参戦し、現場は混戦状態。
ククルーガはいつも通りラッキーのもとへ直行。
カイエンを滅ぼしたのは自分だと豪語した後、民を人質に取ってラッキーを攻撃。
気を失った彼を連れて撤退してしまう。
残された仲間たちはツヨインダベーを討伐した後、一旦バトルオリオンシップへ帰還。
艦内で惑星カイエンに対して出された映像を傍受。
曰く、翌日に王によるラッキーの処刑を行うとのこと。
アスラン王がそんな人間ではなかったはず、と呟く爺やを見て、ツルギは気になっていたことを口にする。
過去のアスランを知る者が口を揃えて「そんなはずはない」と言うなら、可能性は2つ。
洗脳か、作り物か。
ツヨインダベーは倒した後砂になった。さらに、彼らの撤退の理由は「雨が降りそうだったから」。即ち、アスラン王は水に弱い物体である砂を作った偽物である可能性が高い。
ということでキュウレンジャー達は、カイエンの民の前でラッキーを助け出しつつ、アスラン王が偽物であることを示さなくてはならなくなったわけである。
その頃、囚われのラッキーは短い時間だがアスラン王と話す時間を手に入れていた。
●「どんな辛い時でも、未来は切り拓けるって、教えてくれたのは父さんじゃねえか!」
👑「黙れ」
●「俺は父さんを信じてる。父さんが教えてくれた言葉を!」
👑「黙れと言っている!!」
胸倉をつかまれたラッキー。
泣きながらも父親を睨みつける視線に迷いがないのが良いんだ。
ラッキーは何があっても自分の善悪の基準を曲げない人だけれど、それとはまた別に人間らしい迷いや父親を求める子供らしさがあるのが生々しい。
翌日。
鎖で柱に縛り付けられた状態で国民の前にさらされたラッキー。
勝ち誇ったようにラッキーをいたぶるククルーガ。駆けつけた仲間たちもツヨインダベーたちに押されて変身解除。
遂にククルーガによって処刑の号令がかけられ、アスラン王は剣を構えるが。
●「おい! 父さんはどこだ?!」
「こいつは父さんなんかじゃない!」
●「……気づいていたのか?」
●「父さんをどうした?!」
●「本物の国王は俺がとっくに始末してやったわ!」
なんとあっさり自白。思ったより素直なククルーガさんである。
●「……そうか。ヨッシャラッキー…!」
●「イカれちまったか?」
●「だってそうだろ。父さんの無念を、この手で晴らせるんだからな!」
父親の言葉をなぞるようにつぶやく。
●「苦しい時こそ、己の運を信じるんだ!」
丁度その瞬間、天がラッキーに味方するように雷がククルーガにクリティカルヒット。
その隙に仲間たちが動く。
ハミィが透明になって潜入してラッキーを救出。
近くの建物の屋上に潜入していたスティンガー・チャンプ・ラプターがそれぞれミズガメ・クジラ・ポンプキュータマを使用して水を噴射。水ネタ多いな。
大量の水を浴びたアスラン王は砂となって崩れ落ちる。
●「見ろ! あれが国王の正体だ!!」
ちなみにラッキーも、自分の涙が一瞬アスラン王の手を溶かしたのを見てツルギとほぼ同じ結論に行きついていたとのこと。流石である。
●「全てはジャークマターの卑劣な企み。国王は、邪悪な罠に嵌まって、もうこの世にはいない。だけど、心配しないでくれ! 俺が国王に代わって、シシ座系を解放してやる!!」
レジスタンスのリーダーとしてのラッキーだけではなく、一つの惑星を治める君主としての風格をも感じさせる台詞。
「相手が欲しい台詞」を無意識で汲み取って自分の言葉として出すことができるラッキーらしい対応力の高さだと思う。好きだ。
ククルーガはラッキーが1人で敵討ち。
今までのシシレッドオリオンとしての戦闘は全て本気を出していなかったのではないかと思わせる怒涛の攻撃。容赦のなさが彼の本気具合を見せつけるようで怖い。
●「覚えておけ! 俺は宇宙一ラッキーな男だ!」
●「偶然に頼ってジャークマターを倒せると思うな!!」
●「偶然じゃない! 俺は、俺たちが宇宙を救えるって信じる。そうやって、運を呼び込むんだ。それが、倒産が俺に教えてくれた力なんだ!」
全員によるオールスタークラッシュ&フェニックスエンド&インフィニッシュブラストでとどめを刺す。
巨大戦ではククルーガの相手をスーパーキュウレンオーとオリオンバトラーが、ジューモッツの相手をギガントホウオーが担当して無事に撃破。
遂にフクショーグンを全て倒すことに成功したのであった。
ひと段落してから。
ラッキーは新たな装いに身を包んで仲間と国民の前に登場。
真っ白なロングコートに赤い差し色、背中と胸元には獅子のマーク。ふわっと広がるシルエットとか、きちんとついている襟とか、眩しいくらいの白とか、とにかく「高貴!!」って感じで最高である。なのにちょっとだけラッキーが恥ずかしそうな顔をしているというギャップが可愛いのである。
キュウレンジャーのカラーを最初に聞いたとき、白無いんだ…?って思ったんだけれど、このシーンでようやく本当の意味で納得した感じはある。
ちなみにこの服はツルギのオーダーでスティンガーが作ってくれたものであった。自分が作った、とちょっとどや顔のスティンガーさんが可愛い。
ナーガが取り出したカンムリキュータマで出てきた王冠を、ハミィがラッキーに被せる。
演説台は小さな木箱。
この手作り感が堪らなく好きだ。
高野山の寺院は建物を敢えて一部作りかけにしている、という話をふと思い出した。発展途上の物はまだまだここから上があるから、という理由なんだとか。
●「ありがとう、みんな。俺は最後の最後まで自分の運を信じ続けてみせる。そして未来を、切り拓いてみせる!」
演説の締めはバランスの号令による「ヨッシャラッキー!」
●「父さん、見ていてくれ。」
【以下雑記】
即位おめでとう🎉🎉🎉🎉🎉
改めて思い返すとラッキーって私情をあんまり出さないよね。
いやまあ、彼の私情≒宇宙を救うこと、みたいなところはあるけれど。
ここまで自分の個人的な事情を丸出しにしているのが新鮮で、嬉しい。
最初の出撃時に「個人的なことでごめん」と謝る彼に、寧ろ同情するようなスティンガーとチャンプ。
個人的なものもあるんだろうけれど、たまにはラッキーも我儘を言うべきだと思う、みたいなところもあったんじゃないかなぁ、なんて思ったり。
その後のククルーガ戦、あまりにも容赦がなくて。
オーバーキルでしょあれ。
でも、以前のイカーゲン戦のような無鉄砲さが無いことに成長を感じる。
冷静なまま、自分の軸を見失わないまま、圧倒的な火力で敵に攻撃を食らわせ続けるその姿勢がね……。
ラッキー、戦いに関しては素人の状態で加入してきた分、そういう方向でも変化が楽しめるのがとても良い。
20年近い圧制を耐え忍んできた国民からすれば、死んだと思われていた王子が帰還し、自分たちのことを身を挺して庇い、天すら味方につけてジャークマターを打ち倒したという奇跡みたいな2日間。
こんなの盛り上がらない訳がないよな。私もカイエンの国民になりたい。
さて、冒頭のお話。
爺やから「頭が高い!」と言われた仲間たち。
シンプルなお辞儀をしているのがチャンプ・司令。
土下座状態なのがガル・小太郎。
騎士っぽく膝をつくのはバランス・スパーダ(帽子も脱いでいます)
綺麗にお辞儀している風に見せかけてなぜか手が正面に伸びているのがラプター。
完全にアイドルモードのラッキーの真似に走っているのがスティンガー。
忍術の構えでしゃがんでいくのがハミィ。
状況が飲みこめていないのがナーガ。
直立不動を貫くのが初代宇宙連邦大統領:鳳ツルギ。
完全に大喜利タイムである。
●「俺様は初代宇宙連邦大統領だ。王様より偉い。」
あまりにも不敬である。
なおそんな不敬ツルギさん、国王に相応しい服装としてオーダーしたのが「俺様と同じコート」なんだからこ面白すぎる。どんだけ自分の地位を上に見積もっているんだか。こんな失礼ムーブかましまくっても「まあツルギだし…」で済まされるのも怖いぜ。
さて、次回からは3つのキュータマを集めます。
カシオペア・ケフェウス・ペルセウス・アンドロメダ。
4人の関係ですが、ケフェウスとカシオペアは夫婦であり、その娘がアンドロメダ。
カシオペアはやや親馬鹿だったようで、ポセイドン相手に「ウチの娘が可愛い」とマウントをとった結果、怒ったポセイドンは怪物をケフェウス・カシオペア夫妻が治める国に送り込む。怪物を鎮めるためにはアンドロメダを生贄にしろとのことでその通りにしたところ、アンドロメダを助けたのがペルセウスだと。
思ったよりも全員関係者だった。
次回:トンチキ3連チャンの第一弾だぜ! ゲキレンの民が通ります!!
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