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  • 執筆者の写真_ ぬぺ

36話 完全無敵のGAMER!

嘘ばっかり、最高。




【Story】

幻夢コーポレーションが、新たなゲーム内イベントを企画。


激レアキャラ クロノス攻略クエスト

場所は清空市聖都第9地区。

時間は明日の12時~17時。

そこに登場する伝説の戦士:クロノスを攻略すると、その伝説の力が手に入る。


「人類を救うヒーローになるのは、君だ!」



勿論、そんなに簡単に行くはずがない。

クロノスは攻略不可能のキャラクター。正宗も、攻略されるつもりなど微塵もない。

彼の真の狙いは、このイベントによって参加者人口を増やすこと。

勿論ここで増えた人々は消滅してしまうのだが、それはそれでよし。なぜなら、彼らを助けるべく、また新たなプレイヤーが参戦してくるはずだから。


「喪われた命はこのゲームの新たな宝となる。」


まあそんな気はうっすらしていたけれど。

正宗はそもそも命を助けるなど考えてはいない。別の方法に活かしたいだけ。

単純に考えれば新たな参加者の呼び水になるってことなんだろうけれど、それ以上になんかありそうなんだよなぁ…。




【宝生永夢】

クロノス攻略クエストに憤る彼。今の戦力で勝つことは難しいのだが、


「問題ない」

 「君がこのガシャットを使えば」


そう、こちらには神がいるのである。



彼が開発したのは「HYPER MUTEKI」。

主人公が無敵になって無双するゲーム。キラキラと光り輝くボディに軽快な音楽、どう考えてもマリオのスターが元ネタ。


無敵だから、クロノスのポーズも効かないし、単純に戦力としても上々。


「お前のポーズはもはや無意味だァーッハッハッハァ!」


「TIME UP!」


この神を調子に乗らせてはいけない。


まず問題として、永夢が使用できなかった。

これは、今まで彼の中にあったMの要素が消えてしまったから。このゲームは天才ゲーマーの力が無いと使用できないらしい。そこはなんとかしろよ、神。

一応、同じくマイティアクションから作られたゲンムが使用したものの、単なるバフに終っただけでなく、無敵時間も10秒程度で終了。


結果、いつも通りボコボコにされた上に無敵ガシャットはクロノスが回収。



神、落ち込む。

隅っこに膝を抱えて座る神。


「てめぇがご丁寧にゲーム解説したせいで、無敵時間が切れたんだろうが」


正論である。



ムテキになるためには、Mが必要。

そこで、永夢はパラドを呼び、協力を要請する。

彼を許す気は無い。でも、手段を選んでいる場合ではない。


パラドにはあらかじめバグヴァイザーの中に入っておいてもらう。

その後、クロノスのベルトに移動してもらい、ポーズ下でも動けるようにする。以前の黎斗と同じ戦法。

これでパラドは単身動けるようにしておき、彼がクロノスを倒せばいい。


…えぇ(困惑)

この後の流れがあるからこその提案なのは分かるんだが、それはどうなのか。

まず、永夢の態度。パラドのことは許せないが手を組まなきゃいけないのは分かる。が、結局彼がやっていることって「相手を良い感じに利用する」。本質は檀親子と同じじゃない?寧ろ、気に入らない奴にだけやっている感じ、タチが悪い。一応パラドの条件(最終的には2人で決着付ける)も呑んでいるけど、それは永夢自身の願いでもあるわけだし。

そして、作戦のガバさ。嘘の作戦なので多少のガバは仕方ないと思うが、そもそも一度使った手なうえ、パラドが移動した後は「あとはお任せでよろしく」状態。肝心の「強い敵をどう倒すか」に関しては何も考えてない。繰り返しになるけど、フェイクなので永夢がこれを提案してくるのは分かるが、パラドがこれに頷くのが……。言い方は悪いけど、この子そんなに馬鹿だったか?

このあと、パラドが「じゃあ最強ウイルス培養中のグラファイトにも声かけてくるわ」みたいな流れがあればちょっとは納得したかも。


まあこんだけ言った後に言ったらとってつけたようになりますけど補足するならば、明日那のワクチンによる治療の例は説得力あって割と好きです。



そしてこの作戦のせいで完全に意識の外に追いやられていたのだが。

「ムテキ」を悪用される可能性の考慮はいらないのか?という問題。

考慮しなくてもいい理由が、永夢にはあったわけで。



クロノス攻略クエスト開幕。

現場に駆け付けた永夢、そして大我とニコ。

ボスとして居座る正宗と、ヘルプの貴利矢。



「パラド、お前は僕に言った。」

「俺とお前が組めば、無敵、だぜ」

「今がその時だ」


迷わず、自分の身体にパラドのウイルスを注入する。


「クロノス、お前は“俺”が攻略する」




【九条貴利矢】

正宗のために働き、報酬としてプロトガシャットを受け取っていた男。

正宗が「ムテキ」を回収した後は、そのガシャットを報酬として要求。そして無事に入手する。



攻略クエスト開始後。

「M」を取り戻してクロノスに挑む永夢に声をかける。


「永夢、受け取れ!」


放り投げたのはムテキのガシャット。

叛逆したことでクロノスに思いっきり蹴り飛ばされ変身解除に追い込まれるが。


「あれぇ?ノせられちゃった?」


その笑顔が見たかったんです!!!!!


大方、前回の予想通りだった。

海辺で貴利矢が囁いたのは、「自分の嘘にノれ」。

だからこそ永夢も「ノってやるよ」と応じた。とられてしまったムテキガシャットは、間違いなく次の交戦までに貴利矢が奪還してくれると信じていた。



「勝負だクロノス。天才ゲーマーMの力を見せてやる」

 「ハイパー大変身!」




【ムテキゲーマー】

「輝け!流星の如く!黄金の最強ゲーマー!ハイパームテキエグゼイド!」

永夢と貴利矢の圧倒的な信頼のもと取り戻された、最強フォーム。


ハイパームテキガシャットを使用しての変身。

Lv99のエグゼイドがドライバーの真ん中にガシャットをセット。

「パッカーン!」という軽快な音声と共にガシャットが作動して変身シークエンスに移行。


キラキラの星、というのが感想。

金色のボディ、長く伸びた髪、スーツや目のカラーリングは虹色。

しかもお披露目となる今回はキラキラと舞う金の光の中でアクションを披露。

尺が足りなくて「ハイパームテキエグゼイド!」の音声をご丁寧に2回流した時には流石に笑った。


近年、スピンオフで発表されたばかりのゲンムの最強形態「無双ゲーマー」があまりにもFF7のセフィロスに似ているからこっちはクラウドモチーフでは?という話は聞いたことあるけど、逆じゃないかな…。

星っぽいデザイン→なんかクラウドっぽくなった→じゃあ無双はセフィロス

という流れの方がしっくりくる。真相は知らんが。だってエグゼイドはアクションゲームモチーフなので、ここにRPGの王道を入れたら流石にとっ散らかるやろ。



黎斗のおかげでムテキゲーマーのスペックはある程度把握していた正宗。10秒ちょっと持ちこたえればこっちのものだと思っていたようですが、


「俺の無敵時間は、無制限だ!」


ということで、完膚なきまでにクロノスを打ちのめす。



必殺技は「ハイパークリティカルスパーキング」。

連続で複数方向からのライダーキック、時間差のダメージを与える。

おかげで初めてクロノスに勝利をおさめる。

「究極の一発!完全勝利!」




「つーわけで。今日から自分もCRに力貸すぜ?」


彼の目的は、被害者のデータが収められているプロトガシャット。

無事に全部幻夢コーポレーションから回収して来たので、CRに帰ってきました。

ド派手なアロハ。袖を通さないジャケット、くるぶしが見える流さのダメージジーンズ。ようやく我々の知っている貴利矢さんが帰ってきました。



もちろん、自分を手に掛けた黎斗に恨みはあるし、協力するのにも躊躇いはある、が。


「あんたを受け入れた永夢の判断を信じているだけだ」



正宗は他人の命を軽視しているし、プレイヤーは増える一方。

なんとかしてゲームを終わらせ、飛彩を取り戻さなくてはならない。




【以下雑記】

🎮飛彩。今回彼が渡されたのは「タドルレガシー」。「legacy」とは遺産という意味です。勇者と魔王の力を身に着けた主人公が姫を救い出すRPG。彼のために作られたゲームであることは明白です。が、絶対使ったらやばいやつ。持ち手のところからコード飛び出てるし、スキャンする部分はなんかヒビみたいな意匠あるし。絶対ろくなことにならん。


🎮「世界で一番のドクターになって」。小姫の最期の願いで、飛彩にとっては呪い。途中でようやくその呪いが解けたというのに、ここに来てまた呪いに転じるの何?


🎮ムテキゲーマー変身後のみんなの反応。

明日那:びっくりして笑顔

黎斗:拳を天に突き上げる

大我:唖然

ニコ貴利矢:指さして大はしゃぎ、肩を組む

みんなの性格が出ていて楽しい。特にニコと貴利矢は実質始めましてなのにこの距離感である。ウェイ系同士波長が合うのか。


🎮なおそんな仲良しを見せたニコ・貴利矢でしたが、CRに帰ってから改めて握手を求められた時にはニコが完全に警戒モード。さっきまであんなに楽しそうだったじゃないか。しかもいつものように大我の袖を掴んで隠れてしまったので、貴利矢がかえって動揺する事態に。

「え…なにこの手。え、何?どういう関係??」

「こいつは患者だ!」

「患者?!だっておかしいよこの手!!」

一回転したときに見えたけど、貴利矢さんめっちゃにやついてるじゃないですか。


🎮なおその頃の黎斗くんは一人優雅に茶をしばいておられました。ブレない。


🎮にしても貴利矢さん、ほんと一瞬で帰ってきたな。もう少し引っ張ると思っていたが。そもそも高橋脚本自体、引っ張るのを嫌うタイプ?




次回:飛彩、迷いを断ち切る

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