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  • 執筆者の写真_ ぬぺ

34話 謎の覆面戦士、現る

正義があればなんでもできる!




【あらすじ】

1人足りないキュウレンジャー。


そんな中、ナーガは不安定な記憶を確認するためにバランスに頼んで脳内を探索してもらうことを提案。

バランスは快諾し、ケンビキョウキュータマを利用して記憶を探る旅に出る。



その頃、アキャンバーとククルーガは以前改造手術を受けたという研究室にいた。

目の前には、馴染みのある牛のロボット。


「新しいオモチャを起こすわよ~?」




オリオン号はククルーガの攻撃を受けてチキュウに向かう。

彼らを出迎えたのは、ククルーガと、彼が召喚した「オモチャ」。

オウシキュータマのような球体から現れたのは、明らかにチャンプの形をしたロボット。違いと言えば、右肩に銃口があることくらい。

混乱する一行の前に現れたのは……




【ヤギュウジュウベエ】

なんだか見覚えのあるフォルムのロボット。

ボディはオウシブラックそっくり。右手はまるで何かを隠すようにボロボロの布切れに包まれている。チャンピオンベルトを腰に巻き、胸元の星の意匠には漢字の「牛」のようなエンブレムを装着。

メットはオウシブラックそっくりだが、赤い覆面を装着。口元の鼻輪のような金色の輪っかが可愛い。


一人称が安定しない彼の正体は、チャンプの知り合い。

まるで自分のことのようにチャンプのことをよく知っている、ロボレス仲間である。



あまりにもチャンプそっくりな見た目のロボットが2体。

混乱する一同に、ヤギュウジュウベエは言い放つ。


「訂正させてもらう。吾輩……あ、いや、俺の名前はヤギュウジュウベエ。チャンプではな~い。」


「別人なのか! チャンプの旦那によく似た奴じゃのぉ。」

「「「「「「いやいやいやいや」」」」」」

「ちが~う!」


「チャンプだよね?」

「チャンプです。(即答)」



それはともかく。

少なくとも、ククルーガが連れてきたロボットはチャンプではない。

その証拠に、ヤギュウジュウベエが放った攻撃で装甲が剥げ落ちた偽チャンプ。チャンプへのアンチテーゼと言わんばかりに、骨と内臓が剥き出しになったようなデザインが露わになった。

牛型汎用破壊兵器ゼロ号。ジャークマターが開発した戦闘用ロボットである。


そのまま戦闘に流れ込むが、

ゼロ号のせいで負傷したハミィ・スパーダは小太郎と共に撤退。

ラッキーとツルギはククルーガに苦戦し一時撤退。

ヤギュウジュウベエはゼロ号と戦闘し、スティンガーとガルもそれを追いかける。



スティンガーとガルは、追いかけた先でヤギュウジュウベエが自我を忘れたかのように暴れ狂うところを目撃する。

力尽くで彼を止めることに成功するが、本人は暴れている間の記憶がないらしい。


そんな状態でもなお、ゼロ号は自分が倒すと言ってその場を去るヤギュウジュウベエ。

残された2人のもとに、バトルオリオンシップから通信が入る。


「チャンプは?」

「それが、やっぱり他人の空似じゃけぇ。ヤギュウさんはチャンプの旦那のロボレス仲間らしいガル。」

「「「「「「「いやいやいや、それはない。」」」」」」」

「ガル。バカなの?」


子供は時に正直で残酷である。


「あいつはチャンプとは別人だ。俺に任せてくれ。」


ということで、スティンガーとガルはヤギュウジュウベエを追いかけることにしました。


「ガルはしょうがないとして、スティンガーまでいったいどうしちゃったんでしょうか?」


>>>ガルはしょうがないとして<<<



一方のバトルオリオンシップでも、ひとつの可能性が浮上していた。

明らかにチャンプと同じ姿をした牛型汎用破壊兵器ゼロ号。アンドロイドを制作していたツルギの目から見ても、あれはチャンプのプロトタイプである可能性が高いという。

つまり、チャンプはジャークマターで製作された存在なのではないか、と。



その頃地上にて。ヤギュウジュウベエに追いついたスティンガー・ガル。

スティンガーはヤギュウジュウベエにチャンプの話を聴かせてほしいと言う。

ヤギュウジュウベエもまた、一人称なんだか伝聞なんだか分からない語り口で、過去に残った後のチャンプの話をする。


ショウ・ロンポーをバトルオリオンシップで眠らせた後、チャンプは宣言通りアントン博士の元に向かった。

アントン博士は自身の身体をサイボーグ化し続けることで延命しており、当時から生きていたという。

博士に会うことは叶わなかったが、彼が残した資料等から、アントン博士がジャークマターに所属する科学者であったこと、自分はその研究の一環で生まれたことを知る。

スコルピオが言ったことは本当だった、とここでようやく回収。

暴走がジャークマターの生まれである何よりの証拠だと。


「暴走したのはヤギュウさんじゃねぇか」

「あ! ……いや、その、あ、チャンプも、過去で暴走するようになった! と、言っていた。」

「そうか! 流石姿が似ているだけあるガル。」


暴走の決定打になったのは、自分を庇って大破したあの時がきっかけではないか、とまたも自分を責めるスティンガー。

ヤギュウジュウベエは、そんなスティンガーにお前のせいではない、と声をかける。


「最後にひとつ聞かせてくれ。どうしてチャンプは帰ってこない?」

「みんなに顔向けできねぇ。正義のロボットじゃない以上、キュウレンジャーとして戦う資格はねぇ。正義はここにねぇんだ! ……って、奴が、言っていた」

「なんじゃそりゃ! 帰って来たらぶん殴ってやる。」

 「ヤギュウさんよ、チャンプの旦那に伝言を頼む。俺たちは旦那の正義を信じてる。だから、俺たちを頼れってな!」



そこに再びの敵襲。ククルーガとゼロ号である。

しかし、戦力差は埋められず、スティンガー・ガルは変身解除。それでも一人でなんとかする、と2人を逃がそうとするヤギュウジュウベエ。


「ひとりで背負うなって言ったのはどこのどいつだ?!」

 「俺の知っているチャンプは、誰よりも正義に燃える熱い男だ。誰がお前を作ろうがそんなの関係ない! 暴走したら、俺が命を懸けて止めてやる! ……だから、俺を信じろ、相棒。」


「……って、チャンプの旦那に伝えてくれ。」


……締まらねぇ~~~~~



遅れて駆けつけたラッキー・小太郎・ツルギ。

珍しくちょっと乱暴に、険しい顔でガルを2人からひっぺがすラッキーにじわじわ来る。


態勢を整えた仲間たちに待ったをかけたのは、ヤギュウジュウベエ。


「今こそ正体を明かすときがやってきたようだな。」


覆面を取り、投げ捨てる。


「俺! いや、吾輩の正体は、チャンプだ!!」

「なに~~~?!?!」


な、なんだってーーー(棒)


うん、知ってた、と頷く仲間たち。


「え゛ぇ~?! じゃ、じゃあ、気づいてなかったのは、俺と、スティンガーだけか?」

「…………一緒にすんな。」

「グハァッ!!」


仲間たちの後ろで崩れ落ちるガル。小さい声でぶつぶつ言いながら現実を飲みこもうとしているのほんと可愛い。

なお最年少小太郎くん、この間ずっと頑張って神妙な顔しようと頑張ってるのめちゃくちゃ健気なので見てほしい。


「当然だろ。」

●「すまない、相棒。みんな。このチャンプ、恥を忍んでキュウレンジャーに戻らせてもらう。吾輩の正義を貫くために!」



頼れる仲間が帰ってきた。

意気揚々と、再び敵に向き直る。


「今度こそ茶番は終わりだ!」

「そ!そうガル……」


背の高いツルギの横に立っているうえ、元から姿勢のせいでかなり小柄に見えるガルがさらに小さくなっています。ビーストスターっていうより豆しばです。可愛いねぇ。モフモフさせて?



気を取り直して戦闘開始。


「吾輩の正義、試してやるぜ!」


巨大戦ではリュウテイオーが活躍。「Say the scramble!」の音声と共にキュータマがセットされるギミック、とても好き。


地上戦では暴走しかけたチャンプをガルが飛び蹴りでもとに戻す。


「チャンプの旦那の暴走を止めるのは、スティンガーだけじゃねぇ。」


対ククルーガ組は、ククルーガの攻撃吸収&発射能力に悩まされたものの、シシレッドオリオンの無限大の力を吸わせたことで右手の機械を破壊することに成功。

ゼロ号と対峙していたメンバーと合流してゼロ号&ククルーガの討伐に成功。



2体を相手取る巨大戦では、キュウレンオー・リュウテイオー・ギガントホウオー・オリオンバトラーの4体並び立ちが実現。

さらにオリオンシップから他の3体のロボットで攻撃を放つオリオンビッグバンキャノンで勝利を飾ったのでした。



帰還後。


チャンプは暴走のことを打ち明けようとしたものの、仲間に心配をかけたくないというスティンガーの意向で、ガルとの3人の間だけに留めておくことになりました。


バランスも無事にナーガの体内から帰還。敵の本拠地はミナミジュウジ座系にある惑星サザンクロスだと判明。

そこに向かうことが現状一番の目標となりました。




【以下雑記】

ガル可愛いよガル


という話はさておき。



まずはチャンプから。

もう誰がどう見たってチャンプさんとして登場してくれたヤギュウジュウベエ氏です。

ガルのピュアさに隠れていますが、この男も普通にこれで行けると思っていたド天然ですよ。可愛いね。


名前の由来となったのはおそらく江戸時代の剣豪:柳生十兵衛。


隻眼だが、天下無敵であったという。 (中略) 十兵衛は、正しい家系の嫡男として生まれたにもかかわらず、その生涯には不明な点が多い。
"やぎゅうじゅうべえ【柳生十兵衛】", 新版 日本架空伝承人名事典, (参照 2023-06-10)

42年に完成した『月之抄』は、この時期において、流祖上泉秀綱(かみいずみひでつな) 、祖父、父3代にわたる技法上、心法上の問題点を比較研究した成果を集大成した名著である。このほか『月見集』『武蔵野 (むさしの) 』などの著述も多く、講談の十兵衛旅日記や諸国隠密説などは、すべて十兵衛を英雄化した後世のフィクションである。
"柳生三厳", 日本大百科全書(ニッポニカ), (参照 2023-06-10)

とのことです。

歴史的に空白の数年間、とか、謎に包まれた存在故の伝説の多さ、とかいう設定が良いという採用だったと思われます。「ギュウ(牛)」つくし。


個人的に今回の台詞回しで好きなのは、博士について「追えば追うほど」って言っていたこと。

司令も眠ってしまい、頼る人がいない中、333年間かけていろいろ調べたんだろうな、最初は信じられなくて、信じたくなかったんだろうなとしみじみ。


結果的に「正義があればなんでもできる」を掲げる彼は「正義が無い自分にはなにもできない」という結論に行きついてしまい、仲間たちのおかげで「自分の中に確固たる正義があればなんでもできる」に行きつく、という流れが素敵でした。


というか、「正義が無い、救世主の中に戻れない」と言いながらも、ぼろきれ同然になった支給品のジャケットを大切に持ち続けている、というのがチャンプの全てだよね。

情に厚くて、義理堅くて、誰よりもまっすぐ。



一方同じくまっすぐなのがガル。

今回あまりにも天然可愛いところを発揮してくれた彼ですが、なんでもそのまま受け取って、自分の気持ちもそのまま吐き出しちゃうピュアさがあるからこそ、チャンプにかける「信じる」という言葉がすっと入ってくる。

彼は嘘をつかない、つけない人だって知っているからこそ生まれる説得力。

スティンガーと一緒に居てくれたのがガルで良かったと思う。スティンガーはやっぱり口下手なところがあるから。

ちょいちょいテンポが乱れてたけど、良いんです。



それにしても最後の「みんなには内緒」がやっぱり引っかかるね……

全部自分で背負い込んで仲間に負担はかけまいとするスティンガーの悪いところがまだ残ってたか…と少し天を仰ぎました。

まあ、ガルという秘密を共有する人が他にもいるだけまだマシかな?



最後にツルギさんの話を。

スパーダのご飯大好きお兄さん。「さっきご飯食べたでしょ?!」と熟年夫婦みたいなやりとりしているのほんと好き。

そしてそんな爺さんみたいな…と思った数秒後に「このひと120歳だったな…」と真顔になったりしました。




次回:踊るよ~~!歌うよ~~!!!

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