31話 ナーガ奪還大作戦!
- _ ぬぺ
- 2023年5月31日
- 読了時間: 10分
失くしたもの 取り戻すため 広い宇宙 俺と 僕の 想い 熱く 熱く
坂井竜二作詞、村井大作曲、ヘビツカイシルバー/ナーガ(山崎 大輝)、バランス/テンビンゴールド(小野 友樹)歌唱 「AGEPOYO☆DANCE!!」
【あらすじ】
過去班が帰還し、問題が山積みのキュウレンジャー。
過去組は確かにドン・アルマゲを倒したはずなのに、宇宙は未だジャークマターの支配下。
寧ろ過去に行ったことによって、司令とチャンプが離脱・オリオン号が損壊を受けるなどマイナスばかりの現状に、ラプターが「過去に行ったのは間違いだったんでしょうか……」と珍しく弱音を吐くほど。
とはいえサイコーキュータマの入手やオライオンとの出会いなど、決してマイナスに振り切っているわけではない。
現代班はというと、ガル・小太郎がアキャンバーたちに捕まってしまい、バランスは行方不明。
ハミィだけで1人行動していたという。
目下の最重要課題は、大切な仲間を取り戻す事だった。
【ナーガ・レイ】
バランスに殺意を燃やす男。
自分を痛い目に遭わせた彼のことは何があっても自力で倒すと、ガルと小太郎を拉致監禁中。
オリオン号ではバランスが妙に上機嫌で帰還。
協力してほしい、と1つのキュータマを仲間たちに見せる。
船外では、ナーガとエキドナが交戦中。
ナーガたちの一族の目の力には相手の身体を動かなくするだけでなく、多少操れる能力もあったらしく、あわやエキドナ死亡、となったタイミングでキュウレンジャーが合流。
バランスは1人でナーガに向かっていくが、前回同様追い詰められてしまう。ブラックホールキュータマを使った攻撃により、助けに割って入ったラッキーともども消滅。
●「なんてこった…バランスとラッキーがやられちまった……!」
●「イヤーーーッ!!!」
●「マンマミーヤァ!!!」
●「遂に! やったぞ! バランスをこの手で!!」
ナーガは高笑いと共にワープしてその場を去る。
一連の流れを見守っていたエキドナは、これがお前たちの甘さだと冷たく告げる。が、
●「早とちりすんな。みんな、伝説的に残る芝居だったぜ」
……割とわざとらしかったぞ、3人とも。
とはいえ、作戦はこう。
バランスは1人離脱して、アキャンバーの被害者の解析をしていた。
結果、アキャンバーの洗脳音波の正体はミクロサイズのインダベーを脳内に送り込み、彼らが暴れまわることによって感情の発露がめちゃくちゃになるというものだと判明する。
だから、バランスは手元にあるケンビキョウキュータマを改造。おそらくもとは「小さいものを大きくする」能力だったと思われるそれを、「大きいものを小さくする」機能に作り変えた。
戦場では敢えてナーガに敗北し、その隙に小さくなる。ウサギキュータマの跳躍力を借りてナーガの体内に侵入し、敵を倒す。
その間、ラプターはラッキーからの信号からナーガの居場所を特定。ハミィ・スパーダ・ツルギはアキャンバー討伐へ、スティンガーはガル・小太郎救出へ動く。
あの感じだとおそらくバランスが考案した作戦。
人数の多さをフルに活かしつつ、一切の無駄がないのがまた彼らしい。
作戦は順調に進み、バランスとラッキーは体内に侵入成功。
●「この先にナーガが眠ってるはずだ。」
「良いナーガの心さ。その目を覚ますことができれば……!」
インダベーはラッキーに任せ、バランスは最奥部にいるナーガのもとへ。
そこに妨害として現れたのは、ナーガ・レイ地区のダイカーン、ミクロツヨインダベー。体単位で地区になるんだ。
彼は体内にもダークナーガを召喚。バランスとの戦闘になる。
●「よくも俺を騙したな」
●「ナーガを取り戻すためには、なんだってするさ」
●「フンッ、やれるもんならやってみろよ」
その頃体外では、ガル・小太郎がナーガを説得中。
●「ねぇ、心を無くしちゃったの? ナーガ!」
●「違う。俺は感情を手に入れたんだ」
一方の体内。
●「ナーガ! 何をそんなに怒ってるのさ?」
●「ムカつくんだよ。てめぇの全てがな!」
●「だったら!! ……僕が全部受け止めてあげる!」
宣言通り、一切抵抗の素振りも見せずになされるがままのバランス。
立つのもやっと、といった調子で神経らしきものに縋りながら(それナーガにダメージ行ってません?というツッコミは飲みこんで)、いつも通り笑って見せる。
バランスを傷つけるのでは根本的な解決にならない、と気づいたダークナーガ。
●「ウッゼェんだよ!てめぇの一番大事なものを奪ってやる」
彼が向かった先はナーガ。
流石にバランスも黙ってはいられず、ナーガを庇って攻撃を受け、変身解除してその場に倒れる。
●「馬鹿なやつだ! そんな奴のために命を捨てるなんてな」
●「ちょいちょいちょいちょい。自分に向かって『そんな奴』なんて言わないでよ、ナーガ」
●「まだ動けるのか?」
●「当たり前だろ。僕は300年生きて、初めて見つけたんだ。自分の全てを預けられるパートナーをね。ナーガのいない宇宙なんて、考えらんない。」
身体の力をすっかり抜いて、ナーガにまっすぐ向かい合って言葉を紡ぐバランス。
今まで聞いた彼のどんな声よりも人間味があって、いつも冷徹さと軽薄さで隠している彼の本心をようやく見せてもらえたような気持ちになる。
そんなこと関係ない、と武器をとるダークナーガだったが、外からまっすぐな声が聞こえてくる。
脳内で敵味方が暴れまくっていることからきているであろう頭痛と戦っている彼を抱きしめるハミィ。
●「ナーガは、ひとりじゃないよ。だから、苦しまないで」
さらに声をかけるスパーダ。彼の伝説を信じるツルギ。通信回線越しに声を届けるスティンガー、ガル、小太郎、そしてラプター。さらに同じく脳内にいるラッキー。
●「聞こえないのか?! みんながお前を呼ぶ声が?!」
仲間たちの声で、脳内のナーガがほんの少し反応する。
●「思い出してナーガ! 何がしたくて僕たちと一緒にいたのか。君は何が欲しいのか!!」
ナーガの心に去来するのは、バランスに「感情は宝だ」と語った自分。そのために寄り添って、ひとつひとつ感情を教えてくれたバランスと仲間たち。
ダークナーガが怒りに身を任せていくら鎌を振り回しても絶対に消えることのない大切な記憶。
焦ったダークナーガは、そのまま鎌をバランスに向ける。
振り下ろされたダークシックルを受け止めたのは、キューシックルだった。
●「お前の感情、俺は分かる。でも、俺が欲しい感情はそんなもんじゃない! 俺が欲しい感情は、これからもバランスや仲間たちと一緒に手に入れていくんだ」
「だから、お前は消えて良いんだ」
斬られたダークナーガは光となって消え、ナーガの中へ。
本物のダークナーガは、一筋の涙とともに元の姿に戻ったのでした。
●「お帰り、ナーガ」
●「ハミィ、バランス、みんな。ありがとう」
温かい笑顔で出迎える仲間たちも、泣きじゃくるナーガも、感極まってラッキーにヘッドロックをかますバランスも、本当に素敵な仲間だと思う。
あとは後片付けである。
巨大化(通常の怪人サイズに変化)したミクロツヨインダベーとアキャンバーwithツヨインダベーを片付けるのみ。
バランスとナーガは今までとなんら変わらず阿吽の呼吸でミクロツヨインダベーを撃破。
たった2人でも「オールスター」と豪語して敵を倒す2人がまぶしい。
ナーガはそのままアキャンバーと戦うラッキーのもとへ合流。
●「アキャンバー、感謝してる。俺は怒りをコントロールできるようになった。」
ダークキュータマを使って再び変身。
スカーフと腰マントをダークナーガから受け継ぎ、メットの意匠、胸のリベリオンのマーク、セイザブラスターは救世主のまま。
感情を完全に自分のものにした、新しいヘビツカイメタルの誕生である。
必殺技は、メタルオフューカスクラッシュ。
残念ながらアキャンバーを倒すことは叶わなかったが、彼女は負け惜しみを言って撤退。
ミクロツヨインダベーはデカいヘビツカイメタルを召喚して去って行ったものの、キュータマジンの攻撃とBN団のハッピースプラッシュで難なく撃破。
無事に帰還した一行。
ナーガとバランスは迷惑をかけた、と深々とお辞儀して謝罪。綺麗に90度の礼である。別にそうしないとエキドナさんとの合成が大変だからとかそういうことではない。断じて。
仲間たちは、そもそも帰って来てくれたのが嬉しいのだと笑顔。
それを見て泣きそうな顔になるナーガ。
思わず後ろを向いて出口へと駆け出すバランス。
●「バランスも何か言ってあげなよ」
●「いや、僕は」
●「もっと喜べよ。バランスが一番頑張ったんだから」
●「そう。ナーガもバランスの言葉を待ってるよ」
●「……あ、そお? なら」
振り返ったバランス。
明るい声からは考えられないくらい、ぐっしゃぐしゃに涙で濡れた顔。ご丁寧に水が滴るSEつき。
●「ナーガ!!! 寂しかったよぉ! 帰って来てくれて、ありがとおぉ。ナーガ、ナーガァ……」
それを受け止めるナーガの顔が困ったような泣きそうな嬉しそうな顔で、本当に幸せそうなのである。
大丈夫だ、もうちゃんと感情がある。
一同の喜びを見届けたエキドナ。
⛎「私はまだ、感情が必要だとは思わない。だが、お前たちは感情があるから強い。ナーガ、宇宙を頼んだ。」
救世主たちの、感情溢れる在り方を肯定して去って行ったのでした。
そしてナーガは、捕まっている間にドン・アルマゲの所在を掴んだと報告。
一方のラプターは、運転席で浮かぬ顔をしていたのでした。
【以下雑記】
これにてダークナーガ編は一区切り。お疲れさまでした!
いやぁ重かった。長かった。話数にすると大したことないのですが、インターバルがあったり内容の密度が濃かったりしてすさまじく長く感じましたね。いやはや。
「一番頑張った」人こと、バランス。
尺の都合かバッサリカットされていたのがなんとも惜しまれるところではありますが、過去で色々あっている間に、彼もやるべきことをきっちりやっていたみたいです、何があってもロジカルと得意分野の機械いじりで何事にも立ち向かっていく姿のブレの無さがかっこいい。
そんでもって今回一番思ったのは、やっぱりバランスって他人に自分の気持ちぶちまけるの下手くそだなってこと。
どこまでもロジカルシンキングな人だから、っていうのも十二分にあるんだろうけれどね。
それ以上に今回の台詞を聞いて、まともに信頼できる他人に出会えなかったんだろうなって噛みしめた。
状況証拠から考えるに一族唯一の生き残りであるバランス。ナーガという人間に出会うまでまともに信頼できる人も、気持ちを吐露できる相手もいなかったんだろうと。
ダークナーガの他人の呼び方にやたらこだわっているように見えたのはそういうことなんじゃないかな。誰よりも人とのつながりを重んじるというか、大事にしているというか、縋っているというか。
「ナーガのいない宇宙なんて」の台詞も、語りかけるナーガが気を失っているから言えた、みたいなところあったでしょう。裏返せばダークナーガはナーガと見做していないってことだし、それはつまり唯一無二の相棒に対する信頼と友愛の表れだとも思うのですがね。
だからこそ、今回最後に泣き顔を見せられたことは彼にとってすごく大きな進歩だと思う。
こんなにすったもんだあった後でさえ、体力の限界を絶対にナーガに知られたくないような人だから。
気持ちを全部さらけ出して、ようやく本当の相棒になれたんじゃないかな。
一方のナーガ。
ダークナーガにかける言葉が優しいのなんの。
自分のことを、例えマイナス面でも自分の一部だって認められるのが本当にすごくてかっこいいと思う。
十分に強いし、感情も手に入れたし、本当に向かうところ敵なしだと思うよ。
最後のバトルとか見てるとやっぱりこの人たちは2人でいてほしいなぁと切実に思った。
今回見終わった後久しぶりに2人のキャラソン「AGEPOYO☆DANCE!!」を聞いたのですが。
改めて歌詞を見ると、すごいね。ふざけてるね。
でも要所要所で2人の今までの道のりとか相手を想う気持ちが垣間見えて、それをふざけた歌詞が誤魔化している感じ。
それがすごく彼ららしくて良いなぁ、と改めて思いました。
後は他のキャラの話を。
まずガルと小太郎。
今回完全に人質要員でしたが……意味あったか?
あれかな、小太郎くんの中の人のスケジュールの都合とかかな……?
ハミィ。
体外組で最初に動いたのが彼女なのを見て、やっぱりずっと責任感じてたんだなって。
なまじ、ずっと凹んでいるバランスの傍にいたから、落ち込んでいてもあまり態度に出せなかったんじゃないかな、と思ったり。
だから、ナーガの最初の「ごめん」の時にちゃんとハミィちゃんの名前も呼んでくれてよかったな、と思った。
最後にアキャンバーさん。
今回雑に中の人ネタを回収していきました。いったいどこの樹液なんだ。
シシレッドオリオンの攻撃を受けてもけろっとしたまま退場した彼女。ますますテッチュウさんが浮かばれなくなりますが……。
彼女の顛末はもう少し後のお話に。
次回:なんか変な2人組が見えた気がする
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