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  • 執筆者の写真_ ぬぺ

29話 オリオン座、最強の戦士

獅子窟中に異獣なし 獅子の住むほらあなの中には獅子以外のけだものはいない。 すぐれた先生のもとには良い弟子だけが集まる。また、すぐれた人の周囲にはやはりすぐれた人が集まるというたとえ。
故事俗信ことわざ大辞典, (参照 2023-05-25)


【あらすじ】

現代にて、朽ち果てたオリオン号を見つけた現代班。

原因は分からないが、過去班に何かあり、そのせいでオリオン号が打ち捨てられたまま時間が経ったのではないかと考え、ひとまず船内に乗り込む。


船内に置かれた家具はグチャグチャ、埃も被って見る影もない。

大道具さんの苦労がしのばれる。


オリオン号に何も手掛かりが見つからなかったため、ラッキーは運転席に残されていたトケイキュータマを手に取る。


「みんなを見つけて、必ず一緒に帰ってくる」


単身、シシボイジャーでタイムトラベルを開始したのだった。



到着したのは333年前のチキュウ。「約300年前」とぼかされていた時代がようやくはっきりしました。3つの数字を足したら9になる徹底ぶりである。

到着したラッキーが目にしたのは、倒れ伏す仲間たちと不時着したオリオン号。


そして、怪しげな男が1人。




【オライオン】

倒れる仲間たちの前に立っていた男の正体。

以前、エリスによって名前のみ明かされていた男が満を持して登場。

白い服、右肩には毛皮と肩当てを付けた格好に彫りの深い厳つい顔立ち。ギリシャ神話に登場する「オリオン」のイメージをそのまま持って来ましたみたいなキャスティングにうなった記憶がある。

星空の様な色合いの棍棒を武器として使用。その威力は棍棒を地面に叩きつけた衝撃で3人同時にフクショーグンの膝をつかせることができる程。

更にバリアも使うことができる。最強の名は伊達じゃない。


彼こそツルギが招集した88星座系の戦士が1人、オリオン座系出身の最強の戦士である。

この時代において、ツルギをアルゴ船に封じたばかりってところだろうか。


いきなりラッキーを襲ってきた……かに見えたが、彼の狙いは後ろのデスワーム。ラッキーも加勢するが躱され、オライオンが持っていたトモキュータマを食った後に地中へ撤退。

333年後にラッキーたちが回収するのだが、それはまた別のお話。

それにしたってこの種もなかなかどうして長命である。もし知性があったらジャークマターに殺戮されとったぞあんたら。



未来からやってきたと言うラッキーの発言に眉をひそめるオライオン。

ひとまず仲間たちを治療したところで意識を取り戻したツルギも説得に加わり、なんとか信じてもらえました。

それどころか、88星座の戦士たちの戦いを見届けたキュウレンジャーたちを襲撃したのもドン・アルマゲだという。

すなわち、ドン・アルマゲは「復活した」のではなく、そもそも「倒せていなかった」。

88人を目の前で弔い、なんとか帰還して旗頭であるツルギを眠りにつかせたあとにこの事実を聞かされたオライオンの心中は察して余りある。



そこにやってきたのがなんとフクショーグン。

ツルギ抹殺の命を受けてやってきたという。確実にドン・アルマゲの指示が飛んでいると考えて間違いない。

そして1つ気になる点と言えば、フクショーグンの容姿が若干違うのである。

テッチュウ・ククルーガは右手の武器が無い、アキャンバーは服が違う。この333年の間に結構パワーアップしたみたいです。


仲間たちは怪我をしているので一旦オリオン号で避難してもらい、その間ラッキー・オライオンが戦闘。

頃合いを見て2人も戦場を離脱し、再びオリオン号ブリッジへ。

なおオリオン号は墜落同様に森の中に突っ込んでおります。少しでも飛んだのが奇跡だよ。



一旦情報を整理しよう。


88星座系の戦士たちが倒したと思っていたドン・アルマゲ。彼は本当は生きていた。それどころか、ジャークマターの機構は一切崩壊していない様子。

このまま333年ジャークマターの支配が続いたと思われる。


スパーダは、もう一度時間を遡って88星座系の戦士たちに加勢することを提案。

過去改変もやむなし、とツルギも同意しかけたが、これはトケイキュータマの事情で無理そうだとラッキー。

彼らが入手したトケイキュータマは、オリオン号の時間遡行+ラッキーの時間遡行の2回分しか使えなかった。ここで使ってしまうと、過去班が現代に帰れなくなる危険がある。


「難しく考えることはない。ツルギたちが与えたダメージが残ってるこの時代で、ドン・アルマゲを倒せばいい。」



これに待ったをかけたのはオライオン。

現在の戦力でドン・アルマゲに立ち向かうのは無茶だという。


「ドン・アルマゲを倒さなかったら、死んでいった奴らは無駄死にになる。それに、あんただっているじゃねぇか。オリオン座最強の戦士なんだろ?」

「今はこちらの戦力の回復を待つのが得策だ」


オライオンという男、自分の中で確固たる信念や方向性があり、それを曲げることを良しとしないのである。

どこかの誰かさんにそっくりである。


これを聞いたラッキーは、しばらく黙った後、そのままブリッジを出ていく。


「小僧どこ行く?!」

「……待っていたらドン・アルマゲも回復しちまう! やれるチャンスがあるのにやらないなんて、俺には理解できない! 俺一人でもやってやる」



その後。

オライオンはひとり川辺に座っていました。彼の様子を見に来たのはツルギ。


「あの小僧、ラッキーとか言ったな? 無茶苦茶なやつだ。」

「いや、そうでもないぞ?」


ツルギは、「戦う盾になる」と啖呵を切ったラッキーのことを思い出す。


「……ますます意味が分からん。」

「もしかしたらあいつは、俺様を超える伝説になるかもしれないなぁ。」

「信じられんな。」


話は少し変わって、オライオンの家族の話へ。

彼の奥様は戦いの最中に出産しているという。今は奥様の故郷であるシシ座系で暮らしている。戦いのせいで、オライオンはまだ子供の顔は見ていない。

そんな、急に死亡フラグと伏線を一度に置く事ある??


「俺の子供や、その子供たちが、戦わなくてもいい宇宙を作ってやりたかった」

「まだ間に合う。ここでドン・アルマゲをやれば、そんな宇宙ができる。」

「お前まで戦う気か? その身体じゃ無理だ!」


ツルギは武器を手に取り、まっすぐに歩き出す。

その先には、怪我をおして立つ仲間たちの姿。


「ラッキーがやるっていうなら、やらない訳にはいかないね」

「あいつのためなら、命を張れる。俺たちは全員、その覚悟がある。」


キュウレンジャーは確かにキュータマに導かれた戦士だけれど、それ以上にラッキーの幸運を、彼のカリスマ性を信じている仲間たちなのである。

ツルギの背中、その向こうで待つ仲間たちという絵が、本当に本当にかっこいい。



その頃、単身でフクショーグンに挑んでいたラッキー。


「俺が倒したいのは、ドン・アルマゲだ」


1人で敵を蹴散らすも、流石に多勢に無勢なラッキーの周りに、仲間たちも集結。

ツルギの参戦と同時にかかるBGMが最高にかっこいい。

休憩は終わりだ、1人で行くなんて、自分たちを頼れと言いながら駆けつける仲間たちが最高にかっこいい。

そして、それを陰から見守るオライオン。



が、やはり無理して戦っていることはフクショーグンはお見通し。

ククルーガによる一撃で、一行は追い込まれる。


「これで分かったか?ドン・アルマゲ様に刃向かえる者などいない!」

「そんなもん誰が決めた?! 俺たちは、なんとしてもドン・アルマゲをたおす。誰も苦しまない宇宙を作るために!」


あわや、というところで助けに入ったのがオライオン。


「『誰も苦しまない宇宙』か。小僧! お前の言葉を信じてやる。ドン・アルマゲを絶対に倒すぞ!」



オライオンという強力な味方をつけたキュウレンジャー。

いざ、戦闘開始。


巨大化したテッチュウはラプター・スパーダ・司令によるリュウテイオーで迎撃。「竜に翼を得たるが如し」がマジになってテンション上がっちゃう司令である。

途中からギガントホウオーも参戦して勝利。

ククルーガは相棒コンビと途中まではツルギが相手。


アキャンバーはオライオンとラッキーが息ぴったりに相手をする。

お互いに「おっさん」「小僧」と呼び、相手の呼び名がやや不満そうな言動を見せておりますが。

アキャンバーの攻撃も、同時にバリアを展開して応じる。


「この宇宙で懸命に生きている命がどれほどあるか。その命は、誰の物でもない!」

「宇宙はお前らの物じゃない。みんなのモンだ!」


2人の協力によって、頭上に謎の光が浮かぶ。

その力を以て放った攻撃は、近くの建物と山を砕いていくほどの威力。

全員が呆気にとられているうちに、その光は消えてしまいましたが。


その勢いにのって、2人でアキャンバーを撃破。

厳つい顔のおじさまが👍しているの、なんかいいね。



残るはククルーガのみ。

巨大戦組も合流して彼らを取り囲むが、そこに真っ黒なオーラが出現。

空に現れたのは、ドン・アルマゲであった。

ここぞとばかりに攻撃を仕掛けると、拍子抜けするほどあっさりと消滅。


すると。ヒュン、と小さな音と共にエネルギー弾が放たれる。

キュウレンジャーの背後で爆発。

状況が飲みこめずきょとんとするラッキーだったが、その一拍後に変身を解きながら崩れ落ちる。

この間、本当に一瞬。スパーダなんて完全に爆破に目が行っていてラッキーが倒れるのに気が付くのにかなり時間がかかった程度。

弾によって腹部が貫通。血を吐いて倒れるラッキーを見て、事態が飲みこめず焦る仲間たち。


そこに、ゆっくりと歩み寄る影が一つ。

それはローブを脱ぎ捨てる。

黒い体、奇妙な形の羽、皮が剥げて骨と脳みそだけになったような顔、顔を拡大し引き延ばした形のような胴体。

彼こそ、ショーグン:ドン・アルマゲである。


「さあ、次はどいつだ?」




【以下雑記】

踊ってる場合じゃねぇ!!



ということでラッキー編②です。

(①はアンラッキー回、③はクリスマス回だと思っております。)


ラッキー。

持ち前の明るい性格と元気さでだいぶ紛れておりますが、かなりの頑固者で、自分がやると決めたら絶対曲げない、ついでに指示されるのもそんなに好きじゃない。基本的に考えてる暇があるなら先に動こうぜの精神で生きている。

うーん文字に起こすとだいぶめんどくさい男だぞ。


でもなんでうまくやっていけているのかっていうと、「理屈がある頑固」「柔軟性のある頑固」だからだと思う。

ただイヤイヤ言うんじゃなくて、「俺はこうしたい、ここは譲れない線」というのがあって、そこは絶対に曲げない。その線が、「1人でも多くの人間を救って宇宙を平和にする」だと思う。だから、「宇宙は俺に任せてお前はすっこんでろ」とか、「回復を待とう」とか言われるとNOとなる。確かにそれも宇宙を救う手段のひとつだが、きっとそれは「少数の誰かを犠牲にして」という枕詞がつくから。ツルギ・オライオンはそこに目をつぶれるタイプなんだよね。どちらが良いか悪いかはさておき。


逆にそのラインを超えていなければ、頑固さはそんなに発揮されない。寧ろ人の意見を冷静に聴けるし、考えられる人。

指示されるのは好きじゃないって言ったけど、絶対嫌とかじゃないので司令に対して変に文句言ったりしないし。


だから最初は結構仲間との軋轢があったわけで。

でも今じゃ11人とも「ラッキーの譲れないライン」を知っているし、それを支持しているから「仲間」でいられる。

この12人って「ラッキーの幸運に賭けて宇宙を進む人たち」だと思っている。

それは決して一か八かの大航海じゃなくて、「彼が幸運をつかみ取るための思考回路と行動を理解して尊重する」ということ。

大人数で行動する以上、リーダーとそれ以外というジャークマターと同じ構図になるのは避けられないわけですが、それを「トップの意志で動く部下」に対し、「トップの意志に続く仲間」が打ち砕く構図が最高に最高にかっこいい。これが私が好きになったキュウレンジャーなんだよ。

それが詰まっている、仲間の元に歩いていくツルギのカットがはちゃめちゃに好きだ。



あとはちょっとした話を。


一人称視点カメラ復活嬉しいぞ!

司令が持つことで急にAPEXみたいなゲームっぽくなるの最高だよね。


ラプター。

ラッキーが倒れたシーンで最初に司令に助けを求めるのいいよね。

いつもはあんなに彼にぶちぎれまくっているのに、なんだかんだ信用しているんだなって。

なおその司令もラッキーの事態に呆然としていて、彼もまたラッキーに全幅の信頼を書けていたんだなぁって思ったり。


スティンガー。

ラッキーが倒れた瞬間、誰よりも早くドン・アルマゲがいる方向を見ていて良い。

戦士って感じ。


あとこのラッキーが倒れるシーン。

どこで話しておられたのかすっかり失念しましたが、岐洲さんがエゴサしたところ、英語圏の方がここで「ラッキー!」と言いながら駆け寄る仲間に対して「仲間が死にかけているのに『幸運だ』とはなんぞ?」と突っ込んでいるのを見てしまいウケたんだとか。確かに仲間の名前だと知らなかったらそう見えても仕方がない。


あとはラッキー足長いからやっぱり飛び蹴りとか回し蹴り映えるよねもっとやれくださいとか、

ラッキーやっぱり格段に叫びが上手くなってるよねとかいろいろ言いたいことはありますがきりがないのでそろそろ締めます。




次回:誰か私のためにAEDを準備しておいていただけますでしょうか?

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