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  • 執筆者の写真_ ぬぺ

25話 アンハッピー・カメラ

喧嘩するほどなんとやら




【あらすじ】

前回の一件をまだ引きずっていた大和。

元気なくぼんやりと外を眺める彼を心配する仲間たち。


ただし、心配のベクトルがみんな違うのである。



そんなところから始まるみっちゃん&レオ回です。




【門藤操】

大和を元気づけるためにやってきた男。


彼が差し出したのは古い釣り竿。

なんでも、彼が人生で初めて釣りをした時に使用していた思い出のアイテムだという。


「命の次に大切な宝物だ!」


……重い!重いよみっちゃん!!



もちろん大和は受け取ることができず、割って入ったレオにも「こんな汚い釣り竿もらってどうしろってんだよ」と(口は汚いが)ド正論をぶちかまされてすごすご退場。



落ち込んだ彼が街で見つけたのは不思議なカメラ。

 

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大切な家族や仲間、恋人とのひと時。

ふとした瞬間にこぼれる笑顔。

どんな時もシャッターチャンスを逃さない。

 

うーんうさんくさい。絶対に裏がある。寧ろ裏しかない。


みっちゃんも脳内会議を繰り広げましたが、

🐺:怪しい

🐊:写真を撮る時笑顔になるから大和にも効果はあるはず

🦏:形だけでも笑顔のきっかけになる。タダだし。



ということで無事購入。

森邸にとんぼ返りし、カメラを見せて写真を撮る。

先ほどのやり取りのせいでぎくしゃくしてしまったレオ以外の写真を無事撮影する…が。

撮られた4人が全員消滅。

事態を把握できていないまま、レオのしっぽに導かれてデスガリアンのもとへ。



町で暴れていたのはチームクバル所属:ジャシンガー

カメラで撮影した被写体を写真の中に閉じ込める能力を持っており、彼の能力から生まれたカメラを無料でばら撒いた張本人。

さらに面倒なことに彼の肩にもカメラが乗っており、その画角に入ってしまうとアウトというかなり厄介な敵。



カメラの能力を把握した2人。

2人でなんとかしなくては、と意気込むレオの隣で、操は。


三角座りをキメていた。



仲間たちを閉じ込めてしまったのは自分のせい、自分が余計なことをしたから……と落ち込む操。

レオは半ばイライラしながらも操がレンズに収められないように引きずり回す。

操が持っていた仲間たちの写真はうっかり落としてしまってジャシンガーに回収されたが、なんとか2人は相手を撒くことに成功。

あれを「撒いた」と言っても良いのかどうかに関してはちょっと審議が入りそうですが、それはそれ。



街中にて。

操はデスガリアンを探すと1人で歩きだす。もちろん人間なのでアンテナ的なものがあるとか、そういうことはない。

流石に無茶だと呆れるレオ。


「俺は、俺なりに考えて……!」

「そんなに考えても相手に伝わらないと意味ねぇんだよ!俺はお前みたいなやつ一番嫌いなんだよ!」


正直に申し上げて、2人とも割と対人関係難ありなんだよね。

操は考えすぎて気持ちが伝わらないタイプ。

レオは考えなさすぎて気持ちが伝わらないタイプ。

向かう方向は真逆ですが、結局はそっくりさん。


うじうじするな、はっきりしろ、と言われた操。

遠慮も何も無く自分のコンプレックスを的確に突いてきたレオに、珍しくぶちぎれた。


「じゃあほっといてくれよ!俺だって、こんな自分は嫌いだ!お前みたいに、思ったことをすぐ口にできれば違うかもしれない、でも、俺はお前じゃないから無理なんだよ!!なのに、おんなじようにしろなんてあんまりじゃないか!強引すぎる!俺だって、お前みたいなやつ大嫌いだ!!」


このシーン好き(語彙力喪失)

いつも比較的温厚なみっちゃんがぶちぎれて思ったことをハッキリ言うのも良い。それに彼の言っていることを解釈すると、「自分のできないことをできるレオはすごいし羨ましい、でもそれを強制するのは勘弁してくれ」なんですよね。レオへの褒めがワンクッション挟まっている。本音さらけ出してこれなのって純粋にものすごくいい人なんだなと思う。

一方聞いているレオも、最初は迫力に圧されてぎょっとしているけれど、これが操の本心だと分かった瞬間に見たこともないほど真面目な顔で、彼の目をまっすぐ見て真剣に聞いていて。

一見、おとなげない喧嘩の図なのに、言動の端々に彼らの性格の良さがにじみ出ていて大好き。


さて、みっちゃんの怒号を浴びたレオは。


「できんじゃねぇかよ!」


自分ごとのような満面の笑み。

大和の気持ちを上向きにしようと、ジューマンの中では一番に動こうとしていたところといい、彼にとって「周りの誰かがマイナス感情をため込んでいること」っていうのは一種のストレスというか、早く解決してあげなきゃ!って思ってしまうんじゃないだろうか。



「嫌いなものコンビで、いっちょ行くか!!」

ということで変な者同士、変なコンビを結成。



再び現れたジャシンガー。

実は割と冷静に状況を把握できていた操の作戦により、近くにあった顔出しパネルの裏に隠れた2人。

ジャシンガーの能力が及ぶ範囲は生物に限定されていた。つまり、無機物の後ろに隠れていれば一切効果は及ばない。


2人で一緒に銃で攻撃。顔出しパネルの顔はめ部分で銃を構えるというほのぼのした銃撃戦の開始……が、早々に失敗。

狙うべきと考えた場所が仲間を開放するためのカメラ・早く倒すための頭と割れてしまった結果であった。多分、これは単に対デスガリアンへの経験値の違いですね。初見じゃアイテム破壊=人質解放とは思わないよね。東映特撮では常識と化しているけど。


「俺たちにはアイコンタクトは無理だったな……」



とはいえちゃんとお互いの考えを確認すれば怖いものなし。

さくっと連携プレーで仲間を救出。6人揃ってジャシンガーを撃破。


巨大戦では若干のトラブルによって口論勃発。

タスク回と言い、操くん仲良くなった相手がいたら周りの人間はあんまり視野に入らないタイプである。


「2人とも、喧嘩している場合か?!」

「喧嘩して何が悪い?!」

「そうだ!喧嘩しねぇように、言いたい事言わねぇなんておかしいだろ?」


素直に自分をさらけ出したことによって大嫌いコンビは本領を発揮。無事に巨大化ジャシンガーを倒すことに成功したのでした。



戦闘後。

少し歩み寄れた2人は、一緒に釣りをしていました。

意外とグイグイ行くタイプのレオのスタイルも悪くないのかも、と思い直す仲間たち。


しかし、釣りとは「ひたすら待つ」もの。

レオの性格には圧倒的に合っていなかった。

川の中で取っ組み合いを繰り広げる、青春な2人で幕でした。




【バングレイ】

大和との戦いを経て面白いものを見つけてしまった怪人。

暇つぶしにブラッドゲームに参加する、というのを撤回してそちらに注力することにしたらしいです。


デスガリアンの皆さまはそれをジニスへの愚弄と捉えてお怒り。

しかしジニス様本人は、作戦を立てる時のポイントが1つ増えただけと楽しそう。失礼極まりない男を完全にゲームの一要素としか考えていない。流石の余裕、そして色気。




【クバル】

それを面白く思わないのがクバル。

仲間たちには「ジニスを愚弄して許せん」といった態度ですが、実際は仲間たちにも伏せて出陣し、本気でバングレイの始末に動き出す。



その理由はもちろん、前回記憶をチラリと読まれたこと。

彼が恐れていたのは最も見られたくない記憶を見られていたこと。そして、“それ”をバッチリ読み取っていたバングレイ。


「せいぜいお前の星が、あいつに滅ぼされたってことくらいだ」

「……やはり消えてもらいましょう」


いつもの品のある言葉遣いも若干外れるレベルの動揺。



ストレートに考えるのならば、

クバルの星はジニスのデスゲームによって壊滅。

生き残ったクバルはジニスに心酔したふりをしてデスガリアンに加入。

実は現在でもなお彼を暗殺できる機会を狙っている

となりますが……。


正直、デスガリアンはみんなゲーム大好き仲良しサークルの皆さまだと認識していたので、ここで一枚板じゃない可能性が出てきたのに動揺している。



あとついでに言うなら、上記の考察が正しかった場合、多分ジニス様そこも込みで楽しんでるよ。

自分が滅ぼした星の子が仲間になるの?絶対復讐目的だ、刺激が加わって楽しいぞ、せっかくだしリーダーくらいに取り立てた方がもっと楽しいぞ、くらいには思ってるよ絶対。




【以下雑記】

🦅4人がほぼ室内ロケだった今回。もしかしてもうそろそろ夏映画撮影期に差し掛かってる?


🦅ジュウオウジャー細かくて伝わらないここ好き選手権:変身シークエンスの時に、一瞬胸を張る際、ジューマンは人間よりも顎の角度が上になってるところ


🦅仲間に気を遣わせていることに気を遣う大和。彼が人懐っこいから分かりにくいだけで、彼って結構周りに壁を作るタイプというか、パーソナルスペースに誰にも入れたがらないタイプよね……。

🦅そんな彼の(物理的)立ち位置ですが、基本的に仲悪いコンビの間です。2人が喧嘩したら基本的に間に挟まることになります。既に彼の胃が心配。


🦅今回はレオの性格の解像度がかなり上がった気がする。今作、結構扱いづらいキャラが多いと思うのだけどよくここまでヘイトを溜めずにやってるなと思う。特にレオに関しては演者さんの解像度もかなり高いようにお見受けする。もう俳優業やっていらっしゃらないのが本当に惜しまれる……。




次回:みんなで結婚式だ(ホラー)

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