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  • 執筆者の写真_ ぬぺ

23話 俺様の盾になれ!

救世主の理想と現実




【あらすじ】

新たな戦士はあまりにも傲慢だった。

ひとまず彼の素性を知りたいというキュウレンジャーたちと、それに反発するラッキー。


そんな中、ツルギはシェフ・秘書と共に放送局に向かっていた。




【フクショーグン】

まずはこちらから。


ツルギが復活したことを知ったドン・アルマゲは、3人のフクショーグンを召喚。ツルギを抹殺するように命令を下した。

懸賞金が懸けられているとはいえ、ほぼお咎めなしで宇宙中を自由に動き回っているキュウレンジャーたちとは大きな違いである。前回もツルギが言っていた、一度倒されたという過去とか、[彼の依り代の個人的な諸々]とかいろんな思いがあるんじゃないかしら。

とにかく、ツルギの登場によってドン・アルマゲがかなり焦りを見せているのは事実。


フクショーグンはその名の通りショーグンの次に列席される最高幹部。

リベリオンに長年籍を置いている司令ですら存在も知らなかったという人たち。普段は何してるんだろって感じではありますが。

彼らがわざわざ出陣してくるなんて余程の事態です。

ツルギは眠りにつく前に彼らと交戦した経験がある。が、テッチュウは全く覚えがないという。これいかに。


今回登場したのはテッチュウ。お声は過去に忍者ブルーとして戦っていた土田大さん。フクショーグンたち、全員声帯が過去に地球を救った経験がある人たちです。スコルピオもドン・アルマゲ[複数人]も元ヒーローたちですからね。そりゃ強いよね。

ダチョウを彷彿とさせる長い首と鳥の顔が特徴的。右手はチェーンが巻きついた筒になっており、その先についている鉄球が武器。ぶんぶん振り回す様はなかなか凶悪です。悪役っぽくていいねぇ。




【鳳ツルギ】

さて、放送局に乗り込んだツルギ。

スタジオに乱入し、アナウンサーを蹴り飛ばしてカメラ前に着席。アナウンサーさんの吹き飛びっぷりが気持ちいい。同行していたラプターはカメラを担当し、スパーダはインダベーたちに銃口を向けつつ縛り上げる。どっちが悪役かわかりゃしない。


3、2、1、キュー👌の合図で全宇宙に放送を開始。


「全宇宙のみなさんごきげんよう。俺様は不死身の男鳳ツルギ。初代宇宙連邦大統領にして、真の救世主。そして、かつてドン・アルマゲを倒した唯一の男だ。」


確実に宇宙の全ての人が「なんだこの不審者は」と思うであろう放送をやってのけたツルギ。

オリオン号で待機していたキュウレンジャーたちが民間人の救出のために放送局に乗り込む中、ツルギは大物がかかってくれないか、と呟く。

つまりここで真正面からジャークマターに喧嘩を売ろうとしたのである。


最初に引っかかったのはおそらくこの局のプロデューサーとして働いているダイカーン:メディアツヨインダベー。拍子抜けする相手だったものの、そのあとフクショーグンのテッチュウが乱入。ツルギの作戦は無事成功したようです。



民間人の避難が無事完了したため一旦撤退。

司令の指示、さらにラッキーの頼みにも関わらずテッチュウとの戦闘を優先し、さらにその間に民間人を庇ったラプターが大怪我を負う。


外で一旦落ち着いた一行。

自分が何をしたか分かっているのか?!と怒鳴るラッキーだったが、ツルギは特に態度を変えることはない。


「宇宙を救おうとしただけだ。小さなことに囚われてちゃ宇宙は救えない。フクショーグンを倒す事。すなわち、宇宙を救う近道だ。」

「民間人を危険にさらすことが小さなこととでも言うのか?!」

「犠牲も無く宇宙を救えるなんて思うな。俺様なら、迷わず救われる命が多い方を選択する。」

「犠牲?ラプターの怪我も、必要な犠牲か?!」

「俺様と一緒に戦いたいなら、俺様の盾になれ。」

「盾?誰がお前の盾なんかに!」

「かつての仲間は、俺様の盾になった。ある者は二度と立ち上がれぬ体となり、ある者は命を喪った。それができないなら、救世主の名前を返上しろ」


珍しく逆上して掴みかかるラッキー。必死で止める仲間たち。


「俺様はひとりで、永遠の命を手に入れた俺様にしかできない使命を果たす」


わけわかんねぇ、と吐き捨てて立ち去るラッキーと、それを追いかけていく仲間たちを見送るツルギ。


「あーあ、頭に血が昇っちゃって。若いねぇ。」


ホウオウキュータマのおかげで見た目が変わっていないので大変分かりにくいのですが、この男、中身は結構なお爺ちゃんなんですよね。こういう台詞があると思い出すよね。



永遠の命、とかなんとか気になる発言があったため、ツルギ同行組も、オリオン号待機組もそれぞれにきちんとツルギの過去が知りたくなった。

同行組は本人に、待機組はバランス・チャンプの身体を張った協力で捕まえたエリスに話を聞く。


ホウオウキュータマを発見した鳳ツルギ。

類稀なるリーダーシップを以て宇宙を束ね、宇宙連邦大統領となったのは本人が言った通り。

その力の源には、ホウオウキュータマが彼に与えた不死身の力があった。


彼が膨大な時間をかけて作った平和を脅かしたのがジャークマター。

ツルギは各星座系から集めた88人の戦士を引き連れてアルゴ船に乗り込み、ジャークマターに殴り込みをかけた。

多大な犠牲を払いながらもドン・アルマゲのもとにたどり着いたツルギは、最後の手段として永遠の命を力にかえて敵を打ち倒すことに成功。傷つきながらも帰還する。

生き残りの1人であったオライオンは、いずれドン・アルマゲが復活すると考え、アルゴ船復活の鍵をなるキュータマをエリスに預けたり、ツルギをコールドスリープさせたりしたという。


なお、コールドスリープのシーンではしっかり上裸な鳳ツルギ氏。

あの毛むくじゃらのバケモンが爆誕した原因の一部はオライオンが担っていたようです。

多分ホラ、あれだよ。傷治さなきゃいけなかったから、ある程度細胞の動き?みたいなのを残しておく必要があったんだよ。結果として毛が伸び放題になってたんだよ。多分。うん。


「だからお前たちは、ドン・アルマゲとの戦いからは手を引け。ここから先は俺様だけで十分だ」


🧚‍♀️「鳳ツルギとラッキーが共に戦えば、再びドン・アルマゲを倒すことが出来るかもしれんな」


「だからって、なんで俺たちがあいつの盾にならきゃならねぇんだ」



そこに、ジャークマターが現れたとの知らせが入る。

再びメディアツヨインダベーの登場です。ザギンでチャンネーとシースーがかかっているので必死です。


現地で合流したラッキーとツルギはすぐに口論を始める。


「自分たちの甘さが分かったか?」

「甘いのはあんただろ?!仲間を犠牲にして、永遠の命を捨ててもドン・アルマゲを倒せなかった」

「お前ならできるとでもいうのか?」

「できねぇよ!俺はあんたとは違う! 1人じゃできねぇから仲間がいるんじゃねぇか。仲間は盾じゃない!俺たち全員で、ドン・アルマゲをぶちのめすだけだ!」

「口だけは達者だな」

「口だけじゃないところを見せてやるぜ。みんな!行くぞ!!」


それぞれに名乗りをあげて戦闘開始。

放送局の一行に加えて、テッチュウが召喚したメタルデスワームが敵として立ちはだかる。

メタルデスワームはツルギ・ラッキーのダブルレッドが相手をする。

煽ったり、ちょっとぶつかっちゃったりしていますが、控えめに言ってもとても良いチームワークです。そもそも2人とも「仲間がいる前提の戦い方」が身に染みてそうだよね。


地上戦はさらっとクリア。初めて出てきたメタルデスワームくん、驚くほど見せ場がありませんでした。


巨大戦ではメディアツヨインダベー・メタルデスワームに加えてモライマーズロボが登場したため、リュウテイオーも共に出動。キュウレンオー・ギガントホウオーと並んでいるところは中々見応えがあります。

飛び去ってしまったモライマーズはワシボイジャーが背中に合体して空を飛び、撃破したのでした。


「「「「「「「「宇宙は俺たちが取り戻す!」」」」」」」」

「今、伝説が始まる」


「ん?俺様に合わせろよ!」



オリオン号に帰還した一行。

まだ何かを知っているであろうツルギは、絶対に仲間として迎え入れたい。でも、言いなりになる気はない。

それが今の彼らの方針と言って良さそうです。


地上に残ったツルギはというと……シェフのカレーに完全に胃袋を掴まれていたのでした。




【以下雑記】

いや~~いけ好かねぇ男~~~~!!!!(2回目)

前回も思ったけど今回も思ったよ。こいつ本当にいけ好かないなって。

さっきも書いたけど放送局でやっていることはどう考えても敵役がやることだよ。テロリストがやるやつだよ。ほんと面白いな鳳ツルギ。好きだぞ。



追加戦士が入って来てすぐ対立するのなんて戦隊では日常茶飯事。

思えば前作が異常だったのです。初期メンバーが気を遣うタイプだったんだから。


今回の対立の軸は、「現実を見るか、理想を語るか」に集約されると思います。

以前も書きましたが、今作の「救世主」の定義は「誰一人取りこぼさずに救うことができる人」。民間人は助ける。戦闘は他人に危害が及ばない場所が望ましい。仲間も大切にして、みんなで乗り越えていこう、というのがこの時代の救世主の在り方。


そんな彼らに「それって理想論でしょ?」とぶつけてくるのが鳳ツルギ。

今回彼が語った通り、ここまで様々な戦闘を潜り抜けてきた彼からすれば、それが事実上不可能なことくらい分かっているはず。数多の屍の上に平和は成り立っていて、その中には自分が見捨てたからできた屍が含まれていることもきっと身に沁みて知っている。


それを見てしまったツルギと、まだ見ていないラッキーたちとでは、そりゃ差も出る。



でも別にツルギだってそれをなんとも思っていないわけじゃなくて。

結局はこれ以上自分の目の前で誰かが死ぬのに耐えきれないんだろうと思う。「ある者は二度と立ち上がれぬ体となり、ある者は命を喪った」なんて台詞、言い換えたら88人もいる仲間たち全員、どこでどんな風に活躍してどうなったか全部覚えてるってことでしょう?それだけいろいろ引きずってるんだろうなってことくらい分かるよ。そもそも本当に人間を盾程度にしか思っていないやつはわざわざ相手に「盾になれ」なんて言わないよ。

傲岸不遜な俺様野郎に見えて、いろんなものを抱えていて繊細で臆病なところもあるのが人間らしくて好きなんだ。


「戦いからは手を引け」って台詞はすごく切実に聞こえる。基本的に行動の根底に「これ以上誰も傷つけたくない」っていうのが見えるんだよね。11人を遠ざけよう遠ざけようと必死。

あと多分だけど、「盾になれ」っていう言葉遣いに関しては、敢えてラッキーの地雷を踏みに行っていると勝手に思っています。



前回の様な手段も無いのに1人でなんとかする、と言っているツルギですが、やっぱりラッキーが言っていることが理想だと思っているのは事実。

「仲間は盾じゃない!」って言われて少しラッキーの方を見る時のツルギの顔がね。羨ましくて眩しくて、もしかしたら彼らならやってくれるかもしれない、って少し縋るような表情が、本当の鳳ツルギなんだと思う。若い頃の彼も昔はこんなこと言ってたんじゃないかな。

こういう彼の本心が部分部分で顔を覗かせるから、この人は悪い人じゃないんだなって思える。ここのツルギの顔見た時、あああ南さん本当に鳳ツルギになってくれてありがとうございました!!!って思ったもん。



ひとつだけ、ツルギ以外の話を。


キールに派遣されたバランス・チャンプ組。

エリスは愛しのラッキーが居ないことでご立腹。バランスにビンタを食らわせていました。そんなことだと思ったよ。左頬の手形が痛々しい。

ラッキーが居ないことに拗ねたエリスをなんとか探し出して話を聞くことに成功。なおバランスの右頬も犠牲になっていますがね。

帰還したバランスは褒めて褒めて~!と言いながらブリッジに登場。相棒から「たいへんよくできました」と言ってもらったものの、それでも足りなかったのか「ほれ」と頭を突き出して撫でてもらい、ジャンプして喜んでいます。300歳オーバー成人男性がやっていいあざとさではない。

というか、褒め→ 頭突き出し→ なでなでを無言でできているので、おそらくこの2人の中ではこの流れ日常的にやってます。なんですかこの人たちは。




次回:ラッキーの答え

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