2話 秘伝のレシピ
- _ ぬぺ
- 2022年1月23日
- 読了時間: 3分
今回の依頼人は大手ラーメンチェーン店のオーナー:夏。
友人:林貞とラーメン店を営んでいたが、メニューを担当していた彼女は独立。
残された夏は看板メニューを取り戻すためにレシピに使われていた調味料が何だったのか調査してほしかった
写真はたくさん渡されたものの、いい手がかりは全く得られないまま。
分かったのは2人の関係の実態。
夏の話を聞いていると、一生懸命店の経営に邁進していた夏・そこに非協力的で、唐突に独立してしまった林貞、という構図に見えてくるが、本当は逆。
変わってしまったのは夏の方。
出発点であった「夏林面店」という小さな店で、ルームメイト時代に提供していたありあわせの具材が乗ったラーメン:女子寮ヌードルを提供する。
それが林貞の理想で、それで良かったのだと思う
経営担当の夏は店を大きくすることに心血を注ぎ、
ネットを使って仕入れをシステム化したり、大衆受けする名前に店名を変更したりと工夫を重ね、全国に店を展開するまでになった。
けれどその時点で林貞の心は離れていて、それに夏は気が付けないまま、ここまで来てしまったのでしょう
お互い、相手の意志を確認しないまま走ってきてしまった
最後の1枚は林貞が撮った写真。
帰りのタクシーで切符を発見、タクシーの運転手の発言から襄庄にのみ生息する植物、「香花草」の粉末であると推定。
夏に結果を伝えると、「それで間違いない」とのこと。
見落とされていた最後の1枚。
2人がルームメイト時代に撮った写真であり、林貞が今でも携帯の待ち受けにしている写真。
襄庄は夏の故郷であり、香花草という地元に伝わる秘伝の調味料の存在を伝えたのはほかならぬ夏だった
林貞は当時の思い出をずっと大切に抱えていた
だからこそ、「レシピを渡して」と言われた時、きっとショックだったんだろうな…
夏は久しぶりに帰郷。
そこでは小さなラーメン屋を営む林貞の姿が。
「お帰り」
前回、後味の悪い終わり方だった分、今回の暖かい終わり方は心に染みた
またあの2人が良い関係を築きなおせますように。
さて、問題の「香花草」。
日本語で調べても出てこないんだなこれが。
全部中国語で泣きそうになりました
まずは地名:襄庄。これはそもそも架空の地名。おそらくモデルは襄陽。
そして香花草は、調べたら(中国語で)出て来ました。
おそらく中国版のYahoo!知恵袋みたいなページより引用。
《时光代理人》中的襄庄和香花草粉真实存在吗?
(《時光代理人》中国の襄庄と香花草の粉は本当に存在しますか?)
これに対して32のいいねをもらっている回答を抜粋。
我们这边也有一种叶子带有类似于茴香和薄荷香混合的香味忘了叫啥了 用来揉碎涂在蚊子咬的包上止痒消肿的 不知道和那位答主说的一不一样
名前は何と呼んでいたか思い出せないが、ウイキョウに似た葉っぱで、ペパーミントのような香りの植物が襄陽に生えているとのこと。
すりつぶして肌に塗布することで、虫刺されに効くんだとか。
最後の1文で「香花草と同じかどうかわからない(意訳)」と書いてありますが、
ウイキョウはフェンネルとも呼ばれ、「スパイスとして肉料理や魚料理によくあい、サラダやケーキに混ぜたり、リキュールの着香料にもする。」(日本大百科全書)とのこと。
香花草そのものが存在するかは分からないけれど、ぽいものは実際にあるみたい。
少なくとも、中国ではお馴染みのアレ!ということではないみたいです。
いや、久しぶりに中国語読んだ。
私の意訳なので間違ってたら本当にごめんなさい…
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