18話 緊急出動!スペースヒーロー!
- _ ぬぺ
- 2023年4月15日
- 読了時間: 10分
コラボ回。すなわち細かいことを考えたらいけない!
【あらすじ】
ラシンバンキュータマがマーダッコに盜まれた。
慌てて追いかけるキュウレンジャー●●●●● だったが、マーダッコは近くに会ったブラックホールの中へと吸い込まれてしまう。
一度入ったら99%の確率で帰ってこられないというブラックホール。
しかし残り1%に賭ける男がいるのがキュウレンジャーである。
ブラックホールを抜けた先で彼らがたどり着いたのは、平行世界の地球であった。
既にあらすじの時点で全ての理屈をぶん投げた展開でしたが気にしてはいけない。
平行世界を超えた共闘の開始である。
【特捜戦隊デカレンジャー】
ガル・ハミィ・司令の3名がたどり着いたのは人で賑わう遊園地。
生まれて初めて目にする「平和」に盛り上がっているところにやってきたのは……
■「宇宙警察だ!」
デカグリーンこと江成仙一と、デカピンクこと胡堂小梅。
彼らから見れば、惑星間ビザも持たずに地球に乗り込んできた3人は立派な惑星不法侵入者である。
■「……って、ボス?!」
●「えぇ?俺はボスじゃない、ガルじゃ」
■「でも……御親戚とか?」
●「俺に親戚なんかおらん!」
どさくさに紛れてこんなしんどい台詞ガルに言わせないで……
彼らが連れていかれたのは宇宙警察地球署:ネオデカベース。
取り調べを受ける3人だったが、平行世界からやってきた彼らのデータがデカレンジャーのもとにあるはずもなく、話はなかなか進まない。キュウレンジャーの焦りは大きくなるばかり。
そこに助け舟が現れた。
地球署署長:ドギー・クルーガー。
●「えっ?!ガルのお兄さん?」
●「ほんとじゃ!この顔は……!兄貴~~!会いたかったガル~~!……って何やらすんじゃ」
●「弟さんには、いつも助けられています」
■「いやいや、これからも弟をよろしく(深々)」
●「よろしく(深々)」
■「いや俺にまでやらせるな!」
■「って、ノったのボスのほうでしょ?」
※ここは取調室です
というか君たちよ~~くガルとドギーの顔見比べてみ?そんな似てないから。
とまあ全員が愉快に茶番を披露したところで、ボスが一言。
■「君たち、急がないと100%帰れなくなるぞ」
冒頭で一行がワームホールから出てくるところを見ていたデカレッドこと赤座伴番。即座にボスに連絡していたためキュウレンジャーたちが事故でこちらに来てしまった人たちであることも分かっていた。
例の彼らが出てきたワームホールは現在縮小中。
ひとまず今ネオデカベースにいたキュウレンジャー3人+デカレンジャー5人で協力して、少しでも時間を稼ぐべく動くことになりました。
過去映像ですがデカレンジャーが揃っているのはなかなか感慨深いのでは。
【宇宙刑事ギャバン】
ワームホールから出た時点ではぐれてしまったラッキーとナーガ。
ラッキーなことに機械も含めて無事、さらにすぐ近くにマーダッコがいた。
しかしアンラッキーなことに、彼女の傍には男が一人。
宇宙刑事ギャバンこと十文字撃。
彼はマーダッコの話を信じ込み、彼女がタコ美という宇宙人であること、ラッキーとナーガは彼女を追っているストーカーだと理解。有無を言わせぬ迫力で襲い掛かってくる。なんだその「タコ美」ってネーミングは。
一切こちらの話を聞く気がない撃と、「とりあえず話を~~!」と言いつつ殴りかかっていくラッキーのせいで話がまったく進まない。
結局、ナーガが身を挺して2人の間に割り込み、両頬にパンチを受けたことで一旦沈静化。そこから今日1日ずっと口元に傷があるのが痛々しいやら面白いやら。
ようやく話が通じたので自己紹介やらなんやらを済ませた3人。
ギャバンの職業は「おまわりさん」。
●「『おまわりさん』とはなんだ?」
■「お前たち、おまわりさんを知らないのか?」
●「ああ。聞いたことがない」
■「おまわりさんというのはな?町のみんなが安心して暮らせるよう、その安全を守る人たちのことだ」
●「なるほど、それが『おまわりさん』……やはり俺たちの宇宙にはいない」
●「俺たちの宇宙は、ほぼ完全にジャークマターに支配されている。」
「最初から、町の皆には、安心も安全もない」
そんな惨状に「なんてこった!!」と数か月後にはめちゃくちゃ聞くことになる台詞を叫びながら、平行宇宙の惨状を憂う撃。
そんな悪の組織を壊滅させるのも自分たちの仕事だ、という撃に、
●「それって、救世主じゃねぇか」
「そんな大きな理想を持ってて、それを実現させる強さもあるなら、救世主だろ!」
そんな大それた存在じゃない、と笑う撃と、じゃあ「究極の救世主」たる自分たちの方がすごいと豪語するラッキーでした。
その上空を横切って行ったのは、撃の宇宙船:超次元高速機ドルギラン。
3人が仲を深めている間にマーダッコはちゃっかり宇宙船をジャックして元の世界に戻ろうとしていたのであった。
後を追う3人。撃はシシボイジャーに無理矢理乗り込んで勝手にハンドルを操作したうえでドルギランに追いつく。「よろしく勇気!」とだけ言い残して生身のまま船に乗り込んで船内で戦いを繰り広げる。
演じる石垣さんがめちゃくちゃ動ける方なので、アクションの見応えがすさまじい。動きのキレがすごいのよ。
ドルギランは不時着し、戦いの場は外へ。
そこにボイジャーで追っていたキュウレンジャー、さらにボスたちとの連絡を終えたデカレッドが合流。
全員で情報共有を行った後、
●「じゃあ、とっととラシンバンキュータマを取り返して」
●「ああ」
■「お前らをもとの宇宙へ返す」
■「そういうことなら俺も手伝ってやるぞ」
●「力を貸してくれるのか?」
■「決まってんだろ」
■「俺たちは『おまわりさん』だからな」
■「よっしゃぁ!行くぞ後輩!」
●「後輩?」
■「お前ら宇宙『戦隊』なんだろ?だから可愛い後輩だ!」
●「よく分かんねぇけど、ラッキー!」
ということで、4人横並びの変身。
全員エフェクトが星っぽくキラキラしていて良いねぇ……。
赤2人、銀2人という変わったカラーリングですが、同じ色が複数あるのがコラボらしくて良いですね。
ということで赤は赤同士マーダッコと、銀は白っぽいデスワームとのバトル。
ギャバンさんビームも剣戟もいける手数の多さのおかげでアクションがめちゃくちゃかっこよく決まる。
デカレッドさんは銃撃メインですが、特撮名物:「飛び道具は鈍器」で戦い抜く。
トドメはオールスタークラッシュ・ストライクアウト・レーザーZビームの合わせ技。
ラシンバンキュータマも無事に手元に帰って来ました。
デスワームは巨大化しましたが、ギャバンの使役する電子星獣ドル、さらにキュウレンジャーを迎えに来たリュウボイジャーが並んで共に撃破。
ギャバンに合わせてなんとなくリュウボイジャーの頭に乗っかったラッキーも合わせてあっさりめに撃破。
そのままキュウレンジャーは帰還。ラッキーは新たな先輩たちのお礼を言った後、無事に元の宇宙に帰って行ったのでした。
それぞれの場所で彼らの帰還を見守った先輩たち。
小梅・仙一両名は結婚式が近いのでビザを取ったり美容院に行ったりと忙しいらしい。
ちなみに式を挙げるのはワイハー星。もしかして:ハワイ🏝
■「ウメコ、行こう!」
■「オッキュー!」
■「オッキューは……論外だろ」
3話の台詞をここで回収しました。ありがとう。
帰還した5人をもてなしたのは、エプロン姿のスパーダと、フリルの真っ白いエプロンを身にまとったバランスとラプターの両名。なんでこんなに違和感ないんだよこの人らは。特にバランス。
彼らが作ったのはたこ焼きらしきモノ。
タコの怪人を倒した後にそんなもん出されると原材料を問い詰めたくなりますが大丈夫でしょうか。
地球を見た思い出を語り合い、改めて打倒ジャークマターを近うのであった。
そしてその頃、リベリオン本部では。
思い詰めた顔のスティンガーはセイザブラスターを外し、キュウレンジャーのジャケットを脱いでローブをまとう。
その眼光の鋭さは、司令にスカウトされる前のもの。遂に1人で歩きだすことを決めてしまったのでした。
【以下雑記】
ということでコラボ回、というか番宣回でしたね。
2017年6月17日に公開されたギャバン・デカレンジャーによるVシネマ「スペース・スクワッド」の告知を兼ねた夢のコラボ。
とは言えな~~なんでキュウレンジャーでやったんだって気持ちが無いというと嘘になる。
というかそもそも地上波でのコラボ回ってあんまり……派なんですよ。
初めましてのキャラクターを連れてきて、その人たちの紹介をして、お話を進めて見せ場も作って、とするのは30分では短すぎる。
さらに今作「別の宇宙」っていう設定が更に事態をややこしくしているのよ。こんなにコラボに向かない戦隊がかつてあったでしょうか。というか今回のスペスク、キュウレンジャーは一切関係ないし。
しかもメイン脚本とは別の人の手が入らざるを得ないからキャラブレもしやすい。今回もね……。ギャバン・デカレンはどちらも未履修なので言及は避けますが。でもラッキーは気絶したナーガをそんな容赦なく叩くタイプじゃないもん……。他人の健康とかかかっている状態でよっしゃラッキーするような人じゃないもん……だもん…………(推しにつき荒ぶり中)
あとガルの親戚いないネタをそんな軽く扱わないでほしかった。故郷での大虐殺ってガルにとっての一番の傷で、命を懸けて戦う理由じゃん、そんな使い方しないでほしかったよ切実に。(ボスと似てるネタはノリツッコミとして成立していたのでアリかな。実際に似ているかどうかはさておき。)
コラボをやるなら春映画方式(10分弱、現在放送中のライダーと戦隊でのコラボ)とか、もういっそ思い切ってジュウオウとゴーカイコラボ回くらい尺を割くとかしてほしいなって。
(ゴーカイに関しては彼らが全員無法者だったから多少は何やっても許されるのがデカい。ジュウオウの時も、ゼンキラセンパイの時にも思ったけど。)
どうする?また鎧武コラボの話する??2回宣伝回やっててどっちもタイミングが最悪だった作品の話なんですけど。
とはいえ、やはりキュウレンジャーたちが「平和な世界」を見ることができたというのはすごく良かったなと思う。
「おまわりさんって何?」みたいな、彼らの宇宙ってやっぱり酷い状態なんだなって思わせてくれたのは、全体の1/3が既に終わっている今、立ち位置を再確認するという意味でもよい回だったと思います。
てかえ、もう1/3終わってんの??マジで言ってます??自分で書いてて狼狽え始めた。あまりにも信じられなくて「18×3」を何回か計算し直したうえに電卓を引っ張り出した。54だった。計算合ってた。は???
閑話休題。
今回しみじみと思ったのは、「救世主」の必要性。
「おまわりさん」って手が届く範囲は自分の管轄のみ、やることも交通整理に人助けに泥棒排除……と生活に根差した安全を守る事。
そんなささやかな日常を守る存在がないからこそ彼らの宇宙にはもっと大きくてもっと夢物語みたいな「救世主」が必要なんだよね。宇宙全体をまるごと救ってくれる存在で、「大きな理想を持ってて、それを実現させる強さもある」存在。それって結構覚悟も能力も必要とされることで、そんなめちゃくちゃすごい人の存在にすがって生きていくしかないのが彼らが生きている世界なのかなぁなどと思いながら見ていました。
あとは最後のこの台詞ね。
●「びっくりしたよな!別の宇宙にも正義を守る先輩たちが居て、しかも、平和を実現していたなんて!」
●「ほんと良かったよね、向こうの宇宙!」
●「笑顔がいっぱいでのぉ!」
●「そう。こんな風に(表情筋が軋む音)」
●「俺たちも早く取り戻そうぜ!『平和』ってやつを!」
まず「平和を実現していた」ね。
ほとんどの戦隊が「もとからあった平和を守るために戦う」だったんだけどね。
それに「平和ってやつ」って言い方で、あぁこの人たち生まれてこの方「ジャークマターが支配していない宇宙」ってものを見たことが無かったんだな、って噛みしめたよね。全員幸せになれよ……
あとはつらつらと軽い話を。
遊園地のシーン。メリーゴーランドでめちゃくちゃ笑顔でこっちに手を振っている白シャツにジーパンの男性は司令役の神谷浩史さん。一緒にこっちに手を振っている人たちは関係者なのかな、どうなのかな……
さらにその後のバイキングで後ろから2列目の左側に座っていらっしゃるのはボス役の稲田徹さんです。
人気声優になにやらせてんですか東映は。でもこの2人ならめちゃくちゃ楽しそうに遊園地来てくださるんだろうな~
ソースは完全に失念したんですけど、今回撃と一緒にいる時間が長かった岐洲さん。
ファーストコンタクトの印象が「怖かった」とか、あまりのかっこよさに一時期「蒸着」が大流行した話とかされていた気がする。インタビューの文面から本当にこの回の撮影楽しかったんだなーって思って面白かった記憶がある。
次回:不思議な妖精と蠍の逆襲
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