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  • 執筆者の写真_ ぬぺ

13話 スティンガー、兄への挑戦

更新日:2023年4月18日

わだかまりが無くなる時




【あらすじ】

チキュウの一画。

治めている地域の住民の問題を聞くだけ聞いて何もしないという圧政を敷いていたモンドムヨインダベー

それを後ろから見ていた男が1人。


「……ぬるい。暴力、苦痛、恐怖。それが支配だ」




【スティンガー】

無事にキューレットに選ばれて出撃。

地上に広がっていたのはまるでゾンビ映画の世界。

ゾンビ化した人やインダベーに攻撃された人間・インダベーは漏れなくゾンビ化していくという形で感染。そしてその状態はスティンガーの尻尾から出る解毒剤で解除することができる。


つまり、彼はこの毒の正体を知っている。



「司令。この作戦が終わったら、しばらく単独で行動させてくれないか?」

「スコルピオか?」


「……もしかして、前言っていた、スティンガーのお兄さん?」




【スコルピオ】

スティンガーのただ1人の兄。スティンガーがまだ小さかったころは彼の面倒を見て、気弱な彼のことを精神的にも肉体的にも支えてくれた良き兄。

スティンガーが持っているペンダントは兄から「これを自分と思え」と渡された思い出の品。


しかしそんな「弟を守る」気持ちが暴走し、より強い存在、即ちジャークマターの傘下へと下る。

自分の毒をジャークマターのために使う、とショーグン:ドン・アルマゲに誓ったことで認められ、彼から直々に怪人態を賜ったという経緯を持っております。


現在の肩書はサソリ座系のカロー。



今回本格的にその容姿が解禁。

肌色の下半身に灰色のアーマーで覆われた胸部。上には膝下くらいまでの丈のコートを羽織る。手は手袋をはめつつ、ネイルっぽく赤い部分があるのがセクシー。コートの模様とか肩の意匠とかがサソリっぽくて大変よい。

攻撃の際は人間態のときからあった尻尾を右足に巻き付けて強化してライダーキックを放つ。壁に刻み付けられた紋章がかっこいい。

頭部は節足動物の足っぽい髪の毛を後ろで束ねたデザイン。

顔についている赤い部分は仮面です。右目だけ見えるのが凶悪感増していて良いです。この仮面のお気に入りポイントなんですけど、ラメが入っているんですよ。キュウレンジャーのメットと、同じなんですよ…………


演じるのは「鎧武」の貴虎兄貴でお馴染み久保田悠来さん。

顔出しアリ、アフレコも安定、何より敵としての強大な雰囲気と色気がタマらないです。この作品、敵キャラがめちゃくちゃに良いんですよね……。



本人の発言によると、カローになったのはつい最近。

それまではジャークマターの反逆者を相手にする殺し屋だったという。


ジャークマターの反逆者。例えば、アントン博士とか。


以前チャンプが見かけたスティンガーとそこに倒れ伏すアントン博士のシーン。

あれはスコルピオの居場所をようやく掴んだスティンガーが現場に駆け付け、慌てて解毒したものの間に合わなかった、というシーンであった。


●「てめぇ…なんでそれを隠してた?!」

「言ったところでどうなる?兄の罪は俺の罪だ!」


最初に「なんで隠していた?」が出てくるあたり、チャンプ良い牛すぎる。

でもって叫んでいるスティンガーがね。いつもよりずっと子供に見えるのよ、表情とか雰囲気とか。


「スティンガー。スコルピオを見つけたらどうするつもりだい?」

●「まさか説得するとか言うんじゃねぇだろうな。……てめぇの正義はどこにあると聞いてるんだ!」

「……もちろん、奴はこの手で始末する」

「そんなのダメだよ!」


ここで一番スティンガーの話を聞いている小太郎がきちんと止めに入るのが好きです。



一旦話は保留。

とりあえず今は現地の人々の避難を優先することに。


スティンガーがオリオン号に送ったデータをもとにBN団が作った解毒剤を各々手に持ち、街の人を救う作戦に出る。



といっても、先ほどの一件が気になる仲間たち。


思わず昔の優しい兄に想いを馳せるスティンガーを見た小太郎は、

「兄弟で憎しみあうなんて…ほんとは迷ってるんだろ?」

と声をかける。

以前の、「弟に誇れる兄であれ」という言葉は、心のどこかでスコルピオが自分の自慢の兄に戻ってくれることを期待しているのではないかと。


何もかも黙って自分のせいだと言っていたスティンガーに憤るチャンプには、司令から「いろいろあるの」と説明。

スティンガーはキュウレンジャーとしては司令が最初にスカウトした男。

当時、何もかもを投げ打つようにスコルピオの居所を探っていたスティンガー。その方法は無難とか安全とかの言葉とは程遠かった。破れかぶれというか、自分の命すら軽んじる危うさというか。

偶然そんなスティンガーと出会った司令は、殴りかかってきたスティンガーを片手でいなし、彼がキュータマを持っていると知ってキュウレンジャーにスカウトしたのだった。つよい。

それ以来、彼なりに冷静に過去に向き合おうとしている。でも本当は兄を救いたいと思っているはずだし、(これは後半に顕著になりますが)彼は生来不器用なひとなので。多分、「全部自分が背負う」以外の方法が分かっていなかったんだと思う。


チャンプの脳裏に、またアントン博士がよぎる。


👨‍🔬「戦いに心を奪われちゃいけないよ。誰かを救いたいという心を失えば、お前はただの機械になってしまう。」


●「……あの野郎」



そのまままっすぐ、スティンガーのもとに駆け付ける。


●「もう一度聞いてやる。スコルピオを見つけてどうするつもりだ?」

「何度聞かれても答えは同じだ。……兄は俺が倒す。」

●「信じられねぇな!てめぇ迷ってるのバレバレなんだよ。てめぇが本当にやれるかどうか、吾輩が付いて行って確認してやる。」

「つまらんことを考えるな。これは俺の問題だ!」

●「うるせぇ!てめぇにとっては兄かもしれんが、吾輩にとってスコルピオは博士の仇だ!てめぇができなくても、吾輩がやる。だから、勝手にひとりで背負ってんじゃねぇ!」

「お前……」


もしお前ができないなら、自分が代わりにやってやる。肉親を手にかけるのが辛いなら、抵抗のない自分が代わりにやる。全部全部自分が、なんて思わなくたっていい。

チャンプからの最大の「仲間として受け入れた」発言です。良い。

スティンガー的には巻き込みたくない、自分たちだけで終わらせたいって気持ちもあるんだろうけれど、それ以上に彼にはもう仲間がいて、自分を兄と慕う人までいることを忘れちゃいけない。


「いいじゃねえか。お前ら2人で、過去に決着付けて来いよ」


そして仲間たちは、そんなスティンガーのことを全力で応援してくれる。

好きにしろ、というスティンガー。おそらく本編始まってから初めての、素直な笑みがこぼれています。



頼れる仲間たちと共に敵を一掃。

チャンプとスティンガー2人で台詞がハモる場面もありつつ。


●「相棒!行くぞ!」

「誰が相棒だ」

●「肩を並べて戦うんだ。まずは形から入らねぇとな!」

「フッ……勝手にしろ」


いっしょに物事をする相手。また、仲間。相手役。 同輩。同伴者。友達。
"あい‐ぼう[あひ‥]【相棒】", 日本国語大辞典, (参照 2023-03-28)

もう君たちは立派な相棒だよ。



今回のアクションの見どころはラッキーがぶん投げたキューソードのパーツを抜いてキューアックスに、残ったパーツはスティンガーがキュースピアの一部として使用する一連の流れ。こういうギミックができるからキュウレンジャーは良いんですよ。



その後は地上戦・巨大戦ともに問題なくクリア。



その後、オリオン号への帰還もそこそこに、スティンガーとチャンプは共に再びチキュウへ。

2人でスコルピオに少しでも近づくため、旅に出るのでありました。

彼らのその後の物語はVシネマ「Episode of スティンガー」を是非。




【以下雑記】

相棒コンビ結成~~~!!!!

初回ギスギスだったのに最終的にはBN団と張り合うレベルの仲良しかけがえないコンビになりますよ。ええ。まあその前に15話という壁がね、はい。


改めて見返すとキャスティングが本当に天才。

お岸さんのどこか儚い感じのお顔がめちゃくちゃにいい味を出している。ペンダントを見つめる時の顔とかもうね…。

今までは「怖い人」ってイメージだったのに、今回で「か弱い男の子が頑張って前を向こうとしている」にぐるっと印象が変わる。

一度お岸さんのライブにお邪魔して、至近距離でお話させていただいたことがあるんですけど、めちゃくちゃ瞳が綺麗な茶色で吸い込まれそう…って思ったことをふと思い出しました。


対するチャンプ。

ロボットで、動きも(メタ的な話おそらくスーツの可動域の関係で)ぎこちないこともあるわけですが、そこは中に入っておられる次郎さんがかっこよく動いてくださっています。そのうえでさらに渋かっこいい大塚ボイスですよ。スティンガーに「正義はどこにある」と聞くシーンの圧すごい。

それでも最初に怒る理由が「全部黙っていたこと」だし、和解の第一歩はスティンガーへの歩み寄り。今まで一方的に犯人扱いしていた罪悪感もあるんでしょうが、それ以上に彼自身の優しさが光る。アントン博士ありがとう。



さて、他のメンバーの話を。



今回で小太郎は一旦離脱。一度リベリオン本部に行ってあれこれ研修を受けてくるそうです。

おそらく本当の理由は大人の事情ならぬ、子どもの事情。

アクションシーンなどではしばらく離脱する彼のためにやや見せ場多めでお送りしております。


そして今回もダサかっこいいところを見せてくれた司令。

若者は良いねぇとくつろぎながらしっかり目に看板越しに攻撃を受けるというはちゃめちゃをやったかと思えば、少し離れたところにいる部下のピンチに銃弾を発射してピンポイントで当てるというファインプレー。これだから司令推しは止められない。ギャップの高さがエベレスト。


今回の一人称視点のカメラワーク好きなんですけどあんまりやられないよねぇ。撮影大変なのかなぁ。

一人称・360度回転させながらの撮影・地面に置いたカメラの上をバク転しながら横切るヒーローって私の中での特撮三大かっこいいカメラワークなんですけど滅多にないよね。なんで?特に最後の1つは一昔前はよくやってたじゃんねぇ。




次回:シリアスに挟まれたオアシスッ!!

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