12話 はなのみじかいゾウ
- _ ぬぺ
- 2022年10月7日
- 読了時間: 7分
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【あらすじ】
タスク回。
人間の世界の勉強のために本が読みたい、という彼。
しかし森邸には動物関連の本しかない…ということで、図書館へと出向くことになる。
【タスク】
そんなわけで地図を渡されて町に出かけて行ったタスク。
しかしどうやら地図が読めない。上下逆さまに開いてしまい、間違った方向へ。
アム(自力で平仮名くらいは書ける)よりも識字能力が低いとは思ってなかったな。同じか、タスクの方が上かと思っていたが。
多分本気で勉強したら呑み込みが早いのはタスクだけど、アムの方が勉強のスタート(こちらの世界に馴染むために腹を括ったタイミング)が早かったんでしょう。
たどりついたのは古書店:ひねくれ堂。
文字通りひねくれ屋の店主が経営する本屋。彼のこだわりの書籍を売っているらしい。
なお店主の大岩源九郎を演じるのは堀内正美さん。ドライブのフリーズ・ロイミュード役のお方である。
運悪く店主が客と揉めているところに出くわしたタスク。
喧嘩の仲裁をしようとして巻き込まれ、大岩さんと共に尻餅。腕を負傷した大岩から慰謝料を請求される。
勿論払えないと答えたタスク、店でのただ働きが確定しました。ハタキとエプロンと袖カバーを装備して途方に暮れるタスクくん、面白いな。
労働基準法的に多分アウトですが。
そんなわけで唐突に始まった古書店勤め。
偏屈な大岩さん、とにかく客を追い出す。
スマホを持っている人には盗撮だと難癖をつけ、高校生にはここは喫茶店ではないと言い、外国人には観光地ではないと言ってつまみ出し、本を落としたタスクには弁償させる。
●「どこの世界にも嫌な奴はいるんだな……」
見かねたタスクは、店主にそんな態度で店は大丈夫なのかと問うが、本を大事にしてくれないやつには売りたくないの一点張り。
真面目な話、町の片隅にあるような古い古書店にわざわざ出向いてくるような人たちは高確率で本のガチ勢です。自然と本を大事にしてくれる人の確率も高くなる。そういう人たちから敬遠されたらマジで誰も来なくなるぞ。
ページが折れてしまったため押し付けられた1冊の本。
『はなのみじかいゾウ』。
鼻が短いことで仲間からいじめられ、コンプレックスだったゾウが、他の動物の助けを借りて鼻を伸ばしてもらうというお話。
これに感動したタスク。
幼少期に親から読み聞かせをしてもらい、本に興味を持った自分の経験を思い出す。
同じように子どもたちにも本の素晴らしさを知ってもらおうと考える。
少しでもひねくれ堂の力になればと思っているんだろうな…。いい子だな……。
ということで、本を持って近所の公園へ。
アムに言わせれば「人見知り」のタスク、頑張って子供たちを集め、読み聞かせ会を開く。
……が。
👦「つまんない。サッカーやろうぜ」
子どもは手強いのである。
子どもたちは全員遊びへ戻り、残されたのはなぜか仁王立ちで絵本を朗読するタスク。もしかしなくても不審者である。
それを陰から見ていた大岩さん。子どもは本が好きじゃない、と悪態を吐きつつ見守る。
同じく陰から見ていたジュウオウジャー。こちらはアムの提案で飛び入り参加。
●「ゾウさん ゾウさん わたしたちが──」
●「わたしたちが なんとかしましょう!」
現れたのは、動物のコスチュームに身を包んだ「なかまたち」。
キャッチーな見た目のおかげで子供たちが集まってくる。
彼らに促され、読み聞かせは再開。
仲間たちが子供にリアクションを取って見せたり、質問を投げかけたり。
最終的に、ゾウが仲間に鼻を引っ張ってもらうシーンでは、5人で実演。そのままタスクがジューマンの姿に戻ったことでさらに臨場感あふれるおはなし会となったのでした。
●「みんな、他にも面白い本はたくさんあるんだ。今度はお父さんとお母さんと一緒に、ひねくれ堂に来てね」
最後は当初の狙い通り宣伝で締めましたが、見ていた大岩はそんなこと頼んでいないと激怒。
しかもタスクが人間でないことも問い詰め始める。
【ハッテナー】
そこに現れた助け舟。チームクバル所属のプレイヤーである。
学生帽+マントという、学士のような格好の怪人。
体の再生能力はすさまじく、4人の銃弾が貫通しても平気で再生する。
彼の最大の能力は、「ワードハンティング」。「文字」を奪うことができること。
単純に文字を奪うだけでなく、読み書き・会話能力も消失するため、言葉によるコミュニケーションができなくなってしまうというもの。
これによって文明は緩やかに衰退するというものである。
どうやらデスガリアンたちには手話やジェスチャーといった概念が無いらしい。
ジュウオウジャーは一気に連携が取れなくなり、ハッテナーに追い詰められる。
大岩と共に子供を逃がすために現場を離れていたため難を逃れたタスク。
文字が吸い込まれていくさまを見て狼狽える大岩を宥める。
●「僕も本が大好きだから。こんな素晴らしいものを、消させたりはしない。」
仲間たちに合流すると、そこには喋れなくなった4人の姿が。
先程の攻撃で、「ハッテナーの本体は帽子部分、そこを狙え」と伝えたい4人。
「言葉を奪われた」ことは伝わったものの、「帽子」は伝わらない。
切り替えて、「棒」+「牛」=「ぼうし」と伝えようとするも、やはり伝わらない。
というかタスクよ、「棒」は瞬殺するのに「牛」が伝わらないのはどうしてだ。
結局もどかしくなった大岩が乱入。
📚「帽子を攻撃しろって言ってるんだよ!馬鹿たれが!!」
分かってしまえば話は早い。
タスクが野生開放して瞬殺。
●「……本を、舐めるなよ」
巨大化したハッテナー。
一時的にジュウオウキングが乗っ取られるトラブルもあったものの、こちらもタスクの正確な攻撃で無効化。特に苦戦することもなく終了したのでありました。
戦闘後、ひねくれ堂にて。
タスクは大岩さんに「人間ではないこと」を周りに黙ってもらうことを交換条件として開放されました。
そもそも骨折も嘘だったわけだし。なんかいい話風に終わっているが結構このおじさんの言動アウトだぞ。
●「今度は客として来ます。ここには、良い本がありそうだから。」
📚「お前には、売ってやるよ」
読み聞かせの効果もあって、ひねくれ堂には子供たちが遊びに来るようになった様子。
大岩さんも一人称は「じいじ」、口ぶりから察するに読み聞かせの練習もしているみたい。
それを見届けたタスク。清々しい笑顔で一礼して店を去ったのでした。
【以下雑記】
🦅冒頭お絵描きシーン。力強くクレヨンを握って情熱的に描くレオと、鉛筆を使って写実的に描くセラ。なんか分かる。(ついでに言うと、それをただ眺めているだけのアムも分かる。)
なお、真理夫おじさんはレオの溢れ出るパッションを評価しています。「ガオー」「殴られた」などの的確過ぎるワードチョイス。芸術家の第六感的なアレだろうか。真理夫おじさんに彼らの正体を隠し通せるのは結構短い時間になりそうだ
🦅読み聞かせ。一応司書の勉強で薄っぺらい知識を仕入れているのですが。
📖読み聞かせにの際に、本は絵が相手に見えるように見せる。
📖表紙・中表紙・裏表紙もきちんと時間を取って見せる。
📖読む時はゆっくり・はっきりと。
📖そもそも選ぶ本も大事。プロは「何を選ぶか」からかなり勉強する。
📖読み聞かせに入る前の導入も大事。子どもたちを引き付ける工夫が必要。(メインの本のないように入る前の歌を歌う・手遊びする時間がよくあるのはこれ)
みたいなことは結構強調して言われた。この辺タスクくんはガバガバだったのでそら子供も逃げるわな~と思いながら見ておりました。
🦅と言うわけで、「掴みが足りない」とダメ出ししていたレオくんの着眼点は的確です。
🦅『はなのみじかいゾウ』。おそらくモデルはキプリングの『ぞうのはなは なぜながい』。
ゾウはもともと鼻が短い生き物だったが、とある子ゾウがワニに捕まり、そこから逃げようと頑張った結果鼻が伸びてしまう。その子の子孫はみな鼻が長く、今に至る…というお話。動物の生態にファンタジックに説明を付けるという割とよくある話のタイプの1つ。
🦅レビューをいくつか読んでいたら、暴力シーン(いじめとも取れるっぽい?)があるらしく、そこに難色を示しているレビュアーがちらほら。そんなシーン記憶にないぞ……
🦅作中に登場する絵本。文も絵もかいた人の名前をググったら何も引っかからず。イラスト可愛くて好きなんだが誰だろう…。
🦅仮装するみなさん。みんな着ぐるみの中、頭からサメに食われるサメ:セラちゃんである。
🦅そして大和の仮装、1カットだけ背中が見えるのですが……インコですね。インコの着ぐるみで、頭は被らず、おじさんの家から持ってきたと思われる鷲の頭を装備。頭が2つ……。
🦅突っ込んだらいけないことは分かっているが、大岩さん、自分の城に「ひねくれ堂」って名前つけてて笑った。自覚あるんかい。なおせや……。
次回:三角関係
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