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  • 執筆者の写真_ ぬぺ

呪術廻戦 8・9巻

更新日:2022年1月3日

読みました。えぇ。ありがとうピッコマ&漫画喫茶。

ふんわりとヤバいらしいと聞いていましたが予想を遥かに上回るヤバさだった。



五条と夏油の話。


運命の分岐点になったのは、天元と同化する星漿体の中学生:天内理子。

彼女のボディガードに選ばれたのが始まり。



もとより「最強」であった五条、(おそらく)努力型の天才であった夏油。


だからこそ他人のことが分からないのが五条。

他人に配慮するなんて面倒臭い、天上天下唯我独尊。良くも悪くも、最強ゆえの青年の驕りって感じ。


だからこそ優しいのが夏油。

弱者生存論を説く彼はきっと優しいんだと思う。優しすぎたんだと思う。

周りの事をいっぱい考えて、考えて、考え過ぎちゃう人。



理子は、特異体質であることを除いて本当に「普通」の女子中学生。

最期にぶちまけた本音が彼女のすべてで、夏油に手を伸ばして「うん」という彼女の笑顔が晴れやかなのがキツい。

あの笑顔と、それが無になる瞬間を見た夏油の心的ショックは計り知れないよ



無垢に天元を信奉し、無抵抗の女子中学生を一人殺しておいて笑顔の非術師

そんな彼らのために死んだ後輩

術師を、術師であるというだけで不当に扱った人々


どう考えても17歳の人が一度に喰らっていい情報量じゃない



非術師を守りたい気持ち、非術師をさげすむ気持ち

「どっちが本音か選んでいい」と言われた彼が選んだのが後者


もう後者を選んだ瞬間机に突っ伏すしかなかったよね

村の人に手を下したあとに両親を手にかける彼の動きから覚悟が感じられて心臓キュッてなる


夏油は神に等しい力を持った五条を隣で見てきて、「自分が神となり世界を救う」という結論を出した

自分がそれだけの力があれば、ってずっと思っていたのがよく分かる


五条の術式は自分がコツを掴めばなんとかなるモノで、

夏油の術式は他から奪う形で、自分が吐きそうな想いをしないと入手できないモノだったというのも多少は影響ある気がする



「選んでいい」と言われて選んだ道は、彼にとって本音であることは間違いないのだろうけど、それでも本当の本当の本音は全力で押しつぶしている気がする

「選んでいい」というのは、決して修羅の道を行けとか、自分に嘘をつけとか、そういう意味ではなかったはずなのに


「私に従え、猿ども」の「猿」の中には、過去の自分も含まれているような、そんな気がした

0巻で「高専時代は本当に笑えたことは無かった」なんて言っていたけど、五条と「最強なんだ」と笑い合っていた時の方がずっと穏やかな顔していたよ


あんなの見せられたら猿になるしかないやんね…?



一方の五条は同じように隣にいた夏油を自分にとって何よりも憧れの存在として見ていたのがよく分かる

じゃなきゃ、俺様主義の彼が教師になって若い子を育てる訳がない、一人称が僕になる訳がない

あれだけ生徒たちの青春を重視する理由もよく分かる。

自分ができなかったことを、自分の生徒には意地でもさせるんだと思っているのがよく分かる



2人がお互いに憧れて、お互いのようになろうとした結果、徹底的にねじれてどうしようも無くなってしまったのがこの2人の青春

2人の心中に思いを馳せるとただただ虚無感に襲われる

どうするのが良かったんだろうね…

2人とも、結局考えの根底にはこの世界を変えたいという想いがあって、行きつく先はきっち同じであるのがやるせない



そして名前。

誰よりも優れた力を持つ方が「悟」、誰よりも冷静で悟りを開い(てしまっ)た方が「傑」っていう名前なの、何の皮肉?

相手への尊敬の念がねじ曲がってしまう点も含めて、何もかもが皮肉で、「芥見先生趣味悪いな??好きです!!!」っていうのが正直な気持ちです



さらに最期。

パパ黒は、死の間際に悟の茈で片腕が吹っ飛ばされている

一方の傑は0巻で、悟だけに見せた最期では同じく片腕が吹っ飛ばされている

左右が違うとはいえ、余りの酷似

2人がねじ曲がったきっかけになったのがパパ黒であったことくらい悟も気づいているはず。

そんな因縁の相手とも言えるであろう姿を彷彿とさせる親友を見た悟は何を思ったんだろう。

こういうところも、ほんとに。芥見先生、センスが最高で最低。好き。



最後に。

お願いなので過去編はしっかりアニメ化してください。

動いているところが見たいし、声が吹き込まれているところが見たい。

櫻井さんと中村さんのお芝居を堪能したいです…



渋谷編は、どこかで時間のある時に。


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