ラストニンジャを超えるため、覚悟を抱いた孫と弟子。
倒す相手は、恐るべき敵、牙鬼幻月・新月親子。
試練を乗り越えし強き忍者は、忍なれども忍ばない!
【あらすじ】
いざ、対九衛門戦。
とはいえこちらは手裏剣忍法を封じられた状態。そのまま戦って歯が立つわけがない。
けれど、その程度で諦める彼らではない。
新月と交戦する天晴は流石にコテンパンにやられてしまう。
何もできない彼を嘲笑う新月に、彼だって好天の弟子だったと言い返す天晴だったが、新月はそれは目的のためだったと拒否。
🦊「やつだって僕を、自分の息子の踏み台程度にしか考えていなかったのさ」
●「爺ちゃんはお前を踏み台なんかにしてないってことくらい、俺でも簡単に分かる!」
(ここで「俺でも」って言うの、自分の馬鹿さをよく分かっている天晴らしい言葉選びだ)
●「爺ちゃんは願ってたんだ。競い合って、互いに高め合って、支えあえる、俺たちみたいな仲間!お前と親父も、そういう風になれることを願ってたんだよ!
忍者とは、仲間とともに高め合って成長していくものである。
他ならぬ天晴たち自身が、1年かけて証明してきた。
それに対して怒鳴りながら天晴を蹴り飛ばす新月。
今まで聞いたことのないような絶叫、きっと新月自身もうっすら気づいていたんだろうな。
順に仲間たちも合流。
●「勝つさ。俺たちは6人だからな」
●「俺たち6人がいれば、忍タリティは湧き上がってくるんだ!」
気合と仲間の存在のおかげで全員の忍タリティが復活。
手裏剣ではなく、忍タリティを用いた変身。
最終回恒例の素面名乗り!
口上→スーツ着用→バク転→名乗り→メットオンの流れ最高。
(おそらくワイヤーを処理するため)グリーンバック使用とはいえ、しっかりバク転決めて下さるとは思わなかったのでめっちゃ嬉しい。名乗りのたびにアクロバティックなニンニンジャー、「忍なれども忍ばない」を体現していて好きだったんだよね
怒涛の勢いで攻撃を重ねた後、新・手裏剣忍法奥義:超絶衝撃爆裂斬で勝負。
新月の牙凌道究極奥義:孤月乱舞と勝負し、競り勝つ。
CGやばいな…邪推だけど今作結構予算面に余裕のある終わり方したんじゃないの?
5つの封印の手裏剣の力が失われ、元の姿に戻った九衛門。
前回「戻して」って言ったらマジで戻ったの笑っちゃったよね。
🦊「奴を…伊賀崎好天を超えるのは…この僕だったはずなのに」
まだ立ち上がろうともがく九衛門のもとに変身を解いて歩み寄る天晴と仲間たち。
●「お前さ、爺ちゃんのこと憧れてるんじゃないのか」
確かに最初は目的のために近づいたのかもしれない。
しかし、好天や旋風と暮らすうちに、キンジと同じように家族のいなかった自分にとっての新しい家族として2人を見るようになった。家族が欲しくて、伊賀崎家に居場所を見出すようになっていた。天晴たちと同じように、好天の背中を追ってラストニンジャになりたいと思うようになっていた。
最初は否定したが、天晴とキンジの説得でようやく自分の本心と向き合う。
🦊「僕は……奴に憧れていたのか…?」
素直になった彼の言葉に合わせ、好天から受け取った手裏剣が光り輝く。
緑色の変化忍シュリケン。
●「ひょっとして、九衛門のために用意していた手裏剣?」
好天は最期まで、九衛門が自分の弟子としてまた活躍してくれると信じて疑わなかった。
だから彼のための手裏剣は肌身離さず持っていた。
もし彼が少しでも素直になっていれば、7人目のミドニンジャーがいたのかもしれない。
(それはまたVシネで、ということなのでしょうが)
やっと知ることができた好天の本心を見て、泣きそうになる九衛門。
👹「宿命から逃れることなどできぬ」
幻月、参戦。
彼から見れば九衛門は自分の復活のための道具に過ぎず、そのために粉骨砕身働くのが彼の宿命。用が済んだ彼にはもう存在価値はない。
躊躇うことなく九衛門を吸収して大きくなった幻月。
最終決戦は巨大戦。ゲキアツダイオーで出陣。
追い詰められるが、そこは限界を超えてイケイケドンドンの気合で乗り切る。
どうせこれが最終決戦なのである。
👹「伊賀崎に生まれ、忍者として我が一族に刃向かった、宿命を悔やむが良い!」
●「悔やんだりするわけないです!」
●「例え違う家に生まれても、忍者になるんだから!」
●「僕らが今いるのは、誰の意志でもない!」
●「俺たち自身の意志で、忍者になったんだ!」
●「宿命なんて、関係ありやせん!」
●「九衛門だって、俺たちと同じなんだ!」
●「俺たちは」
「「「「「「ニンジャだ!」」」」」」
良い(語彙吹っ飛ぶ)
まず、「九衛門も同じ」という発言。暗に彼のことも伊賀崎の忍として、好天の弟子として、そしてラストニンジャとして認めた発言。
思い返してみれば、九衛門も1年間ずっと、ニンニンジャーと同じく終わりの手裏剣を求め続けていた。他の幹部たちは「終わりの手裏剣を手に入れる」と表現していたものの、九衛門だけは度々「ラストニンジャになる」と言っていたな。
それに、「十六夜流」と我流に走ったものの、(実際は違うのに)忍であり続けた。今思えば「守破離」と言っても良いのでは?
本質はニンニンジャーたちの夢となんら変わらなかったわけだ。
だからこそ天晴たちは九衛門を認めたし、だからこそ彼は幻月の身体から脱出できた。
そして「俺たちはニンジャだ!」の台詞。
1話のサブタイトル、ここで回収したか……!!
1話では(天晴除く)全員が忍者に乗り気じゃなくて、「ニンジャ」と聞いて「童話」と切り捨てた彼らが、「自分たちは何があっても自分の意志で忍者になっていた」と啖呵を切るの、熱すぎる。
トドメは毎度おなじみ「激アツ大フィーバー」。
👹「例え倒されても、古き世界を滅ぼすため蘇るのだ。楽しみにしておれ」
再びの登場をほのめかし、戦国最強の男、退場。
その頃、九衛門は。
廃墟の中、力尽きそうな体で終わりの手裏剣を眺めていた。
🦊「悔しいが、僕の負けだ」
死の間際に彼が見たのは、旋風と共に修行を積んだ道場と、そこで笑顔で彼に手を差し伸べる好天。
🦊「お師匠……」
最期に再び、好天を「師匠」と呼んだ伊賀崎の弟子の1人は、他ならぬ好天と同じく、光の粒となって消えたのでした。
彼が現れる時によくなっていた鈴のSE、こんなに悲しい音だったっけ。
幻月は倒したが、街はもとに戻らず、妖怪も消えたわけではない。
そんな彼らのもとに、終わりの手裏剣が現れる。6人揃ってラストニンジャと認められたから。
37話(RPG回=終わりの手裏剣初登場回)の私の感想なのですが、
多分「6人が一緒に頑張る」「6人の得意分野で補い合って戦う」あたりのことが結論として「ラストニンジャ」の条件みたいになるんじゃなかろうか。
本当は割とえぐい事実がありましたがおおむね合っていて嬉しい限り。
というか、好天さん、先代を手にかけないとラストニンジャになれないことを知っていながらこのRPGを作ったのか。間違いなく彼らなら新しいラストニンジャになってくれると信じていたからなんだろうね。
だから本人たちに直接言ってやれよ、と何度も言っているのに。
考えた末、6人が願ったのは「終わりの手裏剣が無い世界」。
幻月が再びやってくると宣言した以上、リスクとなり得るものは極力排除しておきたい。
即ちラストニンジャにもなれないわけだが、自分たちは新たな道を進むと決めた以上、もう彼らに終わりの手裏剣は必要ない。
「「「「「「終わりの手裏剣の無い世界に変えよ」」」」」」
もとに戻った町を前に、改めてすべてが終わったことをかみしめるニンニンジャー。
そして天晴は「ニューラストニンジャ」になることを決意するのであった。
それに応じて、仲間たちも自分なりの忍者道を究めることを決意する。
なんでも忍者付ければいいと思っているフェーズから、何でもラスト付ければいいと思っているフェーズに移行したわけである。
仲間たちがはしゃぐ中、天晴は笑顔で緑の手裏剣に語りかける。
●「生まれ変わっても、忍者になって来いよ」
「「「「「「忍ばず…ワッショイ!」」」」」」
後日。
1人道場を出て行こうとする天晴。
ニューラストニンジャになると決めた以上、居ても立ってもいられなくなり、修行の旅に出ることにしたという。
勝手に出て行くなと引き留めるキンジだったが、彼もまた修行のために世界を駆け巡るつもりであった。
さらに八雲も黙ってイギリスに戻ろうとしていた。
なんで白いフクロウ連れてるんだよ。今まで出て来なかっただろそれ。
なお、霞も研究室に戻るつもりだった。
なんでみんな勝手に出て行こうとするのかね?
シンケンジャーの最終回を見習え。
高校生の2人はまだ出て行くわけにもいかず。
改めて修業が終わってバラバラになるということを理解する6人。
けれど、もう会えないというわけではない。
みんな家族だし、またいつかはここに帰ってくる。
旋風は提案する、
2年後、全員ここに帰ってくる。
そして誰が一番強くなったかの中間発表をする、と。
もしかして:「帰ってきた」の匂わせ
それぞれの道を歩み始めたニンニンジャー。
まとめ役の忍者になれると言われた八雲は、母校でマジカル忍法を教えるべく教鞭をとっていた。ドラゴンの術ではティラノサウルスを出現させて困り顔。やっぱりドラゴン大好きな八雲くんである。
愛される忍者になれると言われた風花は、「事件記者ペスカトーレ2」なる作品のオーディションに参加。「アイドルになりたい」発言聞いたときも思ったけどそんな話あった?私が見逃してただけか?
特技として忍術を披露し、一緒にオーディションを受けた子を気絶させております。
慕われる忍者になれると言われた凪は、大学受験に向けて勉強中。公務員になるのかな。
サッカーで人手が足りない時には分身の術で手伝っているらしい。風花もだけど、「友達に忍者ってばらしたらいじられそうで嫌」と言っていたころから随分変わったなぁ。
というか図書館ではお静かにね!!!
世界を股にかけて活躍できる忍者になれると言われたキンジは、とある異国の地でおでんの屋台を経営していました。
おでんを「ニンジャ料理」と称するのは日本文化への誤解を与えないだろうか。
仲間を更に高みに導く忍者になれると言われた霞は、研究仲間を先導して手裏剣と科学を融合した実験に励む日々。
完全に天晴の口癖が移っています。
最も強い忍者となれと言われた天晴は、小さい子どもたちの師匠となって忍術を教えているところ。
ということは、もしも生まれたときから、「前世からの宿世」とかいうやつで忍者になりたいと思った子供がいたとしたら、きっと彼のもとを訪れるんじゃないだろうか。
【総括】
まずは半年間ありがとうございました!
軽く1話を見直してきましたがやっぱり顔つき変わってるなーと。
個人的には完全に幻月が巨大戦ノルマで消化された感否めないのが気になっていますが、まあ九衛門は本題だったと思うので仕方ない部分もあるのかな。
全47話。
「熱くて明るく元気」という作風を維持したまま、「家族」「1人でいるよりもみんなでいた方が人間は成長できる」みたいなテーマは最初から最後まで一貫していて気持ちよく見られました。伊賀崎家に対するミラーリングとしての牙鬼家の作りもよくできていた。
脚本の癖もあるんだろうけど、勢い重視のロジカルぶん投げ展開がちょいちょいあったのは否めませんが、作風が作風だけにそんなに気になるほどでもなく。楽しかったです。
この楽しさと、作りこみの丁寧さにしては人気があまり感じられないのおかしくないか。私がTL構築失敗してるのか…?
メインの役者さんたちも皆さんまだ引退せずに活躍しておられるとのことで。
個人的には今見ている「鎌倉殿の13人」に旋風さん・霞ちゃん・30話ゲストの高坂キキョウさんが出ているのを見て妙な感慨に浸っておりました。特に旋風さん・霞ちゃんは中の人のTwitterで再会した報告をしてくださってものすごく嬉しかった。
主演の西川さんがついこの間10周年に言及しておられたし、どうか実現してほしいなぁ。
帰ってきたのCMも見ましたが訳が分からないにもほどがあったのでいつかは見ようと思っております。
半年間とても楽しかった!また愉快なニンジャたちに会えますように。